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  4. 地獄だい好き HELL YEAH!!
≫地獄だい好き HELL YEAH!!
■発売元 セガ(現:セガゲームス)
■開発元 Arkedo Studio
■ジャンル コミカルスプラッタアクション
■CERO D(17歳以上対象) ※とってもファンシーで、血も涙も慈悲もない出血・暴力描写てんこ盛り
■定価 1429円(税別)
■公式サイト ≫ソフトウェアカタログ / ≫PlayStation Store:商品&購入ページ
※購入に当たっては体験版のダウンロードと使用キーの購入が必要となります。
▼Information
■プレイ人数 1人(オンラインプレイ時:1〜2人)
■セーブデータ数 1つ
■必要HDD容量 体験版:2881MB、解除キー:100KB(セーブ容量:2248KB以上)
■その他 PlayStation Network対応、追加コンテンツ対応、振動機能対応、トロフィー機能対応
■推定クリア時間 4〜6時間(エンディング目的)、12〜19時間(完全攻略目的)
地獄の王子「アッシュ」は、地獄の狂暴な住民達を従わせるため、普段は威圧的な態度を取っていた。
しかし、自宅に帰れば一転、アヒルのおもちゃを愛でるウサギと化すのだった。

そんなある日、アヒルのおもちゃとバスタイムを満喫していたアッシュは、その模様を何者かによって盗撮されてしまう。盗撮されたスクープ写真は地獄のインターネット上に流出し、瞬く間に拡散。普段はコワモテで鳴らしている王子のスクープ写真は多くの住民達から嘲笑の的とされ、アッシュはとんだ赤っ恥をかくことになった。

激怒したアッシュは王子の威厳を取り戻す為、写真を閲覧した住民100人を片っ端から見つけ出して写真を奪還し、血祭りにあげることを決意。更に盗撮を行った犯人を見つけ出して締め上げるべく、情報集めに乗り出す。かくして、下賤な畜生どもに木っ葉喰らわし、自らのオトシマエを付ける為のカタストロフが幕を開けるのだった。



PAYBACK !

〜おしおきタイム!〜
▼Points Check
--- Good Point ---
◆各ワールドのエリアごとに潜む盗撮写真を見た住民に「おしおき」という名の処刑を下していく、暴力的且つ、戦闘に特化した風変わりな構成でまとめられた本編
◆住民に止めを刺した際、画面全体に「ぶっちゃり♪」と染みつく鮮烈な出血描写
◆直接攻撃用のホイール、遠距離攻撃用の銃火器と豊富に用意された主人公アッシュの武器
◆大量の蜂を召還して襲撃させる、ティラノサウルスに食べさせるなど、情け容赦のない暴力描写とシュール過ぎるアイディアが炸裂した全30種類の『おしおきミニゲーム』
◆乗り物搭乗時、未搭乗時共に意外なほど豊富に用意された主人公アッシュのアクション
◆仕掛けを利用したり、パズルを解いたりなど、一筋縄ではいかない多彩な作りにまとめられた住民達との戦闘
◆住民達との戦闘の多彩さによって演出された、起伏に富んだレベルデザイン
◆地獄の世界という印象とは裏腹にカジノからファンタジー世界まで、何でもありのワールドロケーション(中には●リオやカービ●と言った任●堂臭漂うアブないネタが炸裂したワールドも…)
◆「おしおき」を下した住民達でお金、アイテムを発掘していく本編とは別に用意されたシミュレーション的な凝ったゲームモード『モンスターアイランド』
◆レベルデザインの起伏さもあって、高密度な内容にまとめられた本編のボリューム
◆盗撮された入浴写真を見た住民を血祭りにあげていく、ご意見無用・突っ込み上等のストーリー
◆あの『デストロイオールヒューマンズ!』を髣髴とさせる悪乗りが炸裂したローカライズ(主に台詞)
◆暴力的なストーリー・世界観とは裏腹のポップでカラフルなデザインでまとめられたグラフィック
◆メタルあり、オーケストラあり、ファンシーありの何でもあり感が炸裂した音楽
◆殺伐とした世界観にいい意味で似付かない、可愛らしいキャラクター達(主人公のアッシュも意外と愛らしい)

