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≫がんばれゴエモンきらきら道中 〜僕がダンサーになった理由〜
■発売元 コナミ(現:コナミデジタルエンタテインメント)
■ジャンル アクション
■CERO A(全年齢対象)
■定価 9800円(税別)
▼Information
■プレイ人数 1〜2人
■セーブデータ数 3つ(※バッテリーバックアップ:リチウム電池形式)
■総説明書ページ数 ニンテンドウパワー版所持の為、不明
■推定クリア時間 4〜5時間(エンディング目的)、10〜12時間(完全攻略目的)
ゴエモン達は物知り爺さん、98歳の誕生日パーティに招待された。
その最中、来客として、ゴエモン・インパクトが爺さんの家へと訪問。
自分の意志で動くインパクトの姿に驚くゴエモン達を他所に、インパクトは自分が『インパクト星』なる惑星出身のインパクト星人であり、その故郷が『ハラキリ・セップク丸』なる悪のスポーツマン率いる侵略者軍団に襲撃されている為、里帰りしなければならない事を全員に告げた。

だが、仲間のピンチに黙っていられないゴエモン達は、インパクトと共に旅立つ事を決意。かくして侵略者から仲間の故郷を救う為、ゴエモン達はインパクト星へと旅立つのであった…。
▼Points Check
--- Good Point ---
◆二作目の横スクロール型アクションゲームへと原点回帰を果たしたゲームデザイン
◆前作とは少し仕様変更されつつも、特技や操作感など、それぞれの個性を丁寧に表現したゴエモンを始めとする四人のプレイヤーキャラクター達
◆これまでとは打って変わって、ミニゲーム主体で展開される奇抜な作りの巨大ボス戦
◆『真剣白刃取り』に『ふすまクイズ』など、ぶっ飛び過ぎにも程がある巨大ボス戦用のミニゲーム(特にラスボス戦のミニゲームの馬鹿馬鹿しさはもはや芸術レベル)
◆巨大ボス戦のミニゲームが自由にプレイでき、且つ最大四人までの対戦とスコアアタック等の多種多様な遊びが楽しめる、見所満載の新モード『遊技場』
◆ぶっ飛んだギミックと著作権ギリギリなネタ数々でヒヤヒヤさせる、シリーズ屈指の悪乗りと入念な作り込みが炸裂したステージ構成(ロケーションもぶっ飛びまくり)
◆イベント攻略方式に改められて、前々作以上にゲーム性、存在感共に増した街ステージ
◆前作よりも量は落ちたが、高い密度とやり込み要素の数々で魅せるボリューム
◆前二作で完成された軽快なレスポンスと適切なボタン配置が光る操作性
◆前作からの使い回しながら、エフェクト周りの大幅な強化が図られたグラフィック
◆シリーズ史上最高の完成度を誇る、名曲揃いの音楽
◆前作から継承された質感、重量感抜群の効果音
◆スーパーファミコンの更なる限界に挑戦した、大迫力の演出周り(拡大・縮小・回転機能をフル活用した巨大ボス戦、大爆発シーンはまさにその真骨頂!)
◆抱腹絶倒間違いなしのエンディングとゲームオーバー画面

--- Bad Point ---
◆何故かしゃがみ攻撃で出現する野球ボールを叩き、それで敵を倒さないと出現しないようになった『小判』(これにより、小判集めがやり難くなっている)
◆前二作の路線とアクションゲーム好きには賛否が分かれるミニゲームによる巨大ボス戦
◆巨大ボス戦における連打要求場面の多さ(しかも、相当激しいものを要求される)
◆理不尽な所こそ無いが、全体的にアクションゲーム初心者には苛烈なゲームバランス
◆アクションゲーム初心者ならば挫折しかねない難しさを誇る、ゴエモンの『チェーンキセル』によるワイヤーアクションパート(特に終盤の『スノーウォール』なるステージ)
◆前々作同様にクリアすると再プレイ不可となる城ステージ&ボス戦
◆前作とは別方向に激しいキャラクターの格差(今回はゴエモンとエビス丸が露骨)
◆終盤における不可解なレベルデザイン(と言うよりは、ストーリーが明確に描写されていない所為で、経緯が分からないシチュエーションのステージが幾つか登場する)
▼Review ≪Last Update : 12/13/2015≫
これは、後の大スターが誕生するまでの軌跡を追った物語である。

なお、感動要素は欠片もございません。


アクションアドベンチャーゲームへとジャンルを刷新し、それまでのプレイヤーを様々な意味で驚かさせた『がんばれゴエモン3 獅子重禄兵衛のからくり卍固め』の続編にして、スーパーファミコン向けゴエモンシリーズ第四作目。

