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≫まもるクンは呪われてしまった! 〜冥界活劇ワイド版〜
■発売元 サイバーフロント
■開発元 グレフ、ガルチ
■ジャンル 呪われアクションシューティング
■CERO B(12歳以上対象) ※セクシャル描写あり
■定価 5980円(税抜)<廉価版:3800円(税抜)>
■公式サイト ≫紹介ページ(PS公式サイト)
▼Information
■プレイ人数 1人
■セーブデータ数 1つ
■必要HDD容量 200KB以上
■その他 Play Station Network対応、振動機能対応、トロフィー機能対応、追加コンテンツ対応(※2015年現在、配信終了
■総説明書ページ数 21ページ
■推定クリア時間 4〜6時間(エンディング目的)、25〜40時間(完全攻略目的)
迫り来るヘッドライト。
車に轢かれる…!
そう危機を察した少年、知花まもるは気が付けば不思議な世界に飛ばされていた。

やがて現れた冥界の巫女、地獄谷ふるるより、ここが『冥界』である事を知るまもる。そして、彼の周りにはふるるによって連れて来られた幾人かの少年少女達も居た。
続ける形でふるるは、まもる達は冥界の危機を救う為の選ばれし魂として召喚された事を告げる。曰く、今、冥界では何者かが『闇の世界』への門を開こうとしており、その為に冥界の住人達が呪われた状態にあるという。この危機を救うには、住民達を浄化し、闇の世界への開門を阻止しなければならないらしい。
そんな事知るか、元の世界に戻せと呼び出された魂こと少年、少女達はふるるに抗議するが、彼女はさらっと無視。結局、元の世界に戻るには冥界の危機を救わなければならないという事で、まもるを始めとする彼らはしぶしぶと戦いに身を投じる事になるのだった。

果たして、まもる達は無事に元の世界に戻れるのか。
この珍道中…否、戦いの行く末や如何に。
▼Points Check
--- Good Point ---
◆近年珍しい、任意縦スクロール形式の懐かしさ溢れるゲームデザイン
◆プレイヤーを強化して一気に攻め込むか、或いは敵を強化してハイスコアを狙うかの選択する面白さ、リスクとリターンの概念を活かした作りが光る『呪い弾』システム
◆冥界という設定を活かした容赦の無さ、プレイヤースキルによって遊べる範囲が変わるという大胆な試みとバランス調整の妙が光る活動時間システム
◆呪い弾システムによって描かれた、雑魚敵やボス達の複雑な行動パターン
◆複数人のキャラクターを使いこなす面白さ、パーティ制システムによる戦略を練る面白さなど、他のモードとは異なるゲーム性で楽しませてくれるストーリーモード
◆開放感のある画面構成と短時間で遊べるコンパクトな作りが秀逸な冥界活劇モード
◆モードごとに異なるルールとゲーム性を設定した事による、三つの異なる味を持ち合わせたゲームバランス(特にアーケードとストーリーの違いの大きさは必見)
◆任意スクロールのみならず強制スクロールの場面もあるなど、程好く作り込まれたステージ構成
◆ショット方向や属性、オプションの相違など、細かく差別化された6人のプレイヤーキャラクター達
◆残酷な設定とは裏腹のポップなビジュアルと可愛らしいキャラクターで彩られた個性的な世界観(キャラクターに関しても、設定とは裏腹の面白い面子揃い)
◆右スティックで射撃という特殊なアサインながら、意外と違和感なく馴染む操作性
◆カラフルな敵弾と爆発が光るエフェクト演出全般(他の演出周りもストーリーデモでフルボイスの会話劇が描かれるなど、結構凝った作りになっている)
◆古き良き時代のシューティングゲームの香り漂う素晴らしい音楽(名曲揃い!)

