【感想備忘録】:『東北大学加齢医学研究所 川島隆太教授監修 脳を鍛える大人のNintendo Switchトレーニング』(NS)

投稿者: | 2020-08-23

今後もアップデートされる可能性があるけど、現時点での感想を書き殴っておきたく。

■発売初期の印象(Ver1.1.0)
Nintendo Switchということで、タッチスクリーンがDS、3DS時代と違う静電式になるため、文字入力は相応にスムーズになりそうな印象を持っていた。実際、旧作に比べて文字は書きやすくなった。スラスラ書けるのが好感触。

ただ、数字・文字の認識精度には難がありすぎる。特に数字の「5」。妙に認識せず、その影響でタイムロスに繋がることばかりで、苛立つ一方だった。これまで通り鬼トレ1本にして、こっちはリタイアしようと考えたぐらい。

何故、こうなっていたのかは後日のアップデートで明かされたが、「2画」入力の判定が正確すぎる仕様だったため。早く書くと1画に判定されるらしく、認識しにくくなっていた。静電式に移行するに当たり、変更した結果なのかもしれないけど、ちょっと厳しくしすぎた感。自分の場合、旧作で早く書く癖が付いてしまっているので、もう少し猶予を持たせた設定(判定)にして欲しかった。
むしろ、テスト段階で変なことに気付いてくれれば……。

■アップデート後(Ver1.2.0)※現時点の最新Ver.
1画設定が選択可能になって、DS時代の旧作、鬼トレとほぼ変わらぬ感じに5が認識するようになった。現在は「計算100」で鬼トレの平均タイムが出るようになって、大幅に安定。それと、鬼トレの「鬼記号」から制限時間を取っ払った「ワーキングメモリートレーニング」が追加され、わざわざ鬼トレをやらずとも十分な内容になった。

とは言え、「釣銭渡し」と「時間計測」のトレーニング、鬼トレに至っては「鬼カップ」などが収録されていないので、今も変わらずプレイ中だが……。今後のアップデートでそれらが追加されたら、今度こそ卒業の時かなと思う。

また、アップデートに合わせて「大会」が追加。何度か参加したけど、トレーニング内容が偏り気味(かつ、本編収録のもの中心)なのが気になる。この大会限定のトレーニングとか、イベント的なものがあって良いように思うのだけど。これもアップデートが予定されているなら、検討されているといいなと思う。「釣銭渡し」とか期待しています。

■Nintendo Switch版全体の印象と強み
やはりレスポンスの良さに尽きる。元々、DS時代からその点にはこだわっているシリーズだけど、本作は歴代屈指だと思う。再プレイ時に教授が話している際にもメニュー画面へ戻れる、メッセージ送りの大幅な簡略化、起動の速さなど。これに慣れたら、鬼トレなどの旧作に戻りにくくなるほど。特に前作の鬼トレは、ボイス演出採用の関係でテンポが大分落ちていたので、今回の原点回帰、かつ正統進化を貫き通したのは素直に嬉しい。

DSiウェアの「ちょっと~」シリーズみたく、トレーニングを3つ(※なんでも良し)プレイした後に「今日はこの辺にしますか?」と終了を促すメッセージが復活したのも嬉しい。このおかげで好みのテンポでプレイしていける。

けど、スイッチ版で最も有難味を感じているのはアラーム。時間を設定する度にJoy-conが震えて教えてくれるので、常に決まった時間にプレイできるし、目覚まし代わりにも使える(笑)。これまでのシリーズは比較的、プレイ時間がバラバラになりがちだったので、それを統一できるようにしたこの機能は今後のスタンダードにしてくれればと思う。まあ、将来的に新作が出たとしても大分先のことになる可能性は高いけど。

トレーニング絡みではJoy-conの「モーションIRカメラ」を使った「指計算」、「指体操」が楽しく、スイッチならではの遊び心地があって楽しい。認識精度も高く、プレイスタイル(持ち方)にもそんなに負担がかからなくてイイ。

カメラを使わないトレーニングでは「名曲演奏」が決定版に進化した印象。収録楽曲数もさることながら、直接手を使って演奏するスタイル特有のなりきり感が楽しい。いざとなれば、旧作みたくタッチペンでもやれるのも嬉しいところ。ただ、今回から鍵盤の同時押しが加わった関係で、一部の楽曲はペンだと100点満点は取れなくなるが。

あと、「かえるの合唱」の譜面が刷新されたのが嬉しい。転調の度に譜面の配置が変わる仕掛けが違和感バリバリだったので、それが無くなって自然に演奏できるようになった。あと、このスタイルだと難易度的に地獄じゃと懸念していた『ダイ・ハード3』の挿入曲こと、「ジョニーが凱旋するとき」の収録見送りもナイス判断(笑)。あれはタッチペン、指のどちらでもヤバいことになりかねないので、適切な判断に感謝。

ただ、鬼トレに収録されていたゼルダの伝説のテーマ曲が省かれたのはちと残念。むしろ、今回は任天堂タイトルの楽曲が無かった(細菌撲滅だけ)のが残念に感じた。
一応、世界的に有名すぎるパズルゲームの曲(民謡)が追加されてはいるけど……。

他に音読トレーニング「新聞朗読」も現代文中心なのでやりやすい。旧作の音読トレーニングで、古典(特に森鴎外の『舞姫』)が紛れ込む度に地獄のような目を見ていた人間としては、旧作には戻りたくありません……。
ただ、数字が紛れ込む内容だと読みにくく感じるが。(単なる個人差と思われ)

■今後
数字の認識精度は大分、改善されたけど、消しゴムだけ判定される時とされない時があるのがストレス(現在、タイムロスが生じる原因の大半がこれ)。また、「漢字合成」はまだ認識精度に難がある印象。正しい書き順でも認識されない例がある。もし、今後もアップデートが検討されているなら、これら2ヶ所は直して欲しいと思う。
あとは先の通り、大会周りにもう少しイベントがあれば……か。

当初は数字の認識精度に苛立ちMAXだったけど、今は鬼トレよりもプレイ時間を割く存在になってきている。今も鬼トレと本作は並行させているけど、将来的にはこちらに統一し、鬼トレは卒業しようかと検討中。

しかし、鬼トレは気付けば出席日数がこんなこと(↑)になっているので、行ける所まで行くまでか……とも。いずれにせよ、出来に関してはシリーズの中でも屈指のレスポンスの良さ、快適性を誇る点で十分に良作と言える。繰り返しになるけど、今後もアップデートが検討されているなら、トレーニング追加はもちろん、細かい不備の修正も施し、決定版と豪語できる出来にしてくれればと思う。

あと、川島教授(※御本人)は名を冠した大会を開催する時期ぐらい、どうぶつの森は自重してください。今後も同じ大会が行われるのかは謎だけど……。

どうでもいい話だけど最近、NHK総合を流していたら川島教授御本人が出演されている番組が流れて、思わず画面に目を向けてしまったこの頃です。
(※どうやら出演される時とされない時があるらしい)