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≫ロックマン11 運命の歯車!!


■発売元:カプコン / ■ジャンル:アクション / ■CERO:A(全年齢対象) /
■定価:4990円(税別)、4990円(税込:ダウンロード版)

◆公式サイト / ストアページリンク(ダウンロード版) ※他機種版含む
≫ロックマン11 運命の歯車!!(カプコン公式サイト)
≫Nintendo Switch|ダウンロード購入|ロックマン11 運命の歯車!!(マイニンテンドーストア:商品&購入ページ)
≫PlayStation 4版:ロックマン11 運命の歯車!!(PlayStation Store:商品&購入ページ)
≫Xbox One版:ロックマン11 運命の歯車!!(Microsoft Store)
≫PC(Windows)版:ロックマン11 運命の歯車!!(Steam)
▼Information
■プレイ人数:1人 / ■セーブデータ数:8つ(※ユーザーごとに作成可) / ■必要容量:2.1GB(ダウンロード版) /
■対応機器:Nintendo Switch Proコントローラー / ■備考:amiibo対応、オンラインランキング対応 /
■推定クリア時間:3~4時間(エンディング目的)、45~60時間(完全攻略目的)


数十年前、ローバート工科大学電子工学科でロボット研究に取り組む学生二人が方針を巡って対立。
トーマス・ライトはロボットに心を持たせる思考回路の研究を、アルバート・W・ワイリーは全てのロボットがヒーローとして人々から慕われ、認められるための力を誇示する「ダブルギアシステム」の研究を提示した。
だが、学会はライトの研究を全面的に支持し、これを承認。
ワイリーの研究は危険と見なされ、凍結されるに至った。

そして現代。様々な出来事を経て、世界征服を目論む悪の科学者として名を馳せたワイリーは、学生時代にライトと対立した頃の夢を見る。それを機に「ダブルギアシステム」のことを思い出した彼は、装置の開発を急ぎ再開する。
そして、ライトの研究所でロボット八体の定期診断が行われる日。

……運命の歯車が回り始める。
▼Points Check
--- Good Point ---
◆「いつも通りのロックマン」を厳守した安定感のあるゲームデザイン
◆窮地の打開に役立つのみならず、攻略の多様化を演出する「ダブルギアシステム」
◆久しぶりに基本アクションへの復帰を果たした「チャージショット」と「スライディング」
◆チャージショットに新規に加わった「ガードブレイク」(防御姿勢の敵を崩せるように!)
◆シリーズ屈指の使い勝手の良さを誇る、全八種類の「特殊武器」
◆ダブルギアシステム導入の関係で仕掛けなどが激しくなるも、特殊武器やギアシステムの活用によって驚くほど簡単になる「答え」が用意された、完成度の高さと練り込みの深さが光るステージ構成
◆クリア状況に限らず、いつでも離脱可能になったステージ脱出機能(新規に用意されたシステムメニュー経由で、好きなタイミングでセレクト画面に戻れる!素潜りプレイに対応!)
◆ギアによる苛烈な攻撃ターンが加わるなど、いつになく派手さとやり応えが増したボス戦
◆換金アイテムが溜めやすくなり、より恩恵にあずかりやすくなったアイテム購入システム
◆様々な答えが用意されたステージ、アイテム購入システムの使い勝手向上によってもたらされた、シリーズ最高の柔軟性と練り込み具合を誇る芸術的なゲームバランス
◆それぞれ特徴的な調整が施された四種類の難易度(特に「ニューカマー」の気軽さは秀逸)
◆文字通り”痒い所に手が届く”を見事に表現したインターフェース周り(特に右スティックによる武器チェンジ)
◆一周短めながらやり込み要素満載で、十分な密度を擁しているボリューム
◆ワンボタンスライディング、オート連射を始めとする多くの設定が用意されたオプション
◆軽やかな挙動とレスポンスの良さが光る操作性(驚くほどキビキビ動いてくれる)
◆背景とキャラクターに明暗を付け、抜群の視認性を実現した3DCGによるグラフィック
◆シリーズ伝統のメロディアスな楽曲満載の音楽
◆新たに消去オプションも設けられるなどの配慮も整ったボイス演出(出演声優陣は総入れ替え)
◆ライトとワイリーの対立という、シリーズの根幹を掘り下げる”エモさ”を秘めたストーリー
◆(とてもいい意味で)闇の深い難易度でまとめられたクリア後専用チャレンジ「Dr.ライトシミュレーション」
◆真面目さとユーモアが混ざった、センス溢れる解説テキストが素敵な「ギャラリー」

