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  4. 罪と罰 宇宙(そら)の後継者
≫罪と罰 宇宙(そら)の後継者
■発売元 任天堂
■開発元 トレジャー
■ジャンル アクションシューティング
■CERO B(12歳以上対象) ※暴力描写あり
■定価 6800円(税込)
■公式サイト ≫こちら
▼Information
■プレイ人数 1〜2人
■セーブデータ数 3つ(※1ブロック使用:SDメモリーカードへのコピー不可
■その他 ヌンチャク対応、クラシックコントローラ対応、ゲームキューブコントローラ対応、Wiiザッパー対応、ニンテンドーWi-Fiコネクション対応
■総説明書ページ数 32ページ
■推定クリア時間 7〜8時間(エンディング目的)、75〜80時間(完全攻略目的)
遥か遠い彼方、別の地球の物語。
そこでは『外宇宙』と『内宇宙』が永きに渡り、攻防を続けていた。

人類は母星を守る為、地球を複製し、展開していたのだが、その内の一つ、『第4亜地球』にある日、外宇宙生命体が降り立ったという情報が入る。内宇宙は、侵略尖兵と予測されるその生命体を抹殺する為、外宇宙の生命体の血の引く少年兵士イサ・ジョを派遣する。

そして、『第4亜地球』に降り立ったイサは、人の少女へと擬態した外宇宙生命体を発見。
接触を試みるのだが…。
▼Points Check
--- Good Point ---
◆前作同様、自機と照準を同時操作する独自の作りが異彩を放つゲームデザイン
◆リモコンのポインティングに対応し、大幅に敷居が下がって快適面も向上した操作性
◆クレジット制が廃止され、手軽さとそれ相応の手強さが引き立てられたゲームバランス
◆あらゆる操作をプレイヤー好みにカスタマイズできる、気の利き過ぎた操作オプション
◆自由度の高さとテンポのいい切り替え、適度な浮遊感が異彩を放つ新アクション『ホバー』
◆シンプルながらも、大量の敵を一気に仕留める爽快感が秀逸な新アクション『チャージショット』
◆射撃やチャージショットの差別化などが図られ、明確な違いが演出された二人の主人公
◆ボス戦が数回に渡って展開されるなど、大幅なボリュームアップを遂げたステージ構成
◆トレジャーらしいぶっ飛んだアイディアとド派手な演出が炸裂したレベルデザイン
◆撃ちまくるだけでは勝てない種類も登場するなど、バリエーション豊かになったボス戦
◆周回要素の追加と隠しエンディングなど、前作以上に密度が濃くなった総計ボリューム
◆仕組みこそ改められたが、相変わらず得点を稼ぐ楽しさと極め甲斐に秀でたスコアアタック
◆派手なエフェクトと見せ方の上手さが光る、手の込んだグラフィック
◆秒間60フレームによる滑らかなスクロールで魅せる、圧倒的なスピード感
◆各シチュエーションを大いに盛り上げる、印象深い楽曲盛り沢山の音楽
◆音声が日本語になり、アニメっぽさが強化されたストーリーとムービーデモ

--- Bad Point ---
◆加減を誤った難易度設定と、その所為で機能していない難易度選択機能(最も簡単なイージーですらかなりの難易度)
◆全難易度共通、後半ステージにおける弾幕シューティング的展開の多さ
◆ステージのボリュームアップの影響で手軽さが薄れ、少し冗長になったスコアアタック
◆リモコン&ヌンチャク以外の操作の存在意義(あまりのやり難さ故、完全に趣味の域)
◆主人公二人の出会いが一切描かれないなど、説明不足で唐突な描写が多過ぎるストーリー
◆周回プレイを強制する内容とそれを成し遂げた末に訪れる驚愕の結末
◆ステージ6終盤の格闘戦におけるシビアな難易度設定(間合い読みを意識して戦わないと、確実に苦戦する難易度)
▼Review ≪Last Update : 11/4/2012≫
操作の刷新で素早さ大幅アップ!

貴方の目は、それについていけるか…?


