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  4. カービィのきらきらきっず
≫カービィのきらきらきっず
■発売元 任天堂
■開発元 HAL研究所
■ジャンル アクションパズル
■CERO A(全年齢対象)
■定価 ニンテンドウパワー版 : 2000円(税別)
パッケージ版 : 4200円(税別)
バーチャルコンソール版(Wii、WiiU) : 823円(税込)
■公式サイト ≫SFC版 / ≫VC版(Wii)/ ≫VC版(WiiU)
▼Information
■プレイ人数 1人
■セーブデータ数 3つ(※バッテリーバックアップ:リチウム電池形式)
■SFメモリ消費数 Fブロック:4 Bブロック:4
■推定クリア時間 1時間〜1時間半(エンディング目的)、20〜30時間(完全攻略目的)
ポップスターが寝静まった頃。
夜空を見ていたデデデ大王は凄い速さで飛んでいるきらきら星を見つけた。
きらきら星が欲しくなったデデデ大王は、大砲で星を攻撃。
攻撃されたきらきら星は『かけら』となり、ポップスターのあちこちに散らばってしまった。

飛べなくなったきらきら星こと星くんは、カービィの上に落ちて来た。
『ほしのかけら』を集めないと、星くんは空に帰る事ができない。
カービィは星くんを助ける為、一緒に『ほしのかけら』集めに乗り出すのだった。
▼Points Check
--- Good Point ---
◆ゲームボーイ版と変わらぬ、星集めという『回収』をテーマとした独自色の強いゲームルール
◆同じくゲームボーイ版から変わらぬ、連鎖の組み易さ(ほぼ直感で大連鎖を引き起こせてしまう)
◆連鎖の組み易さと見た目の爽快感が異彩を放つ独自のシステム『チェイン』
◆待望の新ゲームモード、CPU対戦モードこと『おはなし』(通常の『VS』モードにもCPU対戦のオプションが追加され、シングルプレイの部分が大幅に強化!)
◆通信ケーブルともう一台のゲームボーイ本体が不要になった事で、敷居が劇的に下がった対戦モード『VS』(更に選べるプレイヤーキャラクターも倍増している)
◆据え置き機移行で縦に長くなり、更なる大連鎖が組めるようになったパズルフィールド
◆最大6人までの詳細な記録が残せるようになるなど、大幅に拡張されたセーブデータ
◆携帯機特有の手軽さは薄れてしまったが、相変わらずハマると長時間に渡ってプレイしてしまう圧倒的な中毒性と極め甲斐の深さが異彩を放つゲームモード『チャレンジ』
◆圧倒的なボリュームと練られたステージ構成が光るゲームモード『ラウンドクリア』
◆基本、十字キーとABボタンのみのゲームボーイ版から継承された快適且つ、手軽な操作性
◆敷居の低さとは裏腹のシビアな側面を持ったゲームバランス
◆シングルプレイの幅が広がった事で、より遊び応え十分な内容へと進化を遂げた総計ボリューム
◆色鉛筆で描かれたかのような独自色溢れるデザイン、緻密なドット絵が光るグラフィック
◆軽快で耳に残る音楽(特に新規曲のデデデ大王のテーマは要チェック!)
◆対戦時に画面中央で展開される殴り合いなど、シュールで見応えのある演出周り(ちなみにゲームボーイ版には無かったエンディングのスタッフロールが今作では収録されている)
◆特別な難易度、謎の挑戦キャラクターなど、盛り沢山の隠し要素、特典の数々

--- Bad Point ---
◆相変わらずの低年齢層を過剰に意識した表現の数々(ただ、ゲームボーイ版よりは少しマシ)
◆背景パターンが一つに固定され、単調さが増してしまった『ラウンドクリア』(おまけに収録ステージ総数もゲームボーイ版から僅かに減少してしまっている)
◆ラウンドクリア終盤の運要素が強く絡んでくるステージの存在
◆キャラクターの崩壊描写が目立ちがちな『おはなし』での台詞回し(特にメタナイト)
◆救済処置にしても、やや過剰な感が否めない『おはなし』でのセーブ機能
◆ブロックサイズの縮小化(ゲームボーイ版の視点で見ると、そんな風に見えてしまう…)
▼Review ≪Last Update : 11/16/2014≫
パズルの裏で繰り広げられる、壮絶な格闘戦。