--- Bad Point ---
◆過去作にも増して長く構成されたステージ(特に8ボスステージ。初回だと10分以上かかる)
◆全ステージに登場するだけでなく、強さもそこそこな中ボス(特殊武器を突けば一瞬で倒せる)
◆ギアシステムの関係で、全体的に反射神経を極度に要求される局面が多いステージ構成(だが、本編においてギアの使用を強制するような場面は一切ない。全ステージ、全ボス戦がギア無しで攻略可能)
◆基本操作を学ぶチュートリアル周りの不足(&オープニングステージの廃止)
◆ゲーム開始時にデフォルトで設定された難易度(事実上の「ハード」に当たる「オリジナルスペック」にカーソルが合ってしまっている。初見時は「アドバンスド」以前推奨。)
◆妙に不親切なセーブ機能(ステージセレクト画面で実施画面に移行しないと行えない上、ステージクリア時にセーブを促す場面がない。このせいでオートセーブと勘違いしやすい)
◆やり込みを除けば物足りなさは否めない本編のボリューム
◆何故か後半にかけて尻つぼみになっていくワイリーステージ(どこかで見たような……)
◆数は多いが、全体的に上級者向けばかりな「チャレンジ」
◆デフォルト音量設定による音楽の聴こえにくさ(プレイ時は必ずここをいじることを薦める)
▼Review ≪Last Update : 8/4/2019≫
「これを組み込めば、全てのロボットがヒーローとなるのだ!」

今、封じられた禁断のシステムが数十年の時を経て復活する。



1987年にファミリーコンピュータ用ゲームソフトとして発売され、数多くの続編、派生作品が作られるなど、名実共にカプコンの代表的タイトルとなった『ロックマン』の第11作目。ロックマン生誕30周年記念作品にして、前作『ロックマン10 宇宙からの脅威!!』から8年のブランクを経て発売された新作でもある。制作はカプコン大阪スタジオ、ナンバリングシリーズでは『ロックマン8 メタルヒーローズ』以来の内製である。(※番外編込みだと『ロックマンロックマン』以来)

ロックマンの核にして原点「答えのあるアクションゲーム」を突き詰めた、珠玉の傑作だ。

今作も過去の10作同様、基本的な内容はステージクリア方式で進む横スクロールアクションゲームだ。全8体のボスが待ち構えるステージを自由に選んで攻略し、お馴染みの宿敵「Dr.ワイリー」が目論む世界征服の野望阻止を目指す。ボスを倒すたびに彼らが使っていた攻撃を主人公のロックマンが使えるようになる「特殊武器」、それを適切なボスに対して使うことで決定的なダメージを与えられる「相性」(じゃんけん要素)、それを突くか突かないかで大きく上下する独特の難易度は変わらず健在。『ロックマン3 Dr.ワイリーの最期!?』より常連である犬のサポートキャラクター「ラッシュ」、ゲームボーイの『ロックマンワールド4』で初登場以降、『ロックマン7 宿命の対決!』から本編にも導入された、換金アイテム「ネジ」を消費してサポートアイテムを購入するシステムも続投している。
また、前作と前々作『ロックマン9 野望の復活!!』では、もう一人のプレイヤーキャラクター「ブルース」専用のアクションとされていた強力な溜め攻撃こと「チャージショット」、身を屈めて狭い通路を潜り抜ける「スライディング」の二つがロックマンの基本アクションとして復活。前者に関しては敵の防御姿勢を崩す「ガードブレイク」なる、『ロックマンX8』の「クラッキング」を由来とした新要素も追加され、よりアグレッシブな立ち回りが可能になっている。
そして、さらなる新要素(システム)として導入されたのが「ダブルギアシステム」である。いわゆるロックマンを一時的に強化させる機能で、超加速状態にして周囲の動きを遅くする「スピードギア」、通常攻撃の「ロックバスター」から特殊武器を含む全てを大幅強化する「パワーギア」の二種類が使えるようになった。一時的の通りに専用のゲージが満タンに達してしまうとオーバーヒート状態となり、クールダウンまでの間、いずれのギアも使えなくなる仕組みだ。また、ロックマンの体力が半分以下になるとスピード、パワー両方を発動させる強力な「ダブルギア」が発動可能に。この時に限り、チャージショットも「ファイナルチャージショット」なる高火力の攻撃となり、主にボス戦では起死回生の一手として効果を振るってくれる。このシステムが導入されたことで、過去作にも増して多彩で戦術的な攻略が実施できるようになった。関連してステージにもギアの使用を促す場面が随所に設けられ、起伏の激しい構成へと一新。ボスも各種ギアを用いた強力な攻撃を繰り出してくるようになった。とは言え、あくまでも促す程度で、無くても突破可能に作られている。だが、相当な反射神経と仕掛けの特徴を把握しているのが前提と、初見での攻略は非常に厳しい調整だ。今回のオープニングにおいて、ライト博士が忠告する「ダブルギアシステム無くしてワイリーには立ち向かえない」を尊重した設計だ。ある種、シリーズとしては珍しい(むしろ初めて?)ストーリー性が込められたレベルデザインになっている。
他に難易度選択機能も前作より続投。シリーズ初心者向けの「ニューカマー」から上級者向け「エキスパート」の計四種類が選べるようになった。また、前作と前々作は、ファミコンの新作ロックマンをコンセプトにグラフィック、サウンド共に懐かしの8ビットスタイルとしていたが、今回は現行路線へと回帰。『ロックマンロックマン』とは少し作風の異なる最新の3DCGと、豪華になった音楽と効果音をバックに楽しめるようになっている。ボイス演出が復活しているのも一つの見所だ。
総じて映像、音響面の強化から新システムの導入など、現行路線ならではの進化を突き詰めている。だが、根っ子はいつものロックマン。8年ぶりの新作、シリーズ再起動(及び新たなる一歩)を目的に作られた新作だけにある”いつもの面白さ”、これからのシリーズを踏まえた新しさの双方を堪能できる新作に完成されている。

