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≫BAYONETTA 2(ベヨネッタ2)


■発売元:任天堂(※版権元:セガ) / ■開発元:プラチナゲームズ / ■ジャンル:クライマックス・アクション /
■CERO:D(17歳以上対象) ※過度の暴力、出血、セクシャル描写などあり /
■定価:7700円(パッケージ版:税別)

◆公式サイト / ストアページリンク(ダウンロード版)
≫BAYONETTA 2(ベヨネッタ2)(任天堂公式サイト)
≫BAYONETTA 2 (ベヨネッタ2) ダウンロード版 | My Nintendo Store(マイニンテンドーストア)
▼Information
■プレイ人数:1人(通信プレイ時:1~2人) /■セーブデータ数:3つ(※ユーザーごとに作成可) /
■必要容量:セーブ:832KB以上 /
■その他:Nintendo Network対応、WiiU PROコントローラー対応、クラシックコントローラ対応、OFF-TV PLAY対応 /
■総説明書ページ数:22ページ(※電子説明書) /
■推定クリア時間:7~9時間(エンディング目的)、60~90時間(完全攻略目的)
ヴィグリッドでの死闘から数ヶ月後。
パレードで賑わう街に突如として天使達が現れ、人々を襲い始めた。
魔女ベヨネッタは魔界の力を駆使して対抗するが、召喚した魔獣ゴモラさえもが暴走し、彼女に襲い掛かる。魔女ジャンヌが辛うじて彼女の窮地を救うが、身代わりとなって致命傷を受け、その魂を魔界に引き摺り込まれてしまった。

ジャンヌの魂を救える時間は残り僅か。情報屋のエンツォから得た情報を手掛かりに、ベヨネッタは魔界への扉「ゲイツ・オブ・ヘル(本家)」があると言われる絶界の霊峰へと向かった。
▼Points Check
--- Good Point ---
◆前作譲りの両手両足に装着した拳銃を駆使する、無慈悲で豪快、それでいて爽快感申し分なしの攻撃アクション
◆高威力な連続攻撃を叩き込む爽快感と派手な演出が光る新要素「アンブラン・クライマックス」
◆二人で協力して特殊ミッションに挑む、オンライン対応の新ゲームモード「タッグクライマックス」
◆全ての敵攻撃回避で発動するように仕様が緩和され、使い勝手が向上した「ウィッチタイム」
◆魔力ゲージの仕様変更による「トーチャーアタック」、「アンブラン・クライマックス」の発動要件緩和で、驚くほどスピーディに展開するようになった戦闘イベントこと「VERSE(バース)」
◆新たに魔界の軍勢が加わって、更にバリエーション豊かになった敵キャラクター達
◆前作以上に派手で爽快感が高められたエフェクト&フィニッシュ演出全般
◆攻撃チャンスを限定する制約が撤廃され、テンポ良く進む作りに一新されたボス戦
◆各種仕様変更とQTEの問題緩和で、前作から見違えるほど洗練されたゲームバランス
◆謎解きが抑えられ、戦闘とアクション重視の作りへと大幅刷新されたチャプター構成(前作を髣髴とさせるアクションゲームの枠組みを外れた展開も健在)
◆特殊な条件達成を目指す独特な展開と難易度の高さが光る寄り道要素「ムスペルヘイム」
◆チャプタークリア時のミニゲーム「エンジェルアタック」の廃止
◆前作同様に初心者から上級者まで、幅広くサポートした難易度設定(しかし…?)
◆仕様変更の恩恵もあって、前作以上に快適で動かす楽しさが向上した操作性
◆テンポ向上でエンディングまでは短くなったが、やり込めば前作以上の物量に跳ね上がるボリューム
◆前作同様に救済措置とやり込み要素の顔を併せ持つアイテム購入システムこと「ゲイツ・オブ・ヘル」
◆チャプターセレクトを始め、使い勝手の良い作りに一新されたインターフェース周り
◆キャラクター達の濃さに加え、内容と構成面でも強化が図られたストーリー(特にあるシーンの印象が180度変わり、前作を嫌でもプレイしたくなるエンディングは必見)
◆挿入頻度が抑えられ、長さ的にも丁度良いボリュームになったムービーデモ
◆前作から一転して明るい世界観に改められ、鮮やかさが一段と強まったグラフィック
◆印象深さはやや薄れたものの、場面ごとの盛り上げ役として存在感を発揮する音楽
◆WiiU版前作譲りの英語、日本語完備のボイス(後者のキャスト陣も前作の面々が続投)

