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フリーダムプラネット


© 2018 GalaxyTrail. All Rights Reserved. Lilac, Carol and Milla © Ziyo Ling.

■発売元:GalaxyTrail
■ジャンル:アクション
■CERO:B(12歳以上対象) ※暴力・拷問描写あり
■定価:1480円(税込)


謎のエネルギーを秘めたオーブ、その名も「キングダムストーン」。
それを手に入れ、全宇宙の支配を目論む暴君「ロード・ブレヴォン」。



その恐るべき野望を阻止すべく、ライラック、キャロル、そして旅の途中で出会ったミラの三人の少女は、様々な仲間達の協力を得ながら、ブレヴォンの軍勢に立ち向かう。

Good / Bad Pick up


▼Good Point
◆『ソニック・ザ・ヘッジホッグ』を軸に90年代の名作アクション良いところ取りを徹底したゲームデザイン
◆360度回転ループなど、随所にみられる露骨な『ソニック・ザ・ヘッジホッグ』のオマージュネタ&仕掛け
◆前半と後半で構成された圧倒的なボリューム感と遊びの幅広さで魅せに魅せる、全12以上のステージ
◆固有の特技と戦闘スタイルで明確な個性付けと独自性を確立させている3人(3匹)のプレイヤーキャラクター
◆遺跡、空中戦艦、秘密基地、更にはアジアンテイスト溢れる街まで、彩り豊かなステージ地形&舞台
◆豊富なストーリーイベントのほか、分岐要素まで仕込まれた凝った作りの「アドベンチャーモード」
◆往年のアクションゲームの感覚で、ストーリー皆無のストレートな遊びを楽しめる「クラシックモード」
◆多関節キャラクターが画面狭しと大暴れする、90年代溢れる演出で盛り上げてくれる熱すぎるボス戦
◆可愛らしい世界観とは裏腹に、シリアスでハードな作風でまとめられたストーリー
◆一周5時間近く、やり込みの攻略も含めれば、4倍近くに跳ね上がる驚異的な物量が光る総計ボリューム
◆ストーリー重視、アクション重視の楽しみ方に完全対応した全4種の難易度
◆適切なキー配置と軽快な挙動が光る操作性
◆メガドライブのゲームを意識した色数、精微な描き込み具合で魅せるグラフィック
◆これぞアクションゲーム、と言わんばかりのメロディアスで熱い音楽
◆90年代のアクションゲームに忠実な熱さと仰々しさに満ち溢れた演出周り(特にボス撃破時の演出が見事)
◆自然な日本語翻訳と英語表記でも伝わる箇所はそのままにする適切な判断が見事なローカライズ

▼Bad Point
◆裏を返せばボリュームが大き過ぎるあまり、敵配置も含む全容の把握が困難を極めるステージ構成
◆同じくボリュームがあり過ぎるあまり、クリアだけでも相当な時間を要されるステージ構成(特に探索系)
◆ハイスピードアクションを特色にする内容に不釣り合いで、テンポを乱す要因にもなっているカード集めのやり込み(ステージが広いのと全容把握の難しさもあって、集めるのも手間がかかりやすい)
◆無敵時間無しのダメージ仕様(主にボス戦で形勢逆転に追い込まれる危険性を作ってしまっている)
◆「看板に偽りあり」の難易度設定(標準の「ノーマル」が事実上の「ハード」なバランス)
◆「カジュアル」、「イージー」専用の自動回復機能が何故か適用されないシューティングステージ
◆意外と刺激的な暴力シーン(特に中盤の拷問シーン)
◆終盤にかけて登場するブレヴォン兵士の鬱陶しさ(やたらと固くてしつこい)
◆何故か体力ゲージが設定されたラスボス(なのに何故、他のボスには無い?)
◆一部、ノーヒントが過ぎる実績の存在

Game Overview


悪逆非道の暴君に正義の鉄槌を!