--- Bad Point ---
◆ユニークなもの揃いとは言え、住民の数に対して少ない感が否めない『おしおきミニゲーム』(その為、本編後半になると使い回しが目立つようになり、単調さが増していく)
◆ミスするとダメージを受け、再度、住民にダメージを与える手間が発生する『おしおきミニゲーム』の基本スタイル(いわゆるQTE方式で、苦手は人には強烈な嫌悪感を覚えること必至)
◆キーアサインの珍妙さにフワッとした挙動など、全体的に癖の強さが際立つ操作性
◆右スティックで狙いを定めないと当てるのも難しい、FPSスタイルを採用した癖のある銃火器操作
◆大人し過ぎて、敵を倒した手応えが得られ難い効果音(ただ、敵によっては派手な音を鳴らしたりも…)
◆道筋がほぼ固定されている為、自由な探索が楽しめない所が好みを分ける本編構成
▼Review ≪Last Update : 3/12/2017≫
秘密を知っちゃった人はバラしちゃうぞ♪

By:アヒルだい好きウサちゃん


ニンテンドーDSの『ブリックダウン ブロックくずしのフランス革命やぁ〜!』を始め、奇抜なアイディアを凝らしたゲームを多く製作してきたフランスのインディーデベロッパー、Arkedo Studio製作の新作アクションゲーム。

凄惨で無慈悲な出血・暴力描写、セガの悪乗りローカライズで魅せる、ブラックな怪作だ。

基本的な内容は横スクロールで展開する探索型アクションゲーム。主人公で地獄の王子「アッシュ」を操作し、インターネット上に流出した自身の入浴写真を見た100人の住民達に「おしおき」しつつ、真犯人をいてこますべく、広大な地獄世界を駆け巡っていくというものだ。ゲームデザイン的には探索型アクションという事で、任天堂のメトロイドシリーズ、コナミの悪魔城ドラキュラ(※月下の夜想曲以降)シリーズに近い。ただ、本編は住民への「おしおき」という目標を順にこなしていく形で進む為、一本道色の強い構成になっている。
詳細な流れを解説すると、舞台となる地獄世界は複数のワールドで構成されている。ワールド内には様々な区画(エリア)が設けられており、ここに盗撮写真を見た住民達、またの名を『ミニボス』が数人潜んでいる。この住民達をプレイヤーはあの手この手を尽くし、「おしおき」という名の血祭りにあげていく。そうして一定量の住民を殺害すると、次のエリアへの道を封鎖している扉が解放。他の住民達が潜む、新しいエリアへ進めるようになる。そしてまた、住民達を殺害しながら次のエリアへの扉を解放していき、最終的に真犯人との関連が強く疑われる住民ことボスを倒せれば、ワールドクリア。そのまま次のワールドへの道が解禁され、また同じように住民を殺害しつつ、ボスを目指す形となる。このような具合に探索型ではあるのだが、目標の達成をを順にこなしていく形で進む為、ステージクリア型の体裁が強い。悪く言えば探索の自由度は低めで、ほぼ決められた道筋に沿っていく作りになっている。ただ、エリア内のどの住民から殺害していくかはプレイヤーが自由に決められるなど(一部例外もある)、申し訳程度に探索型の要素は残されている。また、住民の殺害にしても単に攻撃すれば良い訳では無い。相手によっては特定の装備が無いとダメージを与えられなかったり、仕掛けをフル活用しないと倒せないタイプも存在。ちょっとした頭脳プレイも求められてくる。なので、殺戮プレイを決め込めば万事解決の単純な内容では非ず。自由度は低めだが、腐っても探索型。多彩な攻略法が求められる、工夫を凝らした構成に仕上げられている。
