≫ドンキーコングリターンズ
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■発売元 |
任天堂 |
■開発元 |
レトロスタジオ |
■ジャンル |
アクション |
■CERO |
A(全年齢対象) |
■定価 |
5800円(税込) |
■公式サイト |
≫こちら ※音が鳴ります |
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▼Information
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■プレイ人数 |
1〜2人 |
■セーブデータ数 |
3つ(※2ブロック使用:SDメモリーカードへのコピー可) |
■その他 |
ヌンチャク対応 |
■総説明書ページ数 |
28ページ |
■推定クリア時間 |
5〜7時間(エンディング目的)、80〜120時間(完全攻略目的) |
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『DKアイランド』の中央に位置する火山が突如として噴火。
それと同時に、楽器のような姿をした謎の魔物達『ティキ族』が現れた。
火山から現れたティキ族は、自らが奏でる音楽で島中の動物達を洗脳。
彼らを操り、バナナを集め始めた。
そして、その魔の手はドンキーコングの場所にまで及び、彼が大事にしていたバナナの山までもが、ティキ族によって洗脳された動物達に奪われてしまう。
大事にしていたバナナを奪われ、激怒したドンキーコングは、バナナを取り戻す為、相棒のディディーコングと共にティキ族の後を追う。果たしてドンキーはバナナを奪い返せるのか。そして、ティキ族がバナナを集める目的とは?
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▼Points Check
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--- Good Point ---
◆ライフ制、オートセーブなど、遊び易さを最優先とする作りに一新された基本ゲームシステム
◆アクションを補助する役割となって仕組みが一新され、新たな面白さが演出されたタッグシステム
◆タッグシステム刷新の影響で、これまで以上に幅が広がったドンキーのアクション
◆全8エリア70コース以上、更に裏面も収録と、シリーズでも屈指の総計ボリューム
◆達成率、アイテム収集など、シリーズ経験者には懐かしい手応えに富んだやり込み要素
◆初代『スーパードンキーコング』を強く意識しつつ、新解釈も加えた多彩なステージロケーション
◆これまで以上に「動き」が増えたステージギミック(建造物が壊れるなど、ド派手な演出が満載)
◆激辛ながらも気の利いた配慮と緻密な調整が炸裂した、絶妙な難易度設定
◆お手本プレイ、残機購入システムなど、充実した救済処置の数々
◆完全交代制から待望の同時プレイ制へと移行した、進化した二人プレイモード
◆色彩が明るくなったが、影絵で描かれた独特のコースなど、過去作とは異なる美しさを目指したグラフィック
◆相変わらずの名曲揃いな音楽(アレンジが多いが、どれも出来が良い)
◆敵を攻撃した時の手応え、アイテムを獲得した時の気持ちよさを演出する、素晴らしい効果音
◆アートワーク鑑賞、サウンドテストなど、充実した特典要素の数々
--- Bad Point ---
◆快適とは到底言い難い操作性(特にローリングアタックの発動手順、リモコン単体の操作は非常に難がある出来。リモコン&ヌンチャクでのプレイを推奨)
◆配慮は徹底されているが、アクションゲームが苦手な人には厳しい難易度設定
◆演出的な盛り上がりに欠けるボス戦(特に撃破時の演出がイマイチ)
◆二人同時プレイの楽しさを損ねる、多過ぎのトロッココースとロケットコース(どちらも強制的に一人プレイになってしまい、2P側がお休みになってしまう仕様がきつい)
◆アレンジ主体で新曲少なめの音楽(もう少し、新曲は入れて頂きたかった)
◆最高記録の設定がおぞましいにも程があるやり込み要素『タイムアタック』
◆救済処置が機能しない構成が非常に嫌らしいラスボス戦
◆復活作にしては唐突で、魅力もイマイチな悪役『ティキ族』(久々の新作なのだから、できればお馴染みのクレムリン軍団にした方が良いファンサービスになっていた)