--- Bad Point ---
◆標準難易度がどれなのか見分けが付き難い名称に変更された各種難易度
◆時間設定がシビアになり、戦術の幅を狭める逆効果を及ぼしてしまっている「VERSE」ごとの評価基準厳格化
◆攻撃タイプに応じて発動時間が変化する都合で、返り討ちを喰らうデメリットも加わった「ウィッチタイム」
◆テンポは良くなったが、中ボス戦を入れ込み過ぎな感の否めないチャプター構成
◆様々な技の追加と発動のし易さの反動から、耐久力が向上して気持ち倒し難くなった雑魚敵達(低難易度「1st CLIMAX」でもそのような感じになっている)
◆前作以上に時々自分を見失う難点も併せ持ったエフェクト演出
◆一部、前作との矛盾の見受けられるストーリー(特に仮面の賢者とベヨネッタ絡み)
◆良くも悪くも大人しくなった「トーチャーアタック」(前作経験者ほど謎の物足りなさを覚えるかもしれない(笑))
▼Review ≪Last Update : 12/3/2017≫
全ては繋がっている。

そして、セットパッケージの意味を貴方は知る。



2009年にプレイステーション3、Xbox360用ソフトとして発売され、派手で爽快なアクションと刺激的な演出で高く評価された「プラチナゲームズ」開発のアクションゲーム『ベヨネッタ』の続編。前作の販売元、セガ(現:セガゲームス)の内部再編の都合で開発中止になるも、支援を申し出た任天堂の協力によってリリースに漕ぎ着けたという非常に数奇な運命を辿った作品でもある。それもあって今回は、WiiU独占と供給ハードも限定されている。

