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  4. スペースインベーダー インフィニティージーン
≫スペースインベーダー インフィニティージーン
■発売元 スクウェア・エニックス
■開発元 タイトー
■ジャンル シューティング
■CERO A(全年齢対象)
■定価 1200円 (税別)
■公式サイト ≫こちら
▼Information
■プレイ人数 1人
■セーブデータ数 1つ
■必要HDD容量 92MB(セーブ容量:44KB)
■その他 PlayStation Network対応(※スコアランキング)、振動機能対応、トロフィー機能対応
■推定クリア時間 2〜4時間(エンディング目的)、25〜35時間(完全攻略目的)
生き残るのは最も強い種でも、最も賢い種でもない。
それは、最も変化に順応できる種である。

――――チャールズ・ダーウィン(1809.2.12-1882.4.19)
▼Points Check
--- Good Point ---
◆ゲージが溜まるのに合わせてゲームシステム全般が進化し、プレイ感覚が変化していくという大胆且つ、革新的な試みと面白さに満ち溢れた進化システム
◆スクロールの解禁、チェイン機能実装、ボス戦の追加等、昨今の続編系の作品における「あるある」ネタを豊富に取りそろえた、ユニークな進化バリエーション
◆『スペースインベーダー』としてのシンプルで取っ付き易い魅力を遵守した、過度に行き過ぎないバランスでまとめられた進化バリエーション
◆地形や敵のみならず、システムの変化でもプレイヤーを圧倒する驚愕のレベルデザイン
◆遊びながら現在の世界ランクが確認できる、地味ながらも意欲的なリアルタイムランキング機能
◆難易度選択機能の実装のほか、ゲームシステムの進化に伴う緩和による意図的な調整も可能としている革新的且つ、インベーダーらしい万人向けの作風を徹底したゲームバランス
◆従来のインベーダーのほか、巨大戦艦から戦闘機まで、カオスな敵キャラクター達
◆音楽に併せてステージが変化していく、風変わりなルールで魅せるゲームモード『ミュージック』
◆本編30以上、チャレンジ99というシューティングゲームとしては規格外過ぎる総計ボリューム
◆軽快なレスポンスとインベーダーらしい取っ付き易さを厳守した伝統的な操作性
◆旧インベーダーのレトロ感とワイヤーフレーム調のデザインで魅せる、個性的過ぎるグラフィック
◆独特のグラフィックを最大限に生かした、斬新且つ、迫力十分のエフェクト演出(特に爆発系)
◆聴いていて癖になる不思議な魅力に満ち溢れた、エレクトロ調の個性的過ぎる作風の音楽
◆『ダライアス』まんまなステージ等、随所に仕込まれたタイトー往年の名作パロディの数々
◆衝撃度抜群の最終ステージ(誰もが圧倒されること間違いなし…?)

--- Bad Point ---
◆各種システム等の解禁に伴い、重量化して手軽さが薄くなっていくゲーム本編(後半以降に顕著。1ステージを攻略するだけでも結構なパワーを使う)
◆やや初見殺しな配置が目立つ一部のステージ(特にボス戦が正式に解禁されて以降に目立つ)
◆自機の異様なまでの性能差(使えない自機はほとんど使えないなど、差別化があまりにも極端)
◆自機によってダメージすら与えられず、見過ごす以外の対処法ができなくなるボスの存在
◆ノーマルモードの難易度攻略系トロフィーの設定ミス(最終ステージだけクリアすれば良いという、何とも肩透かしな仕様。救済処置と言えなくもないが…)
◆ボリュームこそ圧倒的だが、展開が単調過ぎて睡魔を呼び易い作りのチャレンジモード
▼Review ≪Last Update : 5/17/2015≫
進化の果てに行く着くのは…

いずれ、現実にも起こり得る事なのかもしれない…。


2009年にiPhone、iPod touch向けにリリースされ、その画期的なゲームシステムで話題を呼んだ『スペースインベーダー』シリーズ最新作、『インフィニティージーン』の据え置き機移植版。オリジナル版はタイトーからの発売となっていたが、こちらは現在のタイトー関連の権利を有するスクウェア・エニックスより販売された。

