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  4. スーパーアレスタ
≫スーパーアレスタ
■発売元 東宝
■開発元 コンパイル
■ジャンル シューティング
■CERO(推定) A(全年齢対象)
■定価 8700円(税別)
▼Information
■プレイ人数 1人
■セーブデータ数 無し(※バックアップ機能・パスワードコンテニュー無し)
■総説明書ページ数 24ページ
■推定クリア時間 2時間半〜3時間
西暦2048年。
地球は突如飛来した光り輝く『巨大球体』の攻撃により、深刻な被害を受けていた。
その謎の球体は中南米のジャングル上空に停止し、浮遊都市を建設し始めた。
後に地球連合軍の最後の切り札、最新鋭攻撃機アレスタ部隊が球体に総攻撃を仕掛けるのだが、その圧倒的な力の前に戦闘開始数分で全機が撃墜。
人類最後の望みはあっけなく潰えた…かに思われた。

だが、アレスタ部隊のエースパイロット『ラズ』は球体の攻撃から辛うじて生き延びていた。彼は球体内に封印された『意志体』の一人によって助けられたのである。『意志体』はツルとなってアレスタ機を吊り下げており、後に大破したアレスタ機を一瞬の内に修理、改造。意志体と完全融合し、『スーパーアレスタ』として生まれ変わった。
生まれ変わったアレスタ機に乗り込んだラズは、アレスタ機を改造した意志体こと、『ティ』と名乗る女性と共に球体がエネルギー源としている制圧下の惑星解放へと乗り出す。ティの導きに沿い、スーパーアレスタを駆るラズは一体、どのような戦火に遭遇するのか。
かくして、再び戦いの火蓋が切って落とされるのだった…。
▼Points Check
--- Good Point ---
◆シューティングゲームとしての王道の面白さを突き詰めた、取っ付き易さ抜群のゲームデザイン
◆敵に応じて性能を切り替える戦略性と見た目の派手さで魅せる『ショットコントロールシステム』
◆シューティング初心者も安心の耐久力固めの自機『スーパーアレスタ』(一発アウト制だが、武器がある程度パワーアップしていれば、そう簡単にはやられなくなる)
◆その場復活と特定の位置まで戻っての復活の二種類を融合させた、特異なリトライシステム
◆ステージ総数12、1ステージ単位の所要攻略時間7〜9分以上(一部、2〜3分で決着するステージあり)というシューティングゲームとしては規格外なボリューム
◆通常のショットからチャージ弾、バリア攻撃まで、多種多様で個性的な全八種類のウェポン
◆『破壊』と『爆発』のコンセプトにこだわり尽した作り込みが光る、各ステージのレベルデザイン
◆破壊と爆発の爽快感を引き立てる、質感申し分無しの効果音
◆ほとんど存在しない処理落ち(大量の敵や爆発が表示されようが、スピード感が保たれる!)
◆見た目の派手さのみならず、しっかりとゲーム面にも反映させるという作り込みの上手さが光る、拡大・縮小を始めとしたスーパーファミコンのハード性能を活かした演出全般
◆演出面を活かしたアイディアとセンス溢れるデザインが光る、戦い甲斐抜群のボス達
◆初心者向けからガチガチの上級者向けまで、幅広く対応した全五種類もの難易度(初心者向けは優し過ぎず難し過ぎず、上級者向けは鬼畜一直線など、バランスも総じて良好)
◆チュートリアルだけでなく、スコアアタックのやり込みにも適した特別モード『ショートゲーム』
◆違和感の無いボタン配置とレスポンスの良さが見事な操作性
◆細部まで描き込まれた丁寧な仕事ぶりと派手さを追求した作り込みが見事なグラフィック
◆シューティングゲームとしてはらしからぬ、お洒落で落ち着いた作風の曲が満載の音楽
◆硬派なようでライトな雰囲気も併せ持った世界観(オプション画面を見ればそれが分かる…)

--- Bad Point ---
◆長い故にダレ易くもある1ステージ単位のボリューム(特に最初のAREA1がなり易い)
◆長いボリュームを考慮していない、パスワードコンティニューシステム非搭載の仕様(ボリュームがボリュームだけに入れるべきだった…が、一応、裏ワザでステージセレクトがある)
◆仕組みを理解するまでは困惑すること必至なリトライシステム
◆画面がゴチャゴチャし易い、瞬時の対応が求められると言った処理落ち無しの弊害の数々
◆難しさ的に変わらない感じが否めないノーマル〜ハイパーまでの難易度(逆にとりっきー〜るなてぃっくに関しては、それら三つとの差異が激しい)
◆性能面からして、強過ぎる感が否めないウェポンの一つ『チャージガン』
▼Review ≪Last Update : 8/10/2014≫
主人公の意識の中から取り出したイメージを元に彼女は実体化した。

