
©Thomas Happ Games LLC
■発売元:Thomas Happ Games
■ジャンル:アクションアドベンチャー
■CEROレーティング:B(12歳以上対象) ※暴力・犯罪表現あり
■定価:1,990円(税込)

©Thomas Happ Games LLC
■発売元:Thomas Happ Games
■ジャンル:アクションアドベンチャー
■CEROレーティング:B(12歳以上対象) ※暴力・犯罪表現あり
■定価:1,990円(税込)
2005年、アメリカ・ニューメキシコ州。
科学者「トレース」は、ある研究施設内で特殊な装置に対する電磁パルス実験を始めようとしていた。
しかし、実験中に生じた電波のゆがみにより、施設全体が倒壊する規模の大爆発が発生。
トレースはその衝撃でガレキの下敷きとなってしまう。
命を落としたかと思われたトレースだったが、彼は直後、謎のカプセル内で目を覚ます。
トレースは爆発の後、現実とは異なる奇妙な世界へと転移していたのである。
そして、目覚めたトレースの元に何者かの声が響き渡る。
声に導かれるがまま、銃の形をした生体兵器「アクシオムディスラプター」を手に入れたトレースは声の主を探し出し、現実世界へ戻るための手がかりを見つけるため、謎めいた世界の探索に乗り出す。
この探索の果てに彼が見るものとは。
▼Good Point
◆自力で道を切り開く面白さに注力した、往年の探索型アクションゲームらしさ溢れるゲームデザイン
◆隠す気なしの『メトロイド』臭(エリア間を繋ぐゲートなど、思わずニヤリとする要素が満載)
◆ゲームにおける「バグ」の現象を活用して独自の体験を作り出している特殊武器「アドレスかく乱機」
◆正統派のショットから拡散型、追尾式マシンガンなど多種多様な武器とそれを使い分ける楽しさ
◆『メトロイド』に留まらない小ネタ満載のアップグレード関連のアクションとアイテム
◆広すぎず、狭すぎずの適切な規模でまとめられているエリアごとのマップ構成
◆プレイヤーの3~4倍に及ぶ巨体と、ド派手な攻撃の数々が圧巻のボス戦(攻撃パターンも練られている)
◆反応の良さとキビキビとした挙動、適切なボタン配置が心地よい操作性
◆早く進めても10時間弱、完全攻略を目指すと2~3倍に膨れ上がる圧倒的なボリューム
◆異次元世界からの脱出のはずが、存外な方向へと突き進んでいくストーリー(しかし……?)
◆登場人物からエリアごとの背景など、細部まで作り込まれた世界観と設定(ゲーム中にも資料アイテムが手に入り、それらを読み解くことによって意外な事実が判明する要素も)
◆異次元世界特有の居心地の悪さとおぞましさを描き切った、重厚なグラフィック
◆グラフィックから醸し出されるおぞましさにマッチした音楽
◆仰々しい効果音とド派手な爆発など、盛り上がりのツボを見事に押さえた演出全般
▼Bad Point
◆ストーリー、世界観の魅力を著しく損ねる稚拙極まりない日本語ローカライズ(翻訳があまりにも雑)
◆雑な翻訳の所為で逆に分かり難いストーリーの真相部分(英語にしないとほぼ理解困難)
◆裏を返せば、往年の探索型アクションらしい不親切気味の設計(行き先は全然教えてくれない)
◆中盤、突然行き先が分からなくなる場面の存在(巨大な蜂のボスを倒した後に起こりやすい)
◆回避不能な攻撃を展開してくる雑魚敵が増えるなど、非常に粗くて理不尽気味な終盤の難易度
◆実質、力押しが最適解になってしまっている残念なラスボス戦(ノーダメージで倒すのはほぼ無理)
◆十字キーを2回押すという煩わしい操作がタマにキズすぎるアップグレード系アクション「ダッシュ」
◆エリア間への高速移動を可能にするワープ機能の不備(この関係で攻略時間も間延びしがち)
◆Bボタンで決定、Yボタンでキャンセルという不可解なメニュー全般の操作(キーコンフィグはあるが……)
その男には成すべき仕事がある。
