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≫アンチャーテッド 黄金刀と消えた船団
■発売元 ソニー・コンピュータエンタテインメント
■開発元 ノーティドッグ
■ジャンル アクションアドベンチャー
■CERO C(15歳以上対象) ※出血、暴力、欠損描写等あり
■定価 5695円(税別)<Best版:2838円(税別)>
■公式サイト ≫こちら
▼Information
■プレイ人数 1人(オンライン時:2〜10人)
■セーブデータ数 HDDの残り容量によって変化
■必要HDD容量 1024MB以上
■その他 Play Station Network対応、振動機能対応、トロフィー機能対応、モーションセンサー機能対応、ヘッドセット対応
■総説明書ページ数 39ページ
■推定クリア時間 8時間〜10時間(エンディング目的)、20〜30時間(完全攻略目的)
西暦1292年、ユーラシア大陸。
中国からモンゴル高原にかけた広大な領域は、元朝の支配下にあった。
『東方見聞録』を記した冒険家マルコ・ポーロは、元の初代皇帝フビライ・ハンの宮廷で20年の月日を過ごし、600人もの乗組員を乗せた14隻の船と共にその地をあとにした。
だが、それから18カ月後、目的地に到達したのはたった1隻の船と18人の乗組員だけ。旅路を詳細に記した事で知られるマルコ・ポーロだが、何故、15隻もの船と残りの乗組員達を失ったのか、彼は生涯、その事を語る事は無かった。

トレジャーハンターであるネイト・ドレイクは、このミステリーと秘宝の香りに導かれ、歴史上忽然と消えたマルコ・ポーロの船団の真実を探求する度に出る。
そこで、彼が発見した新たな真実とは…。
▼Points Check
--- Good Point ---
◆前作譲りの『PLAYする映画』のキャッチコピーにこの上なく適した本編構成
◆銃撃戦一辺倒にならない趣向を凝らした構成となり、更に進歩を遂げたレベルデザイン
◆重装備兵士、中ボスクラスの強敵まで登場するようになり、より激しく、手強いものへと進歩を遂げた戦闘パート
◆銃撃戦を発生させない為の選択肢として新規に設けられた、ステルス要素&攻撃手段
◆時間軸を巻き戻す展開とヤバ過ぎる場面の連続で魅せる、波乱万丈なストーリー
◆ストーリーの波乱万丈振りを初っ端から体験させる驚愕必至のオープニングシーン
◆前作同様に長過ぎず、短過ぎずの適切なボリュームでまとめられたムービーデモ
◆木曜洋画劇場感溢れる翻訳センスと声優陣の熱演で魅せる、日本語吹き替えボイス
◆モーションセンサー操作をボタンに割り振られるようになり、快適さが増した操作性
◆お馴染みの古代遺跡やジャングルほか、列車や市街地、辺境の村と言った新規の地形も登場して、一層華やかさが増したロケーション周り
◆前作譲りの程好い難易度、良心的なサポート機能で楽しませてくれる謎解きイベント
◆豊富なやり込み要素とゲームルールで楽しませてくれる、オンライン対応のマルチプレイモード
◆マルチプレイの実装によって、前作以上にやり込み甲斐の増した総計ボリューム(シングルの長さは前作とそれほど変わらないなど、バランスの取れた物量)
◆プレイステーション3の本気が炸裂した美麗なグラフィック(特に市街地は必見!)
◆前作同様に映画的な展開と絶妙にマッチした、雰囲気重視の音楽
◆ヒント表示の設定、ボイス言語の選択まで、相変わらず充実し過ぎのオプション周り
◆前作同様にゲームスタート時ぐらいしか存在しないロード時間

--- Bad Point ---
◆敵バリエーション強化で、やや難易度的に厳しくなった印象も否めない戦闘パート
◆前作のQTE(クイック・タイム・イベント)方式ではなくなった所為で、TPS未経験者にはやや辛い内容になってしまった印象が否めないボス戦
◆一部、フリーズバグの存在(具体的にはラスボス戦前の戦闘パート終了後に発生し易い)
◆相変わらず、規格外な印象が否めない敵の物量(今回も戦闘終了までの時間が長い)
◆発見されたら直に銃撃戦に移行するなど、全体的に申し訳程度な作りのステルス要素
◆サリーさんの出番の少なさ(※前作のような千葉繁氏ボイスを期待すると肩透かしを食らいます)
▼Review ≪Last Update : 12/20/2015≫
目が覚めたら、奈落の底に落ちかけてた。