ゲームシステムの進化をそのまま遊びへと昇華させてしまった、革新的過ぎる傑作だ。

ゲーム内容は、ステージクリア型シューティングゲーム。対インベーダー迎撃兵器を操縦し、画面上部から迫り来るインベーダー達を撃ち落しながらステージを攻略していくというものだ。
基本的な設計は初代にして、元祖『スペースインベーダー』を踏襲。各ステージの攻略条件がインベーダーの全滅、敵本体や敵の放つ弾に当たるとミス、そして全ての残機を失うとゲームオーバーになるなど、シューティングの王道に則ったものになっている。各ステージが縦方向の固定画面方式でスクロールの概念が無く、その画面内に敷き詰められたインベーダー達と戦うという点も初代と一緒であり、ここまでの概略を聞く限りでは、いつものスペースインベーダーと変わらない印象を初代等の旧作に触れたユーザーは抱くかもしれない…のだが?
実の所、ここまで解説してきた概略は今作を構成する『要素』の一つでしかなく、真のゲーム内容というのは全くの異なるもの。真のゲーム内容とは、ステージクリア方式で展開するシューティングの歴史体感ゲーム。対インベーダー迎撃兵器を操縦し、迫り来るインベーダー達と進化していくゲームシステムに対処しながら、ステージ攻略に挑んでいくものなのである。もっと簡単に言えば、続編作品等におけるシステム周りの発展を遊びにした内容。「前作ではこうだったシステムが、今作ではこう改善された&一新された」という現象をシューティングゲームとして体感できるゲームになっているのだ。
より具体的に今作の詳細に関して掘り下げていくと、今作には『進化ゲージ』なるものが実装されている。主に得点を稼ぐ、或いはステージをクリアすると言った条件を満たす事で溜まっていくゲージであり、これが一定量にまで達すると、ゲームシステムがレベルアップ(進化)。それにより、固定画面方式だったステージにスクロールの概念が加わって『ゼビウス』や『スターソルジャー』のようなシューティングゲームになってしまったり、自機が全方向に移動可能になる、パワーアップアイテムが登場、チェイン機能が解禁等という具合にゲームの全貌が一変してしまうのだ!また、進化によって、ステージの攻略条件も変化。最初こそ敵の全滅だが、進化発生でステージの終盤までの到達、更に進化させると大型ボスの撃破が条件になったりと、どんどん派手なものへとなっていく。更に進化の中にはミス時にパワーアップアイテムが散らばるようになる、ゲームスタート時に武器『サーチ』を選択できるようになると言ったプレイヤーをサポートする種類のものもあり、進化させればさせるほどにゲーム全体の硬派さが緩和されていく救済処置的なものまで完備。今作では一度クリアしたステージを後からやり直せるようになっているのだが、それを活用して以前のステージで進化ゲージを溜めて進化を発生させ、クリアの難しいステージに再チャレンジすると楽にクリアできてしまうなど、ただゲームを派手にしていくだけのシステムで終わっていないのも特筆すべき箇所である。
いずれのシステム、ステージの攻略条件などは昨今のシューティングゲームではお馴染みと言えるものばかりだが、それらの要素が『進化ゲージ』が溜まる度にインベーダーのフォーマットへと実装。シンプルな固定画面方式のシューティングゲームがスクロール方式になり、アイテムが増えて多彩な攻撃が可能になり、ステージの最後には大きなボスが登場する等、まさにインベーダーを通したシューティングゲームが誕生から現在に至るまで歩んできた歴史が体感できてしまうのである。先程のシューティングの歴史体感ゲームというのも、この概略を把握した上でなら想像に難くないだろう。まさに文字通り、歴史を体感できる、進化の様をゲームを通して味わえてしまう、革新的な内容になっているのだ。もはや、インベーダーというシリーズの枠組みすら超越した作り。突き詰めれば突き詰めるほどに良い意味でシリーズらしさを失っていく、とんでもないスペースインベーダーに仕上げられている。
また今作には、全部で四種類のゲームモードを実装。『ノーマル』、『エクストラ』、『チャレンジ』、『ミュージック』が用意されている。この内、本編となるのは『ノーマル』。徐々に進化と発展を遂げていくステージを順にクリアしていく、シューティングゲームの王道に則った内容。それ以外で『エクストラ』はノーマルとは異なる構成のステージをプレイできるモード、『チャレンジ』はランダムで生成される99のステージをプレイできるモード、『ミュージック』は楽曲に併せて進化を遂げていくステージを遊べるモードという内容になっている。注目すべきは『チャレンジ』と『ミュージック』の二つ。前者は1000回遊べるシューティングゲームと言わんばかりの奥の深さと圧倒的なボリューム、後者はその仕組みもさることながら、PS3本体のカスタムサウンドトラック機能を用いる事で、ゲーム本編以外の曲を流しながら遊ぶ事もできてしまうなど、良い意味でシューティングゲームらしからぬ特色を持った仕上がりになっている。特に『ミュージック』は同じく音楽を題材にしたインベーダーである、ニンテンドーDS(&初代のみPSP)の『スペースインベーダーエクストリーム』とは異なるアプローチで攻めた作りになっているので、シリーズ経験者は要チェック。カスタムサウンドトラック機能で好きな音楽を複数取り込んでメドレー形式で流し、それに並行してシューティングを楽しむというのもなかなか癖になるものがあるので、無論、シリーズ経験者以外にも注目だ。更に『ノーマル』、『エクストラ』、『チャレンジ』の三つのモードはインターネットランキングにも対応。世界中のプレイヤーとスコア争いが楽しめてしまう。また、ゲームプレイ中に取得したスコアが世界何位なのかをリアルタイムで表示する機能も実装。順位自体は厳密なものでは無く、あくまでも目安という仕様なのだが、いちいちスコアランキング画面を開く手間も無く、ゲーム中に簡単にその動向が知れるというのは意外と便利。地味と言えば地味だが、そんな気を利かせた配慮が成されているのも大きな見所の一つだ。
とは言え、結果的に今作最大の売りが『進化』を題材にした個性的過ぎるゲームデザインに集約されるのは言うまでも無く。他に類を見ないコンセプトを推し通したゲームシステムは、インベーダー世代でない若いユーザ-にも強烈な衝撃を与え、かつてない体験をもたらす。無論、シリーズ経験者から当時、喫茶店などで初代スペースインベーダーを遊んだ世代も、プレイしてみるとその別物っぷりに開いた口が塞がらなくなること、間違いなしだ。そもそも、こんなシステムでそうならない事の方が難しいだろうが。
そのあまりにも型に捉われずに変貌を遂げていく様は、まさしくタイトル通りに無限の遺伝子を持つゲームと言ったところ。ありとあらゆるプレイヤーに衝撃と新鮮な体験を提供する、野心作というに相応しい。こんなにも全く新しいシューティングゲームと表現する事に違和感の無いゲームも無いと言っても良いだろう。それほどまでに変わった作りなのだ。

