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≫さわるメイド・イン・ワリオ
■発売元 任天堂
■開発元 インテリジェントシステムズ
■ジャンル さわる瞬間アクション
■CERO A(全年齢対象)
■定価 5040円(税込)
■公式サイト ≫こちら
▼Information
■プレイ人数 1人
■セーブデータ数 1つ(※フラッシュメモリバックアップ)
■総説明書ページ数 36ページ
■推定クリア時間 1〜2時間(エンディング目的)、10〜12時間(完全攻略目的)
思わず調子に乗って、ゲーム機を二つも買ってしまったワリオ。
その帰り道、うっかりそのゲーム機をマンホールに落としてしまった。
すると、変なおじいさんがワリオの前に登場!
1画面のゲーム機か、それとも2画面のゲーム機かと聞いてきたが、ワリオはそれを無視して、2つのゲーム機を強奪。
そして、強奪したゲーム機の内、片方の2画面の方に、ワリオは強い関心を示した…。

「またしても、金儲けのチャンス到来だ!」
▼Points Check
--- Good Point ---
◆タッチペン操作の導入により、更に分かり易く、快適になった操作性
◆一回のプレイが短く、時間潰し等に打って付けのお手軽さ
◆くだらなさとニンテンドーDSのハード特性を十分に活かした、完全新作の全180種類のプチゲーム
◆おばあちゃんの人生相談、キッチンタイマーなど役に立つものから変なものまで、盛り沢山の『ごちゃルーム』の玩具
◆ゲーム図鑑の完成から玩具の収集など、充実したやり込み要素の数々
◆誰でも気軽に楽しめるように調整された、絶妙かつ易しめのゲームバランス
◆プチゲームのくだらなさとゲームプレイを大いに盛り上げる、秀逸な音楽(&洗脳ソング)
◆個性的且つ、やたらと濃い登場キャラクター達(一部、狙い過ぎな所もあるが)
◆古参ユーザーには感涙モノの『ナインボルト』のプチゲーム群
◆派手さはないが、一度勢いに乗るとと止められなくなるサブゲーム
◆ショッキングなプチゲーム『さよなら』(図鑑で見れるこれの解説文にとんでもないコメントが…)

--- Bad Point ---
◆ニンテンドーDSの操作デモと化しているプチゲームが若干、多い(しかも、そういうのに限って、面白味に欠けている)
◆ステージ開始前のデモが長過ぎる(過去最大…?もっと短く出来なかったのか)
◆ちょっと、過剰に狙い過ぎている感じのあるキャラクターデザイン(特にモナ)
◆マイクを使うプチゲームは、外出先でのプレイに向かない(言わずもがな…)
◆相変わらず一部、直感的に判断するのが難しいプチゲームが存在する
◆賛否両論の総ボリューム(飽き性の方には向かない…)
▼Review ≪Last Update : 1/6/2007≫
マンホールに仙人は普通、住まないもの。

しかし、このダイアモンドシティには住んでる…。


シンプルで分かり易い操作性と、ハイレベルでくだらないギャグセンス、次々と画面に現れる『プチゲーム』をクリアしていくという斬新なゲームシステム等で好評を博した、瞬間アクション『メイド・イン・ワリオ』のシリーズ最新作。

ニンテンドーDSで実現できる新しい操作とは?そして、実現可能なアイディアとは?
それを一通り表して見せた、所謂、デモソフト的な作品である。

ゲーム内容は、これまでのメイド・イン・ワリオシリーズと同じ、延々と繰り返される5秒で終了するプチゲームを、次々とクリアしていくものとなっている。
全体的なゲームの流れは、アクションゲームのようなステージクリアタイプ。色々なキャラクターごとのステージをクリアしていきながら、ゲームを進めていく事となる。本作では、ニンテンドーDSにプラットフォームを変更したという事もあり、ゲーム中で行なわれる操作は全て、タッチペンによるものに限定された(一部、マイクあり)。その為、これまでのシリーズ以上に直感的な操作によるプレイが体験できるようになっている。
例えば、タッチペンをスライドさせて物を横に動かしたり、突っついたり、文字を書いたり、そして野菜をぶった切ったりなどと。いずれの操作も、説明書を読む事も無くすんなりと覚えられる、というよりも実現できるものばかり。小さな子供からご年配の方まで、幅広い年代層の方に安心して楽しめるほど、敷居が低くなっている。

