≫ロックマン8 メタルヒーローズ
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■発売元 |
カプコン |
■ジャンル |
アクション |
■CERO(推定) |
A(全年齢対象) |
■定価 |
パッケージ版:5800円(税別)<Best版:2980円(税込)>
ゲームアーカイブズ版:571円(税別) |
■公式サイト |
≫ソフトウェアカタログ(ゲームアーカイブズ版) |
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▼Information
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■プレイ人数 |
1人 |
■セーブデータ数 |
3つ(※プレイステーション専用メモリーカード対応:1ブロック使用) |
■総説明書ページ数 |
44ページ |
■推定クリア時間 |
3時間〜5時間 |
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西暦20XX年。
地球から遥か遠くの宇宙空間で、正義と悪のロボットが激しい戦闘を繰り広げていた。二体のロボットは死闘の末、相討ち状態となり、隕石にその姿を変え、地球へと落ちていった。
そして二つの隕石は、不気味な形をした無人島に落下。轟音と共に大爆発を引き起こした。
研究所で隕石より、二つの謎のエネルギー反応を探知したDr.ライトは、これがただの隕石ではないと判断し、ロックマンを無人島の調査へと向かわせる。
そこで彼を待ち受けているものとは…。
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▼Points Check
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--- Good Point ---
◆前半と後半の二部構成に改められ、密度とやり応えが大幅に向上したステージ構成
◆前作を踏襲しつつ、密度とやり応えの大幅な強化が施された本編構成
◆高速スクロールのボードエリア、縦横無尽に動き回るシューティングなど、より仰々しくなったステージギミック
◆シリーズファン待望のセーブ機能の追加(パスワードをメモる必要が無くなった!)
◆入手機会の限られたアイテムを消費し、自分好みのロックマンを造り出すという(いい意味で)嫌らしくも、二周目以降のプレイを誘う仕組みが見事な新しいアイテム購入システム
◆新たなアイテム購入システムの恩恵で、より多彩になったロックマンのアクション
◆緊急時の際の回復でアクション的なテクニックが求められる、個性的な面白い新要素『ラッシュチャージャー』
◆次世代機の恩恵によるド派手な攻撃の数々がプレイヤーを魅了する、戦い甲斐抜群のボス戦
◆少し底上げされたが、シリーズらしい適度で心地良い歯応えを尊重した絶妙な難易度設定
◆やや挙動が重くなったが、手に自然にフィットする手触りの良さはそのままの操作性
◆前作と同量でありながら、ステージの密度増強で充実感が大幅に増した総計ボリューム
◆高品質のドット絵による滑らかなアニメーションとエフェクトが印象的なグラフィック
◆これまでとは異なる爽やかな雰囲気を推し出した音楽(名曲もチラホラ)
◆熱過ぎるオープニングムービー&主題歌(必見!)
◆ボス戦やストーリーを適度に盛り上げるボイス演出(声優陣も豪華で、ワイリー役・青野武氏のハマりっぷりが見事)
◆適度な強さになったラスボス最終形態(とは言え、強敵なので油断は禁物)
--- Bad Point ---
◆密度とやり応えは増したが、冗長になった感も否めないステージ構成
◆難易度を高く設定し過ぎな感が否めないボードエリア(とにかくシビア)
◆ステージ開始前や後半開始前における長いロード(※PS2以降の機種でプレイした場合は除く)
◆以前にも増して低速化し、少し嫌な手応えになったスライディングのアクション(また、これによって敵の攻撃をすり抜けて回避する爽快感も衰えている)
◆シリーズ経験者には賛否を分ける挙動の重さ
◆同じくシリーズ経験者には賛否を分ける救済機能『ラッシュチャージャー』
◆ややキャラクターの扱いの悪さも目立つストーリー(特にフォルテ)
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▼Review ≪Last Update : 12/16/2012≫