そんな今作最大の魅力はロックマンの核にして原点、「答えのあるアクションゲーム」を徹底的に突き詰めた作りだ。特にそれを象徴するのが今回より新たに加わった「ダブルギアシステム」。正攻法で攻めるか、便利な能力を駆使して危険を抑えるか。この二択による攻略を実施できるようになったことにより、いつになく自由で、柔軟性の高いステージ攻略が楽しめるようになった。システム導入と合わせて起伏を激しくしたステージの構成も理に適っているだけでなく、それによって派手な展開が画面いっぱいに繰り広げられるようになったのにも、現行路線ならではの進化が如実に現れている。何より、絶対にギアを使わなければダメという場面が一つもないのが見事だ。明らかにダメだと思う場面ですら、使わず突破可能な余地が設けられている。起伏が激しい関係で、いつになく俊敏な行動と反射神経が求められるなど、難易度は高めだが、このようにシステムの使用を強要しない作りは素晴らしいの一言。プレイヤー各々が「答えを探し出す」という、ロックマンの核を大事にする作り込みが光る仕上がりになっている。
だが、それ以上に「答えを探し出す」面白さに満ちているのが「特殊武器」。シリーズお馴染みの要素だが、今回は総じて使い勝手に優れた武器が多く、ボス戦だけに留まらず、ステージ道中の攻略でも活躍してくれる。そして、これを使うことで今回はありとあらゆる難所を簡単にできてしまう。一定のタイミングで電流が流れるトラップ地帯を全て破壊して無効化する、天井と地上にトゲが敷き詰められた場所にあるリフトを強引に突破する、仕掛けに先んじてこちらからトラップを発動させるなどなど。使うか使わないかで、派手に難易度が変わるのだ。ステージ中盤に登場する中ボスも最たる象徴。素のロックマンで戦うと長期戦になる一方、特殊武器で戦うと、僅か数発撃ち込むだけで倒せてしまう。特殊武器の威力を底上げする「パワーギア」の効果を付与すれば、1~2発程度、時間にしてたった2~3秒の内に決着可能。強敵がただの障害物も同然になるのだ。そうも極端な違いが現れるので、今回はそれぞれの場面に適した武器を見つけ、活用していくのが非常に楽しい。そして、打開策を発見した時の快感が桁違い。以降のプレイスタイルにも劇的な違いが現れ、今まで苦戦していた場面が180度一変する、まさに「答えを見つけた」嬉しさを味わえるのである。
基本的にロックマンの「特殊武器」は、ボス戦にて使うのが推奨される印象があり、使用制限の関係からステージ攻略では極力使わない……主にどうしても必要な場面に限って使う傾向があった。実際、そんな場面を多く用意したシリーズ作も過去にあったほどだ。しかし、元々ロックマンはプレイヤーが適切な答えを見つけ出し、ボス戦も含む難所を潜り抜けていく遊びをコンセプトに作られたアクションゲームであるということを、シリーズ生みの親で元カプコンのプランナー・A.K氏は『ロックマンマニアックス(※ウェッジホールディングス、復刊ドットコム:刊)』の漫画家・有賀ヒトシ氏との対談で語られている。ボス戦だけではなく、ステージ攻略でも使って最良の一手を探して欲しい。そんな意図を込め、氏が制作を指揮した初代『ロックマン』と『ロックマン2 Dr.ワイリーの謎』は作られたという。実際に後者では、そのことを匂わす場面が幾つもあり、使ってみることで難易度が劇的に変わる展開を楽しめた。
その「答えのあるアクションゲーム」を今作は既存の要素と新システムを組み合わせて、作り上げてしまっている。それでいて、見つけた時に非常に大きく、プレイヤーにもメリットを与える結果が返ってくる。難しい場面が優しくなる変化を味わえるように作られているのだ。これだけでも今作がいかに大きなことを成し遂げた新作なのかが分かるだろう。ロックマンの核にして原点を徹底的に突き詰めているのだ!しかも、特筆すべきは今回の制作スタッフ達。過去のシリーズに携わった経験のない(※派生作はある)、新しいメンバーがこれをやってのけてしまっているのである。一部、旧作に関与した人物もいるようだが、主要メンバーはロックマンエグゼシリーズ、『ミッキーのマジカルアドベンチャー』シリーズに携わった方々。このロックマンシリーズに関わった経験は無いに等しい。でありながら、元々の核を突き詰めたロックマンを作った。これを奇跡と言わずとして何と言おうか。実に驚くべき快挙だ。
もちろん、全てが完璧に出来ている訳でもない。今回は8ステージが全体的に長めに構成されており、初見プレイ時は攻略に費やす時間が長くなりがち、簡単にできる「答え」はあっても総じてステージ上の仕掛けは苛烈など、一考の余地があったのではと思える箇所が幾つかある。中ボスも総じて手ごわいのに加え、全ステージに登場するのが厄介。一箇所ぐらい居ない所があっても良かったのではと思うほどだ。しかし、それも特殊武器で楽々と倒せる「答え」を用意し、簡単に打開できる余地を設けるなど、徹底して理不尽さを抑え込んでいる。むしろ、シリーズもう一つの伝統、確かな上達を実感できるものにまとめられている。それも今回は、答えの存在もあってとても派手に出る。「上手くなった!」「簡単にできるようになった!」という気持ちよさを存分に味わえるのだ。
お約束を守りつつ、新しさも混ぜ、かつて目指した形を突き詰める。それらを高いレベルで実現させているだけでも、今作は極めて大きな評価に値するし、制作スタッフの努力には大きな拍手を送るしかない。よくぞこうも立派なロックマンを作ってくださいましたの一言だ。シリーズの原点と核を提示した初代とその続編の思想を継いだ新作が30周年の記念すべき年に作られ、ロックマンというアクションゲームの核と原点が再定義された。本当にこれは快挙だ。2011年のニンテンドー3DS向け某作品の開発中止を機に、氷河期に陥っていたシリーズに勢いを取り戻したとも言うべき復活。シリーズを追いかけてきた人、再始動を願っていた人の琴線を刺激する仕上がりなのだ。