色々と邪推してしまう設定だ…。


『魔導物語』シリーズ等で知られるコンパイルの看板シューティングゲーム、『アレスタ』シリーズの第五作目。旧四作とは独立した世界観で描かれた、事実上の完全新作タイトルでもある。

撃ちまくりの壊しまくりの爆発しまくりで送る、爽快シューティングゲーム決定版だ。

ゲーム内容は縦スクロールで展開する、ステージクリア型シューティングゲーム。自機『スーパーアレスタ』を操縦して多種多様なステージ(本編ではAREAと表記)を攻略し、突如地球に飛来した『巨大球体』の討伐を目指すというものだ。
本編はシューティングゲームとしては王道の一本道構成で展開。各ステージのクリア条件もまた、シューティングゲームの王道、最後に登場するボスを撃破するというもので、基本的なゲームデザイン自体はこれと言って尖った点の見受けられない、正統派の作りとなっている。ただ、細かい部分においては独自のシステム、差別化を図る工夫と試みが多数、盛り込まれている。それらを全てひっくるめて言ってしまうと、ボリューム感が桁違いに凄い。
先にシステム周りから紹介していくと、『ショットコントロールシステム』なるものがある。簡潔に言ってしまうと、ショット攻撃の性質を切り替えるシステムで、Rボタンを押す事により、初期状態とは異なる特殊な攻撃ができたり、攻撃力が倍増、時にはショット方向が固定されると言った特異な効果が発揮されるなど、豊富且つ個性的な攻撃を繰り出す事ができるのである。例えばビームであれば、初期状態は直線状に発射する攻撃であるのに対し、切り替え後は敵を追尾、粘着的な攻撃を与えるレーザーを発射するようになるなど、と言った具合。実に多種多様な攻撃で攻め込む事ができてしまうのだ。更にこのシステムで注目すべきが、ウェポンごとに個別の効果が用意されていること。先程のビーム以外にも、『クラッカー』というウェポンでは初期は球体状の弾を発射するのに対し、切り替え後は自機の左右移動時に慣性の影響を受けて発射されるようになるなど、全く異なる効果、性質が発揮されるように設定されているのだ。その為、装備しているウェポンごとにまるで異なる戦術が展開できたり、時には難易度まで激減したりと、非常に多彩且つ、幅広いステージ攻略及び攻撃アクションの妙が楽しめる。無論、多彩な攻撃を繰り出せるというだけあって爽快感もかなりのもの。威力を最高にまで上げた状態(※各ウェポンは『カプセル』と呼ばれるアイテムを回収することで、最大で7段階にまで引き上げる事ができる)で特殊な攻撃を仕掛けた際の気持ちよさがどれほどのものなのか、それはもう想像に難くないだろう。また、単にこちらの攻撃パターンを変化させるだけでなく、しっかりとステージ攻略の面でも、切り替えを活かさねばならない場面が出て来るのも大きな見所。あるボスは弱点を真横方向に露出させる為、ショット方向を横に固定させる切り替えが必要になってきたり、ステージによっては追尾性能を使わないと捌き切れない量の雑魚敵が現れたりなど、単純にプレイヤー側に多彩な攻撃の妙と気持ちよさを味わってもらうだけのシステムとして終わらせていないのが実に素敵だ。単純に多種多様な攻撃ができるだけでも十分なインパクトがあるのに、ゲーム性の面でもしっかり活かす。仕組み自体は斬新さとはほど遠いものではあるが、爽快感へのこだわりとゲームとしての意義を活かした作り込みはかなりのもの。単純ながらも、なかなかに侮り難いシステムに仕上げられている。
自機周りでは他に耐久力、復活の仕組みも特徴的。他のシューティングゲームと同様、今作の自機も敵の攻撃を被弾すると撃墜されてしまうのだが、ウェポンがある程度、パワーアップした状態であれば、被弾しても威力が下がる程度で抑えられるなど、意外と固めに設計されている。威力が最低な状態で被弾するとさすがにそれまでだが、そう撃墜され難い性質もあってか、シューティングゲーム特有の自機のモロさに対する恐怖感は薄め。それ故、シューティング初心者でも気負わず楽しめる作りになっている。また、自機が撃墜された際も今作はミスしたその場からの復活、少し戻ってからの復活の二種類がある上、残機にしても一機の内にその場と戻ってからの二種類が含まれている為、やられても意外と持ち応える。少々、仕組み的に複雑ではあるが、そんなやられ難さもまた、シューティング初心者には有り難い要素。おまけに地形に接触した際のダメージ判定も無いなど、今作の自機の強さが如何に傑出したものなのかは想像に難くないはず。そんな簡単に自機がやられたりしない為の工夫もまた、今作の特色とボリューム感を体現する部分だ。
そして、更なるボリューム感を体現するのが、ウェポンとステージ構成とその量である。ウェポンに関しては、とにかく多い。八種類も用意されているのだ。しかも、それぞれの性能もやたらと個性的且つ強力。先にも挙げたレーザーとクラッカーのほか、初期装備のショット、ミサイルと言った王道のもの、ボタンで溜めてから発動するチャージガン、バリアのようなサークル、そして自機の移動に合わせて弾道が変わるオールレンジなど、そんな強力で大丈夫なのかと心配になってしまうくらいのラインナップになっている。それでいて、これらの武器一つ一つに切り替え後の特殊性能が付加されている。それだけでも、このボリューム感が半端無いという事が大体、想像できるだろう。
そして、ステージ構成。まず、1つのステージをクリアするのに7〜9分以上かかるというだけでも、ボリュームの凄さがイメージできるはずだ。他のシューティングゲームなら、大体4〜5分ぐらいの所を今作はその二倍近く。規格外にも程がある物量で構成されているのだ。更に極め付け、ステージ総数は何と12!大体、6か8辺りが平均的なところをあえて二倍である。正直、引き気味になるくらいの量である。ただ、全12の内の幾つかは2〜3分の短期決戦型の内容で構成されているなど、全ステージが8〜10分以上もかかるという訳では無い。だが、シューティングゲームとしては規格外なスケールである事実に変わりは無く。結構どころか、やり過ぎと言わんばかりに盛り沢山な内容になっているのだ。
他に難易度選択機能も実装されているが、そこで選べる難易度も5種類と膨大。全くのシューティング初心者から上級者まで、あらゆるユーザーをフォローする部分にしても万全だ。
基本こそ、王道り。だが、やたら豊富で強力過ぎる自機に盛り沢山のウェポン、密度濃過ぎにも程があるステージなど、あらゆる面が桁違いのボリューム感を誇る内容に仕上げられている。その物量たるや、数あるシューティングゲームの中でも明らかに屈指の域。まさに腰を据えて遊ぶスタイルが求められるシューティングゲームとなっている。

