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バタフライ・エフェクト

■上映:2005年5月14日
■監督:エリック・ブレス、J・マッキー・グラバー
■出演:アシュトン・カッチャー、エイミー・スマート、ウィリアム・リー・スコット、エルデン・ヘンソン、メローラ・ウォルターズ、エリック・ストルツ(ほか)
■日本語吹替:渋谷茂、渕崎ゆり子、大坂史子、勝杏里、鶴岡聡、玉川砂記子(ほか)
■販売元:ジェネオン エンタテインメント
■定価:3980円(DVD:税別)※プレミアムエディション

【Latest Update :7/19/2026 | First Publication Date:7/5/2015】

登場ゲーム&ゲーム効果音


【登場ゲーム一覧】
◆ゲームボーイ(初代)

ストーリー概略


大学で心理学を学ぶ青年エヴァンは幼少期より、時折、短期間の記憶を喪失する謎の症状に悩まされていた。母親のアンドレアは心理療法士に症状の検査を依頼するも、特に奇妙な点を見出すことはできずに終わる。

心理療法士は治療の一環として、エヴァンに毎日、日記を付けることを勧め、以降、エヴァンはそれを書き続けつつ、幼馴染のケイリー、トミー、レニーと共に少年時代を過ごす。
ところが、ケイリーの兄・トミーによる嫌がらせと悪質なイタズラを端に発した事件をきっかけに、エヴァンはケイリーたちの人生を狂わせることになってしまい、結果的に地元を離れることになってしまう。その際、エヴァンはケイリーに「必ず迎えに来る」と誓ったのだが、そのまま7年の時が過ぎ去り、2人は別々の道を歩んでいた。

青年になったエヴァンは記憶喪失の症状もほとんど出なくなり、普通の学生生活を過ごしていた。だがある日、ふと過去に付けた日記を読んだところ、エヴァンは日記に書かれていた時代へと逆行してしまう。その日記には、書かれた過去の時間へと戻ることができるタイムリープの力があったのだ。

今でこそ普通の学生生活を送っているものの、過去の自らの行いが元で、少年時代の幼馴染たちの人生を狂わせてしまったことを悔んでいたエヴァンは、この力を駆使して運命を書き換えるための行動に出る。

しかし、それは必ずしも幸せな未来を全員に確約させるものではなかった。

作品解説


小さな蝶が羽ばたくと、地球の裏側で竜巻が起こる―

1960年代、アメリカ・マサチューセッツ工科大学在籍の気象学者エドワード・ローレンツが提唱したカオス理論のひとつ「バタフライ効果」を題材にしたSFサスペンス映画。アメリカでは2004年上映、日本では2005年に上映された。
監督兼脚本はホラーサスペンス映画『デッドコースター』の脚本・原案を手がけたエリックブレスとJ・マッキー・グラバー。主人公のエヴァン役には『ゾルタン★星人』『ジャスト・マリッジ』『セレブな彼女の落とし方』などのコメディ映画作品に出演していた俳優のアシュトン・カッチャーを起用。本作が氏にとっては初めてとなるシリアス系の映画主演作となった。ヒロインのケイリー役も『ロード・トリップ』『ラットレース』などのコメディ映画への出演が(当時)大半を占めていた俳優のエイミー・スマートが演じ、それまでとは違った方向性の演技を見せている。ほかの脇を固めるキャストとしてウィリアム・リー・スコット、エルデン・ヘンソン、メローラ・ウォルターズほかが起用されている。