そのステッキは殴打用だったのか…。


1997年にゲームボーイ用ソフトとして発売された、カービィシリーズ初のアクションパズルゲーム『カービィのきらきらきっず』をスーパーファミコン向けにリメイクした作品。開発はゲームボーイ版と同様、HAL研究所と『ヨッシーのクッキー』等に携わった任天堂開発一部が担当。

シングルプレイを強化し、より遊び応えのある内容へと進化した珠玉のリメイク作だ。

基本的なゲーム内容はリメイクという事で、オリジナルであるゲームボーイ版『カービィのきらきらきっず』と変わらない。落ちモノタイプのアクションパズルゲームで、画面上部から落下してくるブロックを積み重ね、同じ種類のブロックを二個以上揃えて消していくというものだ。『星ブロック』なる特殊なブロックを同じ種類のブロックで挟んで消し、星を集めていくという基本ルール、連鎖発生による星降らし、同じ種類の二つのブロックの隙間に連鎖で降らせた星が落下する事で連鎖判定となる『チェイン』と言ったシステム周りも(当たり前だが)ゲームボーイ版からそのまま継承。それらをベースに、スーパーファミコンならではのアレンジ、ゲームボーイ版では実装されなかった要素を盛り込んだ内容に仕上げられている。
まず第一に、ゲームボーイ版から変わったものの一つとして挙げられるのは、グラフィックと解像度。正直、最も分かり易い変化ではあるが、白黒のゲームボーイからカラーのスーパーファミコンへと移ったという事で、全面的に描き直されている。ただ、グラフィックは極めて独特なものになっており、ゲームボーイ版は初代『星のカービィ』や『カービィのピンボール』と言った、同じゲームボーイで展開されてきたシリーズ作に倣った作風だったのに対し、このスーパーファミコン版はパステル調の絵本らしさ溢れる個性的なものへと一新されている。後発の作品だが、『星のカービィ3』でも採用されていたグラフィックというと、同作を遊んだ事のあるプレイヤーはピンと来るだろう。あくまでもその作風が出ているのは背景周りで、ブロックやキャラクターのドット絵等は従来の作風に近いものになっているのだが、さながらクレヨンか色鉛筆を用いて描かれたような独特のデザインは見応え十分な上、スーパーファミコンの性能をフルに生かしたとも言える見事な仕上がり。ゲームボーイ版は如何にもカービィな見た目だったが、今作はこのような工夫が凝らされた事により、単に見るだけでも楽しいグラフィックへと進歩を遂げている。
また、解像度に関しても携帯ゲーム機から据え置き機へ移行したという事で、パズル本編のメインフィールドも拡大。ゲームボーイ版では縦方向に最大で9個のブロックが積み上げられたが、今作では12個までブロックを積み上げられるようになっている。ブロックを積み上げられる数が増えたのに伴い、当然ながらゲームボーイ版を超越する大連鎖を組むのも可能になり、やり方がによっては怒涛の星降らしが画面いっぱいに展開されるなんて事も。そのダイナミックな光景は、まさに据え置き機さまさまと言った感じだ。ただ、フィールドが広がったのに伴い、ゲームバランスにも多少調整が入っており、ブロックの落下速度が速くなるまでの間隔が僅かに短くなっていたり、『ラウンドクリア』のゲームモードでは初期配置の量が増えて見た目な意味でプレッシャーをかけてくるようになるなど、ゲームボーイ版と同じ感覚で遊ぶとしっぺ返しを喰らう場面も幾つか。広がった事による恩恵のみならず、それ故の手厳しさも多少ながら反映させた仕上がりになっている。ちなみに解像度向上に伴い、対戦モードに関しても今回、1画面にプレイヤー側と相手側の二つのフィールドが表示できるようになるなど、据え置き機に移行したなりの恩恵を得た仕上がりになっている。そして、この解像度変化に伴い、ゲームモードにも劇的且つ、待望の要素が追加されている。
それが第二として挙げられるゲームボーイ版には無かった要素、CPU対戦モードの実装だ!今作のゲームモードは基本、ゲームボーイ版と共通していて、『ラウンドクリア』、『チャレンジ』、『タイムアタック』、『VS(※ゲームボーイ版における『たいせん』)』の四つは引き続き収録されている。ここに更に一つ、今作初の要素として『おはなし』が追加された。その内容は名前の通り。ストーリーに沿って、様々なキャラクター達と対戦していくというものだ。昨今の対戦型パズルゲームにおいては、定番中の定番とも言えるゲームモードにして、ゲームボーイ版に無かったのが惜しまれたCPUとの対戦モードが遂に追加されたのだ。しかもこれだけでなく、先に紹介した『VS』にもCPU対戦のオプションが追加されており、一人でも手軽に対戦を楽しめるようになっている。これにより、ゲームボーイ版では実質、三つしかなかったシングルプレイ用のゲームモードが五つまでに拡大。よりやり込み甲斐のある内容へと進化を遂げている。基本、ゲームボーイ版で『ラウンドクリア』ぐらいしか攻略色の強いモードが無かったのを考えると、今回の拡大が如何に圧倒的なものなのかは想像に難くないだろう。なお、『おはなし』の詳細に関してはこれと言って特筆すべきところはない。他の対戦型パズルゲームと同様、一本道のストーリーに沿って行く先々で現れるキャラクター達との対戦を繰り返していくだけの内容だ。しかし、途中セーブが可能で一度対戦した相手との再戦が可能、ゲームオーバーにならず一回の勝負で勝利すると『パーフェクトスター』なる勲章が手に入るなど、この手のゲームモードにしては少し珍しい要素も幾つか。登場するキャラクターもゲームボーイ版にも登場したデデデ大王、ワドルディ以外にポピーブロスJr.、コックカワサキ、メタナイトと言ったキャラクターが新たに参戦しているほか、『VS』でもこれらのキャラクターを使っての対戦が楽しめるようになっている。また、対戦はゲームボーイ版と同様、連鎖を組み上げる事により、相手側のフィールドがそれに応じて競り上がっていく仕組みになっているのだが、これにまつわる演出にも変化が加わり、画面中央でカービィ達が殴り合うというシュールな構図が描かれるようになっている。可愛らしいキャラクターが殴り合いを展開する様はシリーズファンなら色んな意味でショッキング。そんな如何にもカービィらしい、何でもありな演出面が強化されているのも、今作の大きな見所の一つと言える。
この他、細かい所でもセーブデータがゲームボーイ版の1つから6つにまで拡張され、それぞれ個別の記録が残せるようになったほか、記録を残さずプレイするゲスト機能が実装されるなど、システム周りにおいても改善が図られている。
全体的にはまさに完全版というに相応しい内容。特にシングルプレイの幅が広がったのは、ゲームボーイ版に物足りなさを感じていたプレイヤーにとってはまさに待望とも言え、それに伴い、ボリュームとやり込み甲斐も劇的にパワーアップしている。その内容たるや、最初からこちらを出した方が良かったのではないのかと突っ込みたくなるほどの充実ぶり。『カービィのきらきらきっず』、ここに完成したりと言わんばかりの仕上がりとなっている。