◇個人開発者のStephen DiDuro氏が立ち上げたインディーゲームメーカー「GalaxyTrail」制作によるオリジナルの横スクロールアクションゲーム。元々はセガ(セガゲームス)の看板タイトルにして横スクロールアクション『ソニック・ザ・ヘッジホッグ』の二次創作作品として制作が始まるも、オリジナル作品へと方針転換されたという経緯を持つ。アクションゲームとしてのタイプはステージクリア型となる。ドラゴンの「ライラック」、ワイルドキャットの「キャロル」、バセット・ハウンドの「ミラ」の3人(3匹)いずれかを操作し、暴君「ロード・ブレヴォン」とその軍勢による宇宙征服の野望阻止に挑むというのが主な内容。

◇本編は1本道の構成になっていて、ストーリーに沿ってステージを順番に攻略していく形で進む。ステージは前半と後半の二部構成になっており、最奥で待ち構えるボスを倒せばクリア。その後はストーリーのイベントを経て、次のステージへと移行する仕組みである。ゲームデザインとしては、1990年代前半のアーケードスタイルのステージクリア型アクションゲームを踏襲したものになっている。また、前述したように本作は元々、『ソニック・ザ・ヘッジホッグ』の二次創作作品として作られた経緯があることから、同作をモチーフにした要素やアクションも採り入れられている。代表的なものとしては、ステージ内に設けられた360度回転ループ、ボールのように体を丸めて繰り出す高速ダッシュがある。ゲーム全体のテンポも高速ダッシュの存在が物語るように非常に早く、目まぐるしい展開が終始、画面いっぱいに広がる作りとなっている。この段階でなら『ソニック・ザ・ヘッジホッグ』の亜種みたいな印象を受ける。だが、実際は独自のシステムやアクションもふんだんに盛り込まれていて、似て非なるアクションゲームとして完成されている。

◇『ソニック・ザ・ヘッジホッグ』の亜種ではないことを象徴する大きな特徴が、3人のプレイヤーキャラクター。それぞれが固有のアクションと戦闘スタイルを持った存在として確立されている。ドラゴンの「ライラック」の場合は、真横などの方向に攻撃判定アリの高速ダッシュを決める「ドラゴンブースト」と、回転しながら二度目のジャンプを行う「サイクロン」を特技とする。ちなみに「サイクロン」にも攻撃判定はあり、敵に重ねて使うことで連続ダメージを与えられる。ワイルドキャットの「キャロル」は、近接攻撃特化型で連続蹴りの必殺技を持つ。また、ステージ上に置かれた燃料に触れるとバイクに搭乗し、その機動力を活かした高速移動が可能になるという特技も持っている。さらに壁を駆け上がる「壁蹴り」も可能である。最後のバセット・ハウンドの「ミラ」は、エネルギーをブロック状にして投げたり、レーザーに変換して射出するといった独特の攻撃法を特技としている。またジャンプ中に対応するボタンを長押しすると「踏ん張りジャンプ」になり、より高い場所へと移動できる。なお、ミラは3人の中で最も体力が低く、打たれ弱いという弱点も持つ。

◇もうひとつの特徴が2つのゲームモード。ストーリーに沿ってステージを攻略していく「アドベンチャー」、ストーリーイベントを完全にカットし、ステージ攻略だけに集中する「クラシック」が用意されている。このうち「アドベンチャー」にはプレイ中の行動選択に応じて、その後のステージやストーリーが変わる分岐要素も用意されている。そのため、選択によっては遊べずに終わってしまうステージが出てきたりもする。仮にすべてのステージを遊びたいのであれば、2周目以降の再プレイは避けられない感じだ。「クラシック」については、「アドベンチャー」とは違って分岐要素はなく、1本道になる。ただ、最初にどのキャラクターを選ぶかで挑むステージが変わるという形の異なる分岐要素は存在する。また、最初にキャラクターを選んでしまうと、後から別のキャラクターへと変更することはできなくなる。

◇ほかに本作ではダメージ制を採用しているのだが、ダメージ判定は敵の攻撃やトラップに触れた時に限られている。そのため、敵やボスの本体に直接接触したとしてもダメージにはならない。
ただし、ダメージを受けた際の無敵時間が存在しないため、連続して敵の攻撃やトラップに接触し続けてしまうと、体力が一気に削り取られるようになっている。このため、本作では敵の繰り出す連続攻撃が極めて大きな脅威となっている。それもあって、主にボス戦だと多少ながら繊細な立ち回りが求められたりと、キャラクターそれぞれの特技を駆使して激しく、素早く立ち回る本編とは真逆の展開が描かれるのもちょっとした特徴になっている。
外見上だと『ソニック・ザ・ヘッジホッグ』のオマージュ作品のように見えるが、実際は同作を軸に1990年代前半の様々なアクションゲームの要素を複数組み合わせたような感じの内容。良い所取りの方針が際立つ仕上がりである。