◇個人開発者のThomas Happ氏が5年の歳月を費やし、ほぼひとりで作り上げた作品。2015年に海外先行でPC(Steam)、PlayStation 4向けに発売。のちにPlayStation Vita、Wii U、Xbox One、Nintendo Switchへの移植も実施された。発売当初は日本語未対応だったが、2016年3月のアップデートで対応を果たしている。 内容としては横スクロールの探索型アクションゲーム。プレイヤーは主人公で科学者のトレースを操作し、迷路のように入り組んだ広大なフィールドマップに設けられたさまざまなエリアを行き来し、行く手を阻む仕掛けを解いたり、強大な敵と戦っていく。最終的な目標は、作中の舞台となる異次元世界から現実世界への生還を果たすというものである。
◇探索型アクションゲームとしての骨格は同ジャンルの代名詞にして、任天堂の看板タイトルのひとつでもある『メトロイド』に極めて近い……というか、ほとんどソックリである。標準装備の「アクシオムディスラプター」は射撃を基本とした遠距離武器、小分けされたエリアマップ間を「ゲート」で繋いでいる、そして異次元世界のビジュアルモチーフが映画『エイリアン』であるのがその点を特に象徴している。逆に言えば、同じく探索型アクションゲームの代名詞とも言える『悪魔城ドラキュラ』(※『月下の夜想曲』以降の作品)に由来する要素は皆無であるため、そちらと似たような体験は期待しない方がいい。システム周りも、敵を倒すと経験値が手に入ってレベルが上がってプレイヤーが強くなるとか、多彩な装備品が出てくるみたいなRPG要素は皆無である。ただ、アイテムを取得することによってプレイヤーのアクションが増え、行動範囲が広がっていく要素自体はある(これは方向性こそ違えどメトロイド、ドラキュラ共通の部分でもある)。
◇実際のシステム周りはどうなのかと言えば、ズバリ『メトロイド』である。ただ、ベースになっているのは1986年の初代『メトロイド』から1994年の『スーパーメトロイド』までの昔のメトロイドで、2003年の『メトロイドフュージョン』以降のシリーズで定着したシステムはない。代表的なところは、次に向かう目的地を教えてくれるナビゲーション機能はない。基本、自力で道を切り開いていくことに終始する設計になっている。
かと言って、ストーリー性も昔のメトロイドみたく皆無かと言われればそうではなく、会話イベント自体は頻繁に発生する。だが、その会話において次の目的地を相手側のキャラクターが教えてくれるようなことはない。それもあって、設計的にはワリと旧態依然な感じになっている。逆に言えば、その当時のメトロイドを知る人ならば懐かしさを喚起させられる作りである。
◇ここまでの情報だと『メトロイド』のクローン作品の印象が強いが、独自のシステムもちゃんと用意されている。それが「バグ」。本編を進めると「アドレスかく乱機」なる武器をトレースが入手し、以降、敵を“狂わせる”ことが可能になる。言い方を変えれば弱体化である。長距離かつ強力レーザーを放つ敵に対して照射すれば、トレースに対して一切害のないレーザーを出すようになったり、マシンガンのように弾を撃ってくる敵ならその発射速度が大幅に低下するなど、脅威を和らげてくれるのだ。地形に関してもグラフィックの表示が壊れている箇所に対して照射するとそこに足場が現れ、通常のジャンプでは届かなかった場所まで行けるようになるといった突破口を作り上げてくれたりもする。
グラフィックの表示が壊れるというのは、ファミリーコンピュータ(ファミコン)時代のゲームで、ROMカートリッジの挿入が甘い時などに見られやすい現象である。それを本作はゲーム内要素のひとつとして活用しており、独自の探索と戦闘の楽しさを実現させている。ある意味、発想の逆転であると同時に「ありそうでなかった」ものとも言える。
◇標準装備の「アクシオムディスラプター」にも通常ショット以外に3方向に拡散するタイプ、ショットガンスタイルの近接タイプ、火炎放射などの豊富な種類が用意されており、それらを使い分けながら敵やボスに対抗するシチュエーションも多い。ボスに関しては、用いる武器によっては難易度が著しく上下するという、どことなく別のゲーム(青いヒーローのアレ)を思わせる仕掛けが凝らされているのも見所である。