シリーズ屈指のアクション性と著作権ギリギリのネタで魅せる、暴走しまくりの傑作だ。

基本的なゲーム内容は前作のアクションアドベンチャーから、前々作のステージクリア型の横スクロールアクションゲームへと回帰。ゴエモンを始めとする仲間達を操作し、惑星インパクトを襲撃してきたハラキリ・セップク丸なる侵略者を打倒すべく、周辺の惑星に散らばる敵の基地を攻略し、バリアに覆われたインパクト本星を目指すというものになっている。
システム周りや本編の流れに関しても前々作を踏襲。しかし、『銀の招き猫』によるメインウェポンのパワーアップ、キャラクターセレクトシステムは継承せず。前作の要素でも『からくりウォーカー』による3Dスクロールステージは継承されず、前々作にもあったゴエモン・インパクトに搭乗してプレイする強制スクロールステージ、巨大ボス戦の二つも廃止された。逆に第四のプレイヤーキャラクターである『ヤエ』、キャラクターチェンジシステム、ひょうたんシステム、術システム、第二のメインウェポン、街エリアのイベントと言ったものは継承。更にグラフィックに関しても、これまでのシリーズは作品ごとにデザインを変更していたが、今作では前作ベースのものを流用したものになっている。言うなれば、これまでの三作の総まとめとも言える作り。ベースは前々作だが、初代や前作の要素を盛り込むなど、これまでのシリーズで好評を博した要素を良い所取りして構築した内容になっている。
そして、新システムも多数。まず第一に惑星セレクトシステムと惑星ごとのキャラクターの割り当て。今作では、ゲーム開始の時点で四つの惑星(エリア)の好きな所から始められるという、カプコンのロックマンシリーズを髣髴とさせるシステムが取り入れられ、比較的自由なステージ攻略が楽しめるようになった。ただ、各エリアの流れは前々作と同じで、エリア最後の『拠点ステージ』の攻略とそこで待ち受けるボスの打倒を目指すのが最終目的となる。また、ステージの種別も前々作を踏襲しており、『道中ステージ』、『町ステージ』、そして『拠点ステージ』の三種類が用意された構成となっている。極端に言えば、前々作とロックマンシリーズの自由度を重ね合わせたかのような作り。入り組んだ構成と自由度の高さを特色としたシステムとなっている。
また、このシステムに併せて新たな縛りも設けられた。それが惑星ごとのキャラクターの割り当て。砂漠の惑星『クバーサ』はゴエモン、森林の惑星『フォレス』はエビス丸、氷の惑星『スーイア』はサスケ、水の惑星『アクアン』はヤエと言った具合に惑星ごとに使うプレイヤーキャラクターが固定され、そのキャラクターだけを使って各惑星を攻略する仕組みになったのである。その為、今回は好きなキャラクターで個々の惑星のステージを攻略する事が実質不可能。前作とは対照的な攻略が求められる作りへと改められているのだ。また、これに併せて各惑星に用意されたステージもキャラクター固有の能力を反映させたレベルデザインを実施。ヤエで攻略するアクアンは水中ステージが大半を占めるなど、そのキャラクターの特技を活かすステージが敷き詰められている。こう言った作りもあって、今回はキャラクターごとの能力と特色を活かしたテクニックが前作以上に求められてくる作りに。まさに前作以上にキャラクターの個性を描くというコンセプトが顕著に現れたものになっている。なお、四つの惑星を全て攻略すると前作のキャラクターチェンジシステムが解禁。以降、別のキャラクターで他の惑星がプレイできるようにもなる。そして、違うキャラクターでプレイする事で新たな道が開いたり、特殊なアイテムが手に入ると言った発見があったりも。そんな探索要素も今回は大幅に強化されており、ベースとなった前々作以上に遊び応えのある内容へと進歩している。ある意味、前作のアドべチャー的な要素を前々作に落とし込んだ格好。まさに集大成らしいシステムとなっている。
そして、更なる新システムとしてボス戦。先の通り、前々作と前作にあった巨大ボス戦は今回で廃止。代わりとして、巨大からくりメカ戦闘ステージなる新たなステージが用意された。一応、ゴエモン・インパクトに搭乗して相手のからくりメカと戦う仕組みこそ同じなのだが、注目はその戦闘内容。何と、ミニゲーム!ロボット同士の格闘戦ではなく、特殊なミニゲームに挑戦し、それを攻略しながら相手のからくりメカにダメージを与えていくという、あまりにも奇抜なものになっているのである。ミニゲームでボス戦という事で、ナムコの『ワギャンランド』シリーズが脳裏を過ぎるプレイヤーも居るかもしれないが、今作のミニゲームは全体的に戦闘重視の作り。しかし、その内容というのがカオス!大気圏外からバンジージャンプし、刀を構えてインパクトを真っ二つにしようと迫ってくるボスに白刃取りを決め、武器の刀を折って大気圏外に吹っ飛ばす『バンジー真剣白刃取り』、障子のふすまを高速スピードで抜けていく謎の物体を言い当てて相手にパンチ攻撃をしていく『ふすまのぞきクイズ合戦』、シャッターを制御しながらゴールを目指す『からくりサバイバルレース』、落ちモノパズルゲーム『超対戦ぱずるだま』と、ツッコミ所しかないものばかり。そんな頭のネジが外れているとしか思えないミニゲームで、プレイヤーは相手の巨大からくりメカとの戦闘を演じていかねばならないのだ。正直、前作までの戦闘に慣れていたプレイヤーなら困惑必至。しかも、ゲームによってはミスすら許されない慎重なプレイも求められたりなど、難易度も高めに設定されている。だが、ボス戦としての雰囲気は十分で、特に真剣白刃取りは文字通り、真剣になってプレイしてしまう強烈な訴求力を持つ。また、これ以外にもボス戦用ミニゲームがあり、それもまた突っ込み所満載且つ、ゴエモンシリーズ史上きっての壮大過ぎる内容。プレイヤーを更に困惑させること必至のものになっている。更にボス戦で勝利したミニゲームは『遊技場』なるモードで自由に遊ぶ事も可能。しかも、別売のマルチタップとコントローラがあれば、最大四人まで遊べてしまうという無茶苦茶っぷりである。ミニゲームでボス戦、マルチプレイまで可能と、これが如何に異様な新要素なのかはもう、お察しの通り。製作スタッフは暴走したのか、と不安になってしまうようなものへと一新されているのだ。ある意味、今作の化けっぷりを象徴する部分。そして、どうして今作が『4』と名乗らず『きらきら道中』と名乗っているのか、それを納得させる代物になっている。先のキャラクター分けも結構、大きな変更点だが、こっちは更に上。もう、プレイすれば誰もが「これが、あのゴエモンなのか…?」と半信半疑になってしまうだろう。
他にも『町ステージ』の構成が強化され、イベント要素濃い目の内容になると言った進化も。また、改善が図られた所もあり、偏りが激しかった術システムはヤエとサスケのみに適用され、ゴエモンとエビス丸には特殊装備という形でのアクションに改められ、使い勝手などの面において改善が図られている。ベースこそ前々作だが、その中身は3の路線を踏襲しつつ、アクションゲームで描かれる仲間の存在というものを描く事に徹した作り。加えて、ボス戦を無茶苦茶なスタイルに改める等、シリーズきっての悪乗りが炸裂。まさに集大成にして、これまでカオスな世界観を構築してきたシリーズの総決算を飾るに相応しい暴走っぷり。そして、これまでのプレイヤーを様々な意味で翻弄させる続編になっているのだ。