NINTENDO64末期に発売され、ハード性能をフルに活かした演出と高いゲーム性、そして独特の操作でコアユーザーから高い評価を獲得した隠れた傑作『罪と罰 地球(ほし)の継承者』、まさかの続編。開発は前作に引き続き、職人集団として名高い開発会社、トレジャーが担当。

より遊び易く、より過激になって帰って来た、正当進化系の『罪と罰』だ。

ゲーム内容は前作『地球(ほし)の継承者』と同様、自機(プレイヤーキャラクター)と照準を同時に操作しながら遊ぶ3Dアクションシューティングゲーム。強制自動スクロールで展開するステージを銃撃、左右移動を始めとする多彩なアクションを駆使し、突破していくというものである。
システム全般も前作を踏襲。遠距離用のショット、近接用で敵が近くに居る時に限って繰り出せるソードの二種類の攻撃アクション、ソードで敵の弾を弾いて行うカウンターアタック、数秒間無敵となる高速回避などは今作にも引き続き採用されている。先も触れたが、自機と照準を同時に動かす独特の操作もそのままだ。
ただ、今作ではこの操作周りが大幅に刷新。Wiiリモコンとヌンチャクを使い、一連のアクションを行うものへと改められている。前作ではスティックで照準を動かし、十字キー、またはCボタンユニットの左右で自機を動かす、少々癖のあるものになっていたが、今作ではそれが大幅に緩和。リモコンのポインティングで照準を動かして狙いを付け、ヌンチャクのスティックでキャラクターを動かすという直感的な操作で一連のアクションが楽しめるようになったのだ。これにより、今作では前作のように操作の練習をする必要もなく、自然とゲーム本編へと入っていけるほどに敷居が低下。前作経験者なら、その違いが即座に分かるほどに遊び易く、敷居の低い作りに一新されている。
一応、今回も練習の為に冒頭にチュートリアルを挟むなど、最低限の配慮は施されているが、別に流し見してしまったとしても全く問題無し。狙いを付けて撃つという基本的な操作ができれば普通に遊べてしまう、ゲームの経験が全く無い初心者でもすんなり入っていけるお手軽な作りになっている。面白そうだけど、操作が独特というので近づき難い、そんな難点が前作にはあったが、今回はこの新たな操作になった事で、懸念要素は完全に払拭。あの癖の強さは何処へ行った?と、思わず疑ってしまうほど、大きなリニューアルを遂げた作りになっている。
また、操作だけでなく、アクション周りも新たにチャージショットとホバー(空中浮遊)の二つが追加され、より多彩で過激なアクションが楽しめるようになっている。
特に後者、ホバーに関しては非常に個性的で、何と、今回はスティックを上に倒すと自機が浮かぶ!その状態で画面の四方八方を自由に動き回れるという、重力完全無視の行動が取れるようになったのだ。ある意味、ジャンプの存在意義を揺るがしかねないアクションだが、これが追加された事によって、今作でのステージ構成と展開は文字通り、画面の隅々まで繰り広げられるものへと一新。あまりにも苛烈で、美しいシューティングが展開される内容へと進化している。浮かぶというアクション自体にそこまで特別な感じはないものの、地上と空中でほぼ同時に繰り広げられる戦闘のスピード感と迫力はかなりのもの。一見、シンプルに見えて、ゲーム性を根本から変える要素として機能しているその仕上がりには、前作経験者ならば度肝を抜かれることだろう。また、このアクションの追加で、空を飛びながらの銃撃戦と言った大胆な場面も大幅増加。その激し過ぎる展開の数々もまた、前作経験者ならば度肝を抜かれること間違いなしだ。
更にシステム全般でもクレジット制が廃止。それに伴い、ゲームオーバーになっても何度も再チャレンジが可能となり、ゲームバランスが緩和されている。また、難易度選択機能も引き続き実装されているが、このクレジット制廃止で、今回は各難易度にも気軽に挑戦できるようになっている。地味な所ではあるが、少しシビア過ぎる前作の仕様に不満を覚えてた方には結構、嬉しい改善点だ。
また、スコア管理もステージ単位に変更されたほか、敵を連続して倒すとスコアが倍増していくボーナス仕様へと一新。他にも、前作の途中でプレイヤーキャラが切り替わる展開をシステムへと昇華させた、二人の異なる主人公による個別シナリオとアクション、ボリュームアップしたステージ構成、英語から日本語へと変更されたデモシーンにおけるボイス演出など、前作から大きく変更が加えられた箇所は多数。特に主人公に関しては前作とは違い、攻撃やアクションに決定的な違いがある為、本当の意味で二人の主人公となっている。ゲーム展開にも大きな変化が起こるので、内容面で一粒で二度美味しくなったというのも見逃せない進化だ。
基本的な作りこそ前作と変わらないが、操作性の刷新により、敷居は大幅に低下。更にアクションとシステムも洗練され、より派手に、より遊び易いものへと改められ、人を選ぶ部分がほとんどなくなっている。空中戦と地上戦が混在しながら展開する為、ゲーム性に僅かな違いこそあるが、中身は紛れも無く罪と罰。苛烈な展開と圧倒的な爽快感はそのままに、前作の難点でもあった敷居の高さの緩和を狙った、いい意味での軟化を図った続編に仕上げられている。

