≫おどるメイド・イン・ワリオ
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■発売元 |
任天堂 |
■開発元 |
インテリジェントシステムズ |
■ジャンル |
おどる瞬間アクション |
■CERO |
A(全年齢対象) |
■定価 |
5800円(税込) |
■公式サイト |
≫こちら |
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▼Information
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■プレイ人数 |
1〜12人 |
■セーブデータ数 |
12個(※1ブロック使用:SDメモリーカードへのコピー可) |
■その他 |
ヌンチャク対応 |
■総説明書ページ数 |
32ページ |
■推定クリア時間 |
5〜7時間(エンディング目的)、12〜25時間(完全攻略目的) |
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平和な街『ダイヤモンドシティ』。
その街外れにある『作法殿(さほうでん)』で、お宝が発見された。
お宝と言っては黙っちゃいられないワリオは早速、作法殿へと向かう。
そしてワリオはそこで、『作法棒』なる古代のお宝を発見する。
この棒の効果とは一体…?
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▼Points Check
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--- Good Point ---
◆Wiiリモコンを引っ張ったり、回したりと多彩なバリエーションに富んだ操作性
◆リモコン操作と並行して独自の決め姿勢を取るという、馬鹿馬鹿しさ満点の『お作法』
◆『小坊主』、『大威張り』、『天狗』等、赤っ恥モノばかりのお作法のラインナップ
◆Wiiにハードを移行した影響により、更に仰々しさが増した全200種類以上のプチゲーム
◆プチゲームのくだらなさを引き立てる、爆笑必死の失敗演出(仰々しさもパワーアップ)
◆『スーパーマリオサンシャイン』に『ゼルダの伝説 風のタクト』、『メトロイドプライム』等、次世代化を遂げたシリーズお馴染みの任天堂ゲームのプチゲーム群
◆ある意味で本作『第二の顔』と言っても良いほどの劇的な進化を遂げたサブゲーム群(特にカンシューティング)
◆サブゲームとは思えぬ、充実したボリュームが異彩を放つ『イライラレンガ』
◆ややシビアだが、適度に温く、適度に厳しい丁度良さが秀逸なゲームバランス
◆綺麗なものは嫌いに、下手なものはより下手になった、ぶっ飛んだグラフィック
◆くだらなさとお遊びに富んだ、秀逸な音楽(特にピンポンタワーの曲は必聴の価値アリ)
◆片言の日本語ボイスによる解説と妙なテキストが面白い『お作法』の習得デモ
◆まさに今作の集大成とも言える究極のプチゲーム(ボスゲーム)『ワリオダンサーズ』
--- Bad Point ---
◆一人プレイを全てクリアしないと遊べない『対戦プレイ』(最初から遊べた方が良かった)
◆一部、リモコンの感度の良さを無視したプチゲームの存在
◆『図鑑』のスコアアタックが無くなった為、やや衰えたやり込み要素
◆相変わらずの悪ノリが目に付く、各ステージ開始前のデモ(女性キャラとか、酷過ぎ)
◆最初だけカットできないのが嫌らしい、各ステージ開始前のデモ(するようにしろ…)
◆スピードアップ後のリモコンを持ち替える手間を無視したゲームバランス
◆+と−を同時押ししなければならないポーズ操作(片方だけで良かったのでは?)
◆ほとんどおまけに過ぎないヌンチャク操作(もう少し、専用のステージがあっても…)
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▼Review ≪Last Update : 7/26/2008≫
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周りなど気にするな、「おどれ!」
これは恥を曝け出す為のトレーニングなのだ!
瞬間アクションという新ジャンルを確立するのみならず、画期的な操作方法で世のユーザーを魅了してきた『メイド・イン・ワリオ』シリーズ最新作。開発は前作の『さわる〜』に引き続き、インテリジェントシステムズが担当。
試されるのは、己の羞恥心を曝け出す事!