そして、既に挙げている通りだが、今作の売りはゲームの核を成す『進化』を題材にしたゲームデザイン。単に見た目を変貌させるだけでなく、ゲームシステムを拡張させる事によってレベルデザイン、難易度にも変化を及ぼす等、その仕上がりたるや、右下からビーバーが飛び出してくるほどに革新的としか他に言い様が無いものになっている。
特にレベルデザインと難易度調整周りとの絶妙な兼ね合いは特筆に値する。前者は遊ぶにつれてゲームが別物へと変貌を遂げていくそのシステム周りの個性の強さもあり、似通ったステージがほとんど登場せず、何処も彼処も新鮮な面白さと刺激に満ちた仕上がりになっているのが秀逸。ましてや、ステージの仕掛けや敵の面々のみならず、システム周りにまで違いが出て来るのもあり、一つのシステムで勝負しているシューティングゲーム、アクションゲーム等の他ジャンルにも増して起伏も相当激しい。そんな作りもあってか、個々のステージの訴求力もかなりのもの。次はどんなルールとシステムで楽しませてくれるのか、と言った具合にプレイヤーに強い関心を抱かせ、自然とコントローラを握って先へ先へと進めて行ってしまう魅力に満ち溢れており、まさに『進化』故の変化するゲームプレイを存分に楽しめる仕上がりになっている。そのバラエティー豊かにも程がある構成はこれぞ正真正銘、唯一無二。
後者もそんなレベルデザインと絶妙に融合したバランスにまとめられており、それでいて今作の『進化』というテーマを反映させ、独特の手応えを演出しているのが素晴らしい。先も触れたが、今作の進化は救済位置の側面も併せ持っており、オプション周りが充実するのに並行し、それまでのシステムでは難易度が高くでクリアが困難だったステージが急激に易しくなると言った変化までもが生じるようになっている。この仕組みを活かし、クリア済みのステージで進化ゲージを溜めきった後、再挑戦…と言った事も可能であるほか、あえて進化させずにそのままで行き、高い難易度でステージ攻略に挑む選択肢も取れるなど、プレイヤーそれぞれのスタイルに応じた難易度で本編を楽しめるようになっている。一応、別途で難易度選択機能も設けられているのだが、それも含めた上でこのような調整が施されているのもあって、ゲームバランスの懐の広さは相当なもの。これもまた、進化していく今作のシステムを最大限に活かしきっており、独自の面白さを演出しつつ、かつて老若男女、ありとあらゆるプレイヤーを楽しませてきた初代インベーダーの精神をしっかりと受け継いだ作りにしている辺りが実に見事。これもまた、唯一無二というに相応しい仕上がりだ。 他にも進化する度にゲームが遊び易くなっていくので、攻略目的以外でもクリア済みのステージを再プレイする意義を推し出し、リプレイ性を高めているのも凄いと言わざるを得ない。進化システムでこれまでのシリーズ、シューティングゲームにすら無かった新しさを推し出しながら、プレイヤーへの配慮も忘れない絶妙な作り込みはまさしく職人技。現代、旧世代のプレイヤー双方を意識した作りとはこういうものだ、と言い張るかのようなその見事な仕上がりには、改めて製作者のバランス感覚の素晴らしさとセンスの高さを実感させられるばかりだ。同じく新しいスペースインベーダーとして製作されたエクストリームもそうだったが、昨今のインベーダー関連に携わるクリエイター達の卓越した製作手腕には本当、酔いしれてしまうものがある。
そんな製作手腕の高さは、進化のバリエーションにも表れている。特に素晴らしいのが、スペースインベーダーとしてのシンプルな面白さを損ねないよう、ギリギリの線引きを行ってまとめている。少しネタバレしてしまうが、今作の進化の中にいわゆる自機の武装をカスタマイズするようなシステムは無い。自機の種類が増えるというのもあるが、基本的に武装は固定装備。細かく変更したりする事はできない。また、ゲームが更に進むとグラフィックが3Dとなるのだが、ここでも基本は縦スクロールという事で、自機の旋回などの高度なアクションが解禁されたりする事はない。あくまでもスペースインベーダーとしてのシンプルな面白さを守り通しているのだ。素人目線で考えれば、武装のカスタマイズとかがあると更に難易度を緩和させる事もできるだろう。だが、それは返ってゲームを複雑にさせかねない以上に、そのシンプルさと奥深さで好評を博したスペースインベーダーとしてのらしさを損ないかねない。そんなシンプルな面白さを守り通し、プレイヤーが変に意識させない程度の進化に留めたのは、非常に良い判断だったと思うし、何よりもその抑え方がとてもインベーダーらしいものだったように思える。実際、そのように抑えた事で、ゲーム自体が変貌するとは言え、スペースインベーダーとしてのシンプルな面白さは何一つ、損なわれていない。基本的に自機を動かし、迫り来る敵を倒せば良いだけだから、とても直感的に楽しめる。「本来、シューティングゲームとはシンプルなものだった」とは任天堂の宮本茂氏が『スターフォックス64』のインタビューにて語った言葉だが、今作はその原点とも言える面白さを突き詰めた。システム的な新しさはあれど、その素直な面白さに特化したという点で見ても、今作はまさにシューティングゲームの歴史に名を連ねる素質を持った作品と言い切れるだろう。変に複雑さを突き詰めようとせず、インベーダーらしさを抑え込んだその判断は本当に見事。改めて、製作者のプロ根性というものを痛感させられるばかりだ。
とは言え、何もかもが完璧という訳では無く、敵の出現パターンに初見殺しな所が目立つなど、シューティングゲームの難しさを印象付ける箇所が幾つか見受けられるのは調整不足を感じさせられてしまう。途中から登場するようになるボスの中にも、自機によってはダメージすら与えられない存在が要るのは如何なものかと思う。念の為、ステージごとにオートセーブが行われるので、リトライのストレスはそんなに無いし、後者のボスにしても詰まり対策として、一定時間が経過すると強制的に戦闘が終わってステージクリア扱いになるようになっている。多少、粗い所はあれど、そう言った配慮が成されているだけは、まだマシと言えるかもしれない。
そういう至らない箇所も散見されたりするが、進化するシステムを見事に活かしたレベルデザインとゲームバランスが醸し出す独自性は圧巻の一言。インベーダーとしてのシンプルな面白さを守り通した進化のバリエーションも素晴らしく、スペースインベーダーの名を冠する作品として恥じない内容になっているのも見事だ。新鮮な面白さを突き詰めつつ、原点の面白さを忘れずに守り通す。そのバランス感覚の素晴らしさには、改めてタイトーというメーカーの底力を知る事になるだろう。まさに本気の職人魂、ここに在りだ。