Review 【Latest Update :4/12/2026 | First Publication Date:10/21/2018】


1990年代のアクションゲームの魂を受け継ぐ、パワフル&アニマルな傑作。

外見のビジュアルからスピード感重視のアクションと言い、隠しきれないほど『ソニック・ザ・ヘッジホッグ』している本作だが、その実態は前述したように1990年代前半のさまざまなアクションゲームの要素を組み合わせた内容になっている。実際に遊んでみれば、文字通り「似ているようで全く違う」手触りがすぐに伝わってくる。

それでいてひとつのアクションゲームとして極めて高い完成度を誇るのが、本作最大の魅力でもある。具体的には著名なアクションゲームの要素を高いレベルで融合させながら、独自性を表現したゲームデザインが素晴らしい。

その魅力が最も際立っているのがステージ構成。敵や仕掛けの配置、ステージのボリュームに至るまで、これほどの工夫と名作アクションゲームのネタを詰め込んだのかと、思わず呆気に取られるほど濃密な内容にまとめられている。ステージのバリエーションもビックリするほど多彩。オーソドックスな1本道進行に徹した場所もあれば、任天堂の『メトロイド』を思わせるような探索に特化した場所もあったりと、本当に彩り豊かでプレイヤーを退屈させない。ステージによっては前半限定でシューティングゲームが展開されるイベントも。そこも選んだキャラクターごとに異なる機体で楽しめるうえ、難易度にも変化が生まれるという驚きの仕掛けまで凝らしているというこだわりぶりだ。
濃密という言い方には若干、誇張の印象を抱いてしまう側面があるのも事実だが、遊んでみればその意味がよく分かるはず。本当によくこんなにも詰め込んだなと思わせるほど、素敵な仕上がりになっているのだ。

多くのステージで落下ミスにつながる罠が仕掛けられていない点も特筆に値する。進行ルートから外れて下に落ちても別のルートが用意されていて、そのまま先へ進んでいけるため、行き詰まりが起きにくく、「ギュンギュン」と進めていける。中には特定の手順を踏まないと先へ進めない場面や、正規ルートに戻るための遠回りが必要な局面も用意されているが、いずれもゲーム全体のテンポとアクションの気持ちよさを大きく損ねるマイナス材料にはなっていない。
また、この手のスピード感重視だと、敵がその気持ちよさを阻害するオジャマ虫になりがちだが、これにしても前述したように接触によるダメージ判定を無しにして問題を軽減。さらに画面外から襲ってくる時は、警告のアイコンで危険を知らせてくれるので、不意打ちにもなりにくくされている。耐久力にしても、終盤になると硬い敵が散発的に出るようになるものの、多くはサクッと倒せる程度に設定されているので、極端にテンポを乱されたりもしない。こういったスピード感と前進する気持ちよさを大事にした設計が徹底されているのも素晴らしく、いかに気持ちよさに気を遣っているのかが感じ取れる。

気持ちよさについては、演出周りの熱の入れようも見逃せない。これがまた90年代前半のアクションゲームのツボと熱さを押さえに押さえた仕上がり。背後から巨大な岩が猛スピードで転がってきたり、仕掛けを解いて扉を開けたら下から針の山が迫ってきて脱出パートに移行するなど、操作しているキャラクターに感情移入してしまう場面が次々と繰り広げられる。特にボス戦は、複数のパーツで構成された巨大な多関節キャラクターが多く登場しては、ド派手な動きをお披露目してくれる点でも相当な見応えがある。やられ様に見せてくれる爆発も申し分ない派手さ。とりわけ90年代のコナミ、カプコン、トレジャーの作品が好きだった人なら「これだよ、これ!」となること請け合いだ。

ほかに各ステージには最速クリアに挑む「タイムアタック」のやり込み要素に加え、「カード」のアイテムを探し出す収集要素も完備。単純に作り込み具合だけでも及第点以上なのだが、それをさらに盤石な形にするサービスまで仕込んでしまっている所には感服するしかない限りだ。確かに厳密には昔の名作をオマージュしたネタが多めで、『ソニック・ザ・ヘッジホッグ』感もバリバリではある。だが、それを高度なレベルで凝縮させ、90年代前半のアクションゲームの良さを忠実に押さえた仕上がりにまとめているだけでも非常にハイレベルな仕事をしていると言える。これに加えて、3人のキャラクターによるアクションとゲーム展開の個性付けで、独自性も抜け目なく入れているのだからさすがだ。正直、本記事の上の方に載せているトレイラーの印象から『ソニック・ザ・ヘッジホッグ』が想起されるが、大事なことなのでもういちど言おう。文字通り「似ているようで全く違う」手触りを得る。同時に90年代前半のアクションゲームに対する愛と、その理解度の高さに驚かされると同時に、直撃世代なら感動すら覚えるだろう。それほどまでに根元の完成度が凄いのである。