過去の時代へと遡り、その後の運命の書き換えに挑むタイムトラベル系のSF映画だが、戻れるのは少年時代だけで、持病の記憶喪失が発症していた瞬間に限定されるという設定が特徴。また、たとえ運命を変えられたとしても、その後の未来が必ずしも幸せにはならず、誰かしら不幸に陥ることになるという、悲劇的かつもどかしさのあるストーリー展開もそのひとつになっている。これらの特徴も相まって先行上映されたアメリカでは高い評価を獲得。その後、シリーズ化を遂げるほどの大ヒットになった。しかしながら、後に出た続編『バタフライ・エフェクト2』と『バタフライ・エフェクト3/最後の選択』に、本作の監督兼脚本を担当したエリック・ブレス、J・マッキー・グラバーの2人は参加していない。そのためか、作風も1作目とは毛色が大きく異なるため、賛否を呼びやすい内容になっている(※特に3作目において顕著)。そうした実態もあってか、続編2作をいっさい認めず、『バタフライ・エフェクト』はこの1作目しかないと見なすファンも少なからずいるとか、いないとか。どんな具合に作風が異なるかは、本作の後に鑑賞すれば色んな意味で分かるだろう。

話が脱線したが、本作は事前に高く評価がされたこともあって、最初から最後まで一瞬たりとも見逃せないストーリーに仕上げられている。特に何度、タイムリープを試みて未来を書き換えても一向に幸せが訪れないどころか、前よりも酷いことになってしまう展開が演出するもどかしさは、タイムトラベルを題材にした作品としては稀有な悲劇性と説得力が醸し出されている。運命書き換え後の未来のバリエーションも多く、ヒロインのケイリーがやさぐれてしまうのは序の口。ほかにもケイリーの兄であり、エヴァンの運命を狂わせた張本人であるトミーがエリートに転身したり、逆にエヴァン自身が衝撃的な姿になってしまっているようなものまである。その衝撃的な姿になってしまう未来に関しては、どのように撮影したのかという技術面での興味まで刺激するほど。そして、一連の悲劇的な展開を経て迎えることになるエンディングもほろ苦く、悲しいものになっており、「こうなるしかなかったのか」と観ている側に虚しさを与える。ただ、いわゆるバッドエンドではなく、希望を残す終わり方になっているので後味の悪さがないのが面白く、いい意味で印象に残るものになっている。
ほかに演出面でも独自の工夫とアイディアが凝らされているほか、主人公のエヴァンを演じるアシュトン・カッチャーの悲壮感を醸し出した演技も必見。氏にとっては後年の『スティーブ・ジョブズ』(2013年上映)を始め、シリアスな映画へ進出する原点に当たる作品でもあるため、その遍歴を知るに当たってはチェックが欠かせない作品と言えるだろう。見所が多い反面、矛盾点もワリとあったりするなど、タイムトラベル映画特有の粗もあるが、登場人物を絞り込んだなりの掘り下げと設定周りが光る秀作。タイムトラベル系の映画を好む人であれば、観るのは避けては通れない作品のひとつである。

余談だが、本作には全部で3種類のエンディングが存在する。そのうちの2つはDVDの特典映像として確認できるが、残る3つ目に関してはディレクターズ・カット版(※プレミアム・エディションのパッケージ内に限り収録されている)でしか拝むことができない。それがどのような結末なのかは例によってネタバレがすぎるため省略するが、観るにおいては一度、上映版の通常エンディングを確認し、心の準備を整えてから臨むことを推奨する。ちなみにこの3つ目のエンディングでは、前述した矛盾の一部が解消されるというちょっとした見所がある。

さらなる余談として、本作は2009年にXbox 360向けゲームとして発売されたのち、他機種への移植や続編の発売、テレビアニメ化を果たすほどの人気を博したアドベンチャーゲーム『STEINS;GATE(シュタインズ・ゲート)』の元ネタに当たる作品でもある。実際にゲームをプレイした後に本作を鑑賞してみると、露骨にオマージュしていると思しき場面が出てくる。そのため、同作のファンも観ておく価値のある作品……と言えるかもしれない。

ゲーム登場&効果音使用場面


初代ゲームボーイ本体が登場。本編終盤、肺がんと診断された母親のアンドレアに「元に戻してあげる」とエヴァンが言った直後の自宅(アパート)シーンで映る、日記を収納したダンボールの中に当の本体が紛れ込んでいた。本体の正面しか映らないため、背面のスロットにゲームカートリッジが差し込まれているのか否かは不明。