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≫ベヨネッタ
■発売元 任天堂(※版権元:セガ(現:セガゲームス))
■開発元 プラチナゲームズ
■ジャンル クライマックス・アクション
■CERO D(17歳以上対象) ※過度の暴力、出血、セクシャル描写などあり
■公式サイト ≫こちら ※PS3、Xbox360版
■備考 ※『ベヨネッタ2』のパッケージに同梱(ダウンロード版は『ベヨネッタ2』購入後に発行されるダウンロードコードより入手)
▼Information
■プレイ人数 1人
■セーブデータ数 30個(※ユーザーごとに作成可)
■必要容量 セーブ:4.5MB以上、ダウンロード版:14.6GB以上
■その他 WiiU PROコントローラ対応、クラシックコントローラ対応、OFF-TV PLAY対応
■総説明書ページ数 21ページ(※電子説明書)
■推定クリア時間 9〜11時間(エンディング目的)、60〜90時間(完全攻略目的)
20年前、ほの暗き湖底に沈む棺の中から一人の女が蘇った。
自分の素性も、名前さえも思い出せないその女の体にはただ一つだけ、失われた過去の謎を解く記憶が刻まれていた。それは獰猛な魔獣を操り、天の使いを葬り去る恐るべき「魔女の力」だった。

数百年の時を超え現代に蘇った魔女ベヨネッタは、僅かに残る記憶の手がかりを手探り寄せるうちに、ヨーロッパの辺境「ヴィグリッド」に辿り着く。そこで彼女の歩みを止めようと、無数の天使達が襲い掛かる。
この地で彼女を待ち受けているものとは何なのか…。
▼Points Check
--- Good Point ---
◆両手両足に装着した拳銃で殴る蹴るの攻撃を展開していく、豪快で無慈悲、それでいて多彩な攻撃アクション
◆敵である天使との戦闘に特化した、シンプルながらもやり応え十分のチャプター構成
◆一般的な人型から飛行型、更には化け物染みた者まで、設定とは裏腹のバリエーション豊かな容姿を持つ敵の天使達(特にボス系のぶっ飛んだデザインは必見)
◆相手の動きを見切り、その隙に攻撃を叩き込む爽快感と思わずムキになって攻撃を展開してしまう面白さに秀でた回避アクション&特殊技「ウィッチタイム」
◆拷問器具を召喚し、敵に致命的一撃を加える情け容赦なき攻撃で魅せる「トーチャーアタック」
◆肉片と血飛沫飛び散る、残酷ながらも美しさと爽快感に優れた敵撃破時のエフェクト演出
◆同じく戦闘クリア時の確かな達成感を提供する静止カットを複数挟むフィニッシュ演出
◆アクションゲーム初心者から上級者まで、幅広くサポートした難易度(四種類の難易度を搭載)
◆攻略時の救済措置のみならず、武器バリエーションの豊富さから、戦略・戦術の幅も広げるやり込み要素としての役割も果たすアイテム購入システムこと「ゲイツ・オブ・ヘル」
◆本編は10時間ほどながら、やり込みの攻略を兼ねれば5倍に跳ね上がるボリューム
◆キーアサインが特殊ながら、優れたレスポンスが光る操作性
◆やや暗めのトーンながら、戦闘の派手さを突き詰める作り込みが炸裂したグラフィック
◆お洒落な曲調とアクションゲーム特有の盛り上げ方のツボを押さえた完成度の高い音楽
◆本編後半のとあるチャプターでのイベントを始めとする、一部のプレイヤーをニヤリとさせるネタ要素の豊富さ
◆性格、設定、容姿共々異様なまでに濃い登場キャラクター達
◆WiiU版限定の日本語ボイス(キャスト陣もアニメ映画版由来という分かったチョイス)
◆同じくWiiU版限定の任天堂作品のコラボレーションコスチューム(ネタ要素感が凄い)

--- Bad Point ---
◆チャプター途中、ボス戦などで唐突に挟まれる、ミスればゲームオーバー直行となるクイックタイムイベント(QTE)(いずれも初見殺し過ぎて、非常にストレスが溜まる)