そんな今作最大の売りは、何と言ってもリモコン&ヌンチャクによる快適且つ、敷居の低い操作性。まさにこのゲームの為にリモコン&ヌンチャクは作られたと言っても過言ではないほど、親和性の高さが際立ったものになっている。
特に敷居の低さは特筆すべき部分。リモコンを動かすだけで簡単に敵に狙いを付けられるようになり、操作に全く慣れてなくも本編に入っていけるようになったのは本当に劇的な進化だ。
先も述べたが、前作『地球の後継者』の操作は癖が強く、別途用意されたチュートリアルモードで練習し、ある程度慣れていなければ本編を攻略するのは難しいという極端な所があった。それ故に敷居が高かったのだが、操作自体の手応えの良さは頭ひとつ抜けたものがあり、慣れるだけの価値が十分にあるのものになっていた。まさにNINTENDO64のコントローラならではとも言えるその手応えには、マスターしたプレイヤーのほとんどが虜にされてしまったものと思われる。一方で、アクションゲーム等に苦手意識のあるプレイヤーほど、その魅力が手軽に味わえない所があったのも事実。合わない人にはとことん合わない、そんな厄介な問題点も同時に兼ね備えてしまっていた。
その問題点を今作はリモコン&ヌンチャク操作に改めた事でほぼ完全に解消。リモコンを動かすだけで照準が瞬時に合わさるようになったので、気兼ねなく敵を攻撃できるようになった。更にヌンチャク側のスティックが移動に対応した事で、照準と同時に動かすややこしさも緩和。前作では移動ボタン二回押しで発動する仕組みだった高速回避も、今回はヌンチャク側のZボタンを一回押せば瞬時に発動する仕組みに改められた事で、より快適になっている。その他、『チャージショット』で大勢の敵を一網打尽にしたり、ホバーで空を飛んで地上からの攻撃を回避するなど、困難な局面における対策が豊富に盛り込まれ、戦術の幅も拡大。より自由に、豪快なアクションを満喫できるようにもなっている。
『カウンターアタック』のターゲッティングがやや難しくなったという劣化も一部あるのだが、ほとんど練習せず気軽に個々のアクションが繰り出せるようになり、動かす楽しさと狙って撃つ楽しさは飛躍的に向上。初心者、上級者を問わず、華麗なアクションの醍醐味に浸れる、万人向けの操作系に進化している。直感仕様で簡単に狙いを定められるターゲッティング、違和感皆無の移動全般の操作など、そのずば抜けた快適性は、まさにリモコン&ヌンチャクだからこその賜物。その圧倒的な親和性の高さには、プレイした誰もがこのコントローラあってこそのゲームという納得の手応えを実感させられるだろう。癖はあれど、触り心地はずば抜けていた操作性がWiiになって更に進化。まさに正当進化系とはこの事、と言ってもいいほど完成度の高いものに仕上げられている。
また、操作は敷居の低さだけでなく、オプションでボタン配置をプレイヤー好みに細かく設定できるなど、痒い所にまで手の届く配慮が成されているのも見事。悪戯にモーションセンサーを当てた操作も無く、純粋にポインティングに特化した作りになっているのも好感が持てる。何処に操作の面白さを感じてもらいたいかという一貫したこだわりが炸裂したその潔い作りには、職人集団にしてゲーマー揃いのトレジャーらしさが炸裂している。
そのトレジャーらしさはステージ構成においても炸裂。前作でも空中戦など、無茶苦茶で非常に印象深いステージがあったが、その手のステージは今作においても健在。今回はホバーの追加もあってか、大半のステージに空中戦が用意された大胆且つ派手な構成になっていて、とにかく目まぐるしい。それでいて、そんな無茶苦茶なと突っ込みを入れたくなるシチュエーションも盛り沢山。特に序盤の山でもある海底トンネルのステージは演出、スクロール速度、敵キャラクター達も含めて圧巻の一言。このステージを体験するだけでも、今作をプレイする価値はあると言ってもいいくらいだ。
また、今回のステージは前作よりも長めで、1つのステージに複数のボスが登場すると言った過酷な展開も増えている。それ故、スコアアタックのやり込みがやり難くなってしまったのだが、その分、充実感が桁違い。次々と雪崩の如く押し寄せる驚愕のネタ乱舞には、前作をやり込んだプレイヤーのみならず、初心者も度肝を抜かれるだろう。
正直な所、トレジャーの作る続編作品は前作の良い所をスポイルする傾向が強い。実際に近年発売された続編作品にはそう言ったものが多く、その一例から今作も同じではないのかと、コアなファンならば警戒してしまうのが常である。
だが、ご安心頂きたい。今作は真っ当な進化を遂げており、間違いなく罪と罰と断言できるものに完成されている。それでいて、前作未経験の初心者も気軽に楽しめるなど、敷居も大幅に低下。ロクヨン版に興味があったけど、操作の印象から躊躇っていた方も手を出し易い作りになっている。只でさえド派手だったゲームがWiiでもっと派手に。そして、より快適に。ハードの特性を最大限に活かした作品は、新たなハードでも同様の無茶を仕出かしてしまった。そんな罪作りな所が炸裂した続編に完成されているのだ。罪の名が付いてるゲームなだけに。