例によって、今作最大の魅力はゲームボーイ版から更に充実したゲームモードとシングルプレイ強化に伴うボリューム、やり込みの幅の拡大に集約される。
逆に言うと、今作はそれ位しか特筆すべきところが無く、残りの魅力に関してはゲームボーイ版と共通してしまっている為、これと言って語るべきところが無い。三種類に絞り込まれたブロック、消滅条件、チェインシステムの要素が醸し出す連鎖の組み易さと圧倒的な爽快感は何も変わってなく、スーパーファミコンへと移行したのに伴い、その辺の印象が一変したというような変化は一切なし。ゲームボーイ版から継承された各種ゲームモードの魅力もそのまま。一度、パターンにハマれば何時間にも渡ってプレイし続けてしまう驚異的な中毒性を特色とする『チャレンジ』、全部で100近くという大ボリュームの『ラウンドクリア』など、スーパーファミコンへと移行した後もその魅力は健在である。『タイムアタック』の抜きん出た魅力とやり込み甲斐の弱さに欠ける所もまた然り。さすがにそこに関しては、もう少し手を加えて良かったんじゃないのかと突っ込みたくなるところがあるが。
そんな具合に今作は、リメイクとしての作りに徹しており、既にゲームボーイ版のレビューで『カービィのきらきらきっず』というゲームの魅力を記載してしまっている身としては、改めてこのスーパーファミコン版でそれを語るのも気が引ける。なので、このゲームのどんな所が魅力的なのかに関しては、ゲームボーイ版のレビューを参照して頂きたく思う。
ただ、ゲームとしてはどちらがお薦めかというと、こちらに軍配が上がる感じだ。その理由は言うまでも無く、強化されたシステム周りとシングルプレイ面の充実にある。特にシングルプレイは繰り返しになるが、CPUとの対戦モードたる『おはなし』が追加されたのが大きい。『おはなし』自体のボリュームはそれほどではなく、CPUの強さを変更できる難易度選択機能が無い、オートセーブ機能が実装されているので途中からの再開が容易など、比較的アッサリとした内容だ。しかし、連鎖を組み易いというゲームの特性上、CPU側が積極的に連鎖を仕掛けてくるなど、基本の難易度はやや高め。終盤の方になると、もうプレイヤーか相手側のどちらが先に詰むかのギリギリ過ぎる駆け引きが展開されるので、アッサリとした内容とは裏腹にやり応え、充実感は結構なものになっている。加えて先も紹介したが、一度もゲームオーバーにならず勝利する事で『パーフェクトスター』なる勲章が手に入り、これを全て集める事で更なる強敵と戦える特典も用意されている。そして、その強敵との対決に勝利した先にも試練が用意されているのだが、それに関してはネタバレになるので割愛。一見、セーブ機能の実装や難易度選択機能の非搭載な所で、おまけ程度に足しました的な雰囲気があるが、その実態に関してはゲームボーイ版を遊び込んだプレイヤーのみならず、パズル好きのユーザーも唸るような出来。それ以前に初心者なら火傷すら負いかねないような側面もあるなど、なかなかに侮り難いゲームモードに仕上げられている。特に終盤におけるギリギリ過ぎる駆け引きは緊張感抜群なので、要チェック。逆に言うと、そういうのがある為にパズルゲーム初心者には厳しいところがあるだが、元々、連鎖が組み易いゲームデザインが成されているのもあり、初期配置次第で強敵を瞬殺できてしまうなんて奇跡も起き易くなっている。その調整は如何なものかと言いたくなる所もあるが、そう言った余地がある辺りは、さすが初心者でも連鎖が組み易いパズルゲームと言ったところ。大雑把なようでシビアなゲーム性とバランスは、このモードが実装されていなかったゲームボーイ版では味わえないものがあるので、必見だ。
また、既存のモードの出来栄えと進化具合も申し分ない。特に『VS』において、通信ケーブルともう一台のゲームボーイ本体を用意する必要が無くなったのは、まさに据え置き機さまさま。使用キャラクターの充実、CPU対戦オプション追加に伴う二人プレイ限定モードとしての仕様撤廃も嬉しいところで、二人でプレイしないと対戦プレイの仕組みや面白さが味わえなかったゲームボーイ版と比べ、どちらが良心的であるかは言うまでもないだろう。
もう一つ、『ラウンドクリア』にしても、元々ステージ総数100面の大ボリュームの内容で、今作でも全く路線を変えずに継承しているのでやり応えは何一つ変わらず。『チャレンジ』にしても、一度パターンにハマると延々と遊び続けてしまう中毒性の高さは健在で、今作においても危険なモードである事に変化はない。
ただ、いつでも何処でも遊べた点を考慮すると、今作の『チャレンジ』はやや手軽さに欠けたところがある。また、『ラウンドクリア』にしてもボリュームが減少してしまっている。それに加え、ゲームボーイ版では難易度ごとに異なる背景が用意されていたが、今作は何と全難易度一種類のみに。更に最後の星を手に入れた際の演出も弱くなってしまっており、明らかにゲームボーイ版より劣化した箇所が目立つのが厳しいところだ。特に背景が一種類に限定された点は大きな疑問符が付く箇所。只でさえ、淡々とした展開の多いこのモードで何故、変化を演出する要素を取っ払ってしまったのか。ゲームボーイ版のラウンドクリアがその内容とは裏腹に淡々とした所が抑えられてたのはその配慮も効いていたというのに、この変更にはガッカリせざるを得ない。容量的な都合もあったのかもしれないが、願わくば一つ一つ、難易度ごとに変化する背景を用意して欲しかったところだ。
そう劣化した箇所もあるが、内容面の充実さは圧倒的にこちらが上。主にシングルプレイを求めるプレイヤーなら、迷わずこちらを選べと自信を持って言える内容となっている。とは言え、基本的なゲームの面白さはゲームボーイ版共に共通しているので、最終的にはそれぞれの判断による。手軽さを求めるか、シングルプレイの充実を求めるか。もし、後者を求めるというのならば是非、今作を選んでほしいと思うばかりだ。対戦を含めた様々なルールを満喫したいと思う方もまた然り。それほど、こちらの内容面の充実はかなりのもの。完全版というのも伊達じゃない仕上がりなのだ。