◆件のQTEの存在もあって、お世辞にもバランスが取れてるとは言い難い難易度設定(全種共通)
◆やや冗長で、テンポの悪い側面も持つチャプター構成(特に謎解きがそれを際立たせている)
◆攻撃チャンスが限られている上、件のQTEが挟まれることも頻繁にあるなど、作りの面で難が多過ぎるボス戦(特に大型。逆に人型は楽しい内容にまとまっている)
◆連打総数を過剰に要求しがちな「トーチャーアタック」
◆冗長気味で挿入頻度も高すぎるムービーデモ(スキップも搭載されているが、QTEが入る場所は飛ばせない)
◆キャラクター達は濃いが、展開的に癖のある作りをしているストーリー
◆チャプタークリアの度にプレイを強要されるミニゲーム「エンジェルアタック」(スキップ不可)
◆詳細とリストに分けられ、選択する際はリスト側を表示して選ぶ手間が生じるチャプターセレクト画面
◆派手ではあるが、時々自分を見失う難点も併せ持ったエフェクト演出
◆やや好みの分かれるキャラクターデザイン(特にベヨネッタの顔と体形)
◆目のやり場に困る、壮絶(笑)な天使「ジョイ」へのトーチャーアタック(周囲に人が居ないか注意!
▼Review ≪Last Update : 12/3/2017≫
「光ある処、影在り!」

(貴方は何回この台詞を聞く事になるだろうか。)


カプコン時代に『バイオハザード1〜4』、『ビューティフルジョー』、『大神』などに携わったスタッフを中心に設立された開発会社「プラチナゲームズ」の処女作としてリリースされた完全新作のアクションゲームのWiiU移植版。続編『ベヨネッタ2』とのセットパッケージで任天堂より販売された。

破天荒で爽快感抜群、やり応えも申し分なしの野心的な秀作アクションゲームだ。

内容はステージクリア方式で展開する3Dアクションゲーム。魔女「ベヨネッタ」を操作してフィールドを駆け抜け、彼女に襲いかかる天使との戦闘を繰り広げていくというものである。
本編は「チャプター」と名付けられたステージを順に攻略する形で進行。チャプターは基本一本道で、フィールドの移動及び仕掛けの解除、天使との戦闘の二つを交互にこなしていく。ただ、全体の8〜9割を占めるのは天使との戦闘。作中ではこれを「VERSE(バース)」と呼称している。最終的に正規ルート上の「VERSE」を攻略し切り、目的地に辿り着くことができれば(或いはVERSE自体を攻略できれば)チャプタークリア。一旦、「エンジェルアタック」と呼ばれるボーナスゲームを挟んだ後、次のチャプターへと進む。3Dアクションという事で、探索要素の強い構成を想像したかもしれないが、プレイ感覚は2Dのベルトスクロール型アクションとほぼ一緒。フィールドも進むべきルートがはっきり示されたデザインが成されていたりと、見た目とは裏腹に取っつき易い作りになっている。ちなみに正規ルート上と表現した通り、「VERSE」の中にはそれに属さない、いわゆる「寄り道タイプ」も存在。攻略することでチャプタークリア時の評価などが変化する仕掛けも凝らされている。なので、隅々まで丁寧に攻略しようとすれば、3Dアクションらしい探索も楽しめる設計。ある意味、2Dのステージクリア方式と3Dの探索要素を程よく混ぜ合わせたレベルデザインと言ってもいいかもしれない。
そんな本編でプレイヤーが操作するのが主人公で魔女の「ベヨネッタ」。眼鏡をかけ、大人の雰囲気をバリバリと醸し出した長身の女性だ。身体の線もクッキリ描かれている上、衣装に関しても背中を大胆に露出してたりなど、その見た目から一部紳士は「なんとけしからん」「刺激的にも程があるぞ」と言いたくなるかもしれないが……それはさておき。彼女自身、非常に個性的なアクションと戦術を持ち味とするキャラクターになっている。
