Written in Japanese. Japanese fonts required to view this site / Game Review & Data Base Site
  1. ホーム>
  2. Review Box>
  3. Super Famicom>
  4. シムシティー
≫シムシティー
■発売元 任天堂
■ジャンル 都市育成シミュレーション
■CERO(推定) A(全年齢対象)
■定価 スーパーファミコン版:8085円(税込)
バーチャルコンソール版(Wii):900Wiiポイント
■公式サイト ≫スーパーファミコン版 / ≫VC版(Wii)
▼Information
■プレイ人数 1人
■セーブデータ数 2つ(※バッテリーバックアップ:リチウム電池形式)
■総説明書ページ数 37ページ
■推定クリア時間 クリアの概念は無い
何一つない、無人の土地。
この土地に、貴方は市長となって街を作り、発展させていかなければならない。
住民の要求、交通問題、災害……街作りには、様々な障害も付きまとう。

見事、それらの障害を乗り越え、より良い街を作り上げられるか?
全ては、市長となる貴方の腕にかかっている。
▼Points Check
--- Good Point ---
◆自分だけの街を作る、プレイヤーの創造力を刺激させる、自由度の高いゲームシステム
◆アイコンを選択し、お好みの位置にカーソルを合わせてボタンを押せば瞬時に思い通りの建物が配置できる、シンプルで分かり易い街作りの基礎
◆全部で100種類も用意されたマップ(お好みの土地で街作りが楽しめる)
◆住宅地や商業地、更にはスタジアムに遊園地まで、豊富に用意された建造物
◆税金の設定から住民への対応など、市長の厳しさを痛感させられる要素の数々
◆火災から地震、竜巻、怪獣(クッパ)出現と、嫌と言うほどバリエーション豊富な災害
◆初心者プレイヤーには頼もしい事この上ないサポートキャラクター『Dr.ライト』
◆丁寧なアドバイスにより、街作りの基礎を一通り学ぶ事ができる『練習モード』
◆災害などの問題を解決し、街を復興していく、上級者にはやり甲斐満点の『シナリオモード』
◆同じく、上級者のみならず初心者も確かなやり応えを味わえる、50万都市チャレンジ
◆簡単な街作りからシビアな街作りまで、色んな楽しみ方ができる難易度選択システム
◆パッド操作ながらスクロール機能の導入等、動かし易くする工夫が凝らされた操作性
◆季節の変化に応じて、周囲の色が変わっていく演出が光る、精微なグラフィック
◆街の発展に応じて変わっていく仕掛けが面白い、魅せる音楽(名曲も満載)
◆プレイヤーの心境を大いに煽る演出(災害発生時のデモは結構、ドキッとさせられる)
◆市長の仕事の難しさとゲームとしての手応えを絶妙に描いた、珠玉のゲームバランス
◆個性的なリアクションを見せてくれる、『Dr.ライト』の寸劇シーン

--- Bad Point ---
◆クリアやエンディングの概念が無い為、飽き易いゲーム性
◆動かし易くする工夫が凝らされているとは言え、ぎこちなさもある操作性(原作のマウスには敵わない…)
◆操作性の都合もあり、少し硬い感のあるマップ画面でのスクロール
◆街が大きくなると同時に長大化する、セーブとロード(ハードの性能上、仕方が無い…)
◆同じくハードの性能上、レイアウト表示までにロード時間が発生する、ゲーム開始前のマップ選択画面
◆頼もしいけど、時にウザい『Dr.ライト』(非表示機能も入れとくべきだったのでは…?)
▼Review ≪Last Update : 12/8/2007≫
海の彼方から、某大魔王の姿を模した怪獣出現!