魅力はまだ沢山ある。一つに操作性。挙動の軽やかさもさることながら、サポートキャラクター「ラッシュ」の呼び出しがワンボタンで行えるようになったのは大きい。おかげで、いちいちメニュー画面から呼び出す必要もなく使える。さらに特殊武器のボタン選択にも新たに右スティック操作を追加。指定の方向に倒すことで、直に武器を切り替えられるようになった。この操作の導入も、今回における特殊武器の使い勝手向上に貢献している。地味なところで、武器を選ぶ際にロックマンの周囲に八つの武器アイコンが表示されるのだが、それがステージセレクト画面のボスの表示位置に即したものになっているのも素晴らしい。このおかげで、それぞれの武器とボスの関係性を思い浮かべながら直感的に選択できる。
二つ目に当たるインターフェースは今回、ステージ攻略完了・未完了を問わず、専用アイテム無しでいつでも離脱可能になったのも嬉しい改善点。おかげでどんなステージかを下見する「素潜り攻略」が実践できるようになった。今までが挑んだらゲームオーバーになるまで後戻り不可だったので、この優しさ溢れる仕様はとても沁みる。他にオプションではオート連射、ワンボタンによるスライディングを可能にする機能も用意。音響面でも音楽、効果音、ボイスの音量を細かく設定できるようになっている。特にボイスの音量設定はシリーズ初で、「ロックマンにボイスなんて要らない」という昔ながらのスタイルで遊びたいプレイヤーに応える選択肢を用意したのは、地味ながらも高く評価できるところだ。
何より評価すべきは、前作と前々作で旧態依然だったこれらが一気に現代基準にされたこと。この快適な手触りと共にいつものロックマンを楽しめる嬉しさたるや。過去作に慣れたプレイヤーなら、戻りにくくなるだろう。
また、三つ目の現行路線に戻されたグラフィックと音楽も素晴らしい出来だ。グラフィックはキャラクターと背景のコントラストの設定が絶妙で、派手な場面でもキャラクターを見失うことがない視認性の高さを実現している。モデリングやデザインも素晴らしく、どのステージもストーリー性を感じさせるまとめ方をしているのが見事だ。そんなグラフィックと共に奏でられる音楽もこれぞロックマンな印象深い楽曲が揃っている。ただ、デフォルトの音量設定に問題があり、効果音やボイスにかき消されやすい。このため、初めて今作をプレイするに当たっては必ずこの設定をいじることを推奨する。
さらに先に触れたがボイスも復活し、キャラクター達がバリバリと喋る。声優陣は過去作から一新され、ロックマン役には『アイドルマスター シンデレラガールズ』の渋谷凛役などで知られる福原綾香を起用。凛々しさと熱さを秘めた新しいロックマンを見せてくれる。脇を固めるキャストにもロール役に井口裕香、ライト博士&ライトット役に飛田展男、ラッシュにはアニメ版『ロックマンエグゼ』で火野ケンイチを演じた小西克幸と言った実力派を起用(※ちなみに小西氏はボスの一人、トーチマンも担当)。そして、過去作において故・青野武のハマりすぎな演技が光ってたワイリーも梅津秀行へと変更。青野氏のコミカルさを踏襲しつつ、狡猾さとカッコよさを加えた新しい”梅津ワイリー”を見せてくれるので要注目だ。ロックマンエグゼシリーズを知る人にとっては、アニメ版でワイリーマニアのキャラクター(ガウス・マグネッツ)を演じてられていた御方が本物のワイリーになってしまったという、ニクすぎる起用になっているのも要注目である(笑)。

