≫SPACE INVADERS GET EVEN 〜逆襲のスペースインベーダー〜
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■発売元 |
タイトー |
■開発協力 |
キャトルコール |
■ジャンル |
侵略シューティング |
■CERO |
A(全年齢対象) |
■定価 |
単品:500Wiiポイント、追加ステージパック:各500Wiiポイント |
■公式サイト |
≫こちら |
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▼Information
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■プレイ人数 |
1人 |
■消費ブロック数 |
301(※STパック:各100以上) |
■セーブデータ数 |
1つ(※1ブロック使用:SDメモリーカードへのコピー不可) |
■その他 |
ヌンチャク専用、ニンテンドーWi-Fiコネクション対応 |
■推定クリア時間 |
8〜12時間 |
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30年前。
突如、チキュウへの侵略を目論んだ謎の発行生命体『スペースインベーダー』は、当時の科学者達が開発した新兵器『コアキャノン』によって撃退された。
だが、それから30年後。
平和を取り戻したチキュウ人達は、愚かにも7機のコアキャノンの利権を巡り、戦争行為を繰り返していた。
そんなチキュウ人達の前に、再びインベーダー達が姿を現す。
30年前の借りを返す為に!
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▼Points Check
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--- Good Point ---
◆インベーダー達の「逆襲」、シリーズ伝統の単純明快さを絶妙に融合した、単純明快で取っ付き易いゲームシステム
◆ドリル攻撃から爆発攻撃まで、仰々しさ満点の全5種類のアタックタイプ
◆逆襲らしさを演出する為、破壊工作や救出に絞り込んだ単純明快なミッション
◆単純になり易いミッションに起伏を与える敵配置・施設配置が光るステージ構成
◆ガスタンクにインベーダー捕獲フィールドまで、バリエーション豊かでプレイヤーを飽きさせないステージギミック群
◆無駄に熱くてネタも満載の、フルボイスによるチキュウ軍の通信会話
◆施設や兵器を破壊した手応えを無駄に煽る、仰々しさ満点の爆発エフェクト
◆同じくその手応えと爆発エフェクトの迫力を演出する、質感満点の効果音
◆無理にWiiリモコンらしさを出さず、動かし易さを徹底した快適な操作性
◆優しくなり過ぎず、難しくなり過ぎずの絶妙な調整が光る、巧のゲームバランス
◆遊びたい範囲を選べる、その試みが斬新な『ステージパック』配信システム
◆稼ぐ面白さと熱さを煽る要素が充実した、やり甲斐満点のスコアアタック
◆適度なリアルさと玩具っぽさが融合した、美しくて見応え満点のグラフィック
◆可愛らしいインベーダー達とかけ離れたデザインが印象的なボスキャラクター達
◆予想だにしない結末へと展開していく、意外性満点のストーリー
◆ゲームバランスを根本的に破壊するその強さが逆に面白い、隠しUFO(その中には往年のタイトーファン驚きのものも)
--- Bad Point ---
◆威力が弱い為、使用場面に恵まれない通常のショット攻撃(正直、役立たず)
◆捕獲フィールドの仕切りが多過ぎる、後半のステージ(少し縛り過ぎ)
◆敵が大量にいる場所では、極端に視認し難くなる敵弾(特に後半が激しい)
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▼Review ≪Last Update : 3/29/2009≫
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ツイニ、ワレラ ノ ジダイ ガ キタ!
30周年の名の下に、チキュウ人どもをぶっ潰せ!
日本全土に旋風を巻き起こした、伝説のアーケードゲームにして、タイトーの看板タイトル『スペースインベーダー』の外伝作品。同年にニンテンドーDSとプレイステーションポータブルでリリースされたエクストリームと同じ、シリーズ生誕30周年を記念してリリースされた作品の一つでもある。
昔ながらのシンプルなゲーム性と強烈な破壊感が癖になる、Wii屈指の名作だ。
外伝作なのもあり、基本的なゲーム内容は従来のインベーダーとは完全な別物。3Dグラフィックによる見下ろし型、全方位任意スクロールで展開するアクションシューティングで、インベーダー達が搭乗するUFOを操り、敵であるチキュウ軍(※地球軍ではない)の施設等を破壊しながらミッションを遂行していくというものとなっている。
肝心のシステム全般もまた然り。ステージクリア&ミッションクリア方式による展開、制限時間制の採用、敵弾に被弾すると制限時間が減少するダメージ制、全5種類のフォーメーション攻撃(アタックタイプ)など、それまでのインベーダーシリーズでは見受けられなかったもので構成されている。
