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  4. スーパーマリオ3Dワールド
≫スーパーマリオ3Dワールド
■発売元 任天堂
■開発協力 1-UPスタジオ
■ジャンル アクション
■CERO A(全年齢対象)
■定価 パッケージ版:5700円(税別) / ダウンロード版:5700円(税別)
■公式サイト ≫こちら ※音が流れます。
▼Information
■プレイ人数 1〜4人
■セーブデータ数 3つ(※ユーザーごとに作成可)
■必要容量 セーブ:1MB以上、ダウンロード版:1659MB以上
■その他 Nintendo Network対応、WiiU PROコントローラー対応、Wiiリモコン対応、ヌンチャク対応、クラッシクコントローラ(PRO含む)対応、OFF-TV PLAY対応
■総説明書ページ数 38ページ(※電子説明書)
■推定クリア時間 6〜7時間(エンディング目的)、55〜80時間(完全攻略目的)
あるお祭りの夜、ピーチ城の庭でマリオ達は綺麗な土管を見つける。
やや傾いていた為、マリオとルイージが修理すると、中から「ようせい姫」が飛び出してきた。
姫によると、「ようせいの国」にクッパが現れ、他のようせい姫が捕らえられてしまったという。
そして、まさにその瞬間、土管からクッパが現れ、最後のようせい姫を捕まえてしまう。
そのまま土管の中へ消えてしまうクッパ。この一大事にマリオ、ルイージ、キノピオ、そしてピーチ姫の四人はクッパを追いかけ、「ようせいの国」へと降り立つのだった…。
▼Points Check
--- Good Point ---
◆『スーパーマリオ3Dランド』由来の王道マリオの遊びに徹した、優れた取っつき易さを誇るゲームデザイン
◆3Dマリオ初心者に優しく、その魅力を丁寧に伝えていく構成の上手さが光るコースデザイン
◆据え置き機に移行したなりのスケール強化が図られた各種コースのボリューム
◆ワールドごとの世界観に従い過ぎず、プレイヤーの意表を突くロケーションのコースを敷き詰める構成でまとめられた各ワールドごとのレベルデザイン
◆列車、サーカステント、要塞、更には和風のお城、レースサーキットなど、過去のシリーズに無い新舞台(&久々の舞台)が数多く追加され、より華やかさが増したコースロケーション
◆様々な視点から箱庭空間の謎を解くアクションパズル的な面白さに秀でた新要素「キノピオ隊長コース」
◆壁を登る、近接攻撃を繰り出すなど、優れた機動性を誇る新変身アクション「ネコマリオ」
◆分身を同時操作する、独特なテクニックが要求される「ダブルチェリー(ダブルマリオ)」
◆『スーパーマリオUSA』以来の復活を遂げたプレイヤーセレクトシステム
◆3Dマリオ史上初の最大四人までのマルチプレイ(プレイヤーセレクトシステムによるキャラクター性能の個性付けによって、それぞれの短所と長所を補う独特な協力プレイを楽しめる)
◆他のプレイヤーの攻略順序をゴーストとしてネットワーク経由で呼び出せるようになるなど、より一層の強化が図られた救済措置周り(この機能のおかげで、今回はタイムアタックのやり込みも熱い)
◆Wiiリモコン、クラシックコントローラにも対応するなど、幅広いプレイスタイルが用意された操作周り
◆優し過ぎず難し過ぎず、上級者には容赦はしないスタンスでまとめられたゲームバランス
◆圧巻の総計ボリューム(コース総数100以上、隠し要素もてんこ盛りとやり応え抜群)
◆鮮やかな光源処理によって描かれた、全マリオシリーズ屈指の美しさを誇るグラフィック
◆ポップで明るい作風のこれぞマリオな楽曲が取り揃った音楽(しかも、生演奏方式を採用)
◆グラフィックの美しさも相まって、異様なほど派手になったエフェクト演出
◆色んな意味で衝撃的過ぎる最終ボス戦(相手はいつもの彼なのだが…?)