ヤベェよ。


『PLAYする映画』のキャッチコピーに相応しいテンポの良い展開と驚異的なグラフィック、そしてB級映画感溢れる(&木曜洋画劇場臭漂う)演出で好評を博したアクションアドベンチャーゲーム『アンチャーテッド エル・ドラドの秘宝』の続編。開発は前作同様にノーティドッグが担当。

前作以上の映像美、ピンチに次ぐピンチで冷や汗をかかせる、PLAYする木曜洋画劇場だ。

基本的なゲーム内容は前作と変わらない。三人称視点で展開する3Dアクションアドベンチャーゲームで、トレジャーハンターのネイト・ドレイクを操作し、世界各地を飛び回りながら謎を解いたり、自らを突け狙う武装集団との戦闘を乗り越えながら、マルコ・ポーロの消えた船団が積んでいたとされる財宝の行方に迫っていくというものだ。
ゲーム本編の流れも、『ACT』と称されたシナリオを順に攻略していく一本道構成を継承。今作も目的地まで到達すると同時に直に次のACTへと移行し、新たなシナリオが始まるという映画スタイルで展開していく仕組みとなっている。
システム周りでも主人公のネイト自身が生身の人間である事を反映させた挙動、それとは裏腹のシンプルな操作が特色のアクション、サードパーソンシューター(TPS)方式で展開する戦闘など、前作の特色を完全踏襲した作り。ストレート過ぎるぐらいに続編である事を推し出している感じで、経験者ならばすんなりと入っていける内容になっている。
そして、変更が加えられた点も幾つか。先ず第一に本編の構成だが、よりバラエティーに富んだものに一新された。前作は最初から最後まで、ジャングルや古代遺跡などを舞台に探索と戦闘(銃撃戦)を繰り返すという、単調さも否めない構成だったが、今作ではジャングルや古代遺跡以外に市街地、雪山、辺境の村と言った新しい舞台とそれにちなんだ仕掛けが登場するようになり、更に起伏に富んだ探索とアクションが楽しめるようになった。また、随所に危機的状況からの脱出という、アクションに特化した探索パートも挟まれるようになり、緊迫感の向上も図られている。その危機的状況と言うのもまた、「ヤベェ」ものばかり。とりあえず、奈落の底に落ちかけている列車の中から崖上を目指す場面がある…という一例を挙げるだけでも、どれほどヤバいのかが嫌と言うほど想像できるだろう。また、今回はネイト自身が負傷した状態で進む場面というのも一部にて追加されている。しかも、そんな最中に戦闘も発生するというヤバさ。走る事もできない、咄嗟の緊急回避も使えない、できる事と言ったら銃を撃つぐらいしか無いと、何処からどう見ても窮地としか言い様がない状況下を乗り越えなければならないのだ。そんなピンチに次ぐピンチが連続するだけあって、終始、目とコントローラが手放せない。加えてストーリーも時間軸をずらして展開していくという、捻りを入れた作りになっているとだけあって尚更。まさに前作の悪い部分を徹底的に潰した、正統進化系と言わんばかりの内容に仕上げられている。
また、第二の戦闘にしても大幅な強化が図られた。特に象徴的なのが、ステルス要素の強化だ。前作は基本的に戦闘(銃撃戦)は不可避な作りで、幾ら不意討ちを仕掛けようが、隠れて進もうが結局は敵の軍勢に見つかって戦闘が発生し、全滅させるまで続くという味気ないものになっていた。そして、その異様なまでの多さとそれから生じるレベルデザインの単調さが前作最大の難点でもあったのだが、今作ではそこを大きく改良。発見される前に巡回する敵兵を始末すれば銃撃戦を回避できるという、ステルスプレイの選択肢が新たに盛り込まれた。それに伴い、格闘攻撃においても物陰、背後からの攻撃が強化され、前作以上に強力な一撃をぶちかませるようになっている。ただ、回避できるのは一部の戦闘だけで、見開いた地等の戦闘では基本的に回避不可。全く戦闘を発生せず最後まで乗り越えるというのは、残念ながらできない設計になっている。とは言え、銃撃戦回避の手段が追加された事により、ひたすら銃撃戦の繰り返しという単調さは緩和。また、パートナーキャラクターとの連携により、敵を追い詰めた状況下で戦闘を仕掛ける事もできるようになったりなど、戦術面もより深いものになっている。無論、敵も敵で攻められっぱなしという訳では無く、新たにこちらに攻め寄ってくる重装備の兵士が追加され、一筋縄では行かなくなっている。更に今回はボス系の敵も僅かに追加されるなど、バリエーションも強化。そのボスの中にも戦闘ヘリ(!)という反則級の存在が居るほか、その戦闘時にはTPSではなく、FPS(ファースト・パーソン・シューター)なシューティング対決を演じなければならなかったりなど、もう至れり尽くせり。探索周りのパワーアップも印象的なものがあるが、戦闘周りもなかなかのインパクト。地形が地形だけに求められる戦術が違うなど、新たな舞台とリンクした戦闘も豊富に用意するなど、単調さの強かった前作から見違えるほどのパワーアップを遂げた仕上がりになっている。
他に細かい所でも、武器の総数増加にモーションセンサー操作の撤廃など、強化と改善が図られている。また、ボリュームにしても本編こそ前作と同じながら、全体的には底上げされている。その最大の要因と言えるのが新要素『マルチプレイヤーモード』。新たにオンライン対応の対戦&協力プレイモードが実装されたのだ。これがまた盛り沢山な内容で、対戦と協力の二つのカテゴリごとに複数のルールが用意されており、オーソドックスなデスマッチから宝探し、縄張り争いと言った多種多様な遊び方が楽しめるようになっている。更にこの手のモードではお馴染みのレベルアップシステムも実装。レベルが上がればキャラクターのコスチューム等も解禁され、成りきりプレイが楽しめるようになったりと、やり込み甲斐もかなりのものとなっている。一部のコスチュームは追加コンテンツとして購入もできる等、その作り込み具合は本編に迫るほど。シングル主体だった前作も前作で、幾つかやり込み要素が盛り込まれていたが、今回がそれを過去にするレベルというのは大体、察する事ができるだろう。そんな感じに本編外の要素も大幅に強化。シングル一辺倒の前作から更に一歩推し進めた内容への進化も遂げているのだ。
まさにあらゆる面でパワーアップした…否、し過ぎた続編。前作ベースに欠点の修正と新要素の上乗せに徹した感じで、よく見ると地味だが、『アンチャーテッド』ここに完成したり、と言わんばかりのクオリティを誇る内容に完成されている。

