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≫悪魔城ドラキュラ ジャッジメント
■発売元 KONAMI(コナミデジタルエンタテインメント)
■開発元 エイティング
■ジャンル 3D対戦アクション
■CERO B(12歳以上対象) ※暴力、セクシャル描写有り
■定価 6648円(税別)
■公式サイト ≫こちら
▼Information
■プレイ人数 1〜2人
■セーブデータ数 3個(※1ブロック使用:SDメモリーカードへのコピー不可)
■その他 ヌンチャク対応、クラシックコントローラ対応、ゲームキューブコントローラ対応、ニンテンドーWi-Fiコネクション対応、ニンテンドーDS対応(※データ連動:『悪魔城ドラキュラ 奪われた刻印』が必要)
■総説明書ページ数 40ページ
■推定クリア時間 6〜7時間(エンディング目的)、40〜50時間(完全攻略目的)
ヴァンパイアとハンター達が長きに渡って戦いを続けている世界。
そこに身を置く13人が突如、『時の狭間』と呼ばれる異空間に呼び込まれた。そこに現れるアイオーンなる謎の男。彼は「試練を越えれば、望みを手にする事ができる」と告げる。

その試練とは、集められた者達との戦いだった。

試練を越え、彼らが手にするものとは。そして、時の狭間より脱出する術とは。

時間を超えた、宿命の戦いが今、始まる。
▼Points Check
--- Good Point ---
◆正統派の対戦格闘タイプながら、ステージ上からの落下による勝敗の決着、雑魚敵軍団を相手にするパートなどでアクションゲームっぽさを演出した独特のゲームデザイン
◆振り子鎌、レーザー像、マグマなど、アクションゲームっぽさとドラキュラらしさを演出する個性豊かなギミック群
◆本編となる『ストーリー』のほか、連戦構成の『アーケード』、探索要素を取り入れた『キャッスル』なるものまで、多種多様なものが用意されたゲームモード(更にオンラインの対戦モードも実装)
◆それぞれの個性を露骨なまでに描いた、大胆過ぎるキャラクターごとのアクション&能力バランス
◆歴代シリーズの主人公達からお馴染みのドラキュラ、意外な魔物まで幅広く揃えたプレイヤーキャラクター達(その中でも一番の注目は、シリーズで初めて操作可能なドラキュラ伯爵)
◆リモコン&ヌンチャク操作なら振るだけで手軽に攻撃を繰り出せるのに加え、ボタン操作でも少ないボタンの組み合わせで繰り出せるのが良心的な技コマンド全般
◆直感的なリモコン&ヌンチャクから、従来のコントローラタイプまでしっかりサポートした操作周り
◆対戦型のゲームにしては異例とも言える充実したボリューム(エンディングを目指すだけでも5〜6時間はかかる)
◆元となるキャラクターデザインを忠実に再現したモデリングが光る、作り込まれたグラフィック
◆とことん派手さを追求したエフェクト演出全般(特に必殺技関連の派手さは必見)
◆シリーズ懐かしの名曲達を対戦アクション風に絶妙にアレンジした音楽
◆原作では声が無かったキャラクターにも声優を当てるなど、妙なこだわりが炸裂したボイスキャスティング

--- Bad Point ---
◆肉体的にデメリットしかないリモコン&ヌンチャク操作(ムキになって長時間遊ぶと殺人級の筋肉痛を招く…)
◆キャラクター同士が重なって位置が分からなくなるなど、ストレスの溜まるカメラワーク
◆それぞれの個性を引き出してはいるが、操作面での癖の強さも出してしまっているプレイヤーキャラクター達
◆別作品間のキャラクター同士が掛け合うシーンが僅かなのに加え、展開的にも面白味に欠けるやっつけ気味のストーリー(特にクロスオーバー演出の少なさはファンアイテムとして落第点)
◆原作の面影皆無な上、一部に至っては別人のように容姿、設定共に変更されているプレイヤーキャラクター達(特にラルフ、グラント、エリックの三名は何故こうしたと突っ込みたくなるほど別物)
◆一部キャラクターにおける原作と異なる声優の起用(ただ、ドラキュラ役の中田譲治氏はこれもアリと思える配役)
◆繰り返しプレイによる水増しでボリューム感を出す、稚拙な構成のストーリーモード
◆全体的に完成度は高いが、一部、奇妙なアレンジが施された楽曲の存在(特に『悪魔城伝説』全般)
▼Review ≪Last Update : 2/19/2017≫
全てのハンターとヴァンパイア達が一同に集う。