続編かく或るべしを地で行く、華麗なる正統進化が炸裂した傑作だ。

基本的な内容は前作と同じ。ステージクリア方式で展開する3Dアクションゲームで、魔女「ベヨネッタ」を操作してフィールドを駆け抜け、彼女に襲いかかる天使との戦闘を繰り広げていくというものである。
システム周りも前作を踏襲。敵である天使との戦闘イベント「VERSE(バース)」を主軸に構成された各チャプター、両手両足に装着した拳銃でダイレクトアタックを展開していく攻撃アクション、タイミングよく回避することで周囲の時間が遅くなる「ウィッチタイム」、そして敵に大ダメージ及び致命的一撃を与える「ウィケットウィーブ」と「トーチャーアタック(及びクライマックス)」などは今作も健在。操作周りにも大きな変更はなく、前作経験者であればすんなりと入っていける作りだ。
そして、続編という事で新要素の追加、一部システムの改良が実施されている。前者に関しては「アンブラン・クライマックス」なる新たな攻撃技が追加。「トーチャーアタック」発動の際にも消費する魔力ゲージ一本分を消費して、一定時間、キックとパンチの通常攻撃を「ウィケットウィーブ」の状態にできるようになった。コンボ技で発動した際同様、敵を怯ませる威力を持つので、発動中は相手に一切手出しさせず一方的にダメージを与えていくことが可能。無論、「ウィッチタイム」と組み合わせればその効果は絶大で、立ち回り次第では戦闘決着までの時間を大幅に短縮することもできる。システム的には一時強化技という事で、それほど真新しさはないが、これにより前作にも増して戦闘テンポは向上。まさに「蝶のように舞い、蜂のように刺す」な堪能できる、爽快感溢れる新システム(新アクション)となっている。また、この技と「トーチャーアタック」を使用する際に消費する「魔力ゲージ」の仕様も変更。前作では敵からダメージを受けると貯めたゲージが減るようになっていたが、これが撤廃され、幾らダメージを受けようが減らなくなった。それにより「トーチャーアタック」にせよ、今回からの「アンブラン・クライマックス」にせよ、より手軽に発動できるように。反動でゲージを維持し続けることによる緊張感が薄れ、敵の天使にしてもやや強化が図られたが、戦闘テンポ向上、アクションの気持ちよさ強化に一役買っており、地味ながらもゲームの手触り感に大きな変化を及ぼす仕様変更となっている。
関連して「ウィッチタイム」にも変更が。前作では特定の敵の攻撃に限り、回避しても発動しない制約があったが、今作にて撤廃。どんな攻撃の回避でも必ず「ウィッチタイム」が発動する仕組みに改められた。ただその分、攻撃の種類によって発動時間が長くなったり、短くなったりするようになっている。通常発動時の時間も前作と比べて気持ち短くなっているので、発動した際には素早く行動する必要性も若干ながら増した格好だ。しかしながら、この変更でスピーディな立ち回りが可能になったほか、確実な回避行動も取れるようになったので、ゲームバランスは適切な調整へと進歩。相手を動きを見切り、その隙に攻撃を叩き込む(時に避ける)戦術の醍醐味を存分に味わえるシステムへと発展を遂げている。
ゲームバランスの改善はそれだけに留まらず。チャプターの構成、ボス戦に関しても前作で初見殺し過ぎる調整が問題視されたクイックタイムイベント(QTE)が削られ、理不尽な形でゲームオーバー行きとなる機会がほとんど無くなった。一応、QTE自体は完全に無くなった訳ではなく、「トーチャーアタック」、そしてボスに留めを刺す際の「クライマックス」にてその手のイベントは挟まる。しかし、これも簡単になっており、特に連打系は軽くボタンを叩くだけでも直に最大値まで貯まるようになるなど、全くと言ってストレスを感じさせないものになっている。イベントに関連したものにしても、それまでのゲーム展開とマッチした適切なものになっているので、不意打ち感は皆無。見事に前作の問題点を真摯に反省し、より良い方向へと昇華させたかのようなまとまり方になっている。またあるのかよ……と、ウンザリした前作経験者も、触れてみればその改善具合に驚くこと確実。きっと「そういうのならもっと頂戴!」という気持ちになってしまうだろう。ボス戦に関しても、大型の種類における弱点部位以外への攻撃は通らない制約も無くなり、スピーディにダメージを与えていける作りへと一新。前作は人型が最も面白く、大型は件の制約によってイマイチという極端な差があったが、それも埋められて全編が雑魚敵、中ボスと変わらぬテンポで展開されていくようになっている。ボス戦自体も前作にも増して派手になっており、制作スタッフの突き抜けたセンスに開いた口が塞がらなくなること必至。問題の改善を図って前作以上の体験をプレイヤーに提供するという、鬼気迫る作り込みを思い知ることになるだろう。
他にチャプターに関しては仕掛けの解除と言った謎を解く展開が控え目になったほか、水中移動という新たな場面も登場。あるチャプターでは「アンブラン・アーマー」なる、何処かのRPGで見覚えのある兵器に搭乗して敵と戦う展開が新規に追加されている。また、前作はチャプターをクリアする度に「エンジェルアタック」なるミニゲームが必ず挟まれるようになっていたが、これも撤廃。クリアと同時に総合結果画面へ移る仕組みに変更され、本編進行もテンポアップしている。更に敵のラインナップに「悪魔」が追加、特定条件の達成を目指す「ムスペルヘイム」なる本編進行とは関係しないチャレンジエリアの導入、オンラインで他のプレイヤーとタッグを組み、敵との連戦を共闘・競争する「タッグクライマックス」なるやり込み特化モードの搭載など、新要素は盛り沢山。ビジュアル的にも主人公ベヨネッタの髪型がショートヘアに改められ、青を基調とした鮮やかさを全面に出した世界観に改めるなど、雰囲気周りも明るいものになっている。
基本的には前作と変わらないが、このように様々な面で改良が施されており、よりスピーディ且つ、テンポ良く遊べるゲームへと発展を遂げている。まさに正統進化を地で行く作り。続編としてのお約束を徹底厳守した作品に完成されている。