例によって、今作の売りは先に挙げた進化した箇所の数々。特に探索と戦闘の繰り返しに徹しなくなったレベルデザイン、それを絶妙に反映させた捻りのあるストーリー展開の二つが秀逸で、前作以上の興奮必至な冒険を提供する。
レベルデザインに関しては本当、見違えるほど良くなった。基本の流れこそ、前作と同じ探索と戦闘の繰り返しにはなるのだが、趣向を変えた展開が挿入される構成になった事で、常に刺激的なゲームプレイが楽しめるようになっている。市街地、雪山、辺境の村と言った新しい舞台の追加もそう言った場面の魅力を一層際立てているほか、映像自体も非常に美しく、凝ったものに仕上がっているので、見ているだけでも楽しい。中でも、色遣いの鮮やかさで魅せる辺境の村のビジュアルは一見の価値あり。ゲームが終盤に近付いた頃に訪れる場所というだけあって、お目にかかれるのは後の方なのだが、そこまで進めた甲斐はあったと十分に納得できる仕上がりになっている。また、この村で展開される戦闘もスリリングで、刺激に満ち溢れたものになっているので要チェックだ。更にもう一つ、先には挙げなかったが列車が舞台となるシーンも注目頂きたい。基本的に戦闘が繰り返される場面になっているのだが、リアリティのある背景描写と列車の挙動、そして驚愕のアクションシーンと演出で度肝を抜くこと間違いなしの仕上がりになっている。今作のキャッチコピー『本能が冷や汗をかく』を体現した最も象徴的な場面の一つとも言え、PS3のマシンパワーと製作スタッフの底力を大いに実感させられる圧巻の出来になっているので、これまた一見の価値あり。進めていけば行くほど、「マジかよ!」とネイトみたいに漏らしてしまうだろう。演出ばかりでなく、この列車は戦闘周りもなかなか凝った仕上がりになっていて、貨車を使って敵を一掃したり、敵とのリーダーと一騎打ちを演じたりなど、その起伏に富んだ展開には前作から如何に戦闘面が進化したのかを存分に感じ取れるだろう。ただ、これより前のステルス要素の濃いジャングル、戦争映画と錯覚しかねない市街地での戦闘など、感じ取れる場面は複数あるのだが。一応、そちらも注目です…と、言っておくとしよう。
ストーリーにしても見事な出来栄え。何よりも、構成の捻り具合と動機付けが素晴らしい。オープニングから飛ばしてくるのである。前作も前作で、いきなり銃撃戦になるなど、波乱万丈な始まり方だったが、今回はそれ以上にスケールが大きい。どんなオープニングなのか、実は既に紹介済みだったりするのだが、あえて言及しないでおこう。とにかく、プレイ開始間もなく誰もが画面先のネイト同様に「やべやべやべ!!」と口走ってしまうこと必至な始まり方になっている。更にそこから、「冗談だろ…」と唖然するしかない無茶苦茶過ぎる展開になる。そして、その先々では当然のようにトラブルも発生するのだが、これがまた冷や汗をかくレベルのものばかり。誰もがゲーム開始間もなく、なんてことさせやがる!…と苦笑いしてしまうだろう。そして、その場面を乗り越えると何故、こんな状況になってしまったのかの経緯が描かれていく。そう言った最初に飛ばした場面を描いてプレイヤーに疑問を抱かせ、そこからその答えをじっくりと描いていくという構成が素晴らしく絶妙で、プレイヤーにゲームを進めていく確固たる動機付けを行うのだ。そんな始まり方をするだけあって、とにかく終始、目が離せない。こう言った時間軸を巻き戻す手法自体は映画ではお馴染みで、一例を探すだけでも(多少、趣は異なるが)『パルプ・フィクション』、『千年女優』、『バンテージ・ポイント』等、様々な作品が挙げられるが、それを取り入れているだけあって、ストーリー自体の訴求力が強烈。もう始めた瞬間、最後までやり通さねばと思ってしまうほど引き込まれるものになっているのである。そんな大げさな…と思うかもしれないが、実際にオープニングを見れば、その意味が嫌と言うほど分かるだろう。
勿論、前作の良い所でもあった適度な長さのムービーデモ、木曜洋画劇場感溢れる茶目っ気全開の翻訳センスが炸裂した日本語吹き替えボイスも健在。ピンチの連続とは言え、ストーリーの作風自体は軽妙洒脱の仕上がりで、変に重々しい気分にならずに楽しめる、エンターテインメント重視の内容になっている。キャラクターも個性的で、新キャラクターのクロエのほか、今時珍しいぐらいに冷酷非道で脳内筋肉100%の悪役ラザレビッチはインパクト抜群。言うまでも無く、『ダイ・ハード』のマクレーンを髣髴とさせる小言や皮肉たっぷりのジョークを吐く主人公のネイト、千葉繁氏の秀逸な演技が光るチョイ悪オヤジのサリーも相変わらず。構成もさることながら、吹き替えを楽しむだけでも遊ぶ価値ありな点は今作も健在。前作の素晴らしさに魅了された人なら大満足間違いなしの仕上がりになっているので要チェックだ。ただ、前作よりもサリーの出番は少なめなので、そこは注意…かも。
こんな具合に前作の欠点はほぼ完璧に修正されているほか、ストーリーも更に構成に磨きがかかり、熱中度の高い仕上がりになっている。一方で戦闘にはまだ課題が残されており、やはり全ての戦闘がステルスで回避できない所は賛否の分かれるところ。展開に工夫こそされたが、若干、単調さは残る。また、今回は重装備兵等の新種が追加されているが、これが地味に強く、倒すにしても装甲の薄い所を狙わないといけない、格闘攻撃を仕掛けるのも難しい等、戦闘難易度を必要以上に高めてしまっているきらいがある。追加した事で戦闘自体、スリリングにはなったが、その弊害が現れてしまっているのには、新しい要素を入れれば問題が完全に解決するわけでは無い難しさを実感させられるところだ。
そんな進歩し切れてない箇所、新たな問題も浮上している所もあるが、更に冒険色の強まったレベルデザインが上手く補完しており、総じて前作以上の興奮と刺激をもたらす続編として完成されている。下手にゲーム性を一変させる要素を加えず、良かった所を更に磨き上げてインパクトを高める。その素直さを突き詰めた仕上がりには、続編としての在り方、そしてPLAYする木曜洋画劇場としてのコンセプトを損なわないこだわりを実感させられる次第だ。