但し、その容姿はこれまでとは別物である。


コナミの看板タイトル『悪魔城ドラキュラ』の最新作にして、シリーズ初の対戦アクションゲーム。開発はブラッディロアシリーズ、くるりんシリーズなどで知られるエイティング。キャラクターデザインを『ヒカルの碁』、『DEATH NOTE(デスノート)』、『バクマン。』で知られる漫画家の小畑健氏が務めている。

ファンアイテムとして満たせてない箇所はあるが、独特のバランス調整に多彩なゲームモードなど、光る部分も持ち合わせたドラキュラシリーズらしい対戦アクションゲームだ。

ゲーム内容は3Dフィールドで展開される、対戦アクションゲーム。シモン・ベルモンドを始めとする歴代悪魔城ドラキュラシリーズのキャラクター達を操作し、1対1の勝負に臨むというものだ。対戦アクションを謳っているが、基本的なルールは対戦格闘と一緒。ラウンド制で勝負が展開され、規定ラウンドを先取した方が勝ちとなる。勝敗も相手の体力ゲージをゼロにしてノックアウト(K.O)するか、制限時間が無くなった際に体力ゲージが多く残っているかで決まる王道のもので、普通に対戦格闘を呼称しても不思議ではないゲームデザインとなっている。
ただ、システム周りを掘り下げていくと、対戦アクションを謳うのも納得の作りになっている。第一に勝敗だが、今作には先に挙げた二つ以外に『リングアウト』と呼ばれるものがある。実は今作に用意された一部のステージには端の部分に穴があり、そこから足を踏み外してしまうと落下死判定になるのだ。なので、相手を端まで誘い込み、そこからカウンターなどで反撃を決め、穴に落として短期決戦に持ち込むという戦術を仕掛けられる。ノックアウトに持ち込むのが煩わしいと感じるプレイヤー、格闘アクションに苦手意識を感じるプレイヤーに配慮された選択肢を取り入れているのだ。そして、その仕組みからしてゲームに詳しい方ならお察しの通り、まんま『大乱闘スマッシュブラザーズ』ことスマブラ。あのルールを対戦格闘の枠に落とし込んだ、オマージュ全開なものになっている。とは言え、さすがに『ダメージ蓄積率』のシステムはない。それに吹き飛ばし技もあれど、飛距離がほぼ統一されているので、端に追い込むのにも少々コツが要る。スマブラ風とは言え、そのような違いを描いているのもあり、プレイ感覚はほぼ別物。加えて戦術面でも独自のものを実現するなど、単にトレースしただけでは終わらせないものになっている。
また、第二のコマンド技もスマブラを意識してか、簡略化仕様。少ないボタンの組み合わせで、手軽に繰り出せる。しかも攻撃、回避と言ったアクションのほとんどはWiiリモコンとヌンチャクを振って行う。普通に攻撃する際も、必殺技を発動する時も、回避と受け身を決める時もWiiリモコンとヌンチャクのいずれかを振る。Wii特有のデバイスを活用したものになっているのだ。それもあって、とにかく手が慌ただしい。加減を誤れば、重度の筋肉痛を招きかねないほど、激しい操作を要求される。正直、あまりにも安直な使い方と言えなくもないが、直感的に繰り出せる点で初心者に優しい。肉体的な意味で苦痛を感じる操作系なのは否定しないが、複雑なコマンド技を入れずに振ればいいだけの手軽さは特筆すべき強みだ。また、リモコン&ヌンチャク以外にクラシックコントローラとゲームキューブコントローラにも対応していて、従来操作で遊ぶ事も可能。そんな肉体的にデメリットを与えかねない操作で遊ぶのは…と、抵抗感を覚えるプレイヤーへの配慮も万全に成されている。そこもまたスマブラを意識。それでいて、ありそうで無かった大胆な試みも施し、独特の個性を引き出した作りにまとめられている。
それらの操作で繰り出すキャラクターごとの技も、必殺技と画面下に表示された『技ゲージ』が最大に溜まった際に発動可能となる『超必殺技』と言った定番的なものを抑えつつ、ステージ上に配置された樽、燭台を始めとする『オブジェクト』を投げる『オブジェクトアクション』、ドラキュラシリーズお馴染みの『サブウェポン』という特徴的なものを実装。特に『オブジェクトアクション』はキャラクターごとに異なっていて、先に挙げたのは主役格に当たるシモン・ベルモンドのケース。他のキャラクターになると、そのオブジェクトから力を吸収して攻撃力を上昇させたり、罠を仕掛けたり、時にはオブジェクトを破壊した際の破片で攻撃すると言った特徴的な技を繰り出す事ができるのだ。その使い方次第では、優勢から一気に劣勢に陥れる逆転を狙う事もできるほど。単に相手を攻撃してノックアウトを狙えば良いだけでは終わらせない奥深さを演出している。これもスマブラを意識しているが、ノックアウトとの兼ね合いもあって、戦術性はほとんど別物。罠などの要素が対戦格闘にあったら…という「もしも」を描いた技になっている。また、『サブウェポン』も複数の種類が用意されているほか、それをキャラクター選択の際に装備する仕組みになっており、選んだウェポンによって戦術が変化するのも面白い所。『オブジェクトアクション』よりインパクトは劣るが、こちらもまた侮り難い戦略性を秘めた要素となっている。
他にもゲームモードのラインナップ、一対一の勝負とは別途用意された雑魚モンスターとの戦闘など、対戦アクションゲームである事を意識させる要素が豊富に取り揃っている。特にゲームモードは非常に多彩。本編に当たる『ストーリー』と純粋な対戦格闘が楽しめる『アーケード』のほか、フロアごとに用意された戦闘を攻略し、ドラキュラ伯爵の間を目指す『キャッスル』なる奇抜なモードも実装すると言ったジャンルらしからぬものまで取り入れたごった煮ぶりだ。対戦格闘なのに探索アクション的なものまで楽しめるゲームなど、本当に今作ぐらいと言ってもいいだろう。
スクリーンショットの印象だけだと、ドラキュラシリーズのキャラクター同士で対戦格闘を行うというものだが、相手を倒す手段が一つ限りでは無いこと、探索要素を入れた特殊なゲームモードが収録されている、雑魚敵との乱戦があるなど、その味付けは大変個性的。まさにドラキュラシリーズ特有の要素、スマブラ風味の対戦格闘というものを目指したコンセプトが光る内容で、あらゆる面でシリーズ異色の試みが炸裂した作品にして、怪作とも言える仕上がりだ。

