≫RED STEEL2(レッドスティール2)
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■発売元 |
ユービーアイソフト |
■ジャンル |
チャンバラアクション |
■CERO |
C(15歳以上対象) ※暴力、犯罪描写あり |
■定価 |
6090円(税込)、Wiiモーションプラス同梱版 : 7140円(税込) |
■公式サイト |
≫こちら |
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▼Information
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■プレイ人数 |
1人 |
■セーブデータ数 |
3つ(2ブロック使用:SDメモリーカードへのコピー可) |
■その他 |
ヌンチャク専用、Wiiモーションプラス(或いはWiiリモコンプラス)専用(※旧型のWiiリモコンではプレイできません) |
■総説明書ページ数 |
25ページ |
■推定クリア時間 |
9〜11時間(エンディング目的)、28〜40時間(完全攻略目的) |
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かつて『クサガリ』と呼ばれる一族に属していた主人公。
ある時、彼はその名を奪われ、一族の宝『空刀(そらかたな)』と共に追放されてしまう。
それから時が経ち、各地を放浪していた主人公は再びクサガリ一族の土地を訪れる。
かつて一族が栄えてた土地は今や、ならず者集団『ジャッカル』が支配する、荒廃した土地と化していた。更に主人公はジャッカルに捕まり、空刀も奪われる。
主人公の正体、空刀の秘密、ジャッカルの目的、そしてクサガリ一族の行方。
様々な謎と共に物語の幕は上がる。
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▼Points Check
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--- Good Point ---
◆Wiiリモコンとヌンチャクを豪快に振る楽しさを追求したチャンバラアクション
◆Bボタンで即座に切り替えられる快適さ、刀攻撃との組み合わせによる多彩な戦術を可能とするガンアクション
◆Wiiモーションプラスならではの直感的な手応えと良好なレスポンスが光る操作性
◆1960年代〜70年代の洋画を髣髴とさせる、”勘違い日本”炸裂な世界観
◆『北●の拳』の世紀末臭全開の濃過ぎる敵キャラクター達(メンツも多種多様)
◆一本道のミッションクリア方式で展開する、シンプルで分かり易い進行システム
◆パッと始められてサクっと終わる手軽さとスピード感が光る、ミッションのボリューム
◆ターゲットの撃破から探索まで、個性豊かなラインナップで構成されたミッション
◆短めのミッションが引き立てるハイテンポなゲーム展開
◆チャンバラならではの真剣勝負の緊張感とスリルに満ちたゲームバランス
◆難易度選択機能、感度調節機能まで、豊富に取り揃えられたオプション
◆エンディングまでは短め、しかしやり込みとしてサブミッションに各種難易度攻略を用意するなど、適度に充実した内容にまとめられている総計ボリューム
◆アメリカンコミック風味に仕上げられた、トゥーンシェイド調の個性的なグラフィック
◆ハイテンポなゲーム展開にマッチした、迫力満点で勢いのあるムービーデモ
--- Bad Point ---
◆あまりに早く展開する為、内容の把握が困難なストーリー(しかもそんなに深くない)
◆刀攻撃の度、過剰なまでに揺れる視点(3D耐性の無い方なら卒倒するほど揺れる)
◆やや遅めで、ハイテンポな展開を阻害しているドア開放前のロード時間
◆2周目引き継ぎが無い為、1周の内にクリアしなければならぬ仕様が酷なサブミッション
◆カウンター攻撃習得後、若干パターン化してしまう戦闘(攻撃が来たら弾き返しを行い、その隙に攻撃を仕掛ける…と言った戦術で戦うのが最適解となってしまう)
◆人によっては好みの分かれる、洋ゲー臭全開のキャラクターデザイン
◆序盤の終わりに唐突に挿入される上、判定が微妙なシビアなクイック・タイム・イベント
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▼Review ≪Last Update : 12/26/2010≫
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これで俺のWiiは漢(オトコ)仕様。
あんたもどうだい?
