【ゲーム回想録2021】:新作&旧作ベスト5ほか

投稿者: | 2022-02-20

今更極まりない2021年発売新作ゲームの個人的なベスト5。
色々あり過ぎて、一昨年を上回る2ヶ月遅れになってしまった。

もう、既に2月も終わりに差し掛かる頃だが……本当に2021年は時空が歪んでいる、としか言い様がないぐらい、懐かしいタイトルの続編、リメイク、リマスターなどが存在感を放つ年だった。
また、任天堂のゲームを1本も買わずに終わる(個人的に)珍しすぎる結果に終わった一昨年とは対照的に任天堂のタイトルが続々参上。その中には待ちに待ったものどころか、発売されるとは夢にも思わなかったシリーズの新作もあって、久方ぶりに興奮させられた。何だか似たように任天堂タイトルの存在感が薄かった2016年から、大きな巻き返しを見せた2017年の流れが再現されたような印象がある。

そんな2021年度のマイ・ゲーム・オブ・ザ・イヤーも任天堂タイトル。
というか、既にTwitterでは先日にバラしているもの。

本当……まさかこれが発売されるなんて夢にも思わなかったぞ。
Nintendo Switchの『メトロイド5』こと『メトロイド ドレッド』だ。

数十年前、幻に消えたと思われた2Dメトロイドシリーズの完全新作が、2017年発売の大傑作リメイク『メトロイド サムスリターンズ』を手がけたマーキュリースチームの手によって遂にお披露目。「メレーカウンター」や「エイオンアビリティ」といったサムスリターンズ由来の新要素を継承・発展させつつ、捕まれば問答無用でお陀仏の強敵「E.M.M.I」を追加し、シリーズ随一の恐怖感と手ごわさを打ち立てた最新にして最強の2Dメトロイドが爆誕した。
特に操作性の良さは間違いなくシリーズ史上最高レベル。難易度も「サムスリターンズ」由来の手ごわさで、とりわけボス戦は「正気か!?」と思える難しさだが、やればやるほどに上達が感じられ、周回プレイ時には華麗に倒せるようになってしまう芸術的なバランス調整に唸った。マップ構成もさすがは探索型アクションの始祖と言わんばかりの出来。『メトロイドフュージョン』に引き続き、サポートAIの「アダム」が続投しているが同作ほどの明確な指示はなく、基本自主的に道を開いていくことに徹する作りながら、次の進路に気付きやすくするための配慮が徹底的に成されており、全く持って迷うことも、やらされているとも思わせないまとめ方で鳥肌が立った。他にも怖くも面白い「E.M.M.I」との遭遇イベント、サムスリターンズの伏線を綺麗に回収しつつ、驚きの新展開を予感させるストーリーに実はヒントも兼ねたムービーデモなど、感銘を受けた部分多数。エリア移動間のロードの長さ、バランスは取れてるけど苛烈にしすぎなきらいもあるボス戦、グラップリングビームで開けるゲートの存在意義と違和感などの欠点もありはしたが、それを些細なものにするほどに本編完成度は並外れている。個人的に事実上の『メトロイド サムスリターンズ』続編とも言える手触りが最高で、よくぞ作ってくれたとの感謝の気持ちもいっぱいだった。まだまだ書き殴りたいことはあるが、長くなってしまうからこの一言に全てを集約しよう。

メトロイド オモロイド。

そんなオモロイドなドレッドに続いた4本は以下に。

■ファミコン探偵倶楽部 消えた後継者・うしろに立つ少女(NS)
本来なら2020年内に発売され、遊べるはずだった名作テキストアドベンチャーのリメイク作。最初の発表から約1年半の時を経て、ついに2021年5月14日に参上。原作であるファミコンディスクシステム、スーパーファミコン版のストーリーや雰囲気はそのままに、手の込んだアニメーションと現代風に改良されたシステム、痒い所に手の届いたオプションが光る豪華版というに相応しい逸品だった。誰があのキャラクターやこのキャラクターを演じるのか、発売前から気になっていたフルボイスも想像以上の馴染み具合。配役も絶妙で、とりわけヒロインの橘あゆみ役に『BS探偵倶楽部 雪に消えた過去』で彼女を演じた皆口裕子さんが続投するというのには本当に驚かされた。だが、一番驚きをもたらしたのは我らが”ひとみちゃん”であった。まさか……あの御方が配役されるとは思いもしなかったよ。でも想像以上のハマりぶりでしたよ。それだけに『メトロイド ドレッド』発表時は穏やかならざる心境でしたよ。なんでここでドレッドの名が出てくるのかの詳細は伏せる。ひとまず、そちらは杞憂に終わったのだが……(以下、続く)