そんな今作の魅力は、その正統進化を地で行く作りである。前作で問題視された要素の数々に真摯に向き合い、より良い方向へと改めている所には、前作経験者ならば「よくぞここまで…」と言わしめる感動に満ち溢れている。
数ある改善点の中で特筆すべきはゲームバランス。初見殺し過ぎるQTEの廃止、巨大ボス戦の刷新、ウィッチタイムと魔力ゲージの仕様変更によって、独自のアクションによって演出された戦術性を存分に堪能できるようになったのは本当に大き過ぎる進歩。名実共に「クライマックス・アクション」のジャンル名に相応しい作りへと昇華されたと言っても過言ではないだろう。新要素「アンブラン・クライマックス」も、その部分に更なるアクセントを加えていて申し分無し。敵一体に「トーチャーアタック」を実施して瞬時に仕留めるか、或いは今後を見据えて「アンブラン・クライマックス」で周りの敵にもダメージを与えながら攻めるか。その戦略の幅広さと考える面白さには、前作経験者は勿論のこと、アクションゲーム好きも思わず唸るほどのやり応えを実感すること請け合いだ。
アクションゲーム初心者にも、今作独自のアクションを気軽に堪能できるようになっているのも大きな評価点。ダメージを受けることによる魔力ゲージ減少が無いのもあって、「トーチャーアタック」にせよ、「アンブラン・クライマックス」にせよ、必ず一回は体験できるようになっている。このハードルを下げる施策には『ベヨネッタ』という作品自体の特徴をしっかり味わってもらいたいという制作スタッフの配慮が感じられて好印象だ。前作も「VERY EASY」という低難易度を設け、ボタン連打+レバガチャでも乗り越えられるという初心者に向けた救済措置は設けられていたものの、バランスの取り方としては少し乱暴な所も見え隠れしていた。魔力ゲージがダメージを受けると減る仕様だった為、立ち回り次第では作品独自のアクションを僅かしか体験できず戦闘が終わってしまう懸念点が存在していたのも然りだ。そこが撤廃された今作は、低難易度であっても必ず一回は件のアクションを楽しめるように。結果、初心者でも気軽に独自のアクションによる爽快感と戦術性の妙味を堪能できるようになったのは、ゲームバランスの面で見て極めて適切な措置と言えるだろう。単に戦闘を簡単に潜り抜けられるようにするのではなく、独自のアクションも交え、このゲームでしか味わえない体験を提供する。そのような考え方が件の仕様変更からは感じられ、バランス全体の公平性向上をもたらしている所には素直に感服する次第だ。QTE、ボス戦などの改善よりも地味ではあるものの、こう言った所にまでメスを入れているところには、前作を超えるものを作るという高い志の元、今作の制作に臨んだスタッフの本気というものを実感させられる。
より遊び易く、印象に残り易くもなった各チャプターの構成からも目が離せない。仕掛けの解除を始めとする謎解き要素がほぼ撤廃されて、作品の醍醐味たる天使、悪魔達との戦闘を存分に堪能できるのもさることながら、前作にも増して「そんなのアリかよ!?」と思わず苦笑いしてしまうような展開が増強されている。特に最序盤、チャプター1の戦闘機上で繰り広げられる天使達との戦闘はその象徴。詳細な内容は実際に遊んでのお楽しみだが、「これが最終決戦でいいんじゃ…」と突っ込みたくなるぐらいにクライマックス感満点。いい意味で最序盤に相応しくないチャプターになっている。そこから先のチャプターも負けず劣らずなシチュエーションの連続。中でも今回、ベヨネッタを着け狙う宿敵として登場する「仮面の賢者」との戦闘のハチャメチャさには度肝を抜かれること必至。演出、技術面でも何がどうしてそんなことにと圧倒させられる仕掛けが施されているので要チェックである。更に前作でもプレイヤーに良くも悪くも強烈な印象を残したアクションゲームの枠組みから脱線した展開は、今作においても健在。相変わらずの自重のないやりたい放題ぷりには色んな意味で笑ってしまうだろう。遊び易さの点でも、前作では件の脱線展開がやや水増し気味ではあったが、今回は多少抑え込められてたり、ボス戦では積極的に攻撃を展開していけるようになったので決着までの時間が短縮されると言った改善点が多数。その反動でやや一つ一つのボリュームが短くなりもしたが、先の通りにどのチャプターにおいても徹底してネタをつぎ込んでいるので、物足りなさは一切感じさせない。むしろ、もう一度遊んでみたいという意欲に駆られるだろう。
他にロケーションに関しても、前作には無かった「魔界」が新規に登場するなど、より多彩で明るい世界観も相まって華やかさなものに。寄り道要素として用意された「ムスペルヘイム」も、本編とは異なる緊張感のある戦闘が楽しめる作りになっているほか、比較的目に付き易い所に配置されているので、探す手間がそれほどかからないのも秀逸。また前作同様にアイテム購入システムによる戦術の幅の拡大もあるほか、武器にも新種が追加されているので、チャプターごとのやり込み甲斐もパワーアップ。まさに正統進化というものを地で行く仕上がりになっている。
そんな一目で分かるところから細かすぎるところまで、徹底的な改善が図られている今作。ただ、気になる箇所が全くない訳ではなく、「VERSE」ごとの評価基準厳格化は率直に言って改悪。特に時間の評価が厳しくなり、前作にも増して最高評価が取り難くなった。前作が比較的取れ易い調整だった事からの改善なのかもしれないが、返って強力な技を連発して速攻撃破を目指すスタイルに偏る問題を生み出してしまっており、やり込むと急激にやらされている感が増すのは残念でならない。ここまで遊び易くしたのなら、やり込み側も相応の調整を施して頂きたかった。また、難易度選択に関しても数が三つになり、名称も「EASY」、「NORMAL」と言ったものではなく、「1st CLIMAX」、「2nd CLIMAX」という独自のものになったのだが、はっきり言って分かり難い。前作の「NORMAL」に当たるのが「2nd CLIMAX」なのだが、パッと見で標準難易度とは分かり難く、むしろ「1st CLIMAX」がそうだと思いがち。何を考えてこのような名称にしたのかはサッパリだが、普通に変更自体は間違った判断だったと言わざるを得ない。一応、説明文でどういう難易度かの説明はされるものの、パッと見の分かり易さを重視して、普通に前作同様の名称を通して欲しかったところだ。実に珍妙極まりない。
これ以外にも雑魚敵の耐久力が上げられ、倒すのにやや時間を要すようになった難点があるが、全体的に前作のQTE、ボス戦ほど問題なものは無い。むしろ、その程度のものに留めているだけでも、前作からの進化を実感させられるばかりだ。とにかく徹底して遊び易くし、無意味なストレス要因を潰す。そして、独自のアクションの魅力を高める。そう言った工夫を凝らしたのが隅々に溢れていて、前作以上の高密度なアクション体験を提供してくれる内容に進化しているのだ。まさに正統進化を地で行くの極み。清々しいほどに続編としてのやるべきことをやり切った作品になっているのである。