そんな今作の魅力は大胆過ぎるキャラクターバランス。どのキャラクターも露骨な個性付けが図られていて、独立した操作感と動かす面白さ、難しさを表現する作り込みが徹底されている。
紹介が遅れてしまったが、今作に登場するキャラクターは全部で13人。初代悪魔城ドラキュラの主人公であるシモン・ベルモンド、『悪魔城伝説』での初登場後、『悪魔城ドラキュラ 月下の夜想曲』で主人公に抜擢されたアルカード、メイン主人公を喰う機動性と火力の高さで話題を呼んだ『悪魔城ドラキュラX 血の輪廻』のマリア・ラーネッド、シモンの祖先にして『悪魔城伝説』の主人公であるラルフ・C・ベルモンド言った著名なキャラクターから、メガドライブで発売された唯一のドラキュラ作品『バンパイアキラー』の主人公の一人であるエリック・リカード、『悪魔城ドラキュラ黙示録外伝』に登場した狼男コーネルなどの知る人ぞ知る作品のキャラクターが登場する。更にこれに加え、シリーズお馴染みのモンスターであるゴーレム、女ヴァンパイアことカーミラ、ドラキュラに忠誠を誓う死神ことデスと言った敵側のキャラクターもプレイヤーキャラクターとして使う事ができる。勿論、ドラキュラ伯爵もだ。
そんなこれまでのシリーズでは敵で、操作対象でなかったキャラクターも動かせるというだけでも大きな魅力があるのだが、それ以上にバランス付けが濃い。もの凄く動かし難いが、非常に命中精度の高い『超必殺技』を持っていたり、暴走状態になるとステータスが大幅に変わるなど、どれもこれも長所と短所が徹底して強調された調整が図られているのだ。突出しているのはドラキュラ。そもそも、ドラキュラを操作できるというだけでも絶大なインパクトがあるのだが、それ以上の特徴をこのキャラクターは持つ。何と、歩けない!走れない!対戦アクションはおろか、格闘ゲームとしても前代未聞の仕様になっているのである。では、どうやって移動させるのかというと、過去のドラキュラシリーズ同様のワープ。別ジャンルであるというのにこのキャラクター、原作通りの移動法を用いて戦うのだ。そんな仕様ゆえ、機動性は全キャラクターの中でも最低。すんなりと動かせない。しかしながら、攻撃力は抜群で、技は相手に大きなダメージを与えるものばかり。それ故に短期決戦に持ち込み易い長所があり、使いこなせるようになればシリーズの最終ボスとしての本領を存分に発揮。極めれば極めるほどに悪魔城ドラキュラの名に相応しい暴れっぷりを見せるのだ。そのドラキュラとしての個性を余す事無く表現し、オリジナルを尊重した作りになっているのが実に強烈。これが普通に移動できる仕様だったら、ここまで濃いキャラクターになっていなかっただろうと感じてしまうぐらい、強烈なキャラクターに仕上げられているのだ。このような調整が図られているのはドラキュラだけではない。他のゴーレム、デス、サイファ、コーネル、グラントと言ったキャラクター達も唯一無二の個性を併せ持つキャラクターになっている。勿論、シモン、アルカードのような正統派のキャラクターもいるが、いずれも鞭や剣と言った武器を用いて戦うだけあって、その当たり判定(リーチ)を考えながら戦わねばならなかったりと、徹底して違いを出す事にこだわっている。人間から人外まで、幅広いキャラクターが登場する作品の世界観を活かす意図で、あらゆる部分を露骨にする。そして、使えるのはプレイヤーキャラクターとして登場した者達だけにしない。こう言ったバランス付けからは、今作が単なるドラキュラのキャラクターを使っただけの対戦アクションゲームでは無く、ドラキュラのキャラクターを使うからこその対戦アクションゲームにするという明確な意図を持って作り込んだ、制作スタッフのこだわりが感じ取れる。その結果、唯一無二の手応えを持つ対戦アクションゲームとして成立させているのだから、さすがと言わざるを得ない。このような形にまとめ上げたのは素直に大きな評価に値するところ。ドラキュラだからこそのこだわりの数々には、強烈な愛を感じさせられるばかりだ。
ステージ構成やゲームモードのバリエーションの多彩さも特筆に値する。前者に関してはこれぞ悪魔城ドラキュラと言わんばかりにギミックが強調された作りになっているのが面白い。巨大な像がレーザー攻撃をしてきたり、地中からゾンビの大群が現れて妨害してきたり、シリーズお馴染みの振り子鎌が邪魔してきたりなど、一筋縄ではいかない地形ばかり。巨大な魚が足場を破壊してくるという、リングアウトの危険と隣り合わせな状況で戦う場面もあったりと、今作特有のシステムを活かしたステージがあるのも大きな見所だ。そんな危険が常に付きまとう場で相手と戦うという構図は、ドラキュラらしさ満点。こう言った所からもドラキュラシリーズを題材にすることへのこだわりを垣間見る事ができる。
後者もその物量からして圧巻。オーソドックスな対戦から城内探索を行うものまで、多彩な遊びが楽しめる。例によって最も印象的なのは『キャッスル』で、フロアごとに用意された敵との勝負を繰り返しながら悪魔城内部を探索していく流れが新鮮。更に体力はセーブポイントに到達するまで回復不能という点も、探索型のシリーズを踏襲しているのがユニークだ。広大なマップを隅から隅まで探索していくスタイルでは無い為、少し地味な所はあるが、構成の奇抜さとボリュームの大きさもあってやり応えは十分。まさに今作屈指の個性を持ったモードとなっているので必見だ。
他に雑魚のモンスター達だけと戦う無双チックな戦闘が挟まれたりなど、レベルデザイン周りも一対一の勝負が続くだけの構成で終わってないのも見事。それもまた、ドラキュラらしさへのこだわりが溢れている。
しかし、本編に当たる『ストーリー』がやっ付け過ぎる作りなのは度し難い。全13人の戦いを何度も何度も繰り返していくだけと、非常に単調。おまけに13人+1人全てのキャラクターのエンディングを迎えないと、最終ボスと戦えないのだから余計に酷い。肝心のストーリーも空気同然で、歴代シリーズのキャラクターが掛け合う場面はごく僅かと、魅力的な設定を全く活かせてない。これなら、普通に『キャッスル』をメインモードにした方が内容的に濃いものができただろうに、何故、こんな単調な構成のゲームモードを本編にしてしまったのか、理解に苦しむ。また、今作は3Dのフィールドで勝負が展開されるのだが、このカメラワークが酷く、キャラクター同士が重なってしまって位置が分からなくなってしまうなど、ストレスフルな調整になってしまっているのも度し難い。体格の大きなゴーレムを使うと更に位置の分かり難さが増すなど、問題を深刻化させる要素が存在するのも致命的だ。元々、ドラキュラシリーズは3D化で失敗した経験を何度も重ねているが、今作のような対戦アクションでもその轍を踏むとか、さすがに呆れてものが言えない。
露骨過ぎるキャラクターの個性も、裏を返せば対戦で実力差を生み易い事も意味していて、手放しでは褒められないのが厳しい。とにかくドラキュラならではの対戦アクションゲームを、というこだわりを持って作った事は隅々から伝わってくるのだが、それがアダとなってしまっている所も多く、結果として欠点が際立つ仕上がりになっているのは何とも痛々しい。実力差が生じ易い所とか、本気でこれで問題ないと思ったのか。仮にも対戦格闘の制作経験を持つスタッフが関与していてこの出来なところには、制作期間の足りなさや余計な口出したあった事を邪推してしまう。