ストーリーもシリーズの根幹たるライトとワイリーの対立に改めて着目し、掘り下げるという過去のシリーズを全く知らないプレイヤーも楽しめる内容にまとまっている。デモイベントは少なめだが、要点を的確に突く台詞回しが素晴らしく、特に若き日のワイリーがロボットへの思いを語るシーンは、未来を描いた派生作『ロックマンX』、『ロックマンゼロ』のストーリーにさらなる深みを与える印象的な仕上がりになっている。システム側の特徴も自然に組み込まれており、中でもボス戦はワイリーがいかに危険な技術を用いて挑んできているのかを実感させられる演出面の派手さが大変に見事だ。
他に今回はアイテム購入システムも改善。ネジが簡単に溜まるようになり、その恩恵にあずかりやすくなった。全体のボリュームも本編は一周に3~4時間程度といつも通りの物量だが、特殊な条件下でのステージ攻略に挑むオンラインランキング対応の「チャレンジ」、クリア後専用の「Dr.ライトシミュレーション」、「実績」などのやり込み要素が充実しており、極めようとすれば倍以上の時間楽しめる。ただ、「チャレンジ」が用意されているのがタイトル画面のメニュー最下部の「スペシャル」と、やや見落とされやすい位置づけにされているのは気になる。似たようなところでは、難易度選択機能もデフォルト設定が「オリジナルスペック」になっているのも疑問。同難易度は事実上のハードモードに当たる難しさだからだ。二番目の「アドバンスド」がデフォルトに適しているのに、どうしてそちらを選んでしまったのか。結果的に初心者、一定の腕前を持つシリーズ経験者を貶める罠になってしまってるのは残念だ。もう少々、手加減いただきたかった。
少し厳しいことも書いたが、本作は純然たるロックマンの新作。そして、シリーズ屈指のゲームバランスと「答え」を探す楽しさを強みとする傑作に完成されている。ロックマンとはいかなる特徴を持ったアクションゲームなのか。それは「答え」を見つけ、色んな打開策を探っていくことにある。そんなシリーズの核にして原点を存分に味わえる今作。シリーズ経験者はもちろん、初めてロックマンに触れる人にも入門編としてお薦めできる逸品中の逸品だ。
刮目して、見よ!これが新たなる一歩を踏み出したロックマンだ!
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