--- Bad Point ---
◆『冥界活劇モード』のみとされたワイド画面(残るモードはアーケード版準拠の4:3の標準画面しか用意されていない)
◆リトライ機能未実装な上、ステージをクリアする度にタイトル画面に戻されるという不便過ぎる『冥界活劇モード』のメニューインターフェース全般
◆アーケードモードにおける永久パターンを発生させ、ゲームバランスを崩壊させる元になってしまっているオプションの活動時間設定OFF機能
◆エフェクト周りは派手だが、キャラクターのモデリングは3DCG感バリバリなグラフィック
◆各ステージの特殊イベントを発生させないとエンディングに辿り着く事すらできない、縛りプレイ前提な作りが嫌らしいストーリーモード(一応、理に適った展開ではあるのだが…)
◆裏を返せば癖の強い世界観とキャラクター(ボイスも一部、癖の強い所があるので注意…?)
◆初回特典のDLCが無いとコンプリート不可能な仕様になっているトロフィー(おまけに2015年現在、サイバーフロント解散の余波でDLCのダウンロードも不可能で詰んでしまっている…
▼Review ≪Last Update : 11/1/2015≫
正義の呪わせ戦隊、ここに参上!

…怪しさ爆発だけど、気にしてはいけない。


アーケードゲームとして2008年7月30日に稼働され、今時珍しい任意スクロール型のシューティングゲームの完全新作タイトルとしてとして注目を集めた『まもるクンは呪われてしまった!』の家庭用ゲーム機移植版。発売及び移植はサイバーフロントが手掛けた。

特徴的なシステムと風変わりなゲームバランス、独特の世界観が光る良作だ。

ゲーム内容は見下ろし視点(トップビュー)と任意スクロール形式で展開する、ステージクリア型アクションシューティングゲーム。主人公の知花まもるを始めとするキャラクター達を操作し、迫り来る妖怪の群れを倒しながらステージを攻略していくというものである。見下ろし視点、任意スクロール形式、敵が妖怪と、往年のゲーム好きであれば即座に察せるかもしれないが、ゲームデザイン的にはタイトーの『奇々怪界』シリーズを髣髴とさせる作り。実際にゲームとしての手応えは非常に近く、同作を知る方ならば懐かしさを覚えること必至な内容になっている。
とは言え、システム周りは今作独自のもの。その詳細について紹介していくと、まず第一に『呪いシステム』。今作には『呪い弾』と呼ばれる溜め撃ちショットがあり、これを敵に命中、或いは発射後に発生する『呪いフィールド』に巻き込んだり、自機が自ら接触する事で対象を「呪われた」状態にする事ができる。「呪われた」状態とは簡潔に言ってしまうと、連続ダメージを受ける状態。だが、敵の場合だと連続ダメージを喰らうと同時に敵自身がパワーアップし、攻撃のパターンが増えて倒し難くなるデメリットも生じる。自機の場合に関しても然りで、こちらは呪われた状態になると移動速度、通常ショット威力が大幅に上昇するのだが、呪いが解けると自機のパワーが一レベル下がるペナルティを受ける。加えて僅かな間、呪い弾を発射できない時間も発生。既存の動作に頼った回避と敵への対応が求められるようになるのだ。まさに、過ぎたる力は災いを招くと言ったところ。だが、敵を呪った状態で倒せば高得点を獲得でき、自機を呪った状態にすれば窮地を打破できたりと、使い方次第でプレイヤー側に大きなメリットを得る事もできる。あえて厳しい局面を作り出して大きなメリットを得るか、或いは短期決戦の為に自らを追い込むか、全てはプレイヤー次第。そんな具合にリスクとリターンの概念を活かした作りになっており、戦術次第でゲームバランスが変化するという変わったシステムになっている。
また、更なる特色として第二に『活動時間』。いわゆる制限時間システムなのだが、少し苛烈な仕組みになっていて、この時間がステージクリアの際、1分未満だと次のステージが偽の最終決戦ステージに確定。順番に沿ったステージが遊べなくなってしまうのだ。そして、そのまま偽の最終決戦ステージをクリアすると、何とゲーム自体が終了。全部のステージを巡る事も、エンディングを拝む事もできずに問答無用で終わってしまうのである。まさに切り捨てシステム。情け容赦の無い仕組みになっている。その為、各ステージにおいて如何に1分未満にならぬよう、活動時間を維持していく事が求められてくる。基本的に活動時間はステージ内でアイテムを取得するか、ステージ全体、或いはミッション(ボス戦エリア)をクリアすると回復させることができる。だが、後者に関しては仮に1分未満だとクリア時の回復は行われず、そのまま偽の最終ステージへ強制送還されてしまうようになっている。故にアイテムを沢山確保し、維持する事が重要になってくる。更にこの時間が0になると、『魂葬神』なる永久プレイ防止の無敵キャラクターが登場して攻撃を始めるようになり、そのままステージを終えるか、ゲームオーバーになるかの二つしか行動が取れなくなる。そうも次に進めるか否かが決定付けられるだけあって、プレイ中の緊張感は相当なもの。まさに血も涙も無いを体現したかの如きシステムで、作中の舞台が冥界という事を最大限に活かした作りとなっている。ちなみに、本編で用意されているステージは真の最終決戦も含めて全部で5つ。なので、順調に行けば、その数のステージをプレイする事になる。だが、先の通りに全てを遊べるか否かはプレイヤーの腕前次第。頑張って時間を維持していかなければならないのだ。如何にも、アーケード向けに作られたゲームらしいシビアさ。プレイヤーの努力と根気が全てとも言うべき、漢仕様となっている。
これ以外にも、プレイヤーキャラクターが主人公のまもる以外に複数人居たり、強制スクロール方式の普通のシューティングステージもあると言った独自の工夫が満載。ただ、これまで紹介してきた概略は『アーケードモード』を対象としたもの。他にも今作には『ストーリーモード』、『冥界活劇モード』の二つが用意されており、そちらでは活動時間が無い、自機が呪われた後のパワーダウンが無い、ステージ総数が異なる等、アーケードモードとは異なるゲームシステム、特色を持ったモードになっている。
また、この二つに共通するシステムとしてパーティ制があり、ゲーム開始前に複数のキャラクターからなるパーティを編成し、そのメンバーでステージを攻略していく事になる。人数はモードごとに異なり、前者は5人、後者は3人まで。更に任意での交代はできず、使用中のキャラクターがミスする事で強制的に切り替わる仕組みになっている。ミスして脱落したキャラクターはストーリーモードに限り、エクステンドアイテムを取る事によって復活させられるが、使用したい際はその前に編成されたメンバーを意図的にミスさせて脱落させねばならないなどと、地味に不便。そんな仕組みである故、如何に個々のキャラクターを使いこなせるか否かが試されてくる作り。個性的ながらも、奇妙な手強さが際立ったシステムになっている。活動時間無し、呪いシステムもパワーダウン無しと、この二つは手軽に遊べそうと思うかもしれないが、実際に遊べば、腐ってもシューティングゲームであるという事を存分に思い知らされるだろう。
こんな具合に見た目こそ『奇々怪界』を髣髴とさせるが、肝心のゲーム性は独自色に溢れた仕上がり。加えて、ゲームバランスの調整スタイルの異なるゲームモードを三つも収録しているので、遊び応えとボリュームも相当なもの。まさに一粒で二度美味しいを体現したかのような、工夫に富んだ作り込みが光るゲームになっている。