特に個性的なのが攻撃全般。両手と両足に装着した拳銃で殴る蹴る、更には(至近距離で)撃ち込むの離れ業をお披露目する。魔女という設定から魔法を使役して戦うのかと思いきや、まさかの現代武器によるダイレクトアタック。一応、拳銃自体は弾切れの概念がないなど、それっぽい設定こそあるが、基本がそんな感じだけあって思わず「これが魔女…?」と困惑すること確実なものになっている。しかも、攻撃はボタンごとに振り分けられており、Aボタンでキック、Xボタンでパンチという具合にそれぞれの部位に応じた技を繰り出す仕様。各種ボタンを組み合わせることで「コンボ技」を繰り出すこともでき、そのやり方によっては敵に決定的なダメージを与えることもできる。勿論、拳銃を発砲する技もあるが、威力はキック、パンチに比べたら遥かに低く、決定的なダメージを与えることはできない。逆にキック、パンチと組み合わせ、至近距離で叩き込めれば補助攻撃として効果を発揮する感じだ。よってキック、パンチの二つをメインとし、拳銃はそのサポートに回して立ち回るのが戦術面における基本。なんとも常識外れ、そして個性的としか他に言い様のないプレイスタイルを確立しているのだ。このような技を基本に立ち回るだけあって、本作の戦闘がいかに熾烈を極めるのかは想像に難くないだろう。まさに離れ業に次ぐ離れ業のオンパレード。荒唐無稽にも程があるプレイヤーキャラクターになっている。
魔女たる所以は離れ業を使いこなすことだけに留まらず。魔界から魔人を呼び出し、強力な一撃を叩き込む「ウィケットウィーブ」、拷問器具を出現させて致命的一撃を喰らわせる「トーチャーアタック」と言った禍々しい技も用意されている。特に後者は発動に当たって「魔力ゲージ」を最大まで貯める必要があるなど、魔女ならではのシステムを組み込んだ技になっている。しかし拷問器具に敵の天使を力押しに突っ込ませたり、時に縛り上げるなど、やることはダイレクトアタックそのもの。基本戦術同様、魔女らしい技かと言われると否と即答してしまうほど斜め上にぶっ飛んだものになっている。これもまた、人によっては「魔女…?」という具合に首を大きく傾げる程度に困惑してしまうかもしれない。
また、「トーチャーアタック」発動に絡む「魔力」は、敵にダメージを与える度に貯まっていく。ただ、敵の攻撃を喰らってダメージを受けると魔力は減少。最大まで貯めるには、適切な回避行動を取るのが重要になってくる。実際に回避行動を取るのを心がければ、最大まで貯めるのは苦労しない。というのも、本作では敵の攻撃をギリギリのタイミングで回避すると「ウィッチタイム」なる技が発動。一定時間の間、ベヨネッタ以外の敵、仕掛けと言った周囲環境全ての動きが遅くなり、連続攻撃を叩き込めるチャンスが到来するのだ。これを活用すれば、比較的早く魔力を貯めることができる。それのみならず、連続攻撃のチャンスでもあるので、コンボ次第では敵を一気に仕留めることも可能だ。中には発動対象外の攻撃もあるなど、油断ならない一面もあるが、しっかり回避すればそれ相応のメリットが得られる点で、なかなか魅力のあるシステム。このような攻撃とは別の離れ業も用意されていて、戦闘スタイルの独特さを際立たせている。
他にも敵を倒すと「ヘイロウ」と呼ばれるお金に当たるアイテムが手に入り、それをチャプター内に配置されたワープポイントより行ける「ゲイツ・オブ・ヘル」と呼ばれるバーで攻撃技を増やすアップグレード、体力・魔力回復を自動的に実施する補助アイテムを購入できるシステムも実装。なかなか天使との戦闘を乗り越えられない際の救済措置としての役割も発揮しているほか、お金に頼った力押しの余地も残すなど、ゲームバランス周りにも独特の工夫が施されている。