Wii本体と同時発売され、KANCHIGAI JAPANな世界観とWiiリモコンを刀に見立てた独自のアクションで話題をさらった『RED STEEL(レッドスティール)』の続編。
スピード感満点、馬鹿馬鹿しさ満点のWiiならではの秀作だ。
ゲーム内容はチャンバラアクション。他の言葉で言うと、FPSことファースト・パーソン・シューター。但し、従来のFPSとは違って銃だけでなく、刀も武器として扱う、もの凄く個性的なアクションを取り入れた内容となっている。
本編はミッションクリア方式で展開。拠点となる場所に設置された『メッセージボード』をチェックしてミッションを受領、マップを移動して目的地へと向かい、それを遂行するのが基本的な流れとなる。一定量のミッションを攻略するとチャプタークリアとなり、次のチャプターへと進む。なお、本編は一本道である為、次のチャプターへ進んでしまうと前のチャプターへは後戻りできなくなる仕様。この辺の進行周りはFPSの基本に則った作りとなっている。しかし、戦闘システム全般に関しては基本も何もない。単刀直入に言って、無茶苦茶としか他に言い様のないもの。「チャンバラ」なのである。
先も話したが、今作ではFPSでありながら銃と刀の二つの武器を駆使して敵と戦うのが基本となっている。しかも、メインに扱う武器は刀。それを使い、目前の敵を斬り倒していく。もう一つの武器である銃はサブ扱い。戦闘では補助攻撃として使う程度で、刀と比べると活躍の場が少ない。銃と言ったら、FPSの主役級の武器とも言える存在だが、今作では脇役。主役は刀という、文字通り「チャンバラ」な配分なのだ。今作が純粋なFPSと名乗らず、『チャンバラアクション』と名乗っているのはそれである。故に「シューター」と称すのも正直、際どいゲームデザインとなっている。
そして、刀による攻撃を行う際の操作も大胆且つシンプル。Wiiリモコンを縦か横に振ったり、或いは突き出したりするだけの、Wiiならではの独自のものになっている。また、今作は周辺機器『Wiiモーションプラス』専用タイトル。専用であるが故、リモコンを振った際の力加減で攻撃時の威力が変化する為、非常にリアルな斬撃アクションを楽しめる作りとなっている。軽く振れば弱攻撃、思い切って振れば強攻撃と言った具合に効果とアクション操作も分かり易く、初心者でも直感的に理解できる敷居の低さも大きな特徴。刀が主役、そしてWiiのゲームだからこその強みが発揮されている。
アクションも弱い攻撃、強い攻撃だけに留まらず。リモコンを大きく振って回転斬り、刀を縦に持って防御、リモコンとヌンチャクを同時に振って敵の攻撃を跳ね返すなど、ダイナミックな技が沢山用意されている。中には最初の時点では使えない技もあるが、ゲームが進むとそれらが使えるようになる。技が増えれば増えるほど、戦闘の幅も拡大。敵を如何に斬り倒すかなど、過程を考える楽しさとアクションを使う楽しさが増していくので、プレイヤーを飽きさせない。直感操作ならではの仰々しさ、バリエーションが多彩であるからこその奥深さ、その双方が凝縮。一見、豪快過ぎる側面もあるが、Wiiならではの特徴とこの攻撃ならではの面白さが丁寧に演出されており、他のFPSでは決して味わえぬ動かす楽しさが満載。まさしく「チャンバラ」とも言える、大変魅力的なアクションの醍醐味が味わえるものに仕上げられている。
また、刀だけでなくサブ武器である銃のアクションと操作感も爽快。本編では状況に応じ、刀と銃を使い分けるのだが、これが何とBボタンを押すだけで瞬時に武器が切り替わる仕様。変な段階を踏まずに切り替えられるので、ビックリするほどスムーズで気持ち良いアクションが楽しめる。そのスピーディな切り替えによる攻撃には、アクション映画のヒーローになったかのような高揚感を覚えるほど。刀の攻撃も多彩で面白いが、銃も侮れぬ面白さ。銃自体も刀と同様、ゲームが進むにつれ、連続発砲などの技が可能になったり、マシンガンなどの種類が増えるなど、飽きさせない工夫は万全だ。刀がメインとは言え、FPSという事で銃へのこだわりも徹底。隙の無い作り込みには、溜息が出るかもしれない。