--- Bad Point ---
◆幅広い選択肢がある魅力に影を落とすWiiUゲームパッドの使用を強制するコースの存在(WiiUのゲームだからその手のネタを入れるのは不思議ではないが、無理矢理感が否めない)
◆あまりにも極端過ぎる各キャラクターごとの性能(特にキノピオとピーチ)
◆同じ特徴を持つピーチの存在価値を奪う個性付けが図られた、隠しプレイヤーキャラクター
◆3Dランド由来の挙動の重さはそのままの操作感(慣れれば思い通りに動かせるようになるが…)
◆相変わらずリトライ機能不備で、やり直しが苦痛極まりないタイムアタックのやり込み
◆少々盛り過ぎな感も否めないクリア後の要素(隠しワールドの数がとんでもない事に…)
◆据え置き機の3Dマリオ新作としての説得力の弱さを感じるゲームデザイン(3Dランド自体が携帯機向け3Dマリオというコンセプトだったのを考えると、その続編が据え置き機に出るのには多少違和感がある)
▼Review ≪Last Update : 10/15/2017≫
猫になれば、誰もが愛らしくなる。

約一名は悪趣味度が増す。



『スーパーマリオギャラクシー』シリーズ、『スーパーマリオ3Dランド』を手掛けた任天堂東京制作部が送る3Dマリオシリーズ最新作にして、初のHD機向け作品。一部グラフィックの制作は元ブラウニーブラウンこと、「1-UPスタジオ」が担当。

据え置き機の3Dマリオ新作としては、ややパンチと新鮮味に欠けるが、任天堂らしい入念な作り込みとシリーズ初の試みで魅せた『スーパーマリオ3Dランド』のパワーアップ版にして、傑作だ。

ゲーム内容はニンテンドー3DS向けに発売された『スーパーマリオ3Dランド』に準拠。進行順序がある程度決められた3Dの箱庭空間を舞台に繰り広げられるステージクリア型アクションゲームで、マリオ達を操作し、舞台となる「ようせいの国」に点在するコースを駆け巡りながら、クッパによって捕まった「ようせい姫」全員の救出を目指すというものである。
システム周りも『スーパーマリオ3Dランド』ベースで、制限時間、ゴール、アイテムによる変身アクション(パワーアップ)など、2Dマリオ由来の要素を踏襲。3Dマリオお馴染みの冒険の舞台を広げるキーアイテム(本作では「グリーンスター」)を探し出す要素もあるが、基本的にはゴールを目指し、コース内を駆け抜けていく事に徹する王道のマリオとなっている。その為、内容としては『スーパーマリオ3Dランド』事実上の続編に当たる。そして、続編という事で前作に無かった新要素を追加。更に過去のマリオシリーズ……それも意外な作品に搭載されていたシステムが復活している。
新要素としては、マリオシリーズお馴染みの「パワーアップ」こと変身アクション。基本的なラインナップは前作を引き継いでいるが、新たに「ネコマリオ」、「ダブルチェリー」の二つが追加された。「ネコマリオ」は名前の通りに猫のマリオ。「スーパーベル」と呼ばれるアイテムを習得すると変身できる、そのまんま過ぎるパワーアップだ。ただ、その性能は個性的で、攻撃ボタンを押すことで前方に「ネコパンチ」という名の近接攻撃を行ったり、足の爪を活かして壁を一定時間よじ登ると言ったことができる。この変身でなければ足を運べないエリアも幾つかあるほか、コースによってはショートカットできたり、場合によっては穴に落ちかけた際の緊急回避策として機能したりもする。ヒゲを生やしたおじさんが猫になるというだけでも、微かにドン引きではあるが(失礼)、その性能は実に侮り難し。むしろ、シリーズで見ても屈指の機動性を誇る変身アクションとなっている。