内容自体はステージクリア型、それも敵との戦闘メインで展開するベルトスクロール型アクションという事で、比較的王道ではあるが、先述の通りにプレイヤーのアクション周りには個性的な試みが多くなされており、独特な遊び応えを持つ作品に完成されている。拳銃を用いる荒唐無稽なアクション、回避時のスローモーション発動によるチャンスタイムなど、元カプコンのスタッフが作っていることを実感させる要素もチラホラ。当時のファンから見れば、その延長線上にある新作と見て取れるところもあったりと、微かな懐かしさも感じられるアクションゲームになっている。

そんな本作の魅力は多彩な攻撃技を駆使し、一瞬の隙を突いてボコボコに叩きのめす爽快感に秀でた戦闘。本編の8〜9割をそれが占拠するレベルデザインを取り入れているなりのやり応え抜群のものに仕上がっている。
その良さを引き立てているのが「ウィッチタイム」。ギリギリのタイミングで敵の攻撃を避け、時間が遅くなった瞬間に一方的に攻め込む過程には、思わず我を忘れてしまうほどプレイヤーのサドっ気を刺激する。技の発動から「ウィケットムーブ」、「トーチャーアタック」の流れを作れた時の高揚感も素晴らしく、いずれも敵を無慈悲に叩き潰す威力の高さを誇るだけあって爽快。発動後による環境の変化から、プレイヤーの戦術転換を促す要素としても機能しており、コンボ技による立ち回りがメインとなる展開に起伏と奥行きを与えているところも面白い。これらの技を駆使することで魔力を貯め易くなったり、仕留めることでより多くの「ヘイロウ」が獲得できるほか、中ボスクラスの敵であればその物が持つサブ武器こと「天使武器」を拾える機会も得られるなど、リスクを冒すなりのリターンが露骨に返ってくるのにもゲームデザインとバランス調整の上手さが表れている。ある意味、コンボ技を駆使して戦うアクションゲーム……格闘系のスタイルを採用しているゲームとしては基本中の基本「相手を見切って攻撃を叩き込む」を厳守しているに過ぎないが、本作はそこを徹底して気持ちよくすることにこだわり尽くしており、それが「ウィッチタイム」を始めとするシステムによって磨き込まれている。拳銃でダイレクトアタックを行う攻撃技もまた然りで、その多彩さも相まって、より美しい立ち回りを求めて極めたくなる魅力を醸し出している。一見、各種技の離れ業っぷりに目を奪われがちだが、実際に遊んでみるとそれらの技が緻密なバランスの元で成り立っていて、様々なシステムと絡み合うことで唯一無二の爽快感を演出している。操作もボタン連打で簡単にコンボ技を出せてしまうなど、複雑になり過ぎない程度にまとめていたりと、プレイヤーにストレスなく遊んでもらう為の配慮が凝らされていて、アクションの気持ちよさへのこだわりを大いに実感させられるはずだ。まさにアクションゲームの制作には手慣れた元カプコンスタッフによる作品。過去に培われた熟練の技とプレイヤーに確かな手応えを感じてもらうなりの工夫が光る仕上がりになっている。特に本作のディレクターを務める神谷英樹氏が過去に手掛けた『ビューティフルジョー』を知るプレイヤーなら、本作のアクション周りには同作からの更なる進化と発展を感じ取れるだろう。
「ゲイツ・オブ・ヘル」こと、アイテム購入システムと絡んだ戦術・戦略性の高さも見所。実に10種類以上にも渡る武器、アクセサリを用いて全く別のアクションで攻め込めるようにしたり、時には補助効果を利用した力押しを可能にしたりなど、組み合わせの幅が広く、多種多様なプレイスタイルを許容している。特に補助効果による力押しの余地を残した所は、アクションゲームに苦手意識を持つプレイヤーに対する救済措置としても機能しているなど、必要以上にプレイヤーを選ばない配慮が光る。勿論、逆にこれらを封印して苛烈な道を歩むのもありと、高い難易度を求めるプレイヤーにも応えているという隙の無さ。単に一通りクリアすればそれで極めた事にならないその多彩な攻略パターンには、徹底的に遊び倒すことを信条とするアクションゲーム好きほど唸ってしまうだろう。