細かい部分でも、操作性も非常に良好。方向キーとショットボタンの二つだけで遊べてしまう、インベーダーシリーズの王道に則った作りとなっている。また、移動範囲が全方向に解禁された後のレスポンスも良好で、単に動かしているだけでも爽快。ショットにしてもオート連射を標準装備するなど、シューティング初心者に優しい配慮が成されているのも見事だ。
全体のボリュームも意外なことに膨大。『ノーマル』のステージ総数だけでも30以上はあるので、一周するだけでもかなりの満足感が得られる。後半以降、多数の要素が解禁されたのに伴い、一つのステージをクリアするのに結構なパワーを要する事にもなるが、先の通り、ステージごとにオートセーブされる仕様なので、ワリと気楽に楽しめる。また、トロフィーにも対応している。だが、難易度別攻略のトロフィーに残念なミスがあり、最終ステージだけ難易度を切り替えて攻略するだけで簡単に取得できるようになってしまっているのはお粗末と言わざるを得ない。ただ、一周が長いので、ある意味有り難い処置であるのも事実。そこがもどかしいところだ…。
グラフィックに関しては、2Dのワイヤーフレーム調という極めて個性的な作風。しかし、色遣いが非常に鮮やか且つ、シンプルな見た目を思わせない派手な映像美を見せてくれる。特に大量のインベーダーが襲撃してくるシーン、爆発系エフェクト全般において、このシンプルなグラフィックの凄味と言うものを思い知らされるだろう。
音楽もインベーダーシリーズとしてはらしからぬ、エレクトロ調の変わった作りで、エクストリームとは180度方向性の異なる作風。しかし、曲の出来は素晴らしく、癖になるメロディーラインで聴く者を虜にする。また、楽曲の数も豊富で、ある意味、インベーダーシリーズ史上最大のボリュームになっているのも地味ながら要チェックである。