■バディミッション BOND(NS)
前述のファミ探に先んじて現れた完全新作の任天堂発アドベンチャーゲーム(※開発はコーエーテクモゲームス)。もの凄く気になるけど、これはファミ探が発売した後に……ということで、年末間近に買ってプレイしたけど、紛うことなき力作にして大作。ボリュームの大きさ、登場人物を徹底的に掘り下げ、時にどんでん返しも決めてくるストーリーに度肝を抜かれた。バディを組んで情報収集をしたり、3Dのマップを探索したりなど、ゲーム要素も割と濃い目で、思いのほかやり応えがあったのにも驚き。3Dのマップ探索こと、潜入パートは若干、冗長に思うところもあったが(特にラスト)、全体的に『新・鬼ヶ島』や『遊遊記』、『はじまりの森』が脳裏を過ぎる手応えが懐かしく感じた。その意味では本作、それら3作の系譜に連なる新作とも言えたかもしれない。
ただ、最後までプレイして心底思ったのは、これはファミ探より先にやった方が賢明だったかも、ということだった。詳細はネタバレになるために伏せるが、一言だけ。黒幕ェ……。
(それ以外だとQTEが演出も含めショッぱすぎた。さすがに作りが前時代的すぎないか……)

■NO MORE HEROES 3(ノーモア☆ヒーローズ3)(NS)
前述のファミ探(またかいな)と同じく、本来なら2020年に発売されるはずだった殺し屋アクション10年ぶりの新作。初代、続編の良い所取りに徹したゲームデザイン、シリーズ史上最高クラスの突き抜けまくりなボス戦とストーリーに魅了させられた怪作。特に良かったのがゲームデザイン……具体的にはランキング用資金稼ぎのパートで、1作目のボリューム感と2作目のテンポを両立させたまとめ方になっていたのが見事。反動で1作目のようにボス戦前の道中が無くなってしまったけど、その分を豊富なミニゲーム(アルバイト)、ボス戦本番及び事前のイベントに当てて補っていたため、物足りなさは一切感じなかった。ボス戦も今回は本当に満足度が高い。ヴェルベット・チェアガールとミドリカワミドリ、ソニックジュース、そしてラスボスには大いに笑わせていただきました。中でもラスボス、まさか(個人的に)13年ぶりとなるアレをこのゲーム経由で遊ぶことになろうとは夢にも思わなかったぞ!(汗)他にも歩きながら可能になったビームカタナの充電、レインボーな出血表現機能とか気に入った箇所多数。間違いなくシリーズの決定版とも言える出来。何年後になるか分からないけど、アレと大喧嘩する続編も楽しみにしておきます(笑)。

■LOOP HERO(PC/NS)
2021年に遊んだゲームの中では最も革新的だったと言い切れる1本。手持ちのカードを用いて建造物、自然物を配置し、探索と戦闘を自動的に繰り広げるヒーローを支援するという異色のゲームシステムと、ただ眺めるだけなのにやたらと慌ただしい遊び心地が凄く良かった。相応に中毒性も高く、気付いたら1~2時間が吹っ飛んでいたこともしばしば。若干、ローグライク由来の要素も盛り込んでいて、ヒーローが力尽きれば最初のループからやり直しになったり(ただし本編の進捗はリセットされないので、繰り返し挑み続ければいずれは突破可能に)、やり直すたびに以前とは異なる戦略を考える必要が生じるといった所も刺激的で退屈させられなかった。
発売初期はゲームテンポがゆったり気味だったが、後発のアップデートで高速化が可能になったことでそれも改善。さらにはNintendo Switch版も発売され、場所を問わず遊べるようにもなってしまった。個人的にはマウス操作の快適さがツボだったことから、スイッチ版は購入せずだったが。ただ、このゲームシステムの革新性は機種を問わず共通している。ストラテジー系のゲームが好きで、まだ遊んでいないという人には全力で推したい。

そして、ベスト5には入らなかった次点の新作5本。

■Inscryption(PC)
「なんで初プレイなのにセーブデータがあるんだ……?」

「なるほど、最近流行りのデッキ構築型ローグライクか」

「いや、待て……違うぞ、これ。」

「……と思ったら、普通にデッキ構築型ローグライクだ。」

「あれ、やっぱり何か……」

「ひ、ひいぃぃ!ギャーーッ!!」

「だれだお前!?」

「!!!?」

……間違いなく2021年屈指のインディーゲーム。
なのにベスト5に入れなかったのかは生理的にクる演出があったためです。許せ……。
(窮地を打開するための要素にしたって、あれをあのように使うのって……)