そんな今作の魅力は例によって、シューティングゲームとしては圧倒的なボリューム。最もその凄味を体感できるのがステージで、何処も彼処も「何故にこんなに長くしたぁ!?」と悲鳴を挙げてしまうほど盛り沢山な内容になっている。
それでいて、各ステージごとのレベルデザインのコンセプトが実に明快。何処も彼処も、『破壊』と『爆発』にこだわり尽した作り込みが徹底されている。実際に最初のステージ1、その次のステージ2をプレイすれば、そのコンセプトを嫌というほど思い知らされる。随所において一撃で仕留められる小さな雑魚敵が大量に出現したり、雑魚敵ラッシュが止まったと思ったらショットで破壊しないと進路が確保できないゲートが現れたり、これと言って攻撃はしてこないが破壊可能な装置類が大量に配置されていたりなどなど。あらゆる場面においてプレイヤーに撃つ行為を止めさせない、画面上から爆発のエフェクトを無くさせまいと言わんばかりに、破壊に絡む要素を詰め込んでいるのだ。それもあってか、どのステージにおいてもとにかく敵から装置に至るまで、現れては壊れる、現れては壊れる、現れては壊れるッ!そして、何処の花火大会かと言わんばかりに大小の爆発があちこちで発生する。自機側が『ボム』で大爆発を発生させれば、その比率は実に50%アップ!まさに破壊と爆発こそ、シューティングの真骨頂にして、最も気持ちよいと思える瞬間なんだ!…という思いがそのまま反映されたかの如き、圧倒的なこだわりが炸裂した仕上がりになっているのである。そうも破壊と爆発が繰り返される構成になっているが故、爽快感も桁違い。特に大量の敵と破壊可能な装置が登場するステージはその真骨頂とも言え、本編における息抜きとストレス解消には持ってこいのアドレナリン放出しまくり、気分はまさにジェイソン・ステイサムな出来になっている。そんな爽快感を引き立てる効果音にしても質感申し分無しの「分かり過ぎた」仕上がりとなっていて素晴らしい。単に小さな雑魚敵を撃って倒しまくるだけでも気持ちよいというだけでも、今作のシューティングゲームの本能的な面白さ、最も気持ち良いと感じる瞬間に徹底してこだわった姿勢というものを実感する事ができる。
また、演出周りにおいて、極めて高い技術力が炸裂しており、それらがゲーム本編の気持ちよさと驚き、個々のステージの魅力をより一層際立てているのも見逃せない。先の通り、今作では大量の雑魚敵が出現したり、画面上でド派手な花火大会が展開されたりする。だが、それすなわち処理落ちが頻繁に発生し、ゲームのスピード感が損なわる場面が多いという事なのでは、と懸念してしまうかもしれない。実際、スーパーファミコンにおいては、そう言った例となる作品が存在する故に尚更、それをイメージしてしまう方は多いかと思われる。
だが、今作は違う。そもそも、そんなのが無い。にわかに信じ難いかもしれないが…処理落ちがほとんど発生しない。「ほとんど」の通り、時折、生じたりはするのだが、ゲームのスピード感を損なうレベルのものは一切なく、常に平常通りのスピード感が保たれる。大量の敵が出ようが、爆発が起きようが滅多に起きないのだ。なので、常に安定した爽快感とスピード感が楽しめる作りになっている。正直な所、疑いたくなる話ではあるのだが、あえてもう一度、言おう。今作に処理落ちはほとんど無い。無いのだ。一体、どんな技術を用いたのかと、逆に問い詰めたくなること請け合いの凄まじさなのである。これだけ言っても実際に遊んでみないと分からない所があるが、遊べば嫌というほどその凄味を思い知らされるだろう。しかも、そんなゲームを1992年、スーパーファミコンの発売から2年も経たぬ時期に出したというのだから驚かされる。プログラマーの本気、炸裂しまくりである。
更に処理落ちのみならず、スーパーファミコンのハード特性を活かした演出も迫力満点且つ、アイディアぶっ飛びまくり。多重スクロールと半透明機能を活かして高低差を表現したり、画面奥から要塞が近づいて来たり、物凄いエフェクトと共に巨大なボスが現れたりなど、どれもこれもプレイヤーがアッと言ってしまうこと間違いなしの驚きと刺激に富んだものに仕上げられている。それも、プレイヤーを驚かせる目的だけでなく、ゲーム面にもしっかり反映させているのだから驚きだ。主にレベルデザイン周りだが、先の要塞が画面奥から近づいてくるステージはそれらの演出をゲーム面に上手く反映させた極めて秀逸な一例。その刺激的な構成は、それらのハード性能無くして実現し得なかったものと言わんばかりの仕上がりになっているので必見である。ボスにしても、それらの演出を駆使した攻撃を展開して来る面子が居たりなど、ちゃんとそのような表現を使っている意味が込められているのが見事。特にステージ7で登場するボスは、拡大・縮小機能無くして実現し得なかった存在と言わんばかりの仕上がりになっているので要チェックだ。それ以外のボスにしても盛り沢山且つ、個性的であり、使い回しがほとんど見受けられないのも圧巻の一言。そこまでこだわって作るかと、本気の入れ具合には思わずため息が出てしまうかもしれない。
ただ、さすがに1つのステージをクリアするのに平均7〜9分近くかかるのはやり過ぎな感が否めない。実際にその長さ故にダレる場面も幾つかあり、中でも一番最初のステージにして、導入部に当たるステージ1は敵配置が全体的に大人しい構成であるのも相まって、後半に差し掛かるにつれ、「早く終わってくれ…」と愚痴りたくなってくる。それ以降のステージに関しても、そんなに長くしなくても…と思ってしまうステージが幾つかあり、ボリューム感を出すにしても限度を考えていなさ過ぎだと突っ込みを入れたくなる所が幾つかある。このボリューム感自体、今作の特色を現す部分であるのも事実でもあるし、一応、2〜3分で決着する短めのステージも用意されている。でも、やはり長丁場となればダレてくるのも事実なのだから、せめてのところ、5〜6分ぐらいの長さに落ち着かせて欲しかったところだ。
そんな欠点はあれど、破壊と爆発に対するこだわりが反映されたレベルデザインの完成度は高く、そのボリューム故の充実感は他のシューティングゲームでは味わえないものがある。やり過ぎなところはあれど、爽快感と充実感溢れるシューティングゲームを作ろうとした本気は本物。スーパーファミコンの本気に満ち溢れた作品という事実は揺るぎないものと言っても良いだろう。それ位、あらゆる面において盛り沢山。良くも悪くも、やり応え十分の内容なのだ。

