
©2016 Sony Interactive Entertainment America LLC. Developed by Insomniac Games.
■発売元:ソニー・インタラクティブエンタテインメント
■発売元:インソムニアックゲームズ
■ジャンル:アクション
■CEROレーティング:A(全年齢対象)
■定価:2,189円(税込)

©2016 Sony Interactive Entertainment America LLC. Developed by Insomniac Games.
■発売元:ソニー・インタラクティブエンタテインメント
■発売元:インソムニアックゲームズ
■ジャンル:アクション
■CEROレーティング:A(全年齢対象)
■定価:2,189円(税込)
「キャプテン・クォーク」率いるヒーロー集団「ガラクチックレンジャー」に憧れている、機械いじりが大好きな少年「ラチェット」。彼はヒーローになるのを夢見て、ガラクチックレンジャーの入隊試験を受けるが、あえなく不合格。
同じ頃、宇宙では「ビッグ・バンド・ボス(BBB)」こと「ドレック」が理想の惑星を作るべく、戦闘ロボの大軍を各惑星に送り込んでは破壊の限りを尽くし、気に入ったパーツを奪っていた。
ドレッグの次の狙いは、「惑星ケルバン」のガラクチックレンジャー本部。邪魔なガラクチックレンジャーたちをやっつけるため、戦闘ロボの大群を送り込もうとする。
その戦闘ロボの工場で偶然生まれた不良品ロボ「クランク」はドレックの計画を知り、ガラクチックレンジャーに危険を知らせるために宇宙船で工場を脱出。しかし、追撃を受けてラチェットの住む「惑星ベルディン」に墜落してしまう。
そんなクランクを偶然見つけたラチェットは、「ガラクチックレンジャーに会いたい!」というミーハー心から、自作の宇宙船で惑星ケルバンへと向かう。その先で2人を待つものとは……?
▼Good Point
◆足場を渡っていくアスレチックあり、銃火器風の武器で立ち回る戦闘シーンありの至れり尽くせりな本編
◆TPS風の狙い撃つ操作を求められながらも、当たり判定の広さもあって簡単に命中させられ、その醍醐味と爽快感を気軽に味わえる「武器ガラメカ」を駆使した戦闘シーン
◆パズルあり、シューティングあり、時には箱庭空間の探索ありとバリエーションに富んだミッション
◆仕掛けや見た目の雰囲気に加え、規模感も大きすぎず小さすぎずの適度な塩梅にまとめられた各惑星のフィールド
◆命中した敵を2次元化させたり、強制的に躍らせるなどの個性的すぎる特徴を持った全15種類もの武器ガラメカ
◆武器ごとの特徴を踏まえ、効果的な一手を編み出す組み合わせを試行錯誤する面白さと高い戦術性
◆2段ジャンプがデフォによる抜群の機動性と、クセのない触り心地が見事なラチェットとクランクのアクション
◆適切かつ手に馴染みやすいボタン配置と、入力時のスムーズな反応といった手触りの良さが異彩を放つ操作性
◆回収することによる特典が魅力的で、集める気持ちを大いに刺激するやり込み要素「ゴールデンボルト」集め
◆1周は短めながら、武器ガラメカの完全強化や周回プレイなどのやり込み要素が充実した密度濃いめのボリューム
◆多彩な武器で敵を翻弄する爽快感と使い分けの戦術性を絶妙の塩梅で保たせた難易度(高難易度も別途存在)
◆まさに「動かせるCGアニメ」を体現した圧倒的な美しさが異彩を放つグラフィック
◆戦闘シーンの爽快感を引き立てると同時に、見ているだけでもスカッとする魅力に秀でた演出(特に破壊表現)
◆全編ドタバタな展開とキャラクター同士の愉快な会話劇で魅せるストーリー(ただし……?)