後者「ダブルチェリー」に関しては、逆にシリーズ屈指の奇抜な変身アクション。別にマリオがチェリー(さくらんぼ)になったり、スピッツの歌を歌い出したり、未確認で進行状態になる訳ではなく(なんのこっちゃ)、これ自体はアイテムの呼称。獲得すると、マリオが文字通り一人増える。分身が作り出されるのだ。作り出された分身はオリジナルの能力をそのままコピーしているので、こちらが走れば分身も走り、ジャンプすれば分身もジャンプする。いわば、全く同じキャラクターを同時に操作することになるのである。更にこの状態でまた「ダブルチェリー」を取れば、分身をまた一人増すことが可能。最大で五人まで作りだせるようになっている。その最大状態になった時の光景たるや、まさに俺がお前でお前も俺。シリーズ屈指の奇抜さというのを嫌でも痛感させられる変身アクションになっている。そして、これにちなんだ複数のマリオをコントロールし、スイッチを押したりと言った謎解き要素のあるギミックも道中に登場。その手触り感も「どこのゼルダだ」と言わんばかりに独特のものになっているので、並行して要チェックである。
この他にも変身絡みでは『Newスーパーマリオブラザーズ』の「巨大マリオ」も登場し、同作みたいに巨体を活かしてあらゆるものを踏み倒すプレイも堪能できる。前作にあった頭に被る「ボックス」も健在で、新たに砲弾を撃ったり、暗闇の中で発光させると言った新種も追加されている。いずれもいつものマリオな新要素ではあるが、それによって演出されるアクションの楽しさと操作感は本作の3D風2Dアクションなゲームデザイン故の独特な手応えがある。シリーズの盤石さ、そしてこれまでにない試みを盛り込もうとする挑戦的な姿勢が滲み出た仕上がりには、新鮮な楽しさを覚えるだろう。
そして、新要素に続いて紹介するのが復活のシステム。それは「プレイヤーセレクト」だ。前述のストーリーの通りだが、本作ではマリオだけでなく、ルイージ、キノピオ、ピーチ姫をプレイヤーキャラクターにして本編を進めていけるのだ。更にルイージは滑り易い、キノピオは早い、ピーチ姫はジャンプ時に滑空できるという具合に個性付けも図られている。歴代マリオシリーズ経験者なら、これが何なのか直に思い出せるだろう。そう、海外版『スーパーマリオブラザーズ2』の輸入作品として1992年にファミコン用ソフトとして発売された『スーパーマリオUSA』のシステム。それが本作にてまさかの復活を遂げたのだ。それにより、本作では一つのコースでも四回楽しめる程度にリプレイ性が向上。よりやり込み甲斐のある内容に進歩している。更に『スーパーマリオUSA』の時に無かった新システムも搭載。それが最大四人の協力型マルチプレイ。マリオシリーズでは『NewスーパーマリオブラザーズWii』にて初めて実装されたものだが、本作にもそれが導入され、プレイヤーごとに違ったキャラクターを操作してのコース攻略が楽しめるようになっている。特に本作の場合、キャラクターごとの性能に差別化が図られているので、NewマリオWiiとは異なる協力して難局を乗り切る展開が描かれるのが最大の見所。かつてマリオUSAにて描かれた独特のゲーム性がマルチプレイという形に反映されたその作りには、歴代シリーズ経験者を感無量な気持ちにさせると同時に、2Dマリオでは到底無理な箱庭空間で描かれる起伏とスリルに富んだ協力プレイの楽しさ、難しさを実感させられること請け合い。3Dマリオシリーズとしても、初めてのマルチプレイという事で、シングルに徹してきた過去作にない新しい遊びが表現されているので、その点でも必見の要素だ。ただ、残念ながら本作にマリオUSA特有の野菜を投げて敵を倒すアクションは無いのであしからず。甲羅を投げるアクションが代替となっているが。
