Written in Japanese. Japanese fonts required to view this site / Game Review & Data Base Site
  1. ホーム>
  2. Review Box>
  3. Wii>
  4. コロリンパ
≫コロリンパ
■発売元 ハドソン(現:KONAMI)
■ジャンル ボールころがし迷路ゲーム
■CERO A(全年齢対象)
■定価 円(税別)
■公式サイト ≫任天堂公式サイト:紹介ページ
▼Information
■プレイ人数 1〜2人
■セーブデータ数 3個(※1ブロック使用:SDメモリーカードへのコピー可)
■その他 ヌンチャク対応
■総説明書ページ数 16ページ
■推定クリア時間 4〜5時間(エンディング目的)、17〜25時間(完全攻略目的)
世界一シンプルで、手ごわいアクションゲームがここに参上…??
▼Points Check
--- Good Point ---
◆昔懐かしの「ビー玉迷路」をモチーフにした、ありそうでなかった新しさと直球の分かり易さが滲み出たゲームデザイン
◆「ビー玉迷路」の要領で直感的に動かせる、秀逸なWiiリモコン単体による操作
◆ゲームならではの「ビー玉迷路」を突き詰めた、奇想天外な構成が光る全40以上ものコース
◆「サッカーボール」に「ラグビーボール」、更には動物と言った奇天烈なラインナップと性能面の差別化を図った作り込みの妙が光る数十種類にも渡る「たま」
◆コース総数に加えてアイテム収集、隠しコース攻略と言った特典も盛り沢山の総計ボリューム
◆シンプルに遊べるなりの突き詰める面白さ、高い中毒性に秀でたタイムアタックのやり込み
◆ワンボタンでのリトライ機能など、良心的な配慮に溢れたインターフェース周り
◆人数分のリモコンを別途用意せずともヌンチャクで代用できてしまう、良心的な二人プレイモード
◆トライ&エラーを繰り返す内容故のストレス緩和に貢献している、スピーディなロード時間
◆『ボンバーマン』、『スターソルジャー』の音楽が流れると言った、往年のファンの琴線を刺激するハドソンネタ
◆細部まで描き込まれた背景、クリスタルの光沢表現など、意外に見所の多いグラフィック
◆奇想天外ながら、ほのぼのとした雰囲気漂う世界観に絶妙にマッチした、心地よい音楽
◆派手さは無いが、ボールごとに用意された効果音など、地味なこだわりが炸裂した演出周り

--- Bad Point ---
◆Wiiリモコン縦持ちスタイルの限界を想定していない、常軌を逸した捻り動作をプレイヤーに要求してくる中盤以降の陰湿なコースの数々(構成的にも落下ポイントだらけと言った嫌がらせが多い)
◆中盤以降のコースを快適にプレイできる可能性がありながら、オプション側に搭載されていない為に設定不可能なWiiリモコン横持ちスタイル
◆中盤以降のコースにおける問題によって、必要以上に不快感が滲み出た難易度周り
◆中盤以降の問題によって、逆にプレイヤーに苦痛を与える本編ボリュームの多さ
◆同じく中盤以降の問題により、序盤のコースでしか純粋な気持ちで楽しめないタイムアタック
◆良心的ではあるが、有線形式故の不便さも残したヌンチャク使用時の二人プレイ
▼Review ≪Last Update : 10/1/2017≫
捻ろ、捻ろ、捻ろ……ッ!