▼Bad Point
◆周回引き継ぎプレイ時の負担を際立たせる1つしか作成できないセーブスロット(強制リセットが避けられない)
◆戦闘パートのテンポ感とは裏腹にややスローな展開になりがちのクランクによるパズルパート
◆オリジナルのPS2版経験者には賛否が分かれやすい、設定改変などが実施されたストーリー(ほぼ別物)
◆主人公2人以上に出しゃばりで、本人の性格と言動も相まって不快感を抱きやすいキャプテン・クォーク
◆15種類と数は豊富な反面、個々の性能差の把握においては若干の手間が要される武器ガラメカ
◆一部、耐久力の硬さで長期戦になりやすいボスの存在(特に難易度ハードになるとその傾向が高くなる)
メカ好き少年と不良品ロボのコンビが送る大冒険、再始動(リブート)!
◇2002年にPlayStation 2専用タイトルとして発売され、国内でも若年層を中心にヒットを飛ばした3Dアクションゲーム『ラチェット&クランク』のPlayStation 4向け完全新作。厳密には2002年発売の第1作『ラチェット&クランク』を再構築したリブート作品である。一部設定は、2016年の海外版発売と同時に上映された映画『Ratchet & Clank』(邦題『ラチェット&クランク THE MOVIE』)を下地としている。
開発はシリーズに長年携わるインソムニアックゲームズが担当。ゲームの中身も3人称視点で展開される3Dアクションゲームという、シリーズお馴染みのものになっている。具体的には様々な惑星を舞台に、ストーリーの進行に沿って課せられる「ミッション」を攻略しながら進めていく内容。形式的にはステージクリア型だが、ストーリーに関係しないミッションが脇道に設けられていたり、ラチェットのパワーアップ(後述)に応じて攻略済みの惑星に新しいルートが解放されるといった探索型アクションゲームの要素も採り入れられている。端的に言うならば“ハイブリッド”。
◇過去の『ラチェット&クランク』シリーズと同じく、特徴は「ガラメカ」と称されたアイテム。各惑星でのミッション、探索を進めていくと手に入り、ラチェットのアクションや攻撃手段を増やせる。いわゆるパワーアップシステムである。
ガラメカは2つのタイプがあり、主力になるのが「武器ガラメカ」。単刀直入に言えば銃火器。ほかに「オムレンチ」なる巨大なレンチも武器として用意されているが、本作の戦闘の大半は「武器ガラメカ」を用いた銃撃戦が占める。そのため、全体的にサードパーソンシューティング(TPS)っぽさがある。実際に右スティックで照準を敵に合わせ、R2ボタンで発射という操作からしてまんまTPS。弾数制限の概念もある。
ただ、比較的大雑把に撃っても狙った相手に命中させられる程度に当たり判定は広め。武器ガラメカの中にも広い範囲をカバーしてくれるものが充実しているほか、弾数制限はあってもリロード(装填)の概念はないため、仕組みとは裏腹に直感的に立ち回って撃ちまくれる。そのため、TPSらしさはあれど手触り自体はアクションゲーム寄りとなっている。
◇「武器ガラメカ」には使い込むことによってレベルアップする仕組みがある。レベルアップすると、攻撃範囲の拡大を始めとする新たな効果が追加され、より強いガラメカへと進化する。また、各惑星のステージに設けられた「ガラクトロン・ショップ」では、敵を倒した時などに手に入る「ラリタニウム」なる結晶を用いて、最大弾数の増加といったパワーアップを図る「ラリタニウムアップグレード」も実施可能。レベルアップと連携させることによって、さらに強力な武器ガラメカへと発展させることができる。そして、特定の条件を達成すると「オメガ武器」なる上位クラスが解禁され、通常の「武器ガラメカ」以上のレベルアップと威力の強化を図れるようになる。最大に達した時における戦い様たるや、もはや火力任せの無双プレイそのもの。そんなやり込み意欲を刺激する要素も備えられている。