システム周りも探索型らしい入り組んだ作り。特に主人公アッシュが用いる武器にそれが色濃く現れている。そもそも、彼が使う基本武器からして強烈。その名も『コロスホイール』。回転ノコギリ状のモノホイール(一輪車)で、彼はこれに搭乗した状態で行く手を阻む雑魚敵、障害物を切り刻んでいくのである。無論、住民に対してもその効果を発揮し、密着すれば連続ダメージを与える事も可能。しかもこのホイールにはジェットエンジンが搭載されている為、僅かながら空も飛べるというおまけ付きだ。まさに文字通りの「歩く凶器」。しかしながら、一部の雑魚敵、住民に対してはまるでその効果を発揮しない事もある。そう言った敵に対しては『銃火器』で対抗する。実は今作で扱う武器は『コロスホイール』だけではない。『マシンガン』、『ショットガン』と言った銃火器も攻撃手段の一つとして用意されているのだ。これらの武器は、ワールド内の至る所にある『ショップ』で販売されており、購入すると使えるようになる。探索型という事で、マップ上に隠されているものと想像するかもしれないが、この武器は全てショップ経由で入手。お金で万事解決、探索型は住民の殺害だけに絞るという、珍しい位置付けとなっている。ただ、最初から全ての武器が買える訳では無く、本編を進めないと解禁されない種類のものも。また、これらの銃火器で敵を攻撃する際にはプレイヤー自身で狙いを定めなければならない。ファーストパーソンシューター(FPS)みたく、右スティックで照準を操作し、撃ち込んでいくのだ。一般的に横スクロールアクションの遠距離武器と言えば、相手と同じ直線上に立って撃ち、ダメージを与えていくものだが、今作はそのセオリーを外したシステムを実装。見た目以上の癖の強さと手強さを兼ね備えたものになっている。全ての武器がショップ経由で買える点でも異彩を放っているが、武器自体の仕様はそれ以上に奇抜。色んな意味で唯一無二な作りになっているのだ。
この他にも『潜水艇』、『宇宙船』と言った乗り物兼武器も用意されており、普段と異なる操作による戦闘が展開される事も。また、ワールドによっては武器の使用が禁じられたエリアもあり、そのような場所では丸腰状態のアッシュを操作。パズルを解くように住民の殺害を目指す展開が繰り広げるなんて事もある。多彩な武器を活用するシステム自体、真新しいものではないが、今作はそのバリエーションが非常に多彩。加えて、ジャンルまで変貌させるレベルデザイン面での工夫も凝らすなど、ゲーム全体に変化を及ぼす要素としての作り込みにこだわった仕上がりになっている。ある意味、武器の可能性を追求した内容。多種多様な動かす楽しさ、変化するゲーム性を楽しめる設計がなされている。
また、更なる特徴的なシステムとして『おしおきミニゲーム』なるものも。いわゆるクイックタイムイベント(QTE)で、住民に止めを刺す際に発生するのだが、これが30種類強も用意されている上、ゲームごとに異なるテクニックを要求してくる、起伏に富んだ作りになっている。肝心の内容もカオスの極みで、蜂の巣からハチミツを取ったり、オカリナを演奏したりと突っ込み所満載。そして、ゲームを攻略すると住民殺害のショートデモが発生し、全てが終わると画面全体に「ベッチョリ♪」と血がまとわり付く。キャラクターデザイン及び世界観はアニメ風で、可愛らしいものになっているのだが、そんな演出が平然と繰り広げられるだけあって、衝撃性は抜群。そんな色んな意味での派手さも今作の特色の一つだ。
探索型アクションゲームとしては自由度が低め。だが、多種多様な武器と戦術によって起伏のある展開を演出。更に絵的な所でも派手さを追求するなど、全編を通して悪ノリが炸裂しており、他に類を見ない個性を持った内容に仕上げられている。まさに良くも悪くもごちゃ混ぜ。カオスと評されて止む無しのゲームとなっている。