操作性も先の解説から大体察せる通り、リモコン&ヌンチャク操作があまりにも無茶。直感的にコマンドを繰り出せるのは素晴らしいが、振る操作を頻繁に求められるが故に筋肉痛を引き起こし易く、長時間プレイに耐えられない。そもそも、通常攻撃ですらリモコンを振って行うとか、さすがにそこはボタンに割り振るべきじゃないだろうか。どうにも、Wiiのゲームだから絶対に使うようにしたという、浅ましい発想の元に作られた感がある。本当、クラシックコントローラ、ゲームキューブコントローラに対応しているのが救いだ。これでしていなかったらと思うとゾッとする。
ボリュームも『ストーリー』の作業的過ぎる展開もあってか水増し感が強い。ただ、『キャッスル』は内容的にも秀逸で、攻略していく事でキャラクターの見た目をアレンジできる『アクセサリー』、『ギャラリー』で閲覧と試聴が可能になるイラスト、サウンドが手に入る特典は自然と集めたくなってしまう魅力に秀でている。エンディングを目指すだけでも3時間近くかかるなど、この手のジャンルにしては長いのもちょっとした見所だ。
グラフィックの質も高く、キャラクターのモデリングは元のイラストを忠実に再現したものになっている。しかし、元のデザイン自体が原作とは大きく異なるものになってしまっている為、シリーズファンであれば強烈な拒否反応を覚えること必至。人によっては、あまりの別人っぷりに憤りすら覚えるだろう。特にラルフ、グラント、エリックは何故、こんな容姿にしたのかと、責任者を追求したくなるかもしれない。
反面、音楽は過去のシリーズの名に恥じぬクオリティ。様々な名曲の数々がジャンルに併せたアレンジを施されて収録されているほか、そのアレンジ自体の質も非常に高い。『悪魔城伝説』のアレンジなど、一部、原曲から著しく離れたものももあれど、シリーズらしさ溢れる質の高さには大きな安心感を覚えるだろう。