効果音もインベーダーらしさ溢れる独特の仕上がり。特に爆発系の効果音はレトロな見た目にマッチした電子的なものになっていて、人によっては癖になる快感を覚えてしまうかもしれない。そんな音の爆発と共に消え去る敵のラインナップも必見。従来のインベーダー達のほか、戦艦や砲台と言った風変わりな新キャラクターも出てきたりと、バリエーション豊か。ボスキャラクターも演出と攻撃パターンの数々でプレイヤーを楽しませてくれるので必見だ。
さりげなく、タイトー製シューティングゲームのネタが多数盛り込まれているのも見逃せない。あるステージが『ダライアス』まんまだったり、自機の一つ『LOCKON』はどう見ても『レイストーム』のR-GRAYであるなど。インベーダーの世界観、システムでタイトー懐かしのゲームのステージを遊べるというのも結構新鮮。そんな往年の名作達をインベーダーのノリで遊べてしまうことから、個々の作品のファンも楽しめる余地を持っているのも今作の強みと言える。
初見殺しがやや目立ちがちなバランス、キャラクターグラフィックのサイズが小ささ、多くの要素が解禁されたのに伴うゲーム全体の重量化など、気にかかる個所も目立つが、ありそうでなかったアイディアを凝らした独自色の強いゲームデザインに秀逸なバランス等、欠点を含めても補って余るほどの魅力が今作には詰め込まれている。同じ新世代型スペースインベーダーとは異なる方向性を突き詰め、新しさと懐かしさを絶妙に融合させたセンス溢れる作りが光る今作。 かつてインベーダーにハマったプレイヤーからシューティングゲーム好き、シリーズ未経験者も遊ぶ価値大いにアリの意欲的過ぎる傑作だ。新しくも懐かしいスペースインベーダーの新境地をとくとご覧あれ!お薦めの一本です。
なお、今作はPS3以外にXbox向けにも配信中。PS3本体をお持ちでない方はそちらもどうぞ。オリジナルに当たるiOS版、Android版もとても良く出来ているので、こちらもどうぞ。
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