そんな今作の魅力は、シリーズ史上最高クラスのネタ要素の数々である。これまでのシリーズでも、前々作の『和食城』、前作の『からくり温泉』と言ったぶっ飛んだ地形が登場してはプレイヤーを驚かせてきたが、今回はその密度がいつになく濃い。はっきり言って、著作権ギリギリにも程があると言わんばかりに凄いものになっているのだ。
例によって、そのネタが炸裂しているのは『拠点ステージ』なのだが、もう何処も彼処も危ないネタのオンパレード。ゴエモンでプレイする『クバーサ』では『巨●の星』の星●雄馬と思しき敵キャラクターが剛速球を投げてきたり、それを乗り越えた後には星●徹のような親父が空中に現れて、ちゃぶ台をひっくり返して攻撃を仕掛けてきたりなど、おいそれ、大丈夫なのかとヒヤヒヤするようなネタが。更にサスケでプレイする『スーイア』に至っては、『あ●たのジ●ー』的なシチュエーションで中ボス戦が展開される…と思ったら、その後に『ス●リートフ●イターII』のガ●ルとリ●ウのような敵が現れて、ソニ●クブームやパ●ーゲ●ザーで襲い掛かってくるという展開が。そして、ヤエの『アクアン』は無難な水中ステージ…と思わせて突如、FPS(ファーストパーソンシューター)の始祖『D●OM』の銃が画面手前からの3D攻撃を仕掛けてくるピンチに見舞われたり…などなど。もう、「アウト―!」と言わざるを得ないネタが次々とプレイヤーの前に立ちはばかっては抱腹絶倒の渦に巻き込んでくるのである。勿論、これは数あるネタの一部で、エビス丸の『フォレス』に至っては拠点以外のステージで巨大からくりメカのシンクロナイズドスイミングを潜り抜けていくという斜め上の発想が炸裂したり、あるステージではコミックボンボンでゴエモンの漫画を描いていた某漫画家との対決と言った衝撃的な展開が繰り広げられる。そうして頑張って辿り着いた先で行われる、真剣白刃取りやらふすまクイズと言った珍妙なボス戦。まさにスタッフ大暴走、酔った勢いで作ったのかとしか思えない酷過ぎる(※絶賛)ラインナップとなっているのだ。こんなネタが何処も彼処も炸裂するので、レベルデザインの起伏の激しさもシリーズ屈指!正直、プレイヤーを飽きさせる場面は皆無と言わんばかりに鬼気迫る作り込み、ギリギリ過ぎるネタに物怖じしない姿勢が炸裂した仕上がりになっている。その完成度の高さたるや、プレイヤーの誰もが「正真正銘の馬鹿だろ、このスタッフ…」と笑いながら突っ込んでしまうこと請け合い。とんでもなく鮮烈なものになっているのである。
それでいて、アクションゲームとしてのツボを抑えた作りになっているのが見事。特に今回はキャラクターの個性を活かすコンセプトがどのステージの構成に余す事無く反映されていて、今、使っているプレイヤーならではのアクションというものをじっくり堪能できる仕上がりになっている。ゴエモンであれば第二武器の『チェーンキセル』を使ったワイヤーアクション、エビス丸なら『バレリーナドリル』…ドレスでは無く、正真正銘の”ドリル”を用いての掘削アクションなど、このキャラクターだからこそだよなと納得の手応えが得られる丁寧な地形構成には、これまでのシリーズで個性豊かなステージを作り上げてきた製作スタッフの手腕の高さとプレイヤーに対するサービス精神の旺盛さがよく現れている。また、今回は地球とは異なる惑星が舞台という事で、これまでのシリーズに無い新しいロケーションが多数登場するのも大きな見所。更に敵のモチーフがスポーツという事で、それにちなんだギミックが多数仕込まれているのも必見だ。先は主にネタ要素を中心に紹介したが、それら以外にもスキー、スカイダイビング(?)、剣道、ゲートボールと言ったありとあらゆるスポーツネタがゴエモン流にアレンジされて登場する。そのアレンジの仕方もまた、良い意味でスタッフのおバカっぷりが炸裂。ひたすら笑いを取りに来るその製作スタンスには、さすがは関西の会社が作っているだけにある説得力の高さとずば抜けたセンスの高さを感じさせられるかもしれない。
ただ、あまりにネタの面白さを追求し過ぎたせいか、アクションゲームとしての難易度が跳ね上がってしまっているのがタマにキズ。特にゴエモンの『チェーンキセル』を用いて突破していくステージは、その手のワイヤーアクションに不慣れなプレイヤーには詰みポイントに等しい難しさになってしまっている。また、拠点ステージもネタが盛り沢山とは言え、今回は前半・中盤・後半の三部構成になっている為、一つ一つが長い。シビアなジャンプが要求されたり、一発死に繋がるトラップが頻発するなど、根気よく挑まないとクリアするのが困難な作りになってしまったのは、ちょっとシリーズ作品としての悪い所が現れてしまった印象が否めない。そして、巨大からくりメカ戦闘ステージことミニゲームも、一部、激しいボタン連打が要求されるものがあるのが難点。それこそ、高橋名人の16連射に少し近いレベルのものを要求されるので、苦手な人には相当応えるものになってしまっている。そう言ったプレイヤーに配慮して、連打量を抑えるなり、救済アイテムを用意するなりすべきだろうに、そう言ったものが一切用意されてないのが残念だ。こういう所は本当、悪い意味でスタッフが暴走した結果と言わざるを得ない。
しかし、やりたい事をやり通してシリーズ過去最大レベルのハチャメチャな展開を作り出し、プレイヤーを最後の最後まで楽しませる作りに仕立て上げている所はさすがの一言で、アクションゲームとしてのツボを徹底的に抑え、磨き上げる姿勢には職人の魂が溢れている。著作権ギリギリなネタに物怖じせず、入れるだけ入れ込んで強烈な印象を残すものを作り出し、ボス戦もぶっ飛んだものに仕立て上げたその内容は、まさに魂の結晶というに相応しい完成度。粗削りな所もあるが、シリーズ史上最高の挑戦に挑んだとも言えるその仕上がりを拝むだけでも、今作をプレイする価値が十分にあるというのは言うまでもない。少し経験者向け且つ、ネタ的に玄人向けな所もありはするけど、ゲームとしての完成度は本物。シリーズ総決算に相応しい意気込み、そして惑星インパクトが舞台だけにあるインパクトが盛り沢山なのである。