全体的に探索型アクションゲームとしては、ジャンルの金字塔たる『メトロイド』にかなり寄った作り。ただ、バグという現象を逆手に取った仕掛けと戦術によって独自の体験を作り上げていて、似ているようで異なる味わいを持った作品に完成されている。ある意味、昔ながらの探索型アクションゲームに今風の表現をゲーム内要素として盛り込んだ作品でもある。
個人制作の範疇を超えすぎている圧倒的なボリューム感が異彩を放つ傑作。
その魅力を端的に言えば、探索型アクションゲーム良いところ取り。特に親切設計がトレンドになりつつある現代の探索型アクションに不満を持つプレイヤーには、「これぞ!」と言いたくなる打ってつけの内容になっている。徹底して自力で道を切り開くことに終始するからだ。さすがに文章を用いた表現まで皆無まではなく、前述の通りストーリー性も相応にあるが、それでもヒントは最小限。どのように進めと強要してこないため、このジャンルの醍醐味たる「しらみ潰し」を思う存分に味わえる。
アイテム入手を強要されないの見所である。行動範囲を広げるアップグレード関連はさすがに入手しないと行き詰まるが、新たな攻撃を可能にする武器絡みのパワーアップアイテムは一部を除いて無視しても問題ない。そのため、手数を増やして戦闘で有利な立ち回りが可能になるようじっくり探索して回収していくもよし、最速クリアのために必要最小限の武器に留めて突撃するもよしという、自由な攻略を許容している。おかげで繰り返しプレイにも耐え得るやり込み甲斐の深さも演出されていて、飽きが起きにくい。この辺も探索型アクションは周回プレイを重ね、自らの攻略スタイルを洗練させていくものとの価値観を持つプレイヤーにはたまらない部分と言えるだろう。
逆に言えば、詳しいアドバイスやヒントが欲しい、自力で解くのは面倒という認識の強いプレイヤーは、割と右往左往する展開が多いのもあって、ストレスを感じやすい設計ではある。とは言え、さすがにマップの設計自体はファミコン時代の探索型アクションゲームほどの意地悪さ……見えない通路(だまし絵)満載な感じでもないし、極端に長い通路があったりすることもない。さすがにその辺りは気を遣って設計されているので、「しらみ潰し」を心がければ難なく進めていける。
探索途中で怪しい場所を発見した時、全体マップ画面にて「マーカー」を付けられるというサポート機能もあるため、これを都度、使いながら進めていけば極端な行き詰まりは回避できる。多少の面倒臭さはあれど、昔に依存しすぎない程度にバランスは取っているのだ。やや好みの分かれる所はあるが、最低限の遊びやすさは確保しており、まさに探索型特有の「自らの力で道を切り開く」という楽しさに焦点を当てた作り込みが凝らされている。それもあって、道が徐々に切り開かれていく楽しさも相応。思わず時間を忘れてのめり込んでしまう中毒性も醸し出された、侮り難き仕上がりとなっている。>
戦闘面も凝っている。特にプレイヤーの3~4倍もの巨体を誇るボスとの戦いは、まさに”手に汗握る”を体現した仕上がり。序盤からそのような面子が登場するので「アクションゲームと言えばデカいボスの対決」という人にはたまらない一時を楽しめるだろう。ボスのみならず、本作には味方側でも巨大なキャラクターが多数登場するので、その点も注目だ。
雑魚敵との戦いも独自の戦術が試される設計で見逃せない。前述した「アドレスかく乱機」によるバグ発生がその象徴だ。弱体化させたり、(事実上の)味方にさせたりなど、使い方によって対処の仕方が一変するのは、独特の相手を打ち負かす快感に満ちている。バグを発生させれば、ちゃんと相手の容姿も相応のものに変わったりなど、グラフィック面でもバグらしさ(?)にこだわった仕上がりになっているので必見だ。見た目のインパクトだと、ボスの方に軍配が上がってしまうかもしれないが。