操作性も挙動こそ重くて生々しいが、どのアクションもほぼワンボタンで行えるというシンプルさ。モーションセンサー操作がボタン操作に切り替えられるようになって『手榴弾』も投げ易くなったほか、身体バランスを取る場面も無くなったのも大きな進化で、アクションゲームの醍醐味たる「動かす面白さ」を突き詰めた仕上がりになっているのが秀逸だ。
難易度にしても前作は銃撃戦に偏りがちな為、最も簡単な『初級』でも高すぎた感じがあったが、今回はレベルデザインが見直されたのもあって、少し和らいでいる。ただ、先の通りに新たな敵である重装備兵という厄介な存在もあり、別の方向で難易度が高まった感あり。更に今回はボス戦がQTE(クイック・タイム・イベント)方式で無くなっているので、その点でも手強くなっている。なので、今回もTPSに慣れてない方には厳しい調整と言わざるを得ないだろう。なお、謎解きの難易度は前作同様に良好。今回なネタ的にも少し複雑になっていたりなど、凝った作り込みが成されている。危機的状況を舞台とした場面の難易度もそこまで厳しくはあらず。そう言った所が適切なバランスになっているのはせめてもの救いだ。
また、グラフィックの質に関しては前作以上…というよりは、PS3のゲーム全体で見てもトップクラスのクオリティとなっている。特に今回は多種多様な地形が登場するだけあって、バリエーション面での多彩さが際立っている。中でもオープンワールドか?…と錯覚してしまうこと必至の市街地は必見。また、終盤の舞台となる遺跡も恐ろしいまでに広々としていて、HDグラフィックの本領発揮と言わんばかりの仕上がりになっているので、これまた注目だ。音楽も前作同様に雰囲気重視の曲が多め。だが戦闘など、印象深い曲も幾つか。勿論、テーマ曲は前作同様のあの曲で、そのお馴染みの曲調にはちょっとした安心感を覚えるかもしれない。