正統進化を図った作り込みは操作性とインターフェース周りにも現れている。前者は「トーチャーアタック」時の連打回数の緩和でテンポ良くアクションを繰り出していける作りへと昇華されているし、後者もチャプターセレクトが詳細表示とリスト表示に分けた方式が撤廃され、詳細表示から他のチャプターも選べる方式へと一新。何故、これを前作でやらなかったのかと、思わず突っ込みを入れたくなってしまうほど快適になっている。更に前作ではセーブもマニュアルとオートの二つが用意されていたが、今回はオート単独に。これまた、何でそれを前作でやらなかったと言いたくなる刷新だ。
ムービーデモも挿入頻度が減り、場面によってはチャプターの進行に合わせて会話が展開されるなど、冗長さを緩和する工夫が凝らされて改善。前作で間延び気味だったボス戦前のデモもやや短めに改められ、ストレスを感じさせないものになっている。勿論、スキップ機能も実装されているので、直に戦闘に入りたいのならば活用してしまうのもよし。アクションゲームだけを遊びたい欲求に応えてくれる余地もそのままで、全体的に洗練されたまとまり方になっている。
このムービーで展開されるストーリーも面白い。魔界に堕ちてしまったライバルのジャンヌを救うべく、その入口があるとされる霊峰を目指す比較的王道の内容だが、後半にかけて前作経験者には驚きの展開が繰り広げられていく。そして辿り着くエンディングなのだが、これがまた衝撃的。本作のとあるムービーデモに対する見方が180度変わるほどのものになっている。更に必然的に前作を遊びたい衝動に駆られることにもなる。一体、どんな結末が描かれるのか、そしてどうして前作を遊びたくなってしまうのか、例によってその詳細は伏せるが、実際に見れば確かに見方が変わる、前作もやりたくなると納得させられるものになっている。気になる方はぜひ、何の情報も得ずに突貫してみて頂きたい。何故、今作が前作とのセットパッケージで販売されたかの意味を知ることになるだろう。