◇武器ガラメカの特徴とシステムからは、戦闘イベント多めの印象を抱かせるが、ジャンプを駆使して足場を渡っていくアクションゲームらしい展開も豊富。場所によっては、ラチェットの持つオムレンチでボルトを動かし、次の場所へと渡れる足場を作り出したり、レールの上を高速で駆け抜けつつ、障害物を回避しながら進むというスピーディかつスリル溢れるアクションシーンもある。さらにミッションによってはラチェットではなく、宇宙船を操作して360度旋回可能な広大なフィールドを飛び回り、敵とのドッグファイトに挑むというバリバリのシューティングイベントまで用意されている。これ以外にも特殊装備による滑空アクションを駆使して探索するイベントもあったりと、とにかくプレイヤーを一瞬たりとも退屈させまいとする工夫が凝らされている。そこに前述した武器ガラメカを駆使した戦闘も挟まれるため、嫌でもその密度の濃さを思い知らされるはず。
◇ほかにラチェットとは別にクランクを単独で操作して進むパートも用意されている。そちらはパズルを始めとした謎解きに特化した内容に構成されており、戦闘とアクションが豊富なラチェットとの対比になっている。そんなラチェットとクランクもPS2の第1作と変わらず日本語ボイスに完全対応しており、配役も津村まこと(ラチェット)、大川透(クランク)と変わっていないため、経験者ならば感無量だろう。 全体的に銃撃戦あり、アスレチック的なアクションあり、はたまたシューティングにパズルありと、至れり尽くせりな内容が異彩を放つ作り。相応に密度の濃さもかなりのものになっていて、遊び応えと満足感も申し分ないアクションゲームとして仕上げられている。
気軽に触れて大暴れできる手軽さと、映像面の派手さで魅せる傑作3Dアクション。
TPSのように狙い撃つ要素と豊富な武器といった特徴から、若干、遊ぶハードルの高さを感じさせられるが、実態はそれとは裏腹に取っつき易さ抜群。主人公のラチェット(とクランク)を思うがままに動かせ、なおかつ大暴れできる楽しさと気持ちよさが異彩を放つ仕上がりとなっている。
その魅力が顕著に発揮されているのが戦闘シーン。「武器ガラメカ」の操作感自体はTPSまんまなのだが、精密な射撃は一切求められないため、ある程度、大雑把に撃っても敵に命中するようになっている。弾数制限はあるが、敵を倒すと結構な頻度で関連アイテムを落とすため補給は容易だ。また近接武器であるオムレンチもなかなか優秀で、特に大量の雑魚敵を相手にする場面においては武器ガラメカ以上の活躍を見せてくれる。
武器ガラメカは上位種の「オメガ武器」を含め15種類と盛りだくさん。その個性付けも面白いを通り越してぶっ飛んでいる。特に命中した対象を2次元化させる「ピクセライザー」、強制的に躍らせて無防備な状態にさせる「ミラーボール」はその筆頭だ。プラズマ弾を単発発射するピストルタイプを始め、TPS(およびFPS)でも見られる正統派の武器も用意されているが、インパクトの面では個性派が突出している。そんな武器を活用しながら戦うのだから、戦闘が盛り上がらないはずもない。 特に性能が個性的な分、どの武器とどの武器を併用して相手を的確に仕留めるかという組み合わせを考えつつ実行に移すのが面白い。ミラーボールで相手を無防備にさせたところにミサイルランチャーを容赦なく浴びせる、といった具合だ。
武器ガラメカは最初から全種類が使えるわけではなく、基本的には本編の進行に合わせて追加されていく形だが、組み合わせによる効果が想像しやすく種類も多いだけあって、選択肢が増えた時の嬉しさはかなりのもの。また、個性的すぎるからこそ「次はどんな武器ガラメカが手に入るのか?」という興味も誘い、本編を進める楽しさを大いに引き立てる。その期待に応える武器が手に入ったり、時には個性的すぎて戸惑ったりといった体験がプレイヤーの心をくすぐるのだ。
使い分けの重要性と、それぞれの存在意義を強調したバランス調整も素晴らしい。弾の補充は容易とはいえ枯渇するまでの時間はやや早く、ひとつの武器にこだわり続けて立ち回るのは難しいバランスになっている。敵にも特定の武器ガラメカだと対処しにくい個体が存在し、それが乱戦時に現れる展開も用意されている。中盤以降はその傾向が一層強まるが、手持ちの武器ガラメカも増えているため選択肢は広くなっている。