そんな今作の魅力は、悪ノリ全開のローカライズと、それによって彩られた波乱万丈過ぎるストーリーである。単刀直入に言おう。今作のストーリーは半端じゃなくおバカだ。あらすじこそ、主人公が地獄の王子としての威厳を示す為、自身のスキャンダルを目にした住民達をなぶり殺しにしていく、鬼畜の極みとしか言い様がないものだが、シリアス要素は皆無。右を向いても左を向いてもネタしか出てこない、(良い意味で)酷い内容になっているのである。
特に本編の主要ターゲット、住民達のキャラクター設定全般において、その酷さが炸裂している。基本的に住民と遭遇した際には決まって、アッシュとの会話イベントが発生するのだが…(※中には発生しないタイプの住民も居る)

「はだかうさぎがあらわれた!コマンド?
「あ、妖怪よばわりしないでくれます?そもそも洋ゲーに妖怪はおかしいでしょ。
奴はボスの中では最弱…」
セガの新ハードが出るときのために貯金してるんでゲスよ。
わが生涯に一片の悔いなし!!

などなど、突っ込み所満載な台詞を連発。対するアッシュも(先の妖怪云々に対して)「問題ねぇよ、日本語版だからな!」、「俺が7つのエメラルドでも集めているように見えるか?」、「もう一匹、羊たちを沈黙させてやるか!」、「あの世で新ハードでも夢見てろ!」と、これまたツッコミ所満載の台詞で返すという、ネタ合戦が展開されていく。なので、あらすじの印象に反して殺伐さは皆無。何処の新喜劇だよこれと言いたくなること必至の内容になっているのである。そもそも、自身の裸を見た住民達を殺していくという時点で既にコメディ全開だが、実際の本編はその更に上を行く酷さ。ローカライズ担当者の正気を疑うのも止む無し、セガってやっぱり頭のおかしい会社(※褒めてます!)だと納得してしまうこと確実の仕上がりとなっている。
こんなネタの応酬が続くだけあって、ストーリー自体の訴求力も高く、そのやり取り見たさに自然と本編を進めていってしまう面白さがある。ネタばかりでなく、肝心の本筋も盗撮を行った犯人は何者なのか、何が目的なのかと言った興味深い謎が散りばめられている為、その正体と結末見たさに進めたくなる。それでも、全体的にはネタ重視なスタンスなのだが、それらの要素でプレイヤーを引き込み、メインのストーリーへの関心も程好く持たせるようにしている構成は見事。それぞれの活かし方と工夫、そしてローカライズの妙味が炸裂したものに完成されている。
そんなストーリーを適度に盛り立てる、レベルデザインの秀逸さも語らずにはいられない。特に住民達との戦闘は実にバリエーション豊か。単純に『コロスホイール』で直接攻撃を仕掛けたり、銃火器を用いた普通の戦闘ものもあれば、相手の用いる武器を逆利用したり、周辺の箱などのオブジェクトを活かして罠に陥れる謎解きチックな戦闘もあったりと、常に異なる立ち回りが求められてくるのでプレイヤーを飽きさせない。エリアによっては、コロスホイールと銃火器を取り上げられた丸腰状態でマップを駆け抜けなければならなかったり、宇宙船に搭乗して全方位シューティングな戦いに挑むという、アクションゲームである事を完全に無視した展開まであるほど。そのやりたい放題っぷりには、製作スタッフの単調な展開を作らないという確固たるこだわりを実感させられること請け合いだ。
住民達に止めを刺す際に発生する、30種類のミニゲームも見所の一つ。住民100人に対してミニゲームが30種類と、数が足りてないのもあって一部、使い回しもあるのだが、病的過ぎるフィニッシュデモとハイテンポな作りもあって、見るだけでも楽しいものに完成されている。特にフィニッシュデモは無駄に迫力満点。巨大化したコロスホイールでミンチにしたり、大量の蜂を召喚して襲わせたり、ティラノサウルスに喰わせたりと、文字通りに情け容赦無しにして奇想天外過ぎる攻撃の数々が画面いっぱいに繰り広げられる。そして、それらの攻撃を終えた後、画面内の8割に大量の血が「ベッチョリ♪」とまとわりつくエフェクトも壮絶。盗撮写真を見られたからと言ってそこまでしなくても…と、人によってはドン引きしてしまうほどのインパクトに秀でている。ただ、そう言った派手なエフェクトが挿入されるだけあって、仕留めた後の達成感は上々。フィニッシュも単に残酷なだけではなく、中にはこちらの予想を遥かに超越した技があったりなど、思わず笑ってしまうようなネタもふんだんに盛り込まれている。あくまでも止めを刺す為の簡単なお遊びだが、その豊かなバリエーション、強敵を仕留めた事を賞賛する演出の数々には、アクションゲームで最も手応えが感じられる箇所を抑えるという丁寧な作り込みが炸裂。レベルデザインの面と併せ、プレイヤーを徹底的にもてなすその仕上がりには、製作スタッフのアクションゲームとその演出に対する愛というものを感じさせられるだろう。
この他、ゲームオーバーになってしまっても瞬間的に復帰できたり、セーブもフルオート仕様など、途切れなく本編を進めていける事にこだわった作り込みが炸裂。ネタが注目されがちな会話イベントも極力短めの内容に留めるなど、アクションゲームのテンポを大事にした作りにしている所には好感が持てる。ただ、様々な要素を詰め込んだなりの弊害も幾つか。特に銃火器は常に右スティックで狙いを定めなければならないだけに、お世辞にも快適とは言い難い。それだけでなく、操作性にしてもジャンプボタンが〇ボタンなど、全体的に違和感を覚えるキーアサインになっていたり、その配置を変更できるオプションも実装されていないなど、所々で不備が見受けられる。最終的に慣れればストレス無く動かせるようにはなが、やはり右スティックの照準操作だけは蛇足の印象が否めず。テンポ重視の構成にしているのなら、ここも快適かつ、直感的に攻撃を当てられる仕組みにして欲しかったものだ。ミニゲームも30種類しかない故に中盤を過ぎてからは少し作業的な印象が強くなるのは擁護できない。絶対にミニゲームをプレイしなければならない、通常攻撃では住民に止めを刺す事ができないというのもかなり賛否の分かれるところである。
それらの難点の所為で、少しストレスの溜まる手触り感を出してしまっているのは本当に惜しまれる。だが、ネタまみれのストーリーと起伏に富んだレベルデザインのインパクトは計り知れず。何より、プレイヤーを最後の最後まで惹き付けて離さないサービス精神の旺盛さは頭一つ抜けたものがある。そういう意味では、まさに勢い重視の力技を見せ付ける作品。大きな難点はあれど、確かな手応えと満足感を得られるゲームに仕上げられている。その作風は、かつて同じくセガがローカライズを手掛け、ネタに次ぐネタの嵐でプレイヤーを引き込んだプレイステーション2の怪作『デストロイオールヒューマンズ!』と一緒。良くも悪くも「第二世現る」な作りになっているのだ。