また、操作性やゲームバランスと言った面の完成度も総じて高い。操作性は違和感の無いボタン配置は勿論の事、自機のレスポンスも上々で、思うがままに操縦して敵を迎撃する楽しさを満喫できる仕上がりになっている。
バランスに関しても、全五種類の難易度が選べる選択機能の恩恵により、初心者から上級者まで幅広くカバー。何よりも、基本的な難易度にせよ、自機の打たれ強さと性能面の高さにより、シューティングゲームが初めて、苦手な方でも取っ付き易い調整が施されているのが秀逸。被弾してもそう簡単にはやられないし、地形に接触した際のダメージ判定も無い、それでいてどちらかというと破壊に特化した構成であるのもあり、攻撃される前に撃つテクニックが重視されてくるので、ワリと直感的に遊べてしまう。それでいて、シューティングゲームの本質的な面白さを存分に知る事もできるので、入門編としても最適。今作を機にシューティングゲームの奥深い世界を知ってみる、というのも良いかもしれない。
また、初心者絡みでは『ショートゲーム』なるチュートリアル的なモードが用意されているのも見所。本編とは異なる、短期決着型のステージを4つほど通しで遊ぶ内容というのもあり、基礎を知るには打ってつけの内容になっている。それでいて、サクッと遊べるのでスコアアタック的な楽しみもあったりなど、上級者プレイヤーのやり込み用モードとして楽しめる余地があるのも秀逸だ。本編のようにストーリー的な展開は無いが、これだけでも十分な満足感が得られるほど、出来は良い。こんな凝ったおまけまで収録しているのもまた、今作のボリューム感を現す象徴と言っても良いかもしれない。
その他、グラフィックや音楽の完成度も非常に高い。特に音楽はお洒落で落ち着いた作風の楽曲が多いのがユニーク。それ故にシューティングゲームらしからぬ所があるのだが、楽曲自体の完成度は極めて高く、嫌でも印象に残るものに仕上げられている。中でも要チェックなのはステージ3など、大量の雑魚敵と破壊可能な装置が登場するステージの曲。勢いがありながら、何処となく切なさすら感じさせる楽曲には、妙な高揚感を覚えるかもしれない。

