≫突撃!!ファミコンウォーズVS
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■発売元 |
任天堂 |
■開発元 |
kuju entertainment |
■ジャンル |
戦略ウォーアクション |
■CERO |
B(12歳以上対象) ※殺傷描写あり |
■定価 |
6800円(税込) |
■公式サイト |
≫こちら |
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▼Information
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■プレイ人数 |
1人(※オンラインプレイ時:1〜2人) |
■セーブデータ数 |
3つ(※ブロック使用:SDメモリーカードへのコピー不可) |
■その他 |
ヌンチャク専用、ニンテンドーWi-Fiコネクション対応 |
■総説明書ページ数 |
36ページ |
■推定クリア時間 |
10〜14時間(エンディング目的)、35〜45時間(完全攻略目的) |
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一昔前、古代エキシルバニアである『アイアンレギオン公国』のフェロック卿は、最強の兵士達を引き連れて世界侵略を進めていた。そんなレギオン軍を倒す為、女帝クァ=レン率いるソーラーエンパイア軍が出撃。
後に『ライトニング戦争』と呼ばれる歴史的激戦の始まりだった。
そしてその戦争は、ソーラーエンパイアが最後の手段として用いた『ある武器』による、レギオン軍の全滅によって終焉。戦争を終結させたその武器は、誤った手の者に渡らぬようにと人目の付かぬ場所へと隠されたのだった。
しかし、戦争から数世紀後。
その武器を狙う者達が、ある陰謀と共に動き出した。
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▼Points Check
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--- Good Point ---
◆前作そのままの面白さに富んだ、兵士・兵器等を操作し、隊列を組んで敵を撃破したり任務を遂行していく、忙しくて楽しいメインゲームシステム
◆国別に分かれて戦う構成が新鮮な、メインモード『キャンペーン』のゲーム展開
◆前作プレイヤー待望の生産要素(オートながらも、今回は補充が定期的に行われる)
◆ユニット名の分かり易さ等、今作でも健在のウォーズらしさ
◆同じく前作プレイヤー待望の海戦の追加(戦闘のバリエーションがより多彩になった)
◆脱出、兵器破壊、占領、更にはお掃除と、より内容共に豊かになった全20ものミッション
◆敵配置と地形共に戦略的な面白さを演出する工夫が成された、絶妙なマップデザイン
◆前作譲りのスターによる目的地表示、チュートリアルなどのサポート機能群
◆新たにアートワーク集めが加わり、僅かながらも強化されたやり込み&おまけ要素
◆海上系が加わった影響で、より多彩な操作が楽しめるようになった全22種類ものユニット
◆生産要素の追加により、程好いレベルに落ち着いた難易度
◆玩具っぽいデザインとテクスチャのクオリティが大幅に強化された、美麗なグラフィック
◆如何にも戦場で戦っているという臨場感を演出する、質感満点の効果音
◆前作よりもシリアステイストの強まったムービーデモ(全体的なクオリティも強化)
--- Bad Point ---
◆Wiiリモコンの特性を無理矢理引き出した感が否めない、煩わしい操作性(特にジャンプと横転のやり方とか、無理矢理さが出まくりで見苦しい)
◆FPSのように動かす感覚が賛否を分ける照準操作
◆全く改善されて無い長いロード時間(苦し紛れの処置も完璧にスベっている)
◆全く改善されて無い英語ボイス(しかも説明書には、日本語ボイスには変更できませんと書かれている始末)
◆全く改善されて無い、敵味方構わず近くにいるものに狙いを定めるロックオンシステム
◆英語ボイスの都合で、強制的にゲーム進行が止まる仕様になったチュートリアル(ゲームテンポを乱している)
◆頻繁に音切れするリモコンの効果音
◆上昇と下降をリモコンで行う都合上、腕が疲れ易い飛行系ユニットの操作
◆スコアアタックと協力主体で、デスマッチが無い対戦ルール
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▼Review ≪Last Update : 3/22/2009≫
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TOTSUGEKI COMBAT RETURNS!