快適性周りに関しても、前作同様にずば抜けた完成度。ロードは相変わらず、セーブデータの読み込みとゲームスタート時以外は存在せずだし、ムービーへの切り替え、エリアの移り変わりでも一切、待ち時間が発生しないので、テンポ良く本編を進めていける。何より、グラフィックのクオリティからしてHDDへのインストールは避けられないように見えるのに、それが全く必要ないというのだから驚きである。その驚異の技術力には、開発を手掛けたノーティドッグの凄まじさ、そして彼らのPS3というハードに対する熟知ぶりを痛感させられるばかりだ。
正統進化系という言葉がこの上ないほど似合う続編として仕上げられている今作。難易度と戦闘周りにまだ課題が残されているが、アクションアドベンチャーとしての完成度は頭一つ抜けているのみならず、マルチプレイモードの追加でボリュームも二倍に膨れ上がるなど、やり応えも大幅にパワーアップしている。まさにアンチャーテッド、ここに完成したりと言い切れる出来栄えの今作。前作経験者は勿論のこと、PS3をお持ちの方ならば何が何でもプレイしてみて頂きたい力作にして、屈指の傑作だ。今回もTPS周りの難易度が高いので、苦手な方には薦め難い所があるが、オープニングだけでも遊んでみる価値はある!そのヤベェにも程がある瞬間を見逃すな!お薦め!
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