ただ、システム的に別物であるとは言え、インベーダーシリーズの味とも言える「単純明快さ」はそのまま。ミッションクリア方式と言っても基本、ミッションは1ステージに1つと限られているし、その中身も敵や施設の撃破など、至って単純なものに絞られている。ゲーム全体を覆っている皮こそ違っているが、その本能の赴くままに迫り来る敵や施設をひたすら破壊していくそのゲーム性は、インベーダーそのもの。しっかりと元来のインベーダーらしさを厳守した、こだわり全開の作りとなっているのだ。もの凄く簡単に言ってしまえば、従来の「インベーダーの撃墜」が「チキュウ軍の壊滅」になっただけのこと。まさに「逆襲」のスペースインベーダーなのである。
そして、そのインベーダー達によって繰り広げられる壮大な逆襲劇こそが、今作最大の特徴にしてセールスポイント。まさに30年前の積年の恨みを晴らしてやる!…というインベーダー達の怒りが込められたシステム、演出の数々が、プレイヤーにかつてない爽快感と刺激、そして笑いを提供してくれる。
その中でも面白いのが、攻撃システム全般。
何と今作では、プレイヤーが操作するUFOに搭乗している、100匹のインベーダー達を「弾」代わりにして攻撃を行うという、大胆なものを起用しているのである。しかもそれのみならず、インベーダー達は、全5種類ものフォーメーション攻撃技(アタックタイプ)を所持。通常の『ショット』から、敵を追尾する『ホーミング』、バネのように跳ね飛び回る『ホッピング』、特定のポイントに大爆発を発生させる『バースト』、そして単体の敵に連続ダメージを与える『ドリル』と、「お前ら、そんな攻撃ができたの!?」と突っ込みたくなる、ド派手な技の数々まで繰り出すことができてしまうのだ。本編ではこれら5種類の攻撃を状況に応じて使い分け、敵や施設を破壊していくのが基本となるのだが、とにかくその爽快感と破壊感が桁違い。敵であるチキュウ軍の技術力を圧倒したその破壊力に、思わず「このステージ全部の施設と敵をぶっ壊してやろう」というサドの血を無駄に刺激させられる。各攻撃のエフェクトも仰々しいほどド派手なものになっていて、敵を倒す爽快感と破壊感を無駄に煽る、煽る。敵を倒すだけでも気持ち良い、シューティングゲーム独自の醍醐味を絶妙に引き出している。
そして、その恐ろしいまでの攻撃の派手さは、ゲームとしての面白さのみならず、インベーダー達の侵略者としての風格まで助長。ストーリー的にも、このシステムは影響を与えるものとして機能してしまっているのである。しかも、侵略者としての風格だけでない。フォーメーション攻撃という発想そのものも、インベーダー達が集団で行動する性質を反映させており、彼らだからこそ出来た攻撃技という必然性まで、違和感なく演出してしまっているのだ。
このインベーダーの特性とストーリーを活かした丁寧なゲームデザインは、衝撃的の一言。単にゲームとストーリーを分けず、その両者を絶妙なレベルで融合させ、説得力を高めるような処置を施すとは、システム作りが上手過ぎるとしか他に言い様が無い。肝心のフォーメーション攻撃そのものも、個々の技の威力が高めだとは言え、どの技にも「強いけど連発が出来ない」、「連発できるけど弱い」と言ったリスクとリターンが反映されているのが秀逸。技の使用を強制する場面も少なく、好きな技で自由にミッション攻略を楽しめる辺りにも、インベーダーらしい、自由度の高さが存分に発揮されていてお見事。一つの攻撃技でクリアできそうなのだけど、上手くいかないというバランス調整にも、巧みの技が光っている。
メインのミッションクリア方式の単純明快さもそうだが、開発スタッフが如何に『インベーダーというゲームの魅力』を理解しているか、実際に遊んでみればヒシヒシと伝わってくるだろう。そして、今作のテーマが「逆襲」であることを前提にして強調したエフェクトの派手さにも。全く持って、とんでもないセンスを持ったクリエイターがいるものだなと、つい言いたくなってしまうだろう。
更に魅力は攻撃システムだけに留まらない。侵略者『スペースインベーダー』としての存在感を大いに煽る配慮と演出の数々も実に秀逸だ。前者はミッションクリア方式でありながら、基本は敵や施設の破壊がメインである単純明快なゲームシステムそのものに尽きる。面倒な事は少ししかしない、我々の目的は破壊のみというその無慈悲とも言える一方的な展開は、まさに「宇宙からの侵略者」としてのらしさを大いに助長する。ただ単純明快でなく、インベーダーがそんな設定だから単純明快な仕組み、であるかのように作られたその配慮には本当、「どうしてそんなところまで徹底したの!?」と突っ込みたくなるほど驚かされる。純粋にゲームとしてでなく、インベーダーだから単純明快にしたという、キャラクターを前提にしたシステム作りが成されたものは、これまでのゲームにあっただろうか。