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▼Review ≪Last Update : 2/26/2012≫
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11年の歳月は、沢山のトラウマを溜め込んでしまった。
そして、ここに地獄が完成した。
スーパーファミコンのハード性能を超越した美麗なCGグラフィック、高いアクション性で300万本強の大ヒットを記録した『スーパードンキーコング』シリーズ、11年ぶりの正統続編。開発は旧シリーズのレア社に代わり、『メトロイドプライム』シリーズで知られるレトロスタジオが担当。
シリーズ屈指の地獄の難易度で送る、帰って来たスーパードンキーコングだ。
ゲーム内容は、横スクロールで展開するステージクリア型アクションゲーム。ドンキーコングとディディーコングの二匹を操作し、多彩な仕掛けが張り巡らされたコースを攻略していくというものだ。アクションゲームとしての基本的な作りは、スーパーファミコンの『スーパードンキーコング』シリーズ三作を踏襲。100本集めると残り人数が増える『バナナ』、冒険をサポートするアニマルフレンド、『バナナコイン』によるアイテム購入システムなど、システム全般も旧スーパードンキーコングシリーズ及び、その良い所取りとなっている。しかし、一部のシステムには大幅な刷新が行われており、全体的なゲーム性は、旧シリーズとは異なるものへと進化している。
特に刷新の中でも大きいのがタッグシステム。ドンキーとディディーの二匹を交代して使い分け、それぞれの個性を活かして難所を突破していくゲーム性を売りとした、シリーズの代名詞とも言えるシステムだ。これが今作で廃止。ディディーが使えなくなり、ドンキーだけを操作する仕様に改められた。使えなくなったディディーはどうなったのかと言うと、サポートキャラに転身。ドンキーの行動を支える存在になった。少し言い方を変えると、ドンキーのアクションを拡張させるキャラクターになったのである。一応、今回もドンキーとディディーは行動を共にする。だが、今回のディディーは基本的にドンキーの背中の上に乗っかったまま。旧シリーズのように地面を歩かない。代わりとして、背中に乗った状態で自ら装備した『バレルジェット』でドンキーのジャンプ飛距離を伸ばしたり、お馴染みの攻撃アクション『ローリングアタック』を永続状態にさせると言ったサポートを行ってくれる。例えが悪いが、今回のディディーはマリオで言う所の『スーパーキノコ』を始めとするパワーアップアイテム。ディディーが居る事により、ドンキーのアクションに幅が出るのだ。逆にディディーが居ないと、幅は狭まる。ジャンプは普通になるし、ローリングアタックも僅かしか出せない。そして、ディディーが居た時は簡単にクリアできたコースも、途端に難しくなる。そんな具合に難易度にも大きく直結するようになり、これまでのタッグシステムとは異なる有り難味、存在感を備えたキャラクターへと転身を遂げているのである。あの軽快なアクションの数々が楽しめなくなった点では残念な変更点と言えるが、その分、バレルジェットのアクションやローリングアタックで新しいアクションで大いに楽しませてくれる。それに加え、今回はドンキー自身の運動性能が軽快なものになっているので、操作の楽しさに対するフォローも万全だ。別物になったとは言え、二人で協力して難所を突破する楽しさと達成感は健在。新世代のスーパードンキーコングとも言える、新しい遊びを提示した魅力的なシステムに仕上げられている。
また、もう一つの刷新として、今回はライフ制を採用。旧作は敵の攻撃を一発受けると即アウトになる仕様だったが、今回は2回までダメージが許されるようになり、シビアさが緩和された。更に、先のディディーが居る場合にはディディーのライフも換算され、計4回までのダメージが許されるようになる。こんな所でも、ディディーがいる事の有り難味が演出されている。だが、乗り物(トロッコなど)に乗って進むコースでは一発アウト制であるなど、決して温くなった訳では無い。肝心の歯応えは旧シリーズに負けず劣らずで、100%クリアまでやり込んだプレイヤーでも強烈な満足感を得られる難易度設定となっている。更に初心者に対しても、バナナコインによるアイテム購入システム、『NewスーパーマリオブラザーズWii』や『スーパーマリオギャラクシー2』で起用された『お手本プレイ』を実装するなど、対策は万全。加えてゲームボーイの『ドンキーコング2001』にて初実装されたオートセーブを採用し、遊び易さの面でも歴代最高のレベルとなっている。