基本的な内容自体は至って普通のFPS。ミッションクリア方式など、馴染みの法則に則っている。だが、刀をメインに扱う戦闘とWiiリモコンを振る大胆且つ直感的な攻撃アクション、スピーディな切り替えによる銃撃など、明らかに普通でない要素が随所に満載。まさに、Wiiリモコンの形状と特性を最大限に活かしたFPSというに相応しい仕上がり。他の従来型コントローラを使ったハードでは味わえぬ爽快感と操作の楽しさが満載の内容となっている。チャンバラアクションという名はダサいと感じるかもしれない。だが、今作は本当にその言葉通りのゲームなのだ。
そんなWiiならではの特徴を最大限に活かしたチャンバラアクションが今作最大の売り。リモコンを豪快に振って目前の敵を切り倒し、距離が離れてる時は銃を発砲して仕留める。これらの個性的なアクションは、まさにWiiリモコンという特徴的なデバイスだからこそ成しえたオリジナリティが溢れており、従来のFPSとは異なる爽快感、そして動かす楽しさがある。
何よりも、攻撃のスピード感が桁違い。遠距離から銃で敵を攻撃し、近づいて来たら刀で斬り倒すスピーディなコンボはWiiリモコンの形状あってこそ成し得た賜物と言える。ビックリするほど直感的に攻撃を繋げられるので、中毒性も結構なもの。技能の差で敵を捩じ伏せる気持ち良さは、癖になること間違いなし。「俺って凄い!」という高揚感が味わえるので、気が付けば敵との戦闘を繰り返してる、何てことも平気で起こるほどだ。やり過ぎると腕の疲労がピークに達するので、あまりお薦めできた事じゃないが。これが仮に専用メニューを出し、武器を切り替えると言った煩わしい過程を経て行うものだったら、気持ち良さなどあったものじゃなかっただろう。そういう意味では、もの凄く良い判断と設計を行ったと言える。
更にこの攻撃アクションとシステムは、FPSの可能性に一石を投じた意欲的な試みだとも言えるだろう。モーションコントローラによってFPSはどんな表現が可能になるか。今作はその大きな可能性の一つを提示したと言っても決して過言ではないだろう。シューターとしての要素は薄いものの、次世代型FPSと称すのにこれほど適したゲームも他に無い。
FPSとしての斬新さだけでなく、スピーディなゲーム展開も実に魅力的。主にミッションの内容だが、どれも比較的短時間で終了するボリュームで統一されており、気軽に楽しめる作りになってるのが良い。空いた時間にサッと始められ、止められるFPSらしからぬ手軽さが現れている。また、ミッション終了と同時に自動的にセーブされるシステムも大変良心的だ。ミッション自体も個性的で、敵との戦闘あり、探索ありと多彩。立ちはばかる敵も攻撃パターンに動きとトリッキーで、戦い甲斐のある面子揃いなのが嬉しい。戦闘の楽しさを引き立てる要素として、その存在感を大いに発揮させている。
だが、今作のゲーム展開をより魅力的なものに引き立てているのは何と言っても世界観だろう。単刀直入に言って、馬鹿馬鹿しいほど勘違いしまくり。未来の荒野が物語の舞台なのだが、何故か建物のほとんどは日本風。既に荒野というのもおかしい。しかも、日本風という事で看板は漢字で書かれているのだが、使い方を間違い過ぎてる酷さ。60〜80年代の海外の立場から見た日本とも言える、もの凄い勘違いっぷりが炸裂している。更に主人公も見た目は荒野のガンマンなのだが、『クサガリ一族』という日本っぽい一族に所属してた男性と、設定が無茶苦茶。そんなガンマンが刀を振るい、日本風の街並み、時には神社などの施設で戦う様はあまりに滑稽。苦笑必至なのは間違いないだろう。また、敵もあからさまに『北●の拳』な世紀末臭バリバリと、既に荒野ですらない酷いデザイン(褒め言葉)。一体、このゲームの制作者の頭の中はどうなってるんだ!?アホなのか!?…とか、人によっては突っ込みたくなるかもしれない。そんな妙な世界で繰り広げられる戦い。これがプレイヤーを飽きさせる訳も無いだろう。何気にロケーション自体もふざけてるとは言え、多彩。特に荒野に佇む寺院の無茶苦茶さは必見である。