(横に持たせてくれ…)


Wii本体と同時発売されたロンチタイトルの一本で、完全新作のアクションゲーム。

直感的で単純明快なゲームルール、癖があって融通の利かない操作性が良くも悪くも光る佳作だ。

ゲーム内容はボールころがし迷路ゲーム。別の表現で言うなら、ステージクリア型のアクションゲーム。コース全体を傾けて「たま」を転がし、様々な仕掛けを潜り抜けながらゴールまで運んでいくというものである。
もう少し具体的に解説すると、本編の舞台となるコース上には「オレンジのクリスタル」が散らばっている。これを「たま」を転がしながら回収し、全て集め切るとゴールが解禁。そこまで「たま」を運びきれればコースクリアとなる。集めなければならないクリスタルの量はコースごとに変化。また、言うまでもないがクリスタルを全て回収せずにゴールに到達してもそこに入れず、コースクリアにはならない。なので、ある程度ながら決まった道筋を辿って「たま」を転がしていく形になる。
更にこれまた言うまでもないことだが、コース上から「たま」が落下してしまうとミス。スタート地点からやり直しとなる。ただ、「チェックポイント」を通過していれば、そこから再開することができる。それに加え、本作にゲームオーバーの概念は無いので、幾らミスしてで最終的にコースの最初からやり直しになったりはしない。その為、じっくり辛抱強くコース攻略に挑める設計。リトライからの復帰も早めに実施できるように調整されていたりと、気を遣った配慮が成されている。
以上、ザックリとではあるが、本作のゲームルールについてのあらましとなる。
なお、概略でも書いた通りだが、「たま」を転がすに当たってはコース全体を傾ける必要がある。傾けるに当たってはWiiリモコンを使用。基本的にリモコン本体を傾けるだけの簡単操作で、十字キーなどのボタンは一切使わないという、センサー機能を内包したリモコンの特色を反映させた操作体系となっている。
また、ゲームルールからイメージできるように、基本的なゲーム性は昔懐かしの「ビー玉迷路」を踏襲している。実際に転がしていく「たま」にしてもビー玉を模したデザインになっていて、幼少期にその玩具で遊んだ経験のプレイヤーならばノスタルジーを喚起させるものになっている。しかしながら、本作はテレビゲームというメディア上にて制作された「ビー玉迷路」。架空の要素を表現できる媒体であるからこその非現実的なフィーチャーを多く取り揃えた作りになっている。
特にそれを象徴するのが「たま」の種類。オーソドックスなビー玉調の「たま」だけに留まらず、全部で20種類もの個性豊かな「たま」が本作には登場する。そのラインナップもラグビーボール、サッカーボールと言ったオーソドックスなものから、パンダ、ブタと言った動物、挙句の果てにはUFO、土星と言った理解を拒むオブジェクトまでと実に多種多様。更に「たま」は種類によって性能も異なり、速度が遅い、コーナリング(カーブ)する際の挙動が鈍い、壁と衝突した時の跳ね返りが大きいと言った差別化も図られていて、それぞれ異なるプレイ感を演出。その特徴が難易度選択の役割も果たしており、初心者向けの動きのゆったりとした「たま」であれば、コースの攻略が多少楽になると言った恩恵を得ることもできる。最初から20種類全てが解禁されている訳ではないが、このような多種多様な「たま」が用意されているのもあって、コース攻略の幅は広い。「たま」によって簡単になったり、難しくなったりする変化が生じるのもあってリプレイ性も高めていたりと、総じてゲームに深みを与える要素としてまとまっている。
また、ゲームモードも一人用のシングルプレイだけでなく、分割画面で競争する二人用の対戦プレイも用意されている。この対戦プレイが非常にユニークで、何と対戦時に二人分のリモコンを用意する必要が無い。本体付属の「ヌンチャク」で代用できてしまうのだ。基本的に二人以上でプレイするなら、人数分のリモコンを別途買わなければならない(出費が発生する)のがWiiというハードにおけるある種のお約束だが、本作はそこにも配慮。プレイヤーの懐事情も考慮した良心的な措置が取られている。しかしながら、有線でリモコンに接続される設計上、利便性に関してはやはり二人分のリモコンでプレイする時に劣る。しかしながら、こう言った珍しい措置を取っているのは特筆すべき見所と言ってもよいだろう。