この他、操作性もゲームボーイ版で完成されていたものを継承。遊び方を一から教えてくれるチュートリアルも継続して搭載且つ、メニューのレイアウトと構成を改め、ゲームモードから独立した箇所に配置するなど、細かい調整も図られている。特にメニュー画面は、各種ゲームモードがアイコンで表示されるようになって視認性が向上し、より使い勝手の良いものへと進化を遂げているのが見事。アイコンのデザインも可愛らしいものになっているので必見だ。
簡単に連鎖を組めるが故の細かなバランス調整、レベルデザインの工夫を凝らした組み方にしてもゲームボーイ版から継承。ただ、後者に関しては先のラウンドクリアにおいて、背景パターンを一種類に削減させるという残念な改悪を施してしまっているが故、若干、飽き易さが出てしまっているのは残念なところ。それ以外に関しては特に目立った欠点も無く、解像度を高めたなりの調整が加わっているなど、妥協の無い作り込みが反映された仕上がりだ。
グラフィックの質の高さに関しては既に語った通りなので言うまでも無く。音楽に関しても、さすがにスーパーファミコンへと移行したというだけあって全体的にパワーアップしている。新曲も幾つか収録されており、特に『おはなし』のラストで登場するデデデ大王との戦いで流れる曲は珠玉の出来!曲自体は過去のシリーズに収録されていたデデデ大王のテーマのアレンジなのだが、そのアレンジ具合が実に爽快でカッコイイものになっている。冗談抜きに、大王のテーマ曲としては歴代最高とも言えるアレンジと言っても良いほど。この曲を聴く為に今作をプレイしても決して後悔はしないほど、インパクト十分なものになっているので要チェックだ。