だが、それは思わぬ劣化を遂げていた。
ゲームキューブ末期に発売され、戦略ウォーアクションなる新ジャンルを確立し、コアなプレイヤーから好評を得たファミコンウォーズシリーズ外伝作『突撃!!ファミコンウォーズ』の続編。開発は前作と同じ、kuju entertainmentが担当。
間違った進化を遂げてしまった、残念な続編だ。
ゲーム内容は前作と同じ。歩兵や戦車などのユニットを自分で操作して隊列を組み、迫り来る敵兵達を倒しながらミッションを遂行していく戦略ウォーアクションゲームで、正伝『ファミコンウォーズ』シリーズとは全くの別物である。
しかし、ユニットの特徴やシステムの分かり易、奥深い戦略性と考える面白さと言ったシリーズ独特の特徴は健在。世界観も殺伐としておらず、コミカルチックなノリなど、ファミコンウォーズである事を徹底している。今作でも、そのシリーズ独自の特徴とノリは健在。ファミコンウォーズの名を冠す作品であるが故のこだわりが厳守された作りとなっている。
システム周りに関しては、前作のものをそのまま継承。隊列にいる部下(ユニット)に指示を与えて敵を撃破していくシステム、ユニットそのものをプレイヤー自らが操作する仕組みなど、根っ子から変更されたものは無く、前作を遊んだプレイヤーなら直に取っ付ける作りになっている。勿論、今作が初めてな方の為の丁寧なチュートリアルも完備。任天堂らしく、その辺の対策もきちんと成されている。
そして、変更点も盛り沢山。『海戦』が追加されたり、オート方式のユニット生産要素が加わったり、Wi-Fi対戦が可能になったなど、魅力的な新要素・新システムが多く実装されている。特にでかいのは、『海戦』と『生産要素』の二つ。前者は、前作が『陸と空』しか戦闘シチュエーションが無かったのを考えれば、これの追加が如何にでかいものなのかが容易に想像できるかと思う。ようやく今作にて『陸海空』の戦闘が楽しめるようになったという訳だ。それ故に今回は陸と空のみならず、海からの敵の攻撃にも対処する必然性が加わり、戦闘の緊張感が一層強化されている。戦術面においても、海上からの遠距離攻撃(支援攻撃)が可能となった影響により、まともにぶつかると全滅しかねない敵の大群を安全に処理する、地上部隊が対処し切れない兵器を破壊すると言った、多彩なパターンが試せるように。「(前作で)こういう風に攻めたかったんだ!」と嘆いたユーザーにとっては、まさに悲願成就な新要素だと言える。遠距離からチマチマ攻撃するのが好きなプレイヤーにも、その選択肢が自走砲のユニットだけじゃなくなっただけでも、燃える思いを感じ取れるだろう。
後者の『生産要素』も、それすら無くて『詰め将棋』なノリだった前作を考えれば、待望の要素である。但し完全オート方式、そしてマップ上で『工場』を占拠しないと行えないなど制約はかなり多め。本家ファミコンウォーズみたいに、自由な生産はできないようになっている。その仕組みだけでも、不便な印象を抱くかもしれないが、システム上、そのようにすればバランスが破綻してしまうのは必至。もはや戦略など無意味なゲームとなってしまうのは日を見るより明らかである。それを考慮すれば、この制約の多さも止むを得ず。きちんと特徴を活かしたものに変えた上で導入したその判断には、拍手を送るばかりである。これで安易に本家そのままのを入れたりでもしたら、大変な事になっていただろう。その拙さをきちんと考えたスタッフは、流石の一言だ。また、生産要素が加わった事で、ユニットがロストされても補給が効くようになり(※一部のマップは除く)、ある程度、ごり押しでも通せるようになったのも有り難いところ。これもまた、上の海戦と並行して、詰め将棋過ぎた前作で苦汁を飲まされたプレイヤーには、待望の進化だと言えるだろう。ごり押しが効くようになって、全体的な難易度が下げられたのもまた然り。そこもまた、同じく前作プレイヤーには有り難いところ、そして今作初デビューの初心者にも嬉しいところである。
