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≫ピンキーストリート キラキラ☆ミュージックナイト
■発売元 ディンプル
■開発元 ヒューネックス
■ジャンル きせかえTouch!Live!
■CERO A(全年齢対象)
■定価 4800円(税別) / イービルフィギュア付き限定版:6300円(税込)
■公式サイト ≫セガ:商品ページ
▼Information
■プレイ人数 1〜2人
■セーブデータ数 1つ(※フラッシュメモリバックアップ)
■その他 DSワイヤレスプレイ&ダウンロードプレイ対応
■総説明書ページ数 25ページ
■推定クリア時間 5時間〜6時間(エンディング目的)、50〜70時間(完全攻略目的)
音楽とオシャレの街、『レインボーシティ』。
この街に住む女の子達は、みんなダンスとオシャレが大好き。
ストリートには、色々な個性を持った女の子達で溢れている。

以前、ライバルのプッチに負け、一人たそがれていたイービル。
そんな彼女は夢の中でアンジュと出会い、ふと気が付く。

昼のレンボーシティはプッチがナンバーワン。
では、夜は?

これだ!…と飛び上がったイービルは、夜のダンスクィーンを目指すと宣言。
こうして、夜のレインボーシティでイービルの挑戦が始まったのだった…。
▼Points Check
--- Good Point ---
◆イベントは横持ち、ダンスバトルは縦持ちのニンテンドーDSのハード特性をフルに活かしたゲームデザイン&画面構成
◆前作同様、タッチペンオンリー、メニュー周りはボタン操作対応の快適な操作性
◆アイテム管理画面、キーレスポンスも含め、大幅に快適になったインターフェース全般(更に新規に入手したアイテムに「NEW」の表示が付くようになった)
◆クリア済エリアにサインが付く様になり、より進行状況が分かり易くなったマップ画面
◆前作譲りの完璧プレイを求めずとも挽回可能に調整された、懐の広いゲームバランス
◆前作と