ただ、一方で気になる点も。特に探索要素が絡むステージだが、全てを終えるのに30分近く要することがあり、短めのステージでも最低10分近くかかるものが多い。中ボス戦の多さからクリア直前にお腹いっぱいになりやすく、全体的に盛り込みすぎた感は否めない。また、ステージの広さは全体像を覚えにくくする一因にもなっていて、再プレイ時に地形や敵の配置を忘れて失敗を繰り返しやすいのもストレスだ。上達を実感しにくく、広さのデメリットが生じてしまっている。

収集アイテム「カード」の存在もハイスピードなゲームの流れにブレーキをかけるような存在感を出してしまっている側面がある。隠し場所の大半が、メインルートから外れすぎているのと、回収の過程が地味になりがちなのだ。これを集めることでサウンドテストやアートワーク鑑賞が解禁される特典は魅力的だが、ゲームの流れとかみ合っていない印象で、一連の特典は純粋にゲームをクリアしたら解禁される要素として位置づける方が良かったように思える。

難易度もやや高め。特にダメージ時の無敵時間がない仕様が影響していて、終盤の中ボスやボスは回避タイミングを少し誤るだけで一気に体力を持っていかれる場面がある。終盤に登場するブレヴォンの兵士は耐久力が高い上に機敏で、執拗に追撃してくるのも気になるところだ。一応、選択機能は完備されているが、「ノーマル」が事実上「ハード」同然の調整になっているのは少々疑問。「イージー」は適切なバランスに調整されているだけに、余計にそのことが気になる。終盤の過酷なステージが連続する構成は擁護しがたいが、クリアできないほどの難しさではないのは救いだ。また、「カジュアル」モードはアクションゲームに不慣れな人でも迫力ある仕掛けやボス戦を気軽に楽しめる良心的なバランスになっている。

そして、複数の難易度とステージの規模が物語るように、全体のボリュームは十分すぎるほどある。1周クリアするだけでも5時間はかかり、ストーリーの全容を追うとなればその約3倍の時間を費やすことになる。「カード」集めやタイムアタックなどのやり込み要素も豊富で、アーケードスタイルのアクションゲームとしてこの物量は規格外と言える。

ストーリーは王道の勧善懲悪ものだが、個性豊かなキャラクターと練り込まれた世界観で楽しませてくれる。思わずぞっとしてしまうようなシリアスな場面も挟まれ、特に敵の「ロード・ブレヴォン」は徹底した悪役キャラクターで、本作のレーティングが12歳以上なのも納得の凶悪さだ。日本語テキストもキャラクターの性格を捉えた自然な翻訳になっており、無理に日本語化しなくていい部分は英語のまま表記するなど、丁寧な日本語化作業が行われているのも見事だ。

グラフィックはメガドライブを意識した16色制限のドット絵で構築されており、動きも躍動的で見ているだけでも楽しい。音楽はメガドライブのスタイルにとらわれない現代的な路線だが完成度が高く、ステージの前半・後半ごとに別の曲、ステージひとつにも固有の楽曲を用意するというこだわりが光る。ボス戦の楽曲は特に熱く、要チェックだ。他にも適切なキー配置、声優陣の熱演が光るボイス演出(音声は英語のみ)、昔の名作を思わせる小ネタなど魅力は多い。

多少の難点はあるが、総合的なアクションゲームとしての完成度は実にパワフルで、アニマル成分もたっぷりだ。見た目の可愛らしさとは裏腹に、プレイヤーを熱い気持ちにさせてくれる。動いているところはまさに『ソニック・ザ・ヘッジホッグ』だが、その実態は1990年代前半に広く親しまれたアクションゲームのハイブリッドであり、その魂を受け継いだ大迫力の演出が異彩を放っている。アクションゲーム好きはもちろんのこと、ケモナーにも自信を持ってすすめられる一本だ。

なお本作は2018年8月31日より、Nintendo Switch、PlayStation 4版の配信も開始されている(いずれも販売はマーベラスが担当している)。テレビ画面で遊びたい、Nintendo Switchの携帯モードで外出先で遊びたいのであれば、そちらをどうぞ。3人の個性豊かなヒロインと共に暴君を打倒しよう!