Wiiならではのくだらなさ全開のアイディアと操作性で送る、シリーズ屈指の怪作だ。
基本的なゲーム内容は、これまでの『メイド・イン・ワリオ』シリーズと同じ。延々と繰り返される、5秒ほどで終了する『プチゲーム』を攻略していく、瞬間アクションゲームである。
しかし例によって、ただの瞬間アクションゲームではあらず。今作は、Wiiにプラットホームを移行したのもあり、『おどる瞬間アクションゲーム』と言った内容となっている。その為、当然のように操作周りも一新。Wiiリモコンを用い、様々な身振り手振りをしていくという、前作『さわる〜』にも増して直感的且つアクティブなものに進化を遂げている。
しかも、今作が凄いのはそのWiiリモコンを使った操作の種類が豊富にあること。一般的にWiiリモコンを使ったゲームと言えば、「振る」とか「突き」、或いは「画面をポイントして狙い撃つ」などのシンプルな操作が主体のものとイメージしてしまいがち。だが今作で起用している操作は、そう言ったありがちなものだけじゃない。思わず「ええっ?」と言いたくなってしまうような、驚きの操作が多数、起用されているのだ。
その操作というのがまた、盲点を突かれるものばかり。Wiiリモコンを筆のように持って『書く』、同じくリモコンを綱引きのひものように持って『引っ張る』、そしてリモコンをハンドルに見立てて『回す』等、まさに「振るとかポイントするだけが、Wiiリモコンができる事の限界じゃない」とでも言っているかのような、刺激的なラインナップとなっている。
更に、こう言った基本操作の他に、決め姿勢を取る『お作法』なるものも存在。今作では各プチゲームをプレイするに当たって、その『お作法』がゲームの開始前に提示され、その姿勢を取った上で臨むのだが、それが猛烈に馬鹿馬鹿しい!右手にリモコンを持って左手の平の上に乗せる『小坊主』、鼻にWiiリモコンを付ける『天狗』、腰周りにWiiリモコンを付けて威張る姿勢を取る『大威張り』など、どう考えても他人に見られたら赤っ恥なものばかりなのである。しかも、当然のように本編は、この姿勢を取ってプチゲームをしなきゃならない!(一部、姿勢を取らなくても大丈夫なものもあり)まさに、恥晒しも同然(笑)。自らの羞恥心との戦いを余儀なくされるハメとなってしまうのだ…。この「恥を曝け出さねばならない」というだけでも今作が、シリーズの中で飛び抜けた(良い意味での)遊び難さを誇っているのは目に見えているだろう…。とにかく、今作は操作も動きも、仰々しい事を沢山要される。だから、遊んでいてとても恥ずかしいのだ。
しかし、かと言ってゲーム自体が面白くない訳でもなく。例によって、この恥ずかしさ炸裂の操作も過去のシリーズと同様、各プチゲームとは見事にマッチしているのみならず、ゲーム自体もそれらの操作とお作法を活かした仕上がりとなっているので、いわゆる無理矢理感というのは無い。凄く、自然にゲームと融合している。また、これらの操作によって、今作ではプチゲームごとに操作を切り替えるという新たなプレイスタイルが導入され、過去にも増してアドリブ性が強化されたのも特筆に値するところだ。常に切り替えねばならない為、ゲーム的な忙しさが増したのも事実…だが。
しかしながら、こう言った面白ネタを一発芸として終わらせず、しっかりとゲームへと組み込ませているのは、流石は任天堂と言ったところ。今作も過去作に引けを取らない、単なる続編だけでは済まない魅力と面白さが詰まった内容に仕上がっている。相変わらず、この操作性へのこだわりとゲームデザインのセンスの高さには感服するばかりだ。
シリーズのメインディッシュでもある『プチゲーム』も、200種類以上と今回も盛り沢山。
今にも漏れそうな男女の皆さんを専用のトイレに誘導するゲーム、当人ではなくてズボンを狙い撃つ荒野の決闘風ゲーム、何故だか高層マンションなどの高い所から落ちていく女性を救助するゲーム、モアイになってウェーブするゲームなど、相変わらずのくだらなさ全開のラインナップとなっている。勿論、収録されているゲームは全て新作。そして例によって、ゲーム本編の展開もジャンル(操作とお作法)ごとに区分されたプチゲームが用意されたステージを順番に攻略していく、お馴染みのものを採用している。
ゲーム展開に関して言えば、今作はWiiにプラットホームを移行した影響故にか、僅かながらステージの数が増え、やり応えがそこそこパワーアップしている。更にシリーズとしては珍しい、クリア後の隠しステージも新たに追加され、一回エンディングを迎えても終わりにならないようになったのも見逃せないところだ。