総じて、Wiiリモコンのモーションセンサーに着目した、ありそうでなかったゲームデザインが凝らされた内容になっている。ゲームルールも昔懐かしの「ビー玉迷路」に忠実な分かり易い作りで、Wiiというハード特有の誰もが手軽に触れる操作感を最大限に活かした設計。ひたすらステージ攻略に挑むだけの内容という事で、ファミコン時代のゲームっぽい香りも漂うなど、独特の操作ながら、古き良き時代のアクションゲームの香りが漂う作品に完成されている。

そんな本作の売りは例によって、Wiiリモコンという特徴的なデバイスによって描かれた、ありそうでなかった操作感。
特に本物の「ビー玉迷路」さながらの感覚で遊べるのは、Wiiリモコンという特殊な機能を宿したデバイスだからこそ実現できた動かす面白さと分かり易さに秀でている。リモコンを下に倒せばコースがその方向に傾いて「たま」が転がっていき、逆に上に倒すことで坂道になって「たま」の転がりを遅くできる。この地味ながら、プレイヤーが思うがままに制御できるのが非常に心地よく、従来型コントローラでは到底味わえない気持ちよさがある。そして、その独特の操作によって本作の「ビー玉迷路」の遊びというものを忠実に再現。従来型コントローラだと、どうしてもキーを倒した時の微調整などで敷居が高くなり、人を選ぶ内容になりかねない遊びを原点同様に誰でも気軽に遊べる作りとして表現しているのだ。ある意味、Wiiリモコンのデバイスの特徴を考えたら、真っ先に思いつきそうなネタであり、若干のありきたり感も漂ってたりするが、実際に遊んでみるとまさに「ありそうでなかった」と言い切れる手応えを感じ取れ、従来型コントローラでは表現し難い楽しさが表現されている。長らくゲームとして表現するにも難易度の高い所があった「ビー玉迷路」をテレビゲームに昇華させた。その点だけでも、本作には十分過ぎるほどの価値があると同時に、Wiiリモコンを最も効果的な形で活かした作品の一つと言っても不思議ではない魅力が詰まっている。
「ビー玉迷路」をゲームという媒体に引き込んできたからこそ成し得た表現の数々も見逃せない。特にコースデザインに関しては、ゲーム特有の「なんでもあり」な作風が顕著に表れていて、現実の「ビー玉迷路」では到底体験できるものではないハチャメチャな展開を堪能できるものに完成されている。複雑で、時には「ぐるりんこ」と傾かせながら「たま」を運んでいく本編中盤以降に登場するコースは、その真骨頂。自由に表現できる媒体で制作されたなりの強みというものを実感させられること請け合い。人によっては、ファミコンやスーパーファミコンと言った90年代の作品において特に際立っていた、何でもありな空気を感じさせられるだろう。
「たま」のバリエーションにも、その種の魅力が現れている。サッカーボール、ラグビーボールと言った性質から形状まで異なる「たま」をビー玉迷路の感覚で転がしていく荒唐無稽さとその手ごわさたるや、まさにゲームという媒体だからこそ成し得た面白さが詰まっている。それらの「たま」によって、従来型のビー玉とは異なる展開と難易度の推移を描いているのも本編攻略に奥行きを与えていて、一回遊び倒せばそれで十分とはならない侮り難さと高いリプレイ性が演出されている。ゲームルールと操作の単純さから、本作に対して普段、ゲームを遊ばない人向けで、ゲームをよく遊ぶコアなプレイヤーは想定してないと印象付けてしまうかもしれないが、むしろ、思いっきりその種のプレイヤーを想定した要素として件の「たま」が用意されている。そんなまさかと思ったら、直にでも体験してみて欲しい。その性質の違いと攻略の変化に大いに戸惑うと同時に、本作が如何に手強いゲームなのかという隠された恐ろしさを嫌というほど実感させられるはずだ。本編全体のレベルデザインと難易度の推移に対しても同様の事が言え、簡単そうに思わせて、実は相当な試行錯誤を要する展開になっていく下りには、決して本作がゲームが不慣れな人だけをターゲットにしたものではない事実と凄味というものを思い知ること確実。緩いタイトル名からは想像もつかない手応えに翻弄されるだろう。