そんな今作の売りは、ゲームバランスの調整スタイルが異なる三つのゲームモード。シビアなゲーム性を特色とするオリジナル版準拠のアーケード、パーティ制とパワーアップによる攻撃的な攻めが求められるストーリー、そのストーリーのシステムをベースにアーケードとは異なる歯応えを表現した冥界活劇と、一本で毛色の異なるシューティングゲームが楽しめてしまうその内容は贅沢の一言。多様な遊びが楽しめる、やり込み甲斐のあるゲームに完成されている。
特に秀逸なのが複数人のキャラクターを使いこなす面白さと難しさを余す事無く描いた、ストーリーと冥界活劇の二つのモード。個々のキャラクターの特色を理解した立ち回り、パーティの崩壊を防ぐ立ち回りが求められる戦略的なゲーム性とゲームバランスは緊張感抜群且つ、他のシューティングゲームに無い新鮮な手応えに満ち溢れている。そのスリルを際立たせるかのように、キャラクターごとの差別化も上手く成されており、ショットタイプの違い、通常時と呪われた時とでの攻撃全般の変化の違いなど、それぞれを使いこなす事の重要性を説くかのような作り込みが徹底されているのが見事。システムの仕組みも含めて、複数のキャラクターが存在する意義とそれによる独自の戦術をしっかりと表現したその出来具合には、これまでにないタイプのシューティングゲームを作ろうという工夫と製作スタッフの熱意が込められている。
また、ストーリーに限っては、各キャラクターにちなんだ固有イベントが仕込まれているのも、シューティングゲームとしては結構、風変わりな部分。特定のキャラクターでボスを倒す事で、クリア後に特殊なイベントが発生し、その後のストーリー展開に変化が生じるようになっている。それが難易度周りにも影響を及ぼしており、普通にイベント無視でクリアするならそこそこ、イベントを考慮するのなら意図的にミスを発生させてキャラクターをチェンジさせて戦う必要が生じるなど、まるで異なる戦術が試されるゲームに変化するのがユニーク。そう言った仕掛けを凝らす所にも、複数のキャラクターを用意した内容なりの独自性を出すこだわりが現れていて見事。単独の自機だけでは成立しないゲームにするという、熱い意気込みを感じ取る事ができる。
更にゲームバランスに関してはアーケードとも絡むが、シビアなゲーム性とプレイヤーの遊び方に委ねた調整になっているのも秀逸。主に『呪いシステム』に関する所だが、スコア重視で敵を呪うか、攻略重視で自機を呪って攻撃的に行くかの選択次第でやり応えが別物になるのは、遊び方に沿った難易度選択システムとして作られていて非常に面白い。また、『大呪い弾』に至っては、使い方次第で更に難易度を下げる事ができるのもユニーク。先の通り、呪い弾(厳密にはフルチャージの『大呪い弾』)は対象とする敵に命中させる事で『呪いフィールド』が展開する仕組みとなっている。逆に言うと、命中させないと弾は画面外へと飛び去って消滅してしまう。『呪い弾』自体はフィールドが展開されている間、二発目を放つ事ができず、消滅まで待たなければならないのだが、フィールドが発生しなければ直に次の弾のチャージを始められるのだ。ここで注目なのが、チャージを始めると画面内の敵の弾が全て消滅すること。紹介が後になってしまったが、呪い弾のチャージを始めるとその瞬間、画面内の敵の弾が消滅する仕組みになっているのだ。これを活かし、『大呪い弾』のチャージを行って敵の弾を少なくし、その間に通常ショットで敵を攻撃。チャージ完了後、意図的に外す方向に呪い弾を放ち、画面外に行ったのと併せてチャージを開始し敵弾を消滅させる…というのを繰り返す事により、ほぼ一方的な展開を作り出す事ができるのである。さすがにボス戦ではあまり通用せず、スコアも大幅に落ちてしまうのだが、こう言った使い方ができるのもあり、やりようによってはほぼ無傷で道中を行く事も可能。こんな抜け道もシステム内に組み込まれており、多少のテクニックは求められど、シューティング初心者をフォローした作りになっているのだ。見方を変えれば仕様の穴とも見て取れるが、シューティングにおける驚異とも言える敵の弾を制御できるのは実に意欲的。ひょっとしたら想定外の可能性もあるが、こう言った遊びに関連した難易度選択の余地がある点でも、今作のゲームバランスが計算して調整されている事を実感させられるところだ。
だが、何もかも手放しで褒められる訳では無い。欠点もあり、特にストーリーモードにおいて、固有イベントの発生が最終決戦とエンディング到達の条件として設定されているのに加え、発生させないと全ステージクリア後に周回プレイのイベントが発生し、最初からやり直しになるなど、非常に窮屈な作りになっているのは如何ともし難い。またそんな設定故、任意で切り替えないシステムが過度にストレスを与えるものとして機能してしまっているのが厳しいところだ。逆にそういう縛りのきつさがストーリーモードとしての意義を高めている所もあるのだが、もう少し気楽に楽しめるようにする為にも、できればやり直しの所は省いて欲しかったところだ。インターフェース周りでも不便な点が多く、中でも『冥界活劇』のリトライ機能未実装は度し難い。何故、ステージをクリアしたとしても『ゲーム終了(タイトルに戻る)』しかないのか?正直、この仕様を考えたスタッフの頭の中を探りたいぐらいである。
そんな露骨な欠点が目立つのが本当に惜しい。折角、ユニークで可能性を感じるゲームバランスを描いているのに、遊ぶの際のストレスが大きい作りになってしまっているのには、作り込みの甘さを感じさせるところだ。そういう万人に受けない側面を持つ辺りは、如何にも昨今のシューティングゲームと言ったところだろうか。何とも勿体ない限りだ。