肝心の5秒で終わるプチゲームは、全て本作用に作られた新作。ジャンルは、前作に当たるGBAの『まわる〜』と同じく、操作に直結したものがメインとなっており、例えば「短いタッチ」や「長いタッチ」、「つまんでタッチ」という感じとなっている。勿論、今回もいずれのジャンルは、各キャラクターごとに振り分けられている。
しかし、当のプチゲームに関しては種類が過去のシリーズよりも大幅に少なくなった。その数は180種類。十分あるじゃないかと思う方がいるかもしれないが、過去のシリーズでは200種類以上ものプチゲームが存在したのだ。
その事を踏まえると、ちょっと今回パワーダウンしたと言わざるを得ない。
また、このシリーズ屈指の「くだらなさ」とギャグセンスも、プチゲームの数の低下に伴って、どうも薄いものとなってしまっている。一部は笑える事は笑えるのだが(『バイバイ』のプチゲームなど)、どうもインパクトが弱い。恐らく、その原因は…今回のプチゲームに幾つか、過去のものが流用されている事、そしてほとんどDSの操作デモと化してしまっている一部のプチゲームにあると思う。特に、デモソフトの如く作られたプチゲームの面白味の薄さは致命的だ。例として『トイレットペーパー』のプチゲームや『野菜斬り』のゲーム等があるのだが、いずれも演出面でかなりインパクトに欠ける。一応、前者は「資源を大切に」みたいなメッセージが表示されたりはするのだが…。
まぁ、シリーズ経験者には不満足かもしれないが、シリーズ未経験者の方は、これらのゲームから醸し出される独特の雰囲気に思わず笑ってしまう事、間違いなしだろう。そういう意味では、及第点の出来には達していると言える。

「何で、トイレットペーパーの紙を巻き取らなきゃならないの?」
「理由など、考えるだけ無駄です。」

なお、シリーズ恒例、任天堂の懐かしいゲームをモチーフとしたプチゲームは今作にも収録されている。ただ正直、今回のラインナップはインパクトに欠けるかもしれない…。何故かに関しては、実際にプレイしてみれば分かる…。
また、練習プレイとハイスコアを目指したやり込みプレイが楽しめる『図鑑』モード、おまけのミニゲームも健在。プチゲームを集めて図鑑を埋めていく楽しさ、一つ一つのプチゲームを極めていく面白さは今作でも健在だ。

意外に注目しがちな音楽は、今回もやっぱり、お約束で歌が収録されている。しかも、やたら強烈、まさに洗脳ソングと言っても過言ではない凄さだ(笑)。その他の音楽の出来に関しても、なかなか。『まわる〜』と同じメンバーが担当していると言う事もあってか、実にゲームミュージックらしい印象的な曲が沢山揃っている。
おまけ要素も充実している。今回は『ごちゃルーム』という形で、様々な玩具が楽しめるおまけが常備されているのだが(なお、玩具はゲームをやり込んでいく事で増えていく)、これが実に面白い。特に、おばあちゃんの玩具とキッチンタイマーの玩具は秀逸だ。前者は、可愛らしいボイスがある意味殺人的(笑)。後者は、後のTouch!Generationsシリーズへの布石が詰まっている。実際の料理でも使えるので試してみる価値はある。
この他にも、ワリオペイントなるものがあったりと、変なセンスがあちこちで炸裂。
ある意味、今回はプチゲームよりも、こっちの方が強烈かもしれない…。

『まわる〜』の悪い所でもあった、子供っぽさと変に狙った感のあるキャラクターは今作でも健在で、悪乗りし過ぎているイメージは相変わらず。特に、シリーズ皆勤キャラであるモナが、かなり一部の層に受けそうなキャラと化してしまっているのは何とも…。もうちょっと、この辺のノリは抑えるべきだと思う。
何はともあれ、総評して、ニンテンドーDSのデモソフト的な味が濃い本作だが、一応、ゲームとしての完成度は及第点に達している。今までのシリーズよりもインパクトこそ欠けるが、今作も小さな子供から大きな大人まで、幅広い年齢層のユーザーの方々にお薦めできる逸品だ。是非、ニンテンドーDSを所持している方は、この独特の世界観とギャグセンス、そしてシンプルで気持ちの良い、タッチペンによる操作を味わってみて欲しい。
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