■UnMetal(PC/XB1)
見た目は某メタルな歯車。しかしてその実態は、主人公のうろ覚えな脱出劇を追体験する斬新なストーリー構成と、それを活かした演出が光る意欲作だった。思いもしない発想とユーモア満載のネタの数々に感服。難易度やストーリーの流れを一変させる選択肢の数々にも笑いっぱなし。最後のオチもズルい……。

■ElecHead(PC)
「通電」と「分離」をテーマにした発想豊かなステージが異彩を放つパズルアクション。一体、何度遊びながら「その手があったか!」「確かに!」「そういうのもあるのか」とボヤいたことか(笑)。ゲームプレイを通して語られる物語と、緩急が綺麗に描かれた難易度も見事。

■スーパーマリオ3Dワールド+フューリーワールド(NS)
厳密には『フューリーワールド』の方。ついに現れたオープンワールド型3Dマリオに感無量。ボリュームは控えめだったが、密度ギッシリで遊び応え申し分なしというバランスの取れた作りが素晴らしかった。あと、三毛猫かわいい。

■レインパレード: イタズラ雲の冒険 !(NS/XB1/PC)
可愛らしい世界観でありながら、やることは鬼畜の所業という無茶苦茶さで笑った快作。バリエーション豊かで小ネタ満載のステージの数々が素晴らしかった。意外に手応えのある難易度(厳密にはパズル性)も好感触。

そのほかでは『Mare』(MQ/MQ2)、『Axiom Verge 2』(NS)、『Newポケモンスナップ』の3本。残念ながら、現時点でも未クリアのため選出できなかったけど『UNSIGHTED』と『スカーレットネクサス』の2本も好感触だった。どちらも早い内に一区切り着けたい。

昨年該当作なしだった旧作のベストは『シロナガス島への帰還』(PC)

これで税込500円はどう考えてもおかしい、と言いたくなるボリュームと怒涛のストーリー展開に度肝を抜かれた傑作。ストーリーに関しては、本編クリア後のおまけでのやりたい放題ぶりも色んな意味で印象的だった。2022年には豪華声優陣によるボイス演出がプラスされたNintendo Switch版が発売予定とのことで、さらに人気を集めそうな予感。既プレイ組の人間としては、一部、ボイスがないことを前提に設計されていたイベントがどうなるのかが若干、気がかりだが。上手くアレンジされていることを願う!

他の旧作ベスト5としては『千里の棋譜 ~現代将棋ミステリー~』(NS/PS4/PC)、『深世海 Into the Depth』(NS)、『HUNTDOWN(ハントダウン)(PC/XB1/NS/PS4)、そして『ゼルダの伝説 スカイウォードソード HD』(NS)。『ハントダウン』は2021年発売タイトルだが、元々2020年にPC、Xbox One版が先行発売済みのタイトルだったことから旧作に回した。

ただ、昨年遊んだ横スクロールアクションゲームの中では3本の指に入る傑作だったことは声高に言っておきたい。今ならNintendo Switch、PlayStation 4向けにはパッケージ版が販売中のほか、PC版先行で追加された「アーケードモード」もプレイ可能。アクションゲーム好きならぜひ。

最後に部門別ピックアップ。
例年通り10部門ごとに該当した印象深い作品をピックアップ。

■惜しい部門:『サイバーシャドウ』(NS/PS5/PS4/XB1/PC)
2021年度随一の「not for me.」。悪いゲームではないのだが、パターンゲーが作りたいのか、死にゲーが作りたいのか方向性がどっちつかずなステージ構成が個人的には凄く癪に障った。特に敵の配置に関してはもう少し、理に適った形にできなかったのかと不満しかない。即死系のトラップも、ほんの僅かでも操作を誤れば問答無用でミス確定になる”あそび”(という名の余裕)のなさがあまりにも度し難い。これを”洗練されたレベルデザイン”などと豪語して売り出した国内版の販売を担当したインティ・クリエイツ(というよりはプレスリリース執筆者)には「お前は何を言っているんだ」の一言。悪意あるレベルデザインが正確だろう。
しかしながら、ボス戦は「パターンゲー」を終始貫き通した作りで大変面白かった。悲壮感溢れるストーリーとエンディングも印象に残っている。それだけに道中のどっちつかずぶりが残念。難しくするにも悪意は抑えて欲しかった。