その他、今作ではこれらの他、Wiiのハード特性を活かして操作周りも大幅に変更。Wiiリモコンのポインターで照準を動かし、ヌンチャクで移動全般を行うと言う、『メトロイドプライム3』を彷彿とさせるようなものに改められた。その為、プレイ感覚も前作の3Dアクションからむしろ、FPS(ファースト・パーソン・シューティング)っぽいものになっている。
ただ、操作自体は簡略化されていて、Zボタンで100%敵に狙いを定めるロックオンなど便利な機能は充実。FPSよりかは気軽にキャラを動かせる操作性に仕上げられているので、初心者でもほとんど違和感なく馴染められるだろう。それにゲーム自体、一部の操作さえ身に付いてしまえば、あとはテクニックでどうにでもなる(良い意味で)大雑把な作りだから、変に身構える必要もゼロ。ある意味、Wiiのシンプルさにこれ以上無く適した操作性…と言ってもおかしくは無いだろう。
このように、ゲーム自体は続編らしい進化、そしてWiiのゲームらしい進化を執り行った、如何にもな作りに終始。そして、前作で荒削りだった所を修正した作品…とこの時点では映る。
しかし…だ。実は今作、こんな改良を行いながらも、前作以上に進化できていない。
というのも、その前作での反省が活かされてない所があまりに多過ぎる。海戦に生産要素の追加、難易度の低下と言ったものぐらいしか前作から改善されたものは無く、その他の問題点は今作でも継承されてしまっているのだ。
特に許し難いのが操作性、快適性、ボイスの三箇所。
操作性は、Wii仕様(FPS仕様)になって特殊になったのは良いとして、あれほど問題だった、隊列内にいる味方に誤ってロックオンしてしまう欠点が全く直されて無いのが酷い。むしろ、リモコンのポイント操作によるスムーズさと相まって、更に劣悪なものに化してしまっている。別のゲームだがGCの『ガチャフォース』に習い、味方をロックオンする時は、別のボタンに割り振るとか、そういう対処をすれば良いのに、何でそれを行わなかったのか。
また、今回のリモコンによる操作も、前作の通常コントローラ以上に癖が強い、慣れるまで時間を要されるものになってしまったのが残念。肝心の操作自体も、ジャンプや緊急回避(ローリング)のアクションがヌンチャクを”振って”行えるものになっているのも、Wiiらしさを出す無理矢理なものがあって実に見苦しい。
極めつけは、Wiiらしさを出した所と言ったらこの操作性程度で、本編のマップにはそんな特徴を活かしたギミックとかは全く無いこと。結局、普通のコントローラでも十分成立するような作りに終始してしまっているのだ。リモコン&ヌンチャクにした意義、ゼロなのである。普通、その操作を起用するのなら、その説得力を高める為の工夫を凝らすものなのだが、何故それをしなかったのか。正直、ここに関してはスタッフ、浅はか過ぎるの一言だ。ここまで前作と同じノリにするのなら、GCコントローラに対応させるべきだった。そうしたら、どれだけ操作に対する印象も改善されていたことか。
その次の快適性…厳密にはロードだが、これも改善されてなく、とにかく待たされる。RTSというジャンルの性質上、大量のデータを呼び出す必要があるので、遅くなるのも仕方が無いのかもしれないが、それでも性能的にはGC以上に上のWiiでこの遅さは褒められない。せめて、マップを細分化してロードを早めるとか、そういう工夫はできなかったのだろうか。
また、ロードの長さを紛らわす為に、今作ではその最中にヒントメッセージをノロノロと流す処置も成されてるのだが、これも苦し紛れで見苦しい。先の繰り返しだが、それならロードを短縮する為の工夫を考えて欲しいものである。