この他、コースの選択画面がフィールドマップ形式になり、自由に歩き回れるようになったほか、隠されたアイテムを探し出す要素も導入されて劇的にパワーアップしたほか、据え置き機への移行に伴ってコース全体のスケールも拡張。また、『スーパーマリオギャラクシー』にて初登場した「キノピオ隊長」を操作し、小さな箱庭空間に隠された「グリーンスター」を探し出す、アクションパズル色の強い「キノピオ隊長コース」なるものも追加。アクション主体の本編に大きな起伏を与えている。また、ネットワークに接続することで他のプレイヤーが走った形跡を「ゴースト」として呼び出すシステムも。それにより、最速タイム争いもし易くなったりなど、何処となくマリオカートっぽい新システムも搭載されている。
基本的な内容は『スーパーマリオ3Dランド』ベースで、遊び心地は同作と変わらない。その点では新鮮味に乏しいが、新たな変身アクション、キャラクターセレクト、アクションンパズル的コースの追加、そして最大四人までのマルチプレイと言った新要素も豊富に取り入れ、続編作品なりのパワーアップを遂げた作りになっている。正統進化形というよりは、究極進化形というに相応しいかもしれない。島から世界に名前を変えたなりの強化を実感できる新作だ。

そんな本作の魅力はコースバリエーションの多彩さだ。これがシリーズ屈指と称しても過言でないほど充実している。
特に各ワールドごとの世界観に従い過ぎない設計が図られているのが見事。本作も過去のマリオシリーズ…特に近年の『Newスーパーマリオブラザーズ』に倣い、ワールドごとに固有の世界観が定められている。ワールド1なら草原、ワールド2なら砂漠、ワールド3なら海。いわゆる『スーパーマリオブラザーズ3』を起点に、『Newスーパーマリオブラザーズ』以降のお約束として定まった設定だ。プレイヤーセレクトシステムの原点に当たる『スーパーマリオUSA』にも多少ながら沿っている、とも言えるがそれはさておき。この設定はワールドごとに用意されたコースのロケーションを統一させる要素としても機能し、草原なら緑豊かに、砂漠なら黄色を軸にした乾ききったものに、という具合にイメージ通りの世界を描いてきた。それもあって、このワールドに用意されているコースがどんなものか先の展開が読み易く、それを踏まえた心の準備が行えるメリットを作り出していた。しかし、裏を返せば、想像通りのコースが出てくるので、先の展開に驚きが無い。また、これは主に『Newスーパーマリオブラザーズ』以降の2Dマリオシリーズにおいてだが、似たことを新作でも繰り返すがあまり、長年、シリーズに触れ続けてきたプレイヤーからはマンネリ感を極度に際立たせる要素として忌み嫌われるものとなってしまった。そもそも、『スーパーマリオブラザーズ3』で初めて用いられた設定をその後の新作で何度も繰り返すのだ。そんな意見が出てくるのは当然だし、さすがに縛られ過ぎと批判されても仕方がないところがある。
そんな設定を本作も用いてしまっている。前作に当たる3Dランドもそうだったのだが、このお約束を踏襲している時点で本作もまた、近年の2Dマリオシリーズ同様に驚きも刺激の無い冒険が連続する内容になっていると想像してしまうだろう。だが、先の通り、本作は従い過ぎない設計を実施。砂漠のワールドだからと言ってそのロケーションのコースしか出てこないのではなく、草原が混じったり、洞窟が混じったりなど、設定に準じないコースをふんだんに混ぜ、バラエティ感を演出しているのだ。その為、本作ではイメージ通りにならない、意表を突いた展開が終始繰り広げられる。そして、各コースも単にフィールドを駆け抜けてゴールに辿り着くのものに留まらない。巨大な恐竜の背中に乗って激流を下ったり、3Dと2Dと視点が切り替わる地下通路を通ったり、更には特殊なヘルメットを装着して暗闇の中から道なき道を見つけ出しながら進む、スローテンポな展開が繰り広げられたりと言った、プレイヤーを思わず戸惑わせるような構成のものがこれでもかと言わんばかりに登場する。凄いものでは、何とカートに乗らずにマリオカートをやるとんでもないコースまである。なんのこっちゃと思ったかもしれないが、本当に文字通り、マリオカートのコースを走って駆け抜けるのである。勿論、コースのロケーションはシリーズ第一作目の『スーパーマリオカート』を忠実に再現したものになっているのに加え、音楽まで同作のマリオサーキットの曲にしているという徹底ぶりだ。そんなコースまでプレイヤーの前に立ちはばかる、というだけでも本作が如何にワールドごとの設定に従い過ぎないレベルデザインを敢行しているのかが察せるはず。