ただ、レベルデザインは綺麗にまとまっているとは言い難い。というのも中盤以降、Wiiリモコンの傾き操作の限界を考慮していないコースが続出するようになって、プレイして楽しいというより、苦しいと感じるようになってくるのである。特に左右どちらかに傾けた状態から、前後への傾き操作を行った後、そこから更に左右への傾き操作を行うコースは鬼畜の極み。制作スタッフは何を血迷ったんだ、と困惑するほど荒々しさの際立つ仕上がりになってしまっている。しかも、そういうコースに限ってコースアウトに至り易いように道が狭かったり、落下を防止するフェンスが設けられていない有様。故に要らぬ不安が付きまとい、その動揺から手元が僅かに滑ったりすれば一瞬で奈落の底行き。プレイヤーに必要ないストレスを与えると同時に、折角の作り込まれたコースや「たま」が醸し出す魅力を損ねるようなまとめ方をしてしまっているのだ。
操作性にしても、中盤から潜在的な問題点が露出。実を言うと、本作のリモコン操作は縦持ち固定。横持ちには対応してなく、全編そのスタイルでプレイすることになるのだ。序盤こそ、そのスタイルに対しては不便さを感じることは少なく、多少、難しい局面があっても笑って済ませられる程度なのだが、中盤以降…複雑な回転が要求されるコースが続出する展開になってからは全てが逆転。「横持ちなら快適に調整できるのに!」と悲鳴を挙げたくなるほど、嫌悪感が増していくのだ。しかも、縦持ちでそのような操作をするので、手首にかかる負担も大きい。長時間プレイすれば、筋肉痛を併発するほどだ。そう言った難点があるにも関わらず、中盤から終盤にかけてはその手の操作でコースを攻略していく。まさにプレイヤー側の負担など一切考慮せず、制作スタッフの主観的な視点でまとめたとしか考えられないものにまとまってしまっているのだ。
言うまでもなく、この問題が噴出するのも先のレベルデザイン上の問題からである。明らかにプレイヤー側に肉体的な負担がかかる、操作スタイルの限界が出るという問題が噴出する構成でありながら、何の配慮も敷いていない。徹底して、プレイヤー側の手首を痛め、必要のないストレスを与えるものに収束させている。苦痛を敢行しているのだ。はっきり言って、配慮が足りなさ過ぎるの一言。実際にプレイすれば分かるが、本当に中盤以降のコースは縦持ちでは限界の来る構成になっている。さながら、どれだけその持ち方を維持できるかの我慢比べ。(肉体的な意味で)力の弱い人なら、問答無用で文字通り蹴落とされる非情なバランスなのだ。そんな明らかにプレイヤー側に要らぬ負担をかける問題があるのに、他の持ち方(スタイル)を用意していない。率直に言って、プレイヤーに対して喧嘩を売っているのに等しい愚行だ。検証不足も甚だしい。先のレベルデザインもそうだが、制作スタッフはどんな環境でテストプレイを実施したのか。リビングのような広い環境でプレイヤーが立った状態でも言うのだろうか。仮にそうだとしたら、とことん救い様がない。
確かにWiiリモコンというデバイスは、リビングに集まってプレイするゲームが一際輝き易い。『Wii Sports』の例からも明らかだ。実際に本作もそれを意識して広い環境、立ち姿勢で調整し、問題ないからと思って横持ちを用意せず、きついコースを中盤に敷き詰めたのだろう。ヌンチャクに対応した二人プレイの存在からも明らかだ。しかし、それが結果的にシングルプレイにて甚大な問題点を付与する形になってしまった。狭い環境、座った姿勢では明らかに限界が来てしまうというのに何故、そう言った可能性について精査しなかったのか。そう言った人はやらないだろうと見越してか。そうだとすれば、あまりにもプレイヤーを舐め切っている。同時に折角作り上げた魅力的なゲーム内容に泥を塗る行為だ。
ゲーム性、コースデザイン、数種類の「たま」によって演出されたリプレイ性の高さは特筆すべき魅力がある。だが、そう言った魅力をかき消すような検証不足による難点の存在感も強く、人を選ばないゲームなのに人を選ぶという矛盾した仕上がりになってしまっている。まさに調整ミスを犯した作品。魅力以上の難点山積みの作品になってしまっているのだ。