(注:本人です。)


パソコンで発売し、自分だけの街を作る、独創的なゲームシステムで大好評を博した、都市育成シミュレーションゲーム『シムシティー』のスーパーファミコン移植版。

原作の面白さはそのままに、親切なサポート機能でより遊び易く!
初心者から上級者まで、幅広く気軽に楽しめる、名作シミュレーションゲームだ。

ゲーム内容は、プレイヤー自らが市長となり、無人の地に住宅地や商業地などの建物を建てながら、自分だけの街を作っていく、都市育成シミュレーションゲーム。分かり易く言えば、”街作りゲーム”とも言うべきものだ。
街の作り方は至って単純。画面左側に用意された『建物アイコン』の一覧から、カーソルで自分が建てたい建物のアイコンをBボタンを押して選択し、その後、カーソルを無人の土地(メインフィールド)へと動かし、自分お好みの場所でポチッとBボタンを押す。これで、その場所に選んだ建物が建つ。同じように、他に違う建物を建てたかったら、再び一覧からその建物のアイコンを選択し、またカーソルを移動させて好きな所でBボタンを押せばOK。たったそれだけ。そんな単純な作業を繰り返しながら、街を作っていくのだ。
しかし、作り方の基本は単純ではあるが、実際の街作りは簡単なものじゃない。当然のように、街は発展していくにつれて住民も徐々に増えていき、彼らの生活を豊かなものにする為に、税金を設定したり、また交通の便を確保したり、更には災害や犯罪の対策をしたり、住民の要求通りの建物を建てたりなどと、様々な問題を解決していかなければならないのだ。まさに、市長だからこそのデスティニー(宿命)。
それ故に、少しでも住民の要求に反すれば、自身の支持率も低下。それに合わせて、人口もどんどん減っていってしまうのだ。もっと酷い管理を行った場合には、街を破壊する大きな災害が発生。地震に火災、竜巻、飛行機事故、更には怪獣という名の『クッパ』の来襲と、それ相応の罰が降りかかってくるのだ。
建物を建てることだって、闇雲にやればいいってものじゃない。ちゃんと、建物を建てるにも”予算”というのがあるのだから、それを念頭に置く事が重要。無計画にやれば、後で予算不足に陥り、街もどんどん劣化していってしまう。
如何にして、住民の要望(わがまま)に応じ、効率よく建物を建て、そして災害を抑えるか。それはプレイヤー自身の市長としての手腕…判断力にかかっているのだ。
単純に建物を建てていけば良いだけのものと思ったら、大間違い。まさに、本当の意味での街作りがこれでもか、と言わんばかりに楽しめる、恐ろしいほどに本格的な内容になっているのだ。都市育成シミュレーションというジャンル名も、ここまでリアルなら合点が行く。それ位、全てがリアルなのだ。『クッパ』という名の架空の怪獣が、確かに居はするけど。(言うまでも無いが、このキャラクターが登場するのは、本作オリジナルだ。…任天堂だけにある…。)