暴走しまくりなスタンスはストーリーと演出周りにも表れている。ストーリーに関してはもう、初っ端からして強烈。前々作から登場したゴエモン・インパクトが実は宇宙人で、その母星が切腹を究極のスポーツだと思い込んでいるスポーツマンに狙われているから撃退しに行くというだけでも笑える。本編でも、敵の幹部が切腹を止めたがっていたり、その理由が信じられないものだったりと、衝撃(笑撃)の展開の連続。そんな展開が繰り広げられた末に辿り着くエンディング。単刀直入に言おう。爆笑必至。プレイヤーの思いを全て代弁するかの如き台詞とリアクションには、笑わずにはいられなくなるだろう。そして、そのエンディングでは今作のサブタイトルの意味も回収される。一体、それがどういうものなのかは是非、自分の眼でお確かめ頂きたい。その素晴らしい回収劇には思わず涙が…全く別の意味で出てしまうだろう。
その他、操作周りも前作ベースのものを継承しており、キーレスポンスやボタン配置共に良好な仕上がりとなっている。ただ、先の連打系の導入によって(物理的に)苦痛を感じ易くなってしまっているのが難点。また、ジャンプの挙動が少し重くなっており、ややシビアな操作が求められ易くなっている所も前作までの経験者なら賛否が分かれるかもしれない。
グラフィックは基本的に前作の流用だが、容量の増大に伴ってイベントシーン、演出周りが豪華になるなど、大幅なパワーアップを遂げている。特にエフェクト周りは、スーパーファミコンの数あるアクションゲームの中でも最高クラスの完成度。それに併せて演出周りも凄い事になっており、ド派手なビジュアルのオンパレード。拡大・縮小・回転の「そこまでやるか!」と言わんばかりの使いこなしっぷりはもはや、スーパーファミコンというハードを完全に掌握したと言っても過言では無い凄まじさ。特にボス戦全般はもの凄い事になっているので必見だ。また、効果音も前作のものを流用しているだけあって、爆発系の音の迫力は申し分無し。先の通り、今回はエフェクト全般も強化されているので、もはや花火大会レベル。ラスボス撃破時の爆発とか、とんでもなくやかましいものになっているので必見だ。