演出周りもイベントデモはフルボイスによる会話で展開されるほか、勝利時にはキャラクターが決め台詞を決める短いデモが挟まれるなど、凝った仕上がりになっている。ただ、各キャラクターのボイスはアルカード、マリア、死神、ドラキュラの四名がオリジナルとは異なる声優に変更されてしまっている。それなのに『悪魔城ドラキュラ 奪われた刻印』の主人公シャノアだけは原作と同じという矛盾。そこまで変更するなら思い切って全部やればいいのに、その中途半端さにはモヤっとする。原作のファンから見ても、この配役には違和感を覚えるかもしれない。しかしながら、マリア役の松来未祐氏、ドラキュラ役の中田譲治氏は結構ハマっている。また、原作では声の無いゴーレムにもちゃんと声優が配役されているという見所もある。全く喋らないキャラクターが今作に限って喋るその絵には、シリーズを知る人なら変な笑いが込み上げてくるかもしれない。この他、最大二人までとは言え、Wi-Fiコネクションによるオンライン対戦も可能であったり、この手のジャンルにしては珍しく複数のセーブデータが作成できるのも地味な見所だ。
キャラクターバランスや豊富なゲームモードなど、総じて光る部分は多い。だが、実力差が現れ易い対戦時のバランス、リモコン&ヌンチャクの雑な使い方にカメラワークと難点も多い。歴代シリーズのキャラクターが一同に集う設定なのにデザインとボイスは別物と、ファンアイテムとしてもあまり欲求を満たせてない部分が目立つ。とは言え、決して遊べないほど酷くは無く、対戦アクションゲームとしては変わった手応えを持つ今作。
少し変わった悪魔城ドラキュラを遊んでみたい…と思ったら、試してみる価値はある佳作だ。但し、リモコン&ヌンチャク操作だと腕が大変な事になるので、プレイする際は必ずクラシックコントローラかゲームキューブコントローラを。俺はシモンのような肉体を目指しているから、筋肉痛になっても大いに結構!…というのなら、構わずどうぞ。
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