そんな内容である故に、「難しそう」と不安を感じるかもしれないが、その辺はご安心を。街作りの基礎が学べる『練習モード』の搭載、スーパーアシスタント『Dr.ライト』の導入など、初心者に対するサポートは万全に図られている。
特に、原作であるパソコン版には居なかった新キャラクターである、『Dr.ライト』は逐一街の状況をプレイヤーに報告してくれるのみならず、今起きている問題の対策も教えてくれるなど、執拗なほどに活躍してくれる。時には街を活性化させる『遊園地』等のプレゼントを贈呈してくれたりなど、街作りの面でもサポート。初心者にとっては、これほどまでに頼もしい存在はいないだろう。あまりに活躍してくれる為に、時にウザく感じてしまう事があるのがタマにキズではあるが。しかし、このキャラの導入はシステムの分かり易さと遊び易さを上手く演出しており、ゲームそのものに良い刺激を与えている。
説明しなかった『練習モード』もそうだが、こう言った初心者にも気軽に楽しめるように盛り込まれた配慮の数々も、全ては今作を移植したスタッフの「シムシティーの面白さを広く教えたい」という思いによるものだろう。誰でも気軽に楽しめる、そんな敷居の低さを今作では過剰なほどに表現してしまってるのだ。このアレンジは上手いの一言に尽きる。
勿論、初心者のみならず、上級者…コアユーザーの為の要素も今作ではしっかり完備。様々な問題を解決し、街の復興を目指す『シナリオモード』、メインモードにおける50万都市(メガロポリス)チャレンジなど、やり甲斐のある遊びがたっぷりと詰まっている。その中でも、50万都市のチャレンジは事実上、今作事実上の最終目的でもあり、上級者のみならず、初心者でも狙ってみる価値のあるものだ。だが、50万都市などは先ほどの街作りの難しさを読めば明らかだが、そんなに生易しいものでは無く、よほどしっかりとした都市管理をしていかなければ、達成は困難を極める。住民を満足させ、如何に都市を効率的に巨大化させられるか。結局、それも全てはプレイヤーの市長としての腕次第なのだ。こう言ったところでも、街作りって難しい…という面が露呈されているのは、現実を表していて良いというか、エグいというか。
しかしながら、狙ってみるだけの価値はあるものなので、是非とも基礎的な街作りを習得した方ならばチャレンジしてみるべきだ。そして何故かマリオファンも、狙って見ると面白いものがあったりするので、機会があったら試してみる価値あり。
この他にも、全部で100種類も用意されたマップ、ゲーム開始時の資金を決められる難易度選択機能など、まだまだ見るべきところは多い。初心者も上級者も、好きなスタイルで街作りができるなどと、あらゆるスタイルに対応させた本作は、正直原作以上の完成度と言っても過言ではない。これもまた、『シムシティー』に対する愛の表れか。移植作品にしては、ありえない現象が今作では起きてしまっているのだ。

しかし、マウス操作を基本としていた原作に対し、今作では十字キーが主体のパッドによる操作が主体な為、操作性はやや劣化してしまっている。ただYボタン押しっぱなしによる、画面スクロール機能を導入する等、パッドによる操作を快適なものにする為の配慮も凝らされており、基本、そこまで不便に感じるまでのものにはなってない。この絶妙な調整具合は、お見事の一言だ。ただ、ゲーム進行スピード(本編はリアルタイムで時が流れていく)の遅さは、もう少し何とかして欲しかった所だ。ハード性能的に無理があったのかもしれないが。
グラフィック、音楽は上々。グラフィックはそんなに派手ではないのだが、Dr.ライトの寸劇シーンや動きはいずれも凝った作りで、見ていて楽しい。また、四季に応じ、地形の色が変わっていくという仕掛けもなかなかユニークだ。
音楽も、街の発展に応じて曲が入れ替わるなど、色々と魅せてくれる。曲自体の完成度も素晴らしく、特に最初の『村』の状態で流れる、何とも寂しげな曲は秀逸だ。
そして演出もなかなか。やはり例によって、Dr.ライト絡みになるのだが、災害が起きた時にド派手な音楽と共にデモが始まったりなど、色々とプレイヤーの心境を煽るものが豊富に用意されている。各種災害のエフェクトも必見だ。

主にシナリオモードに限るが、難易度も程好く、適度な手応えと達成感をこの上なく味わえる。
既に解説済みだが、怪獣の代わりとして何故か『クッパ』が登場したり、50万都市達成後に思わぬ建造物が建てられるようになったりするなど、任天堂ファン向けのサービスもそこそこ充実している本作。
街が巨大化した際のセーブとロードが長大化したり、スクロールがぎこちなかったり、ゲーム開始時のマップ選択時のロードが長かったりなど、ハード的な欠点もチラホラとあるが、全体的には完成度は文句なしに名作レベル。その出来の良さは冗談抜きに、原作であるパソコン版以上と言っても過言ではない位だ。自分だけの街を作る面白さ、そして市長らしく住民の要求に応じていく辛さは格別。初心者から上級者まで、自らの創造力を大いに刺激させられる、年育成シミュレーションゲームの決定版だ。未経験の方は是非ともプレイ。これは文句無しにお薦め。
≫トップに戻る≪