使い分けて状況を打開する楽しさを重視しつつも、直感的かつ大らかに撃ちまくれる楽しさは損なわれていない。爽快感と遊び応えの両立を図ったその調整は窮屈さを感じさせず、まさに職人技と言えるものだ。
絵的にも派手さとハチャメチャさに全振りした感じだが、その印象とは裏腹の遊び応えある作りには遊べば遊ぶほど唸らされる。それでいて直感的かつ大雑把に動いてもなんとかできる余地まで設けられている辺りに、本作の3Dアクションゲームとしての並外れた完成度を垣間見るだろう。
戦闘に焦点を当てたが、本編全体の構成にも退屈させないこだわりと工夫が光る。大規模戦闘、探索、謎解き、巨大ボス戦といったイベントが矢継ぎ早に展開し、最初から最後までプレイヤーをくぎ付けにさせてやるという開発チームの確固たる意志が現れている。
舞台となる惑星それぞれの規模感も絶妙だ。広大な箱庭空間が舞台の惑星も中弛みを防ぐ狙いで適度な密度に収められており、若干狭く感じるところもあるが、ミッションクリア後の再訪で探索をする際にスムーズかつテンポよく進められるというメリットが生まれている。他の惑星も同様の気遣いが随所に見られ、中弛みの発生に神経を尖らせた仕上がりだ。
グラフィック全般の圧倒的な美しさも見逃せない。さながら「動かせるCGアニメ」で、『トイ・ストーリー』などのディズニー・ピクサー映画と同等の質感と美しさを持つ。特に大量の破片が処理落ちもなく散らばる破壊表現は圧巻で、効果音もその気持ちよさと手応えを確かなものにする質感抜群のものになっており、ただ壊すだけでも気持ちよく感じてしまう仕上がりだ。
デモムービーもゲーム本編との差異がほぼ皆無の完成度で、ラチェットを始めとするキャラクターがとにかくよく動き、よく喋る。音声は日本語吹き替えに完全対応していて、ラチェットとクランクの声優はPS2版の第1作から変わっていないというのもファンには嬉しいところ。ストーリーのセリフも愉快かつセンスに富んだものばかりで、中でも担当声優の演技も含め嫌でも耳に残る語りをする「ビッグ・バンド・ボス(ドレック)」は必見だ。
本編のボリュームはエンディングを目指すだけなら6〜7時間以内とほどほどながら、「ゴールデンボルト」などの収集要素や武器ガラメカのコンプリート、2周目以降の引き継ぎプレイといったやり込み要素が充実していて遊び応えは十分だ。特に「ゴールデンボルト」を集めると解禁できる「弾数無制限」のチート機能を使った周回プレイは、圧倒的な爽快感を堪能できるのでぜひ体験してほしい。ただ、セーブスロットはひとつしか作れないのがいささか不親切だ。ユーザー(PSID)を切り替えれば2つ目のセーブスロットを作れるものの不便さは否めない。難易度選択機能もあってそれぞれ違った遊び応えを楽しめるだけに、個別かつ複数作成できる仕組みにして欲しかったところだ。
さらに本作は1作目のリブートだが、終盤の展開はオリジナルとは異なるため、PS2版経験者は強い違和感を覚えるかもしれない。ストーリーの大筋はPS2版を踏襲しているが全体的に説明不足な点が際立つほか、一部のキャラクターが存在ごとカットされているなど、経験者には首を傾げる部分もある。キャプテン・クォークが主人公のラチェットとクランク以上に出しゃばり気味で、相当にウザったい性格付けがされているのも好みが分かれるだろう。細かい点では一部ボスの硬さ、武器ガラメカの性能差の把握しにくさといった難点もある。
とはいえ全体的な出来は抜群に良い。TPS風ながらも直感的に各種アクションと戦闘をこなせる手触りのよさと、多彩な武器を使いこなす戦術性、そして動かせるCGアニメも同然な圧倒的なグラフィックと演出が見事な傑作に仕上がっている。
2026年現在は廉価版「PlayStation Hits」が展開されており価格もお手頃で手に取りやすい。アクションゲーム好きは言わずもがな、ディズニー・ピクサー映画好きの心をくすぐる見所も満載なので、興味があればぜひ。PS2版の第1作の経験がある人は、オリジナルとだいぶ違う内容であることを覚悟の上で挑むことをおすすめする。