そしてボイス…またも英語音声・日本語字幕。ゲーム自体が慌しい作り(キャラクターから常時、通信が入る)の性質上、圧倒的に日本語に吹き替えした方がプレイアビリティも向上するのに、またもそれが行われてない。正直、これは超が付くほど意味不明。失礼だが、任天堂の考えがおかしいとしか言い様が無い。こんなにも目まぐるしく状況が変わるゲームなのに、英語音声を聞いてスムーズに戦況判断するとか、普通の日本人にできるものか?!どう考えても、そこは母国語にするのが自然だろう。しかも、今作はそんな英語音声でも違和感を無くす為に、チュートリアルの通信が入った時は強制的にゲームが止まるという謎の処置が施されている。それならそれで、何故日本語にしないのか?開発が海外だから無理だったとか、そんな言い訳はもう、時代錯誤も甚だしい。挙句、こんな処置を施したせいでゲームテンポが低下しているのだから話にならない。止められるのと声で指示された方のどっちが、ゲームとして気持ち良いか?どう考えても後者だろう。何で、そうしないのか。どうしてわざわざ、面倒にするのか。つくづく、ここの処置は酷過ぎの一言である。
他にも部下ユニットの思考パターンが相変わらず雑だったり、別ユニットへの切り替えが操作性の都合で煩わしくなってしまったなど、劣化したところは多い。
唯一にして活かされたのは、新要素導入とマップ(ミッション)のバリエーション増強、難易度程度と、本当に洒落になって無いのである。前作プレイヤーを舐めてるとしか言い様が無い。純粋に初心者の視点からしても、この作りは無いだろう。
前作で戦略ウォーアクションとしての可能性を見せたにも関わらず、結局、その時以上に荒い作りに留めてしまったとか、自ら未来を潰してしまったも同然だ。どうして、続編でありながら前よりも良いものにしようとしなかったのか。改めて、その努力を少ししかしなかったスタッフ(得に任天堂側)には、大沢親分直伝の喝を与えたいばかりだ。
総計ボリュームも前作と大差は無し。ただ、『ファイアーエムブレム 暁の女神』のようにシナリオが複数部構成にされているのもあり、数は同じであれど一定のボリューム感を出してはいる。やり込み要素も、ランクチャレンジ以外にアートワーク集めなど、地味に増強。ランクチャレンジ程度しか無かった前作よりかは、発展している。
サポートもオートセーブやら攻略アドバイス、そしてチュートリアルと無駄に充実。しかし、先のようにテンポを殺ぐ結果に作用してしまっており、結果としてただの「おせっかい」な要素となってしまってるのは痛過ぎる。
一方でグラフィック、音楽は向上。特に音楽は地味ながら、曲の個性が強化。作中は効果音が激しい為、あまり聴き取れないのがタマにキズだが、それでもきちんとゲーム展開を盛り上げる要素として機能している辺りは流石だ。
ストーリーも、シリアスな内容へ進化。ただ、ブラックジョーク全開だった前作を考慮すると、若干寂しくなった感も否めない。ただ、今作で新たに登場したアングロアイランドの面々など、如何にも「らしい」ところはきちんと残されている。
とにかく、一応…ゲーム自体は普通に遊べる出来。そつなくまとまってはいる。
しかし、操作性やチュートリアルなど地味にイライラする欠点が多い上、前作をやり込んだプレイヤーを馬鹿にするような所も多くあり、総合的な完成度は並以下。これでせめて、前作の欠点をあらかた潰した出来で、尚且つGCコントローラにも対応していればまだお薦めできたかもしれないのに、その域まで完成度を高めようとしなかった努力の無さにはただ呆れるばかりだ。任天堂のローカライズに対する時代錯誤なところもまた。
総評としては、手放しにお薦めできない凡作。別にWiiを持ってるユーザーならやるべきとか、そうは言わない。やらない方が良いとも言わない。遊べるけど、気になったらどうぞ…程度の作品である。
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