■ネタ部門:『ソード・オブ・ザ・ネクロマンサー』(NS/PS4/XB1/PC)
これがスペイン流の百合というものか……。(困惑)

■ギャップ部門:『Aeon Drive』(NS/PC)
脳が震える二画面縦シューティング『Dimension Drive』の続編推参!
今回は横スクロールアクションだ!
この変貌ぶりにギャップを感じないとか、さすがに無理がある(汗)。

■キャラクター部門:河合ひとみ(『ファミコン探偵倶楽部 うしろに立つ少女』)
任天堂屈指の裏ヒロインが悲願の高画質化&声帯獲得を果たし、令和の世に蘇った!
元々面白かった台詞が全面的にアレンジされ、容姿にも一捻り加えられていた所に爆笑。
だが、それ以上に衝撃的だったのは声優さんである。なにゆえあの御方!!?(大困惑)

■グラフィック&ビジュアル部門:『NUTS』(NS/PC)
この色遣いだけでも一択となってしまう。

■ミュージック部門:『アクトレイザー・ルネサンス』(NS/PS4/PC/iOS/Android)
伝説的名曲「フィルモア」、作曲者御本人のアレンジと共に大復活。
新曲にもスーパーファミコン音源のバージョンを用意するこだわりが素敵だった。

■アイディア部門:『ElecHead』(PC)
紛うことなき2021年度アイディア大賞。巧みすぎる仕掛けの数々に感服。

■残酷部門:『Inscryption』(PC)
もはや何も語るまい……。
あんな使い方をするとか、想像すらしなかった……。

■癒し部門:『Newポケモンスナップ』(NS)
置鮎さん(カガミ博士)の声にも癒されました。(おい)

■どうしてこうなった部門:『帰ってきた 魔界村』(NS/PS4/XB1/PC)
心の底から「二度と帰ってくるな」と言いたくなった2021年屈指の期待外れにして駄作。何で『極魔界村』で痛烈に批判された探索要素を続投させ、それを真のラスボスとの対決条件にしたのか。しかも、関連アイテムの隠し場所はノーヒントに加え、手に入れるためには一回、ミスしてチェックポイントからやり直さなければならないとか面倒極まりないし、単純にノーミスで取れないという時点でおかしい。2周目も過去作にあったストーリー上の理由付けがなく、なぜやる必要があるのか分からないのもモチベーションを殺ぐ。難易度も残機制撤廃に甘えたとしか思えない理不尽な敵配置と物量が目に付く上、ボス戦もこちらの機動性の弱さを逆手に取るような多彩な動きで攻めてくる点で非常にバランスが悪い。そもそも、仕様自体が敵と化しているので戦っていて楽しくない。絵巻風のグラフィックや演出、攻撃のヒット感などの良かったところもあるが、他の問題点がそれを帳消しにしてしまっている。
断じてこれは『帰ってきた魔界村』ではなく『帰ってきた極魔界村』。探索要素のない、正統派の新作を求めていた人間としては悲しさと怒りが入り混じる出来だった。本当にこんな魔界村、二度と帰ってこなくていい。昔ながらの純粋なステージクリア型に徹した魔界村が帰ってきてくれ。そんなに魔界村で探索をやりたいなら、ドラキュラみたいに操作性(挙動)からゲームシステムまで、全ての構造を一新させるぐらい考えた上でやってもらいたい。

こうして振り返ってみるだけでも、本当に2021年は懐かしのタイトルが多かった。ベストのみならず、ワーストにもその種のタイトルが該当する時点でよっぽど。
また、月末発売タイトルで多くの積みゲーを出してしまい、選べる新作が限定されてしまったのも痛かった。『スカーレットネクサス』と『新すばらしきこのせかい』は割と候補だったんだが……。

そんな訳で2022年は新作を優先的に触れ、月末発売のものを必要以上に積まないよう気を付けていきたい。早速、1月になって参上した『COGEN: 大鳥こはくと刻の剣』と『白き鋼鉄のX2』は決着済みで、『Pokemon Legends アルセウス』もクリアはまだまだだけど進行途上にある。
近々来る『ELDEN RING』と『Dusk Diver 2』も同じように速めに始めたい。

『ELDEN RING』はどれだけ決着に時間を要すことになるのかな……。(遠い目)