全体的なボリュームにしても言わずもがな。単純にステージが多いだけでなく、全部で五種類の難易度を制覇すると言ったやり込み要素も万全で、一回クリアしても終わらぬほどの密度がある。特に最高難易度の『るなてぃっく』は狂気の沙汰としか言わんばかりの地獄を味わえるので、我こそはと思うプレイヤーはレッツ・チャレンジである。
その他、数は少なめながら、デモシーンも凝った仕上がりになっているほか、世界観も何処となく当時のアニメチックで、変に重くない作りになっているのが見事。オプション画面を見れば、今作が硬派なノリとは少し離れたシューティングゲームである事がよく分かるので、要チェックだ。
全体的にステージが長い為にダレ易い所があったり、復活システム周りがやや複雑など、少々行き過ぎた面も多々見受けられるが、シューティングゲームとしての完成度は非常に高く、何よりも1992年のゲームでありながら、極めて高度な技術力が炸裂した仕上がりになっているのには素直に驚かされるものがある。難易度も控えめでシューティング初心者にも優しく、それでいてジャンル特有の本質まで十分に堪能できるなどと至れり尽くせり。
スーパーファミコンをお持ちのプレイヤーは勿論のこと、シューティングゲーム好きならば要チェックの力作だ。その圧倒的な密度と爽快感は一度はお目にしておくべき価値がある!是非、機会があったら遊んでみて欲しい。オススメです。
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