作り込みの甘さが現れているのはそれだけに限らず。画面比率にしても、『冥界活劇』以外は4:3に固定で非常に狭い。ワイド版と謳っている割にその比率(16:9)になっているのは『冥界活劇』のみで、後はアーケード版準拠になのである。ワイド版を謳うのなら、そちらも対応させた方がより魅力的になっただろうに、新モード以外未対応で終わらせてしまったのは本当に残念。なまじ、『冥界活劇』の見た目が非常に良いだけに惜しまれるところである。
また、先に紹介した活動時間だが、実はオプションにて時間制限を無くす設定もできるようになっている。だが、これが完全にゲームの魅力を殺しているのに加え、時間を無くした事によって永久パターンが作り易くなってしまっていて、完全に蛇足。元々、敵の配置などが時間のシステムと依存したものになっているのもあり、余計にバランス面での穴が目立つ格好になってしまっている。これにしても難易度の一つとして用意する手があっただろうに、ほとんど未調整のまま放り込んでしまっている辺り、手抜きに見えてしまう。せめて入れるなら入れるなりの違いというものを描いて欲しかったものだ。
その他、全体的なボリュームにしてもやり込むとなるとそこそこだが、普通にクリアするだけだと物足りなさを感じてしまう物量。やはり、メインステージ総数が5つしか無いのは絞り込み過ぎと言わざるを得ない。各ステージがそれほど長めの構成でないのも尾を引いている感じだ。これにしても、せめてあと1つぐらいは収録して欲しかったところだ。とは言え、ストーリーモードと冥界活劇は構成に少し捻りが加えられ、少しだけ充実感を感じられる作りになっていたりするが。
グラフィックもエフェクト周りこそ綺麗だが、モデリングは粗め。特にキャラクター周りに関しては、ポリゴン剥き出しのデザインになっているのがちと惨い。とは言え、そこまで拡大されて表示される訳でも無ければ、イベント時も基本は一枚絵を主体としたイラストによって展開される方式なので、そこまで気になるものでは無いのが救い…かもしれない。また、あえてそうしたことで、処理落ちがほとんど発生しない仕上がりになっているのは評価すべきところだろう。

