■上映:2013年11月1日
■監督:ジョシュア・マイケル・スターン
■出演:アシュトン・カッチャー、ジョシュ・ギャッド、アーナ・オライリー、ダーモット・マローニー、マシュー・モディーン、J・K・シモンズ(ほか)
■日本語吹替:小野大輔、高木渉、伊藤和晃、津田英三、小島敏彦、鈴木佑治、川島悠美(ほか)
■販売元:ポニーキャニオン
■定価:4700円(Blue-Ray:税別)、1800円(DVD:税別)
【Latest Update :7/26/2026 | First Publication Date:3/25/2018】
登場ゲーム&ゲーム効果音
【登場ゲーム一覧】
◆PONG(ポン)
◆コンピュータースペース
◆ブレイクアウト
ストーリー概略
2001年。Apple社CEOのスティーブ・ジョブズはポータブル音楽プレイヤー『iPod』発表の場に立っていた。
さかのぼること27年前の1974年。スティーブは大学退学後も無料で講義を受講し続け、時にはインドへと足を運んで東洋の思想を学ぶなりして自らの将来を模索していた。
のちにスティーブは対戦型アーケードゲーム『PONE(ポン)』で一世を風靡した「Atari」に入社。ゲーム機の開発に携わる。しかし、他人と協調することを苦手としていたスティーブは自由を求めてAtariを退社。友人のウォズことスティーブ・ウォズニアックと共にアップルコンピュータを立ち上げる。そして、自宅のガレージでスティーブたちは家庭用コンピュータの製造に取り組み始める。
彼の成功と挫折、栄光の物語はここから始まった。
作品解説
『Apple II』『Macintosh』『iPod』『iPhone』『iPad』―それら世界の人々のライフスタイルに多大な変化を及ぼした家庭用コンピュータ、ポータブルデバイスの開発に携わり、2011年に56歳という若さであまりにも早い生涯を終えたApple社CEO、スティーブ・ジョブズの半生を描いた伝記映画。原題は『Jobs』。2013年1月25日に「サンダンス映画祭」にて限定上映され、同年8月16日よりアメリカで一般上映された。日本ではそれから約3ヶ月後の11月に上映されている。
スティーブ・ジョブズ役は初代『バタフライ・エフェクト』において、主人公のエヴァンを演じた俳優のアシュトン・カッチャー。ジョブズの友人であり、Appleの共同設立者のスティーブ・ウォズニアック(ウォズ)役には本作の後に上映されたディズニーアニメ映画『アナと雪の女王』の雪だるま「オラフ」の声を担当した俳優のジョシュ・ギャッドが起用されている。ほかのキャストとしてアーナ・オライリー、ダーモット・マローニー、マシュー・モディーン、J・K・シモンズほか。
監督は主にテレビ映画の脚本家として活躍していたジョシュア・マイケル・スターン。本作は『Neverwas』(2005年、日本未公開)『チョイス!』(2008年)に次ぐ3本目の監督担当作品となる。
本編はジョブズの大学時代、Atari社時代からのApple創業、Macintosh開発と発売後の不振による挫折とApple離脱、そしてAppleへの復帰とCEO就任という過程が事実上の三部構成として描かれる。ややネタバレになるが、iPhoneとiPadに関するエピソードは皆無で、iPodの完成を見たところでエンディングを迎える内容になっている。そのため、ジョブズに対してiPhone、もしくはiPadのイメージを持っている人ほど、肩透かしを喰らいやすい。
iPhone、iPadのエピソードがないことから、2005年にスタンフォード大学の卒業式で行われた「Stay hungry , stay foolish」の伝説的なスピーチにまつわるシーンもなく、晩年に自身を蝕んだ病魔との戦いに関しても全く触れられることはない。また、作中で扱われるエピソードにおいても、2時間の映画としてまとめる都合でか、細かい部分が端折られている。特にAtari時代のエピソードにおいて顕著。採用面接で強情な態度を取って当時のトップであるノーラン・ブッシュネルを引っ張り出した件、Atariを退社した後に再び同社へ復帰した件は完全に省略されている。Appleから退職した後の動向についてもまた然り。ネクスト・ソフトウェア(NeXT社)を創業し、『NeXTcube』と『NeXTstation』などの製品開発に従事したこと、映画『トイ・ストーリー』シリーズで知られるピクサー(ピクサー・アニメーション・スタジオ)設立のエピソードも省かれている。このため、特にApple復帰を描いた終盤は説明不足が目立っているほか、展開的にも駆け足に感じやすい。これら以外にも端折られているエピソードは結構あり、率直に言って、ジョブズの半生を描いた作品としてはほど遠い仕上がりになってしまっている。とりわけ前提知識が必須になる点で伝記映画としてはかなりハードルが高いため、スティーブ・ジョブズのことをすべて知るために本作を観る……というのはオススメしがたい感じだ。
ただ、ジョブズがApple創業までにどんな道を辿ってきたのか、彼自身がいかなる人物で、なぜ問題児と一部から言われたのかの一端については十分に把握できる内容になっている。アシュトン・カッチャーによる、ジョブズ本人の一挙一動まで忠実に再現しきった演技も必見。おまけに若き日の姿に関しては、当時のジョブズと瓜二つであるため、若き頃を知る人ならば「本人では?」と一瞬、錯覚しかねないほどである。ウォズ役のジョシュ・ギャッドを始め、脇を固めるキャストの存在感も十分なほか、Atari社内部、創業当時のガレージ、Appleの会議室といったセットの再現度も高い。プレゼンテーションシーンも当時の雰囲気を忠実に再現するという工夫が光っている。また、エンディングでは本編に登場した人物たちの現在の姿が紹介されるといった、伝記映画なりのサービスも押さえられている。
前提知識必須な点がタマにキズではあるものの、全体的に見所はそれなりに多く用意された仕上がり。特にアシュトン・カッチャーのなりきりぶりは特筆すべきものがあるので、若き頃から晩年のジョブズの容姿を知る人であれば一見の価値がある作品だ。
ちなみに本作から2年後の2015年には、『X-MEN(※ファーストジェネレーション以降)』シリーズのマグニートー役で知られる俳優のマイケル・ファスベンダーがジョブズを演じる同名の映画も上映された。
こちらは1980年代の『Macintosh』を始めとする製品発表前の苦悩から私生活など、実際に刊行された伝記に沿った内容にまとめられている。細かい部分が端折られた本作と併せて観ることで、ある程度の補完が図られるので、当時のジョブズが抱いていた思いを知りたいのならば鑑賞をオススメする。
ただし、こちらもある程度の前提知識はあった方が楽しめるので、その準備もお忘れなきよう。
ゲーム登場&効果音使用場面
ストーリーと作品解説の項目にて触れている通り、本作にはAtari時代のジョブズを描いた場面があり、そこで実際にジョブズとウォズが制作に携わったゲームタイトルおよびゲーム筐体が出てくる。筐体が出てくるのは『PONG(ポン)』のみ。ほかの『コンピュータースペース』『ブレイクアウト』に関しては、それぞれのゲーム本編をプレイする模様のみで、筐体は出てこない。