また、後者の演出も今作ではチキュウ軍の通信会話が常時、フルボイスで挿入されるのだが、これもまた先の侵略者『スペースインベーダー』としての風格を大いに助長するものとして機能しているのが素晴らしい。突然の侵略に焦り、未知の科学力に圧倒される軍の兵士達、何が何でもインベーダー達を撃破しようと策を巡らす司令部の会話、並びにそのやり取りは、インベーダーが侵略者(未知の存在)だからこそできた愉快さ、熱さを引き出している。もしこれでインベーダーが未知でも何でもない、他国の軍隊とかだったら、熱さは残るにしても、侵略者だからこその「力の差を見せ付ける」気持ち良さ(カタルシス)みたいなのは失われていただろう。そういう意味では、今作でフルボイスを起用したのはまさに英断も英断であったと言える。そしてゲーム的にも、この通信会話は個々のステージの展開を盛り上げるものとして機能しており、台詞の熱さも相まって、手に汗握る緊張感を演出しているのが秀逸。声優陣の演技も一切妥協無し、未知の侵略者に立ち向かう人達としての雰囲気を醸し出す気配りが徹底されているのが見事だ。(特にチキュウ軍の隊長と司令部の先輩オペレーターのやり取りが非常に熱い)
しかも、それだけでなく所々で、奇妙な会話が挿入されるのも大きな売り。
「喰らえ!俺の”名古屋撃ち”!!」
「必殺!レインボー!」
「♪戦車で戦車で戦車で戦車で、GO!GO!GO!GO!」
などなど、「お前ら、本当にインベーダーの侵略を止めたいの!?」と言いたくなってしまうその台詞の数々には、思わずクスッと笑ってしまうこと間違いなし。往年のインベーダープレイヤーならば、これらの台詞に一種の時代みたいなものも感じてしまうだろう。
ゲーム的な観点から見ても、ただひたすら真面目を押し通すのでなく、緩和剤としてこう言った台詞を用意する辺り、「楽しく遊びましょうよ」というスタッフからのメッセージみたいなのが込められているような感じがして、何処と無くホッとする。話はマジでもあくまでもゲームはゲームというその配慮には、頭が下がるばかり。つくづく、バランス感覚が職人技だ。
この他にも侵略者らしさ・ゲームの面白さを煽るものとして、仰々しいまでの爆発エフェクトや破壊欲を煽る各ステージの街並み(施設)等もあるのだが、割愛。
とにかく、別物でありながらもインベーダーらしさ全開。そしてストーリー的にも侵略者としてのらしさが全開。システム、演出まで、全てがインベーダーそのものの特性でまとめられた、まさに「侵略シューティング」のジャンル名に相応しいものに仕上げられているのだ。逆襲の面白さだけでなく、インベーダーの気分にまで浸れてしまうその快感は、実際に遊んでみると、伊達に「侵略シューティング」を名乗ってるだけにあると、唸ってしまうだろう。
その他、操作性とゲームバランス周りも巧みの域。特に操作性はWiiらしいヌンチャクとリモコンによる操作ながら、無理にモーションセンサーなどのリモコンの特徴を活かしていないところが素晴らしい。余計な操作は、ゲームを無駄に煩わしくする!という思いが込められたかのようなその気持ち良さは、Wiiのゲームにしては珍しい「潔さ」が存分に現れていて秀逸。あくまでも気持ちの良い操作を目指したその配慮には、ただ頭が下がるばかりだ。
また、今作はダウンロード(DL)配信タイプのゲームながら、ステージが切り分けて配信されているという、珍しい手法が取られているのも面白い。1ステージだけ遊びたければ500円(ニンテンドーポイント)を払えばOK、更に遊びたければ、また500円(ニンテンドーポイント)を払って追加のステージを購入すれば良いその仕組みは、まさにこのスタイルでなければ成し得なかったという独自性を醸し出している。1ステージだけ遊ぶのも、全部遊ぶのも良しのプレイヤーの好みに応じたこのスタイルは、まさにDL配信としては画期的な試み。次世代のDL配信ゲームの形みたいなものを、実感することができるだろう。少し容量的にかさばるのがタマにキズだが。
グラフィックもなかなかの出来。特にインベーダー達を迎撃する敵の巨大兵器のデザインのギャップの激しさは必見。可愛らしいインベーダーのイメージから逸脱したその姿には、誰もがクスッと笑ってしまうだろう。
そして、何気にストーリーも必見。インベーダーがチキュウに侵略する、至ってシンプルな内容なのだが、これが何と中盤以降から思わぬ展開を見せ、その後、誰もが予想だにしない結末へと進んでいくのである。その結末がどんなものなのかは、遊んでからのお楽しみ。きっと、その結末を見た時、プレイヤーの大半は「インベーダーって良い奴らなんだな〜。」と彼らのことがますます好きになってしまうだろう。
この他、本編に用意されているステージも全7ワールド21ステージとそこそこのボリューム。ロケーションにも富んでいて市街地、海、更には雪原など、そのバラエティー豊かな展開の数々はプレイヤーを飽きさせない。スコアアタックなどのやり込み要素も完備されており、自らの限界を極める面白さがしっかりしているのも必見だ。
DLゲームらしくボリューム的に乏しく、またエンディングを見るには全ステージをDLする必要があるなどの欠点もありはするが、致命的なものはほとんど無く、総じて高い完成度を誇っている。インベーダーの性質と魅力を活かしたゲームシステムと侵略者らしさを煽る演出、画期的な配信スタイルなど、総じてDLソフトらしからぬ高い完成度を誇る、この『SPACE INVEDERS GET EVEN 逆襲のスペースインベーダー』。
Wiiを持っているユーザーならば必ずプレイしておくべき、お薦めの逸品だ。
この圧倒的な破壊感と贅沢さ、遊んでおかなきゃWiiは語れない!
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