更にロケーションにも今までのシリーズに無かった新しいものが登場。列車、遊園地、サーカステント、要塞、下水道など、砂漠や海と言った既に使い古されたネタではない、シリーズ初お披露目の舞台の数々は「新しいマリオを遊んでいる!」という気持ちに嫌でもさせる。更に注目すべきは日本風のお城。忍者が奇声と共に現れそうな雰囲気に満ちた、和風なロケーションも登場するのだ。和風なロケーションと言えば、1992年にゲームボーイ用ソフトとして発売された『スーパーマリオランド2 6つの金貨』の墓地、寺があったが、その後のシリーズでは長らく登場していなかったもの。今回、かれこれ11年ぶりにその題材のコースが復活している。墓地、寺とは趣の異なる雰囲気ではあるが、久々の和を題材にしたコースには古くからシリーズに親しんでいるプレイヤーほどニヤリとしてしまうこと確実。こんな今までにない世界を舞台にすることも実施しており、マンネリを徹底して封じ込めている。
こんな作りをしているだけでも、本作が昨今のマンネリ感が強くなりつつあるシリーズに不満を持つプレイヤーの溜飲を下げる内容になっているのは言うまでもないだろう。無論、内部の作りも敵配置、地形構造共に丁寧に作り込まれており、仕掛けだらけの箱庭空間を駆け抜ける楽しさを細部まで突き詰めた仕上がり。前作、3Dランドのスタイルを踏襲しつつ、据え置き機ならではのスケール感と豪華な演出の数々には続編であるが故の凄味を実感させられるだろう。また、本編構成も基本的にワールドごとに用意されたコースを攻略し、最後の城コース攻略を目指すというマリオの王道を踏襲しているが、全編それが繰り返される訳ではない所も見所。詳細は伏せるが、ワールドをクリアしたからと言って、次のワールドにそのまま進めるという保証は本作には無いとだけ、言っておこう…。
新たな変身アクションに絡んだ展開も特に「ダブルチェリー」に絡んだコースは、独特のパズル的な遊び応えに富んでいるほか、システム的に別ゲームも同然な「キノピオ隊長コース」もやり応え十分。特に隊長コースは「ジャンプができない」という設定、視点を切り替えるカメラ操作が物を言う構成にアクションパズルの新境地が描かれているのもあり、人によっては、これだけ独立したゲームにしてもいいんじゃないのか、と思うほどの衝撃を覚えるかもしれない。
悪く言えば、システム的な真新しさは3Dランドの続編故に無い。また、『スーパーマリオギャラクシー1、2』という傑作を出してきた後に携帯機向け3Dマリオの続編を出す流れには、人によっては思う所があるだろう。しかし、作り込みの深さは群を抜いているほか、前作の3Dランド以上にバラエティ豊かで密度の濃いコースを多数収録したのもあり、その中身は過去の3Dマリオに恥じない。何より、お約束に則られず、新しい事に果敢に挑戦する姿勢が顕著に表れている所には、過去の3Dマリオと変わらない盤石の安心感を感じるはずだ。それほどまでに「新しい冒険」が詰まった内容。マンネリ感が強くなりつつあるシリーズの流れに歯止めをかけるかの如き、バラエティ感の強く出たマリオになっているのだ。