他にも、二人同時プレイでは1人プレイでは不可能だったディディーの操作が楽しめるほか、交代制ではなく、真の意味での同時プレイになったなど、見逃せない進化がある。ゲーム性周りで激的な変化はあるが、二人で協力してコースを突破する楽しさと歯応えのある難易度は旧シリーズのまま。更に遊び易さも歴代最高レベルであるなど、復活作を名乗る資格を持つだけの内容に仕上げられている。新しいけど、随所にて流れる血は紛れもなくスーパードンキーコング。そして、一つのアクションゲームとしても、強烈な魅力を備えた作品となっている。
そんな今作の魅力は、スーパードンキーコングシリーズ歴代最高レベルの歯応えと極悪さを兼ね備えた難易度とそれに対する配慮の数々だ。元々、スーパードンキーコングシリーズと言えば、高めの難易度に定評がある作品だった。理不尽ではなく、チャレンジ精神を適度に刺激してくれる絶妙なバランスというのがミソで、その優れた調整芸に多くのプレイヤーが魅了された。高めの難易度は、各シリーズ作で数多くの伝説的トラウマコースをも生み出し、中でもシリーズ第二作『スーパードンキーコング2 ディクシー&ディディー』の『どくどくタワー』、シリーズ第三作『スーパードンキーコング3 謎のクレミス島』の『さかさまパイプライン』の二つは、今なお、ファンの間で恐怖のコースとして語り継がれている。
そんな過去のシリーズを受け継ぐ形で誕生した今作。売りの難易度は時代の流れを受けて下げられたのか?その答えは明確だ。全然下げられてない。否!それどころか、とんでもなく高くなっている!全てのスーパードンキーコングシリーズを過去にする、血涙必至、吐血必至、悶絶絶句、阿鼻叫喚の地獄絵図で心もポキっと折れて、真っ白に燃え尽きたぜと再起不能に陥ってしまうほどの超絶・激辛難易度になっているのである!
言うまでもなく、誇張表現だが、冗談抜きで今作の難易度は歴代シリーズ最高のものになっている。どう凄いのかと言うと、歴代シリーズで登場したトラウマコースと同等の難易度のコースが10種類以上も用意されている。只でさえ大変なコースが10以上。これだけでも、今作が如何に難易度が高いか容易に想像が付くだろう。まさに全てのスーパードンキーコングシリーズを過去にする、地獄のラインナップとなっているのだ。
先ほど、システム解説でライフ制などが追加された事から、難易度は旧作より低めとイメージした方も居るだろう。だが、ほとんどのステージでライフ制などは意味を成さない。何しろ、即死に繋がる罠が多過ぎるので、ただの飾りになってしまうのだ。そして、そうもボコボコやられる設計上、お手本プレイの開放も頻繁に発生する。『Newスーパーマリオブラザーズ』では、意地でもお手本プレイ開放を阻止するという遊びができ、バランスもそれが辛うじて可能な調整となっていたが、はっきり言ってしまおう。今作で、開放阻止は実質、無理だ。腕利きのアクションゲーマーでも、開放阻止は茨の道である。異常級と評しても全く不思議でないほどなのだ。如何に今作がとんでもなく手強いゲームなのか、嫌というほどお分かりになるだろうと思う。久々の新作は、トラウマを当社比10倍にして帰ってきてしまったのである。まさに(いい意味で)悪夢の到来だ。そんな難易度なので、ゲーム全体の歯応えは抜群も抜群。無論、最初は易しめなので、それほど手強さは感じられないのだが、エリア4辺りでその洗礼を浴びる事になる。スーパードンキーコングと言ったら手強さだ、という人ほど、今作のバランスは大満足間違いなし…いや、身も心もボロボロになってしまうだろう。
しかし、そんなに難しいとなると、初心者泣かせなゲーム過ぎないかと思うのも事実。実際、厳しいゲームであるのは否めない。ここまでの解説を読めばそれは明らかだ。だが、今作はその為にお手本プレイなど、豊富な救済処置を完備。更にミスした後のリトライはすぐ行われる仕組みとしているほか、コンティニューポイントも豊富に配置。やり直した際のストレスを徹底的に緩和する処置を施しており、難しいけど全くイライラしない、奇跡の快適性を実現しているのだ。配慮としては乱暴な面もあるが、このおかげもあり、先のトラウマコースも軽い気持ちで楽しむ事ができる。また、即死ポイントにしても、「分かっていれば確実に回避できる」と認識させる為の設計が徹底されているので、引っ掛かったとしても全く不快感を覚えない。むしろ、「あちゃ〜♪」と笑ってしまうほどなのである。基本、不意打ちはなく、自分の責任と認識させる調整としては、これほど完璧なものは無いと言っても良いだろう。