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「うわああーっ!!」
※あと1分ほどお待ちください。
カプコンの看板アクションゲーム『ロックマン』シリーズの第8作目。プレイステーションのほか、セガサターン版も後発でリリースされた、正伝シリーズ初のマルチタイトルでもある。
良くも悪くも次世代機らしさが炸裂した、豪華仕様のロックマンだ。
ゲーム内容は過去のシリーズと同様、横スクロールで展開する、ステージクリア型アクションゲーム。主人公のロックマンを操作し、自由に選択可能な全8つのステージに挑み、ボスを倒して特殊武器を手に入れたりしながら、最終ステージを目指すというものだ。
システム周りは過去に発売された全7作、そしてゲームボーイのロックマンワールドシリーズを踏襲。ベースは前作『ロックマン7 宿命の対決!』で、オープニング&中間ステージ、前半と後半に分けられたロックマンワールドシリーズのスタイルを踏襲した二部構成、通貨アイテム『ネジ』によるアイテム購入システムは今作にも引き続き実装されている。その一方で、サポートキャラクターの『ラッシュ』と合体し、攻撃と移動周りが大幅に強化される『スーパーロックマン』は廃止。更に『ロックマン2』以降、シリーズ伝統の救済処置として定着していたエネルギー回復アイテム『E缶』、そして何と、パスワードコンティニューのシステムまでもが廃止となった。
その二つを補う形で、『ラッシュチャージャー』とメモリーカードを使ったセーブシステムを新たに実装。前者『ラッシュチャージャー』はE缶の代わりとして導入された新要素で、ラッシュが回復アイテムをフィールド上にばら撒くという、確実な回復が行えたE缶とは趣の異なる、ランダム性とアクション性の二つを特徴とした個性的な救済処置機能となっている。その個性的過ぎる仕様故、今回は緊急時の回復行動が今まで以上に取り難くなり、全体的な難易度も僅かに上昇。これまでのE缶に馴染んだプレイヤーなら、戸惑いを覚えるのは確実とも言える新要素に仕上げられている。対し、後者のセーブに関しては、かつてのパスワード方式に戻れなくなるほど便利な機能。今までのように紙にメモを取ったりする必要も無く、単純に記録したい時には記録できるようになったので、より気軽且つ、プレイヤーのペースに合わせて本編を進めていけるようになっている。まさに待望の機能、遂に正式実装と言った感じだ。チャージャーとは対照的に、旧シリーズのプレイヤーには感涙モノの新要素となっている。
また、前作から引き継がれた要素も一部、刷新が行われている。特に象徴的なのがアイテム購入システム。これがほとんど別物同然のものに改められている。というのも、通貨アイテムの『ネジ』が有限アイテムになった。前作のように雑魚敵を倒すと落とすタイプの無限系のアイテムではなく、ステージの所々に隠された貴重品アイテムとその設定を大きく変更したのだ。これにより、購入可能なアイテムも全てではなく、一部しかできないようになった。そして今回はその購入したアイテム如何でプレイスタイルとゲーム全体の難易度に大きな開きまでもが出るようになっている。アイテム自体も今回は相当数が用意されており、ロックバスターを散弾仕様にするものからロックマンの移動速度を上げるものまでと、ほとんどがプレイスタイルに大きな変化を及ぼすものばかり。只でさえ、購入できるものに限りがある今回のシステムを嫌らしい形で引き立てるラインナップとなっている。
ただ、このような限定式にした事で、救済処置による露骨なゲームバランス緩和が起き難くなったのは、アクションゲーム的には非常に面白い試み。また、大半が能力強化系というだけにプレイヤー好みの性能を持ったロックマンを作る事もできるようになり、それが周回プレイの面白さを向上させているのも見逃せない。無論、別にこれらのアイテムを購入せずとも本編はクリア可能なバランスになっているので、熟練者なら一つも買わずに最終ステージ攻略を目指す縛りプレイに挑戦すると言った、懐の広さも兼ね備えているのも大きな特徴だ。
正直な所、前作までのシステムの方が救済処置としては良かったと感じる点があるのも否定できないが、この作り故に今回は今まで以上に二周目以降のやり込みが熱い。組み合わせ次第で違ったロックマンを創造できる為、一回のプレイだけでは遊び尽くせない奥深さがある。そのいつになく深い内容はシリーズファンのみならず、アクションゲーム好きにも確かなやり応えと充実感を提供すること請け合いだ。別物になった事で、シリーズの遊び方に新風を吹き込むかのような魅力的なシステムに発展、及び完成されている。