ただ、シングルプレイ時に操作スタイルの幅を狭めるコースが含まれているのが残念。本作は操作スタイルが複数あり、WiiUゲームパッドのほか、WiiUPROコントローラ、Wiiリモコン、リモコン&ヌンチャク、更にはクラシックコントローラにまで対応。3Dマリオとしては『スーパーマリオサンシャイン』以来、従来型コントローラで遊べる設計になっているのだ。だが、シングルプレイではこの選択肢の幅を狭めるコースが存在。それがWiiUゲームパッド専用コース。タッチ操作で動かすギミックがある都合で、他コントローラの仕様を禁じるコースが用意されてしまっているのである。その為、このコースに限ってはWiiUゲームパッド以外で遊ぶことができない。本作自体がWiiUのゲームなので、このようなコースを用意するのは至極当然のことではあるのだが、純粋に一つのコントローラで遊びたいプレイヤーにしてみれば不快感を抱きかねない。何より、そのコースに入る度にコントローラを切り替える手間が生じるようになっているのが面倒だ。タッチ操作の仕様上、対応させるにも無理があったのは明らかだが、折角、操作スタイルを豊富にしたのならそれを尊重し、代替操作を用意するなりして欲しかった。ギミック的にも煩わしさが強く、ゲームパッドの機能を無理矢理活かした苦しい仕上がりになっているのも褒め難い。これならこれで、素直に多彩な操作を供する作りにして欲しかったところである。
また、ゲームバランスに関しても全体的には絶妙な塩梅なのだが、キャラクターの性能周りの調整が極端。特にマリオとルイージの機動性が非常によく、キノピオとピーチ姫が玄人向けな作りになっている(特にジャンプ力の低いキノピオは鬼門)辺りは、もう少し寄り添えなかったのかと言いたくなる。また、プレイヤーキャラクターには五人目が居るのだが、これがピーチ姫の上位互換同然で、その存在を食い潰すのも難あり。久しぶりにプレイヤーキャラクターに復帰した彼女に対し、これはあんまりだろう。隠しキャラ故の優遇は仕方ないにせよ、少しバランスを取って欲しかったところだ。
他に本作は3Dランド同様、Bダッシュ、ブレーキと言った2Dマリオの要素が取り入れられているのもあって、操作の挙動にも癖がある。最終的に慣れれば思うがままに動かせるようになるが、これまでの3Dマリオをプレイしてきた人には違和感が付きまとうのは否定できない。特に据え置き機の3Dマリオの印象が強い人ほど、これには手を焼くかもしれない。

そんな気にかかる点もあるが、ゲームの印象を決定的に引き下げるほどでないのがせめてもの救い。ゲーム全体を彩るグラフィックもHD機では初の3Dマリオというだけあって、シリーズ屈指の美しさ。特に光源処理の鮮やかさは思わず息を飲む。音楽も『スーパーマリオギャラクシー』同様に生演奏方式が取られているほか、楽曲もポップで明るいこれぞマリオな楽曲が揃っている。勿論、ギャラクシーを髣髴とさせるオーケストラ調の楽曲も収録。その迫力たるや折り紙付きだ。
珍しくピーチ姫がさらわれないストーリー設定も新鮮。また、クッパ自身が別の国を侵略しようと動くのも、1993年にスーパーファミコンの「スーパースコープ」専用ソフトとして発売された『ヨッシーのロードハンティング』の「ジュエリーランド」以来、実に20年ぶりのことでこれまた過去のシリーズファンをニヤリとさせる。ただ、内容に関してはいつも通りのマリオ。初代ギャラクシーみたいな独特の展開はほとんどないので、そこは期待しない方が幸いだ。
ニンテンドー3DSで生まれた3Dマリオの続編という事で、若干、据え置き機で出すまでの必然性が弱く感じるところもあるが、同作をベースに大幅に発展させた内容は遊び応え十分で、コースバリエーションの多彩さは近年のマリオシリーズに蔓延するマンネリ感を打破するインパクトがある。ボリュームもたっぷりで、3Dマリオ初心者から上級者まで幅広く楽しめる魅力の詰まった本作。WiiU本体をお持ちのプレイヤーならプレイ必須の傑作だ。様々な舞台を駆け抜け、冒険を繰り広げるマリオとその仲間達の活躍を見逃すな。お薦めの逸品です。
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