そして、音楽に関しては素晴らしい出来。80〜90年代のゲーム音楽らしさ溢れる、印象に残る仕上がりになっている。ある意味、今作の肝と言っても過言ではないほどである。特に最初のステージにて流れる『YO-KAI Disco』は今作の看板的存在と言っても過言では無い名曲。他にも『Karakuri Spirits』等、耳に残る楽曲は多数用意されているので要チェックだ。
その他、操作性も右スティックで弾を発射と少し特殊なアサインだが、レスポンスは良好。演出周りもエフェクト周りが凝っているほか、イベントデモではフルボイスによる会話劇が展開されたりと、凝った仕上がりになっている。ストーリーも背景、舞台設定こそ重めながら、キャラクターデザインを始めとして全体的にポップであるなど、ギャップの大きい仕上がりになっているのがユニーク。ただ、色々と癖のあるネタが多め。人によっては拒絶反応を覚えるかもしれない。
全体的に『奇々怪界』チックな作りながら、システム周りの差別化と工夫されたゲームバランスにより、非常に独自色の強いアクションシューティングに仕上げられている。ただ、先述の通りに欠点も目立つほか、世界観等の好みが激しく分かれる要素も多分に含むので、総じて癖が強い。これと言って異様なまでに難しい難易度を特色とした作りではないので、一応はシューティング初心者から上級者まで幅広く遊べる作りになっている今作。何より、システム周りとゲームバランスの個性は特筆すべきものがあるので、シューティングが極端に苦手というのでなければ是非、手に取って遊んでみて欲しい良作だ。タイトル名からしてイロモノっぽいが、中身は堅実。また、音楽も素晴らしい出来なので、それ目的で買っても良し。昨今では稀少種になってしまった任意スクロール型の底力を体感してみて欲しい。
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