本編の起伏の付け方も申し分なし。敵である天使はバリエーションがとても多彩で、一体一体が固有の技と立ち回りで攻めてくるだけあって戦い甲斐十分。特にボスクラスの天使達はその戦闘内容も含めて、荒唐無稽の四字熟語で例えるにも限度があるほどぶっ飛んだものに作られていて、スタッフの突き抜けたセンスを思い知らされること請け合い。チャプターごとの構成も謎解き的な展開が挟まれたりなど、戦闘中心の内容なりの単調さを出さない為の変化の付け方が徹底されているほか、ロケーションの豊富さも相まって退屈させない。しかも、中盤にはアクションゲームから大幅に脱線した展開が用意されている。それが何なのかは実際に本編を遊んでからのお楽しみ。きっと「変わり過ぎだろ!?」と突っ込みを入れたくなってしまうだろう。また、それらのステージに限っては音楽も要チェック。特に80年代のセガのゲームに慣れ親しんだ人ほど、「あっ!」となってしまうはずだ。
自重の無さでは演出周りもその象徴。某北斗の拳のように血飛沫と肉片をまき散らして爆発四散する天使のやられ様は、17歳以上対象というCEROレーティングを嫌というほど実感させるほどに派手で残酷。しかし、不思議と生々しさは弱く、ある種の美しさすら感じるものになっている。VERSEでの最後の一体を倒した時に入る連続カットによるフィニッシュ演出も素晴らしく爽快で、プレイヤーに確かな達成感を与えるものになっているのが見事。ボスを倒した時にも専用の「クライマックス」技が炸裂する展開となるのだが、これも強敵を徹底的に叩き潰すという、それまで積もりに積もった鬱憤を晴らすド派手な止めが展開されるので爽快感十分。プレイヤーが熾烈な展開を潜り抜けたことを祝うかのようなその分かり切った作りにもまた、アクションゲームの制作に手慣れたスタッフが作った作品としての底力を見ることになるだろう。
そんな具合に作り込まれている本作だが、手放しに褒められない所も多い。中でもクイックタイムイベント(QTE)の多さ、それをしくじると問答無用でゲームオーバーとなるシビアな難易度は大いに問題あり。気付いたら瞬時に対応するボタンを押さなければならないなど、幾ら何でも初見殺し過ぎる。しかも何の伏線もなく、突発的に挿入されるのがほとんどだから嫌らしいことこの上ない。常に緊迫感のある展開が続くように、という意図を込めて導入したのは分かるのだが、判定の短さはプレイヤーに対する嫌がらせに等しい。その時に限り、ウィッチタイム発動で時間が遅くなることもないなど、本作独自のアクションを活かして独自性を付ける(そして、バランスを取る)工夫も何ら凝らしていないし、全体的に作りが荒い。似たようなものでは「トーチャーアタック」と「クライマックス」でボタン連打をしなければならない所もだが、もう少しプレイヤー側に負担を与えず、かつ不意打ちによる不快感を与えないように工夫できなかったのだろうか。その辺の努力が何も感じられない作りにはガッカリするばかりだ。折角、本編の流れが良くできているだけに勿体ない。

QTEに関連するところではボス戦も難ありで、弱点部位以外への攻撃は通らないので戦闘が長引きがちだったり、長いムービーを見ながら倒さなければならないなど、全体的にテンポが悪い。無論、そのムービーにもQTEが挿入され、操作を誤れば問答無用でゲームオーバーになる。正直なところ、戦っていて面白くない。一応、面白いボス戦もあるにはあるのだが、そのほとんどが人型のボス。大型ボスは皆無で、そこに制作上の問題が如実に現れている感じだ。派手で凝ったものにしたい思いは分かるが、バランスの取り方を間違えた印象が否めず。多彩なアクションが用意されているのなら、それをフル活用できる雑魚敵戦準拠の内容で通して欲しかったところだ。