ただ、操作性に関してはリモコン&ヌンチャクの操作の手応えが良い反面、他に用意されたクラシックコントローラ、ゲームキューブコントローラの操作はイマイチ。リモコン&ヌンチャク操作が優れている以上、あえて他のデバイスに対応させないのもアリだったのではないだろうか。どうにもこの辺の配慮には、中途半端さが滲み出てしまっている。
また、難易度は今回も前作同様、三種類が用意されているのだが、最も簡単なイージーが事実上のノーマルと言ってもいいほど、調整が突き抜けているのも頂けない。特に終盤における弾幕シューティング同然な展開はやり過ぎだ。折角、敷居が下がったというのに、このような調整が施されてしまっているのは勿体無い限りだ。チェックポイントを導入したことで、ある程度のゴリ押しプレイでも楽しめる余地があるのがせめてもの救いだが、イージーならイージーで、気軽に楽しめる難易度に設定して頂きたかった。
一方でグラフィックの出来は非常に高い。モデルの質こそ並だが、エフェクト全般が派手で、特に先に紹介した海底トンネルステージでは、その凄味が存分に発揮されている。秒間60フレームによる滑らかでスピーディなスクロールが終始、維持されている点も見逃せないところだ。
また、音楽の出来もかなりのもの。前作以上と言っても過言ではなく、非常に印象深い楽曲が揃っている。特にメニュー画面、中ボス戦、エンディングの三曲は必聴の価値アリだ。

ボリュームもステージ増強で前作の約2倍に。更に二人の主人公ごとのシナリオ攻略、二周目などのやり込みも新たに追加され、前作よりも遊び応えのある内容になっている。
その他、ストーリーも今回はムービーデモのボイスが日本語になった事により、アニメっぽさが強化されているのが面白い。何気に声優陣が実力派揃いであるというのも見逃せない。ただ、肝心のストーリーそのものは前作以上に難解で、唐突感の強いものになってしまっている。前作との関連を示唆する描写、意外性のある展開など色々と見所もあるのだが、正直、過度な期待はしない方がいいかもしれない。
そう言った粗も散見されるが、その完成度と敷居の低さは前作以上。リモコン&ヌンチャクによる快適で爽快な操作性、ハチャメチャ極まりないゲーム展開、そして素晴らしい演出と音楽など、単品のアクションシューティングゲームしてもずば抜けた面白さと完成度を誇る。
難易度が高めだが、Wiiならではの手応えに富んだゲームを求めるプレイヤーから前作をやり込んだファンには特にお薦めの力作だ。直感な操作性によって劇的な進化を遂げた名作をその手で体感してみよう。
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