演出面もラウンドクリアなど、やや劣化した箇所はあれど、対戦プレイ時に展開されるカービィ達の殴り合い、質の高い一枚絵で展開される『おはなし』のデモシーンなど、全体的にはパワーアップしている。特にゲームボーイ版では無かった、スタッフロール付きのエンディングが存在するのは大きな進化点の一つと言えるだろう。ストーリーも、如何にもカービィらしい内容ながら、登場キャラクター達の妙な存在感など、そこそこインパクト溢れるものになっている。特にメタナイトの描写に関しては必見…というか、人によってはストーリーを描いたスタッフに対して怒りが爆発するかもしれない。また、今回もゲームボーイ版と同様、子供っぽい描写が露骨で、その点も人によっては癪に障るかもしれない。
幾つかゲームボーイ版よりも劣る部分はあるが、それでもアクションパズルゲームとしての完成度の高さは何ら変わらず。新規に追加された要素も元のゲームの良さを引き立てると同時に、いずれも「これさえあればゲームボーイ版も…!」と勿体なく感じてしまうぐらいに魅力的なものになっている。面白さはそのままに、シングルプレイとゲームモードの増強で、より一層魅力的なパズルゲームへと進化を遂げた今作。カービィシリーズファンは勿論の事、スーパーファミコンをお持ちの方ならば是非、プレイしてみて頂きたい珠玉の逸品だ。ニンテンドーパワーの書き換え専用タイトルにして、パッケージ版も中古市場でもなかなかお目にかかれない一本だが、2014年現在はWii及びWiiUのバーチャルコンソールで配信されているので、入手も容易。更なるパワーアップを遂げたきらきらきっずの凄味をお試しあれ。お薦めです。
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