更に、前半後半の構成に関しても基本は前作を踏襲しつつ、あまりに簡素過ぎた中間ステージの密度を上げるなど、大幅な強化が図られている。そして、前半後半の仕組みはステージ構成にまで反映。何と今回は8ボスのステージまで、前半後半に分けられた密度の濃い作りになっているのである。それ故に今回はステージの長さもシリーズ屈指。ステージ上の次世代機に移行したという事で、派手なエフェクトを特徴としたネタの数々を収録。特に強制スクロールで展開するシューティングエリア、ボードエリアの二つはそんな新しいネタの象徴的存在だ。
その他、ゲーム以外の部分でも、ストーリー性の強化を図る目的で、随所にアニメムービーが挟まれたり、キャラクターボイスが追加されるなど、豪華絢爛の極み。これまでの基本部分と前作で評価された要素を継承しつつ、全体の密度と豪華さを大幅強化した内容に仕上げられている。まさにシリーズ中、最も豪華なロックマンと言うに相応しい出来栄え。見た目の面でも派手で、遊び応えも今まで以上にパワーアップした続編になっている。
そんな今作の魅力は二つ。プレイスタイルの露骨な変化が現れる新型のアイテム購入システムと次世代機のパワーをフル活用した、アニメらしさ全開の演出の数々だ。
前者、アイテム購入システムの魅力に関しては既に語り尽くしてしまっているが、非常に面白いシステムに完成されている。プレイヤーキャラクターを強化するという仕組み自体はスーパーファミコンで発売された新シリーズ『ロックマンX』にもあったが、強化範囲が限られているXとは違い、こちらはどれを選ぶか否かで文字通り、別人のロックマンが誕生するというのがやり込みの奥深さを際立たせていて面白い。Xのように派手なアクションが可能になるタイプではなく、身体能力や機能の一部が変化すると言った程度な為、見た目の変化自体は正直地味だが、それでもあるプレイヤーの場合はチャージ速度が異様に速いロックマンになったり、また別のプレイヤーの場合は奇怪なショットを放つロックマンになるなど、何処を強化したいかという方針次第で露骨な違いが出てくるのは面白く、方針を考えるだけでも楽しい。そして、それが二周目以降のプレイ意欲を引き立て、やり込みの楽しさと奥深さを引き立てているのが実に秀逸だ。
元々、ステージセレクトによる選択により、プレイスタイルに大きな変化が起きるというのが、ロックマンシリーズの売りとしてあったが、今作はそこにアイテム購入による変化が加わった事により、より一層、その深みが増している。それでいて、ネジを探し出す探索要素も強化され、クリア済みステージをプレイする意義が増しているのも見逃せないところ。システム的には既存のものの発展系とは言え、その強化の恩恵はかなりのもの。シリーズ史上最高の自由度、奥深さと言っても過言では無い、今回の内容の充実振りは傑出したものになっている。一度遊びきっても終わらない面白さが詰まっているのだ。まさにシリーズの売りである自由度の部分が、究極の進化を遂げたと言った感じである。
また、後者の演出周りにしても、従来のシリーズが持っていたアニメっぽい雰囲気が次世代機のマシンパワーの恩恵により、ほとんどアニメ同然となったのが見逃せない。オープニングでいきなりアニメムービーが始まり、それまでドット絵でしかなかったロックマン達が激しい戦闘を繰り広げたり、喋ったりする様はアニメになったシリーズを一度でも見てみたいと思っていたファンにとっては感涙モノ。ゲーム本編の演出にしても、爆発周りのエフェクトが従来のシリーズよりも仰々しくなったほか、画面内に20体以上もの大量の敵が処理落ちを発生せずに登場するなど、マシンパワーをフル活用してますますアニメらしいものになっている。伝統のボス戦においてもその恩恵は顕著で、画面に収まりきらないほど大きな石像を落としてきたり、もの凄い数の隕石が画面いっぱいに降り注ぐなど、今までのシリーズでは見られなかった光景がドドッと押し寄せる。前作の『ロックマン7』も、輪郭のギザギザ感を極力抑えたドット絵に派手な爆発演出など、アニメを強く意識した作り込みが成されていたが、今作は更にその上を行ってしまっている。ある意味、次世代機だから当然と言える所もあるが、やはり今まで以上に派手になったその演出は見ているだけでも楽しい。安易に3DCGに走らず、ドットの良さとアニメの良さにこだわり尽くしたその仕上がりには、並々ならぬアニメへの憧れと愛が込められている。無論、ゲームとしてもステージのボリュームアップで遊び応えが大幅に増したほか、シューティングにボードなど、スピード感にこだわった仕掛けが豊富に盛り込まれるなど、マシンパワーを活かした作り込みが徹底されている。