ムービーに関しても全体的に挿入し過ぎな感が否めず。一つ一つの内容も長めで、特にボス戦前のものに限ってそういうものが多くなりがちなのは気になる。ただ、スキップ機能は搭載。QTEが挿入されるものに関しては対象外だが、一応、早く本番を始めたい欲求には応えてくれる設計になっている。これで実装すらされてなかったらより大きな問題になっていたが、さすがにそこは分かっている感じ。そういう点でも、これは些細な難点に落ち着いているだけ救いだ。
また、難易度もQTEの難点こそあるが、選択機能は完備。しかも、ボタン連打&レバガチャプレイでも難なく突破可能な「VERY EASY」なる簡単なものからアクションゲーム上級者向けのものまで全5種類を用意。様々なプレイヤーに門戸を開いている。ボリュームにしてもエンディングだけなら10時間程度ながら、最高評価獲得、実績、隠し要素解禁などのやり込み要素が豊富に用意されているので、全てをやり切るとなれば5倍に膨れ上がる。特に最高評価獲得のやり込みはかなりの難しさな上、5つの難易度ごとに用意されているだけあって、極めるとなれば大変。そのきつさにもカプコンのスタッフが作っているゲームという現実を良くも悪くも思い知らされることになるだろう。
グラフィックと音楽の完成度も高い。特に音楽は戦闘曲の出来が絶品で、本作のメインテーマ的な楽曲「Riders Of The Light」は嫌でも耳にこびり着く。他にも著名な楽曲を大胆にアレンジしたものもあるほか、先の中盤に登場する特殊ステージでは知る人ぞ知る曲が思わぬアレンジと共に流れる。何気にサウンドテストも完備されていて、音楽が気に入ったプレイヤーの欲求にも応える隙の無さ。色んな意味で「ここまでやるか…」とボヤきたくなる作りなので、要チェックだ。

また、本作は元々2009年にPS3、Xbox360向けに発売された作品のWiiU移植版。基本的な内容はオリジナル(特にXbox360版)に準拠しているが、新規の移植に伴ってWiiUゲームパッドだけで遊ぶタッチペン操作が追加。ボタンとは異なる、直感的で新鮮な手触り感に満ちた操作を楽しめるようになっている。また、先行版はキャラクターボイスが英語限定だったが、本作では新たに日本語を追加。それによって、オープニングのストーリー紹介が追い易くなっている。キャスト陣はアニメ映画版の面々が続投していて、ベヨネッタ役には田中敦子を起用。他にも高木渉、玄田哲章、園崎未恵、浪川大輔、沢城みゆき、そして若本規夫と言った実力派が出演している。タイトル画面のコールもこのキャスト陣が担当していて、特に若本氏のコールの破壊力は言わずもがな(笑)。ぜひ、その(いい意味で)ねちっこいコールを聞いてみて頂きたい。人によっては、これだけで買った甲斐はあったとの満足感を得られる……かどうかわからない。
他にも任天堂のゲームにちなんだスペシャルコスチュームが新規に追加されている特典もあったりと、至れり尽くせり。QTEとテンポに関する問題など、手放しに褒められない部分も多々あるのだが、アクションゲームとしての完成度は高く、その破天荒な攻撃技と戦術・戦略性の高さも相まって、非常にやり込み甲斐があり、記憶に残る一品に完成されている。アクションゲーム初心者にもしっかり門戸が開かれているほか、上級者には更なる高みを目指せる余地も残した本作。17歳以上対象作品ゆえに出血・暴力描写は非常に激しく、そこで人を選ぶが、抵抗のないプレイヤーであれば是非、遊んでみて頂きたい野心的な良作だ。拳銃でダイレクトアタックをかまし、容赦なき必殺技で天使を(肉体的に)爆発四散させまくる、大変に罰当たりなアクションの数々を存分に堪能してみて頂きたい。お薦めの逸品です。
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