そして、本作における”良いところ取り”の極みとも言えるのが名作アクションゲームの山のような小ネタの数々。システム周りや世界観の時点で言い逃れできない程度に『メトロイド』だが、ネタにしているのはそれに限らない。 例えば巨大なボスとの対決。プレイヤーの3~4倍もの巨体を誇り、彼らを多彩な武器で撃退する過程はKONAMIの『魂斗羅』シリーズのそれで、相手の禍々しいビジュアルも相まって、経験者なら自然と同作が脳裏を過ぎるものになっている。
さらにアップグレード系アイテムにも露骨なものが存在する。ひとつに「リモコンドリル」。小型のドローンを射出して操作し、プレイヤーの足が及ばない場所を調べるというアイテムだが、この仕組みが完全にサンソフトがファミコン向けに発売したアクションゲーム『超惑星戦記メタファイト』まんまである。視点が横から見下ろし(トップ)になる要素はないものの、同作のプレイ経験のある人なら「あれ?」となってしまうこと請け合いだ。
ふたつに「ダッシュ」。横方向への高速移動のほか、ジャンプ後にも使用可能で、飛距離を伸ばせるのだが、この特色が完全にカプコンの『ロックマンX(厳密にはX2以降)』の「エアダッシュ」である。操作のスタイルは同作とはやや異なるのだが、やはりプレイ経験のある人ならば悩み多きB級イレギュラーハンターの姿が脳裏を過ぎってしまうかもしれない。
そして極め付けのひとつが「ワイヤー」である。これが何を指すかはもはや語るまい。きっとバイオニックな魂が揺れ動いたことだろう。現にアイテムの特徴と、それによって可能になるアクションも完全にそのまんまのバイオニックである。触れば、経験者はきっとこう叫びたくなるだろう。「発動!トップシークレット!(By:水木一郎)」と。このような知る人をニヤニヤさせる見所も満載なのである。しかも、単に真似るのではなく、本作なりの面白さ、見た目を持ち合わせたものに仕上げているのが実に見事だ。バイオニックなワイヤーは除外するが、それらの高レベルなまとめ方には、制作者の元ネタへの敬意、自分なりの解釈を加えるという巧みなセンスを感じさせられるだろう。
一連の特色は、悪く言えば名作をなぞっているとも言える。現に「バグ」による戦術を除けば、探索型アクションとしては定番寄りである。しかし、根幹部分の完成度は盤石で、そこに往年の名作のネタなどを盛り込むことで、独自の遊び応えを実現している。何より、古き良き時代の探索型アクションゲームとしての理想的な形を実現しているのは特筆に値する部分だ。ゆえにジャンルの醍醐味が「しらみ潰し」にあると豪語する方には深々と刺さる。そして、ファミコンからスーパーファミコン時代のアクションゲームを遊んできた世代にも実家のような安心感も抱ける。まさに”昔ながら”と”良い所取り”の魅力がフルスロットルで入り混じっては炸裂する作品になっているのだ。理想的な”古き良き時代のゲーム”ここにあり、と言った感じだ。
本編のボリュームも非常に大きい。早く進めても10時間、じっくり進めた場合はその2倍以上は費やしかねないぐらいだ。探索型アクションゲームとしてはほぼ大作の域である。無論、アイテム回収を始めとするやり込み要素も完備。それらの完全な回収を目指した場合のプレイ時間に関しては、もはや察していただきたいの一言だ。しかも、驚きなのは本作、ほぼひとりで作られたゲームであるということ。個人で作ったゲームとしては規格外の極みである。同時に、それなら5年の歳月を費やすのも仕方がないと納得してしまうところもある。
ほかに操作性も良好。挙動は軽やかで、ボタン配置も違和感が無く思うがままにキャラクターを動かせる、アクションゲームの醍醐味を押さえたものに完成されている。ただ、メニュー周りの操作がBボタンで決定、Yボタンでキャンセルという不可解な設定になってしまっている。おそらく先行したPC(Steam)版か、海外PlayStation 4版の設定をそのまま反映させたのかもしれないが、Nintendo SwitchのJoy-conを含むコントローラだと違和感が凄い。幸い、キーコンフィグは可能なものの、できればAボタンで決定、Bボタンでキャンセルに改めていただきたかった(あるいはBボタンで決定、Aボタンでキャンセル。これはキーコンフィグで設定可能)