また、本シリーズの最大の売りとも言える、懐かしの任天堂ゲームの数々が楽しめるナインボルトのステージも、Wiiに移行したのを受けて大幅にパワーアップ。『スーパーマリオサンシャイン』に『ゼルダの伝説 風のタクト』と言ったゲームキューブ、ロクヨン、更にはニンテンドーDSのタイトルが加わり、より一層賑やかなものに進化している。ただ過去のシリーズと比較して、懐かしいタイトルがそれほど収録されていない(あってもバルーンファイトぐらい?)ので、往年のファンにはちょっと物足りない仕上がりとなってしまっているのは寂しいところ。だが、Wiiリモコンで任天堂のゲームを翻訳するとどうなるか?…と言ったチャレンジが、収録作品において行われているのは、相変わらず面白い。特に今作のボスゲームとして登場する初代『スターフォックス』(!)の進化っぷりは要チェックだ。
メイン以外の暇つぶしに最適な『サブゲーム』、そして遊んだプチゲームが登録されていく『図鑑』と言った、お馴染みのおまけ要素も健在。ただ、『図鑑』に関しては今作、スコアアタックが廃止され、これまでのように一つ一つのゲームを極めると言ったプレイができなくなってしまった。操作性の都合があったのかもしれないが、それにより、ゲーム自体のボリューム感とやり込み甲斐が衰えてしまったのは素直に残念なところだ。
しかし、それを埋める形としてか、『サブゲーム』の出来が凄い。特にリモコンで缶を撃ちまくるガンシューティングならぬ『缶シューティング』、ピンポン球をラケットでバウンドしてキープしながら塔を登っていく『ピンポンタワー』の二つは、ひょっとしたらシリーズ過去最高とも言っても良いほどの中毒性を秘めている。また『イライラレンガ』なる、ステージクリア式パズルゲーム(ミニゲームではない!)、3Dに進化を遂げた『バルーントリップ』の出来も相当なもの。はっきり言って今作は、このミニゲームが全て…と言ってもおかしくない。
他にも、最大12人までの対戦プレイもあったりするのだが、12人と言っても使うリモコンは1つだけ、一度本編をクリアしないと楽しめないなどと欠点だらけで、魅力は無い。特にクリアしないと遊べないというのはおかしい。普通に最初から遊べれば良かったのに、何故こんな嫌らしい仕様にしてしまったのか。それなら、対戦ツールとしての価値もあっただろうに…本当、この辺に関しては残念の一言に尽きる。
しかし、そこ以外のゲーム自体の完成度は相変わらずの高さ。Wiiに移行しても、見た目の面白さと内容の面白さのみならず、奥深さにも今作はこだわっており、単純ながらも我を忘れるような面白さを秘めた遊びが今作にはギュッと詰まっている。『ゲーム&ウォッチ』のDNAは、次世代機でも不変だ。
ゲームバランスも相変わらずの優秀ぶり。「特殊な操作であっても誰もが楽しめる」をモットーとした、前作譲りの調整が成されているので、心地良い手応えを堪能できる。だが、Wiiリモコンの感度の良さを無視したプチゲームがあったり、パッと見では分からないプチゲームが何時にも増して多いなど、若干、調整不足が見受けられるのは痛い。特に、前者の感度の調整はもう少し、慎重にやって頂きたかったところだ。
また、プチゲームをプレイしている際、スピードアップした際の『お作法』の切り替えで、リモコンのストラップを装着する暇が無い辺りもどうにかして欲しかった。これは幾ら何でも、任天堂が提唱する事に反し過ぎている。
逆にグラフィックと音楽はWiiに移ったのもあってか、劇的なパワーアップを遂げている。特に音楽は相変わらずのクオリティの高さ。『まわる〜』以降からのスタッフが作曲をしているだけに、名曲も満載。中でも先のサブゲーム『ピンポンタワー』で流れる『悪●城ド●キュラ』を思わせる、ゴシックホラーな曲は要チェックだ。
そして、シリーズお馴染みの歌も新作…その名も『あしたののぼるおかまで』を収録。これまでとは違い、随分と大人しめの曲で、インパクトは薄いのだが、何処となく癒される歌となっているので、是非ともチェックしてみて欲しい。例によって、謳っているのは開発を担当したインテリジェントシステムズの社員。歌唱力はプロ顔負けです。
一方で、デモ周りは前作以上に悪乗りが過ぎ、子供っぽいどころか何処となく萌えアニメを彷彿させるものとなってしまっているのが残念。特に女性キャラのデモは、もっと自重すべきだった。相変わらず、カットも一回目はできないなど配慮に欠けているのもまた然り。何故、できるようにしないのかが分からん…。他にもゲーム中にポーズする際、+と−の両方を押さないと入れなかったり、ヌンチャク操作がほとんどおまけだったりと、地味な欠点もチラホラ。
過去のシリーズと比較して、かなり異色ない印象が強いが、全体的な完成度の高さは折り紙つきで、気軽にサラッと楽しめるシンプルなゲーム性、爆笑必至のくだらなさはいつも通り。Wiiの可能性を思い知らされる操作性と恥ずかしさ満点の『お作法』、爆笑必至のプチゲームと熱いサブゲーム、ノリの良い音楽と、Wii初期を飾るに相応しい出来の良さを誇る本作。
シリーズファンは勿論の事、未経験者にも自信を持ってお薦めする怪作だ。
己の恥を曝け出す覚悟を持って、大いに踊ってみましょう!
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