勢い重視なところはボリュームもまた然り。基本的に一周するだけなら10時間程度と、探索型アクションとしては平均的だが、レベルデザインの濃さもあり、一通り遊ぶだけでもゲップが出てしまうぐらいの充実感が得られる密度となっている。そんなまさかと思うかもしれないが、実際に本編を進めていけばそれを嫌というほど痛感させられるはず。
また、トロフィー収集や隠しコスチューム探し、チャレンジゲームと言った寄り道要素も充実。更に今作には本編とは別に『モンスターアイランド』なるシミュレーションゲーム的なゲームモードまで収録。本編で倒した住民達に指示を与えながら、お金やアイテムを発掘していくという遊びまで楽しめるのだ。あくまでもおまけだが、本編でなぶり殺しの刑に処した住民達の元気な姿が見れたり、本編を有利に進めていけるサポート要素としての一年も持つなど、その出来は侮り難い。住民を倒せば倒すほど島が賑わい、無茶な指示を送れるようになるなど、地獄の王子としてのアッシュの気持ちになってプレイできるのも面白いものがある。これと言って、ゲームクリアに当たってそれほどプレイする必要は無いモードだが、本編の救いとも言える描写と変に凝った作りは一見の価値ありだ。
これ以外にもやり込み絡みではタイムアタックも実装。ただ、セーブデータが1つしか作れない為、初期化の必要が生じるのが惜しい。これはタイムアタック自体がオンラインランキングに対応しているのが起因しているので、止む無い仕様なのだが、できればアップロードを任意方式にし、複数のデータを作れるようにして欲しかった。一応、サブアカウントを作れば解決できるのだが、煩わしい所があるのも事実なので、そうして頂きたかったものだ。
その他、グラフィックに関しては残酷なストーリーと世界観とは裏腹のポップなデザインが異彩を放つ出来。音楽もメタルあり、オーケストラありのバリエーション豊かな楽曲で楽しませてくれる。中でもゲーム終盤目前になって登場するマ●オとカー●ィな雰囲気漂う任●堂過ぎるワールドで流れるボーカル曲は一聴の価値あり。地獄という世界観を完全に無視したそのほんわかとした曲調には変な笑いがこみ上げてくるだろう。また、イベント戦闘時の曲も素晴らしい出来。特に羊の住民との戦いで流れる曲はとても印象深いものになっているので、先の曲と併せて要チェックだ。

ムービーデモもコミカル且つ、ツッコミ所満載で、中でもボスを撃破した時の大爆発シーンは仰々しいにも程がある仕上がり。同じように爆発の瞬間をデモシーンにしていたゲームは、任天堂の『スクリューブレイカー 轟振どりるれろ』があったが、そのオマージュと見て取れなくもない作りになっているのも興味深いところである。また、同じボス撃破の演出ではラスボスも見所。その謎の感動に満ちた止めには思わずクスリとしてしまうだろう。
これら以外にも追加ダウンロードコンテンツにも対応していて、チャレンジゲームのボリュームを更に引き上げる事ができたり、ストーリーだけでなくロード中の画面にも変なネタが仕込まれているなど、ユニークな見所と売りは盛り沢山。
操作性周りに難点があるほか、特徴でもあるミニゲームが中盤にかけて失速する、全体的に効果音が弱くて雑魚敵を倒した際の快感に質感に乏しいなど、目に余る欠点も目立つ作りではある。探索型アクションゲームとしても道筋がほぼ固定されている為、その辺の手応えが弱いというのも賛否を分けるかもしれない。
ただ、そう言った難点を含めてもプレイヤーに強烈な印象を残すフィーチャーが今作には満載。突き抜けたローカライズとそれによって彩られたストーリー、起伏に富んだレベルデザインと、遊べば間違いなくプレイヤーに何かが残ること必至の今作。少し癖のある作風ではあるが、アクションゲームが好きなプレイヤーならば是非、遊んでみて頂きたい怪作だ。特に先も名を挙げた『デストロイオールヒューマンズ!』を楽しめた方なら、今作も気に入ること必至。今度はこちらでセガという会社の頭のおかしさ(※しつこいですが褒めてます!)を堪能してみよう!地味にお薦めの一本です。
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