また前述の空中ダッシュ、そして壁を通過する際に方向キーを素早く2度押すという操作に関しても手触りと仕様ともに難あり。特にPROコントローラで遊ぶ場合は、スティックではなくて十字キーを活用することを強く推奨する。
難易度も全体的に高め。選択機能は備わっているのだが、最も簡単かつ標準の「ノーマル」でも本編後半、回避不能な攻撃を連発する雑魚敵が多数登場して跳ね上がる場面がある。ラスボスも実質、ダメージ覚悟を前提にした調整で、熾烈な攻撃を避けながら華麗に相手を倒すことに醍醐味を求める人には強烈なストレスを覚えるだろう。前半のバランスは良好で、攻めと回避を切り替えながら立ち回れば、ノーダメージ突破も夢じゃない調整になっているだけに首を傾げるばかりだ。強化された主人公と対等にするためとは言え、乱暴な発想に至るのは避けていただきたかった。
戦闘以外に探索でも中盤、巨大な蜂のボスを倒した後に進むべき道が極端に分かりにくくなるのは看過できない。ストーリーのイベントもないのもあって殊更だ。ここには何らかのフォローを入れてほしかった。
そのストーリーも台詞の日本語翻訳がよろしくない。特に武器の性能を解説するテキストは稚拙の極みで、どんな効果を発揮するのかを全く把握できない。体力の最大値を上げるアイテムを「健康値アップ」するなど、英語のままでも通じる単語を日本語に訳してしまっている部分も目立つ。挙句、キャラクターの口調も急に常体から敬体になるといった目に余るものまで見られる始末。率直に言って、あまりにも仕事が雑だと言わざるを得ない。
冒頭に記したように日本語は後発のアップデートで実装されたのだが、作者は日本語に訳せばそれで十分伝わると思い込んでいるような姿勢が滲み出ていて不快感すら抱かせる。単に訳した文章をそのまま当てはめただけにしか見えない。ここに関しては強い口調で「再翻訳し直せ!」と物申したい。折角ゲームの出来がいいのに、拙い日本語のせいで気持ちを萎えさせるようにしているとか、さすがに本末転倒が過ぎる。
日本語翻訳以外でも一部巨大なボス戦における視認性の悪さ(拡大・縮小演出の弊害)、若干の練習が必須となる「ワイヤー」によるワイヤーアクションなどの気がかりな箇所がある。ほかのエリアへの行き来を楽にするワープポイントが存在しないのもややストレスだ(昔風の作りを踏まえれば無いのも自然だが)。ただ、いずれも後半の難易度と日本語翻訳の問題に比べれば些細なもので、プレイしていく内に自然と気にならなくなるレベルのものに収まっている。
翻訳が拙いという致命的な難点こそあれど、ストーリーと世界観も見所が多い。特に中盤に登場する敵の親玉の正体はなかなか衝撃的。実のところ本作、マルチエンディング制が採用されていて、特定の条件達成で結末も大きく変わるようになっている。中でも最もベストなエンディング「トゥルーエンド」は度肝を抜くものになっているので、ぜひ到達してみていただきたい。しばし混乱状態になるはずだ。
ファミコン時代のゲームを意識したグラフィックの完成度も高い。中でも巨大ボスはドット絵の芸術と言わんばかりのインパクトがある。彼らを倒した後の爆発演出も相応なものになっているので必見だ。
対照的に音楽は見た目とは異なり、音源多めの現代風。だが、不気味な世界観とマッチした楽曲が揃っており、(いい意味での)居心地の悪さを演出している。その不安定気味な旋律には「早くここから脱出したい」との気持ちを煽ること請け合い。もちろん、ボス戦のようないかにもなゲーム音楽もある。こちらも場面と絶妙にマッチした楽曲になっているので注目だ。
看過できない難点も抱えてしまっているとは言え、探索型アクションゲームとしては十分に良作以上と言い切れる出来。前述したが、自力で解くタイプが好きな人には確実に刺さるだろう。『メトロイド』のオマージュ作品としての完成度も高く、シリーズ経験者ならニヤついてしまう要素が満載。それだけに日本語翻訳の拙さが惜しまれるが、それを無理矢理許容してでも遊ぶ価値はあると言いきれる傑作。ジャンル好きならばぜひ、プレイいただきたい1本だ。