音楽もシリーズ最高レベルの完成度。ステージごとに用意された固有曲が増える等、そのボリュームもかなりのものになっている。特に『セセラギタウン』、『フォレス城』、『アクアンタワー』の三曲の出来はピカイチ。『アクアンタワー』に至っては、歴代シリーズ全体で見ても上位に来る名曲となっているので一聴の価値あり。また、『クバーサ』の拠点の星●雄馬と星●徹が出てくるシーンの曲も色んな意味で要チェック。今作の真髄を思い知るかもしれない。
その他、前作では未収録に終わった往年のコナミシューティングゲームの収録も今作にて復活。予想だにしないタイトルが選ばれており、往年のユーザーを大いに喚起させる。また、今回からボイスも本格的に実装。ステージ開始時など、至る所で喋りまくるキャラクター達にもまた、今作の演出周りに対する驚異的なこだわりを痛感させられるだろう。
全体的なアクション周りの高難易度かと激しい連打を要求されるミニゲームの存在が厄介なほか、二人同時プレイもライフを取り合う不便な仕様になってしまった為、状況によっては喧嘩を発生させかねないものになるなど、少し劣化を遂げた箇所もあるが、それを霞めるぐらいに本編におけるネタの多彩さとアクションゲームとしての完成度、演出周りの成熟ぶりが際立つ仕上がり。シリーズ集大成を名乗るにも相応しい、圧倒的な密度と御笑いでプレイヤーを翻弄させまくる内容となっている。やや癖のある作りにはなったが、これまでのシリーズで継承されてきた高い完成度は健在どころか、更にぶっ飛んだものに到達してしまっている今作。
シリーズ経験者は勿論のこと、アクションゲーム好きならば要プレイの傑作だ。謎めいたサブタイトルの真相をその目で確認すべし。お薦めの逸品である…が、笑い過ぎに注意されたし。
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