他にもただふざけてるだけでなく、中身は至って真面目なストーリー、ゲーム本編に負けず劣らずなスピーディなデモシーンなど、展開を引き立てる要素は多い。
Wiiならではの個性的なアクションに馬鹿馬鹿しい世界観。ゲームだけでなく、世界観まで革新的であるなど、今作が如何に頭一つ抜けた事をやっているかは、もはや語るまでも無いだろう。とにかく、独自性抜群でアホ。唯一無二の魅力が盛り沢山なのである。しつこいが、アホというのは褒め言葉である。断じて貶してる訳ではない。実際にプレイすれば、それが如何に魅力的なのかを痛感させられるぞ。
ただ、世界観とストーリーが個性的であるとは言え、あまりにスピーディに展開する為、どういう内容なのか分かり難いのがタマにキズ。特に終盤辺りになると、大抵の人は何がなんだか分からなくなる可能性高し。また、これと言って深いテーマを描いた内容でもないので、過度の期待は禁物だ。ただ、馬鹿馬鹿しい話を楽しみたいというプレイヤーなら、そこそこの満足度を得られるかもしれない。
その他、難易度設定などのゲームバランスも適切。選択機能も搭載されており、初心者から上級者まで幅広く対応している。ただ、カウンター攻撃を繰り出し、斬りまくれば大抵の敵が倒せる戦闘の調整にはやや難あり。敵の種類によっては通用しないのもいるが、もう少しその数を増やし、幅を広げるなどの処置を施して欲しかったところだ。
ボリュームもやや短め。やり込みでサブミッションが用意されてはいるが、一周目で全部達成しなければならぬ仕様なのが厳しい。引継ぎ要素を導入して頂きたかったものである。それがあれば、評価も違ってただけに惜しい。
グラフィックは全体的にレベルが高い。アメリカンコミックを髣髴させる、独特のトゥーンシェード調のデザインはインパクトがある。また、今作は刀を使って敵を切り倒す内容故、出血等の残虐表現があると思いがちだが、意外と控え目。それ以前に血はほとんど出ない。なので、そういうのに抵抗がある方でも遊べる作りになっているのも良心的だ。しかし、血は出ない一方で暴力表現は豊富。決して小さな子供が遊んで良いものではないので、そこには注意して頂きたい。
音楽は全体的に雰囲気重視である為、それほど印象に残る曲は無い。ただ、ゲームを変に邪魔しない曲に仕上げられているのは評価できるところだ。刀で戦う内容故、効果音もそこそこ。ただ、リアルテイストな為、もう少し嘘っぽい音であるとなお良かったかもしれない。
その他、ムービーもなかなか凝った作りになっており、ゲーム本編のスピード感を意識した目まぐるしいカット割りの数々は迫力満点だ。更に一部、ボタンを押すイベント(QTE)を仕込むなど、ただ見るだけのムービーで終わらせていない辺りにもちょっとしたこだわりを感じさせられる。
主観視点で展開するゲーム故、3D耐性の無い方には酔い易いこと、そして恐ろしいほど視点がグルグル回るなどの難点もあるが、Wiiリモコンだからこそ実現したチャンバラアクションとスピード感満点の展開は実に魅力的。馬鹿馬鹿しい世界観も何気に見応えありと、全てにおいて唯一無二の魅力が注ぎ込められたこの『レッドスティール2』。
主観視点、15歳以上対象故、万人には薦められないが、Wiiならではのゲームを遊んでみたいと思うコアユーザーなら是非、プレイしてみて欲しい傑作だ。
なお、今作はWiiモーションプラス、或いはWiiリモコンプラスが無ければ絶対に遊べない。幸いにして、モーションプラス同梱版も販売されているので、持ってないという方はそちらをどうぞ。
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