ただ、やり過ぎな感も否めず、特にステージはそれが露骨に表れている。さすがに30分以上もかかるという無駄に長い所が無いのがせめてもの救いではあるが、それでも1つのステージ攻略に早くて5〜6分というのは少々、詰め込み過ぎである。前半後半に分けられたステージの試み自体は面白いが、そういうのは一部に留める等、なるべく自重して頂きたかったところだ。それに伴い、後半エリアスタート前に長いロードが挟まれ、テンポが悪くなっているのも痛い。
そんな具合に次世代機の強みが悪い方向に作用しているものもあれば、良い方向に作用しているものもあったりと、やや露骨さを感じる所も多い。ただ、全体的には良い方向に作用した所の完成度が高く、新しい面白さと爽快感を引き立てているのが秀逸だ。まさに豪華さを意識したなりの良し悪しが露骨に現れた作り。アニメっぽかった作品が次世代機のマシンパワーによってタガが外れるとどう進化するか、それを色んな意味で見せ付けた仕上がりとなっている。良くも悪くもやり過ぎの一言がよく似合う出来である。
また、操作性は基本的に前作を踏襲しているのだが、少し挙動が重くなった。特にスライディングは気持ち遅くなり、敵の攻撃をすり抜けて回避する爽快感が落ちてしまった。幸いにして、手応え自体はもっさりしていないが、ファミコンやスーパーファミコンのシリーズに親しんできた経験者なら違和感を覚えるかもしれない。
難易度に関しては先の通りだが、E缶消滅に伴ってやや底上げされた。ただ、全体的には前作よりかは控え目で、適度に難しい程度の4以降のシリーズの流れに則ったバランスになっている。また、前作で多くのプレイヤーにトラウマを与えたラスボスは今回、適度な強さになって弱体化。ある程度の腕があればギリギリ勝てるようになっている。とは言え、それでも強敵なのは相変わらずなので、油断は禁物だ。
全体のボリュームに関してはステージ総数こそ前作と同じ位だが、ステージ1つ1つが長くなったのもあり、密度は前作より上がっている。更に全てを極めるとなると何周でも遊べるなど、やり込み甲斐にしてもシリーズ屈指のレベルだ。
グラフィックの美しさは既に語った通り。まさに進化したドット絵の芸術を存分に堪能できる、素晴らしい仕上がりになっている。音楽もメディア変更に伴い、音質が大幅に向上。曲自体も全体的に爽やかな曲が増えており、これまでのシリーズに無い味わいを醸し出している。また、今作は主題歌も収録されているのだが、これがまた熱い!今作をプレイするなら是非、聴いて欲しい名曲だ。これだけでも、人によっては相当な充実感を得られるかもしれない。
演出周りではムービー以外にストーリー性も強化。会話イベントが増え、正統派ロボットアニメのノリが強化されている。一応、内容自体は前作の続きとなっているのだが、別に前提知識が無くとも楽しめる作り。そんなシリーズ未経験者にも取っ付き易い所も大きな売りだ。他にムービーを始め、主人公のロックマンを始めとするキャラクター達にはボイスも当てられている。出演声優陣も豪華でロックマン役に折笠愛、宿敵ワイリー役には青野武と言った実力派が担当。いずれもはまり役で、特に青野氏演じる狡猾さと愛嬌を秘めたワイリーは必見だ。
全体的に次世代機である事を最大限に活かそうとした作り込みが成されたロックマンとなっており、アニメっぽさの強化など、シリーズファンが夢見た進化を遂げた作品に仕上げられている。一方でステージの冗長化、テンポの悪化など、悪い方向にやり過ぎた所もあるなど、必ずしも次世代機だからと言って何もかもが良くなったという訳ではない部分も目立つ。まさに良くも悪くも豪華になったロックマンとも言える今作。前作からの急激な進化に驚かされる傑作だ。これまでのシリーズを遊んできたファンは言うまでもなく、アクションゲーム好きも要プレイの逸品だ。アニメ同然の作風となった豪華過ぎるロックマンをその目と手で実感してみよう。お薦めです。
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