レベルデザインの問題もあって、難易度に関しても後半以降、理不尽としか言い様の無い場面が散見される調整になってしまっているのが辛い。また、全部で40以上も用意されたコースのボリューム感もレベルデザインと難易度の問題でマイナス要因になってしまっていて、逆にプレイのモチベーションを殺ぐ存在感を放ってしまっている。冗談抜きに中盤から終盤にかけては、プレイする誰もが「早く終わってくれ…」とぼやきたくなるだろう。これで100コース近くもあったら、より大変な事になっていたが、そこまで行ってないのはせめてもの救い…と言えるかもしれない。
やり込み要素もクリスタル集め、タイムアタック、隠しコースと豊富なのだが、先の問題点もあって意欲が湧かないものに落ち着いてしまっている。序盤こそ、件の難点が浮かんでいないのでやり込みたくなる魅力はあるが、中盤以降はまさに物好きの領域。また、あの鬼のようなコースをプレイしなければならないのかと返ってモチベーションが下がる。しかも、この本編コースに同じくらいのボリュームの裏面まであるのだから尚更。これでバランスが優れていれば、魅力の一つとして紹介できたのかもしれないが、結果的にはそれすら到達しておらず。ボリューム感を出す為の要素として用意した事自体は間違ってないが、やはりこう言った要素は本編のバランスが整っていてこそ光るもの。それがダメなのだから難点と言わざるを得ない。タイムアタックなんて最たる例と言えるのではないだろうか。本当、序盤のコース以外では本当に最速タイムを狙う気力すら湧かないのだから。率直に言って、致命的だ。
ただ、往年のハドソンのゲーム音楽が流れる特典の存在は見所の一つと言えるかもしれない。そのチョイスも『スターソルジャー』に『ボンバーマン』と、知る人をニヤリとさせるラインナップ。何気に原作準拠のアレンジになっている所も大きな注目点だ。他の音楽も悪くない。奇想天外ながらも何処かほのぼのとした雰囲気漂う世界観にマッチした曲が用意されている。変に耳障りな所も無く、コース攻略時の集中力を殺がない作りになっているのにはセンスを感じさせられる。グラフィックも背景からオブジェクトに至るまで丁寧に描かれている。特に輝くクリスタルの表現は色んな意味で必見だ。

演出周りも派手さはないが、シンプルなゲーム内容とはこの上なくマッチしている。「たま」ごとに固有の効果音が鳴る個性付けが成されているのも面白い。特に動物をモチーフとした「たま」は、どれも面白い事になっているので必見だ。
その他、インターフェース周りやロード時間に関しても大きな欠点は無し。特にロードは非常に早く、只でさえトライ&エラーを繰り返しがちな本編のストレスを緩和させている。Aボタンを押すだけで直にリトライできたり、コースクリア時にもそのまま先へ進むか、リトライするかの選択ができるようになっているのも良心的。このおかげでテンポ良く、コース攻略に挑めるようになっているのはせめてもの救い。気持ちよく遊んでもらおうとする配慮が滲み出た仕上がりになっている。
それだけに操作の問題点から生じたバランスの悪さが惜しまれる。ここさえ酷くなければ、他の要素も輝きを放っていただろうに、結果的に陰に隠れてしまっているだけでなく、物によっては欠点の一つにまでなってしまっているのだからどうしようもない。基本的なアイディア自体は面白く、ビー玉迷路をゲームに仕立て上げたというありそうでなかった内容とWiiリモコンの特色を活かした操作性、優れたインターフェース周りと往年のハドソン好きにはたまらないおまけ要素など、妥協無く作り込んだ形跡がそこかしこにある仕上がりにはなっている。だが、操作性特有の難点を絞り込めて無いどころか、そこの想定を怠ったために中盤以降のバランスが崩壊しているなど、残念なまとまり方に終始してしまっている。
手軽に遊べる敷居が低くて取っ付き易いゲームだが、見過ごせない難点も多く持つ。安易にお薦めできないのが悔しくて仕方がない惜しゲー、佳作である。見た瞬間にゲーム内容がイメージできる上、世界観もユニークと見た目の面では良さそうなゲームという印象を漂わせているが、その実態はWiiリモコンというデバイスに対してトラウマを植え付けられる危険性を併せ持った内容。遊ぶに当たっては、その地獄を見せられる事を念頭にして挑んで頂きたい。
≫トップに戻る≪