高難易度を売りとするアクションゲームと言えば、敵の不意打ちであったり、経験則から外れた展開などで難しさを表現する傾向が強い。しかし、それらは基本的にプレイヤーに対し、不快感を与えてしまいがちだ。今作はそんな不意打ちも入れながらも、原因を明確にして説得力を作り、豊富な救済処置でやる気を殺がせない為の配慮を徹底している。設計そのものは乱暴だが、広い層がその魅力を味わえるものとして完成されており、遊び易い高難易度なる究極の難易度設定を作り上げているのだ。
ドンキーの高難易度とはチャレンジ精神を刺激するものであり、それを時代という名の下に削ってはいけない!今作の難易度設定にはそんなシリーズに対する深き愛、時代を意識する徹底したこだわりが絶妙なバランスで炸裂している。それでいて、旧作のトラウマ色を倍返しにする(いい意味で)えげつないサービスを行う容赦のなさ。多くの伝説を作ってきたドンキーシリーズの新作としても、高い難易度を売りとしたアクションゲームとしても、今作が完璧な出来であるのはもはや言うまでもないだろう。それほどまでに今作は、難易度調整が魅力的で、ドンキーシリーズ特有の味わいも満載。驚異的な遊び応えを持った作品となっているのだ。ここまで読んでも、信用できない方はまず、プレイしてみて欲しい。きっと、想像を遥かに超える絶望と希望を見ることになるだろう。
また、そんなトラウマだらけのコースの総数も全部で70以上と、これまた歴代シリーズ最高のボリューム。地形は『スーパードンキーコング』を意識したものが多く、旧シリーズをやり込んだプレイヤーには懐かしさを感じられるものばかりとなっている。更にギミック周りも背景が3DCGになった事で、迫力と仰々しさが大幅にパワーアップ。中でもエリア3での壊れまくる遺跡、エリア4の驚愕のトロッコレールは必見だ。
そして、達成率を始めとするやり込み要素も完備。それも今回は、隠しコースやモードも搭載された事で、歴代史上最高のえげつなさとなっている。完全にやり込むのはまさに修羅の道。腕に自信のあるゲーマーも悲鳴どころか、プライドをズタズタにされてしまうかもしれない。
更にドンキーコングシリーズと言えば、美麗なCGグラフィックも大きな魅力だったが、こちらもハード性能の向上により、非常に綺麗なものに進化している。とは言え、最近の流行としてみると、無難な作りという印象が強い。だが、無駄に壊れまくる背景は迫力満点。また、『サンセット海岸』のコースにおける影絵による独特の映像表現は要チェックだ。
また、名曲揃いの音楽もシリーズの代名詞だが、今作でもそれは健在だ。ただ大半は過去のリメイクで、新曲が控え目なのが残念。ただ、アレンジの完成度は非常に高い。中でも先の『サンセット海岸』、『ロックンローリング』、『ミュージックファクトリー』の三曲は要チェックである。
演出周りも映像周りの強化で劇的に進化。ただ、ボス戦は爽快感が薄く、主に撃破時の演出が地味なのが悔やまれる。願わくば、もっと派手にして欲しかった。
また、難易度が見事な仕上がりなのに対し、操作性は非常に残念な仕上がり。中でもローリングアタックの発動が『ヌンチャクかリモコンを振る』という、任天堂の悪癖炸裂のやり難いものになってしまっているのが致命的。一応、ヌンチャクの場合なら出し易い利点はあるが、この操作は従来通り、ボタン発動にして欲しかったところだ。その他のセンサー操作を使うアクションは概ね問題ないだけに勿体無い。その他、同時プレイにしても、強制一人プレイになってしまうトロッコ&ロケットコースが多過ぎるなど、構成面で問題が散見されるのが残念ではある。
だが、それでも今作の完成度はずば抜けている。間違いなくスーパードンキーコングであり、シリーズの歴史に新たな一ページを刻み込む大傑作である。操作性、同時プレイ周りに課題は散見されるが、面白さは折り紙付き。旧シリーズを遊び込んだプレイヤーの方々は勿論の事、アクションゲームが好きな方、Wiiを持っている方ならば絶対にプレイしておくべき逸品だ。リターンズの名に相応しい、この圧倒的な完成度は体験する価値あり過ぎ!かなりお薦めです。
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