また、WiiU版の前作同様に今作でもボイスには日本語と英語の二つが実装されている。日本語音声のキャスト陣もベヨネッタ役の田中敦子を始めとする、アニメ映画版由来のメンバーが続投。また、皆川純子、子安武人、山崎たくみと言った面々が今作初登場のキャラクター達を演じている。特に注目は子安氏演じる仮面の賢者。キャラクター的にも先のストーリーと関連して驚きの設定を持っているので必見だ。ちなみにWiiU版同様にタイトルコール演出も健在。勿論、若本規夫のアレも聞けちゃいます(笑)。しかも前作と違い、ゲーム起動間もなく聴ける仕様に一新。できることなら直に聴きたいという欲求にも応えた改善(?)も図られているので要チェックだ。
演出絡みではエフェクトの派手さは相変わらず。また、今回は効果音も強化されていて、特に「アンブラン・クライマックス」では非常に仰々しい音が鳴り響くようになっている。それによって醸し出された攻撃を当てる気持ちよさも素晴らしいものになっているので、実際にプレイした際にはぜひ、体験してみて欲しい。他にグラフィック、音楽も前作基準の完成度。ただ、音楽は前作に比べるとやや印象深さは薄れた感がある。とは言え、今回のメインテーマ曲「Tomorrow is Mine」はインパクト十分。前作屈指の名曲「Riders Of The Light」もとある場面で流れるので要チェックだ。
総じて非常に高い完成度を誇る続編で、正統進化かく或るべしを体現するかのような作品。細かい粗も散見されるが、前作ほどストレスを与えるものではない上、それを帳消しにしてしまうほどアクション周りが気持ちよい作りになっている。例によって17歳以上対象なのもあって、非常に暴力的且つ、刺激的な表現を多々含むが、それらに抵抗のないWiiUをお持ちの方ならば是非、遊んでみて頂きたい稀代の傑作だ。ストーリーの設定が前作の続きである為、その点ではハードルが高いが、今作は「前作も入ってますから」の前作WiiU版も同梱されたセットパッケージなので、未経験者であっても全く心配なし!まずは前作を遊び、そこから今作に入ってみよう。さすれば進化の凄味を存分に感じられるはず。今作から始めても最終的に嫌でも前作を遊びたくなる内容になっているので、あえてそうするのも良し。好みの選択でこのクライマックス過ぎるアクションを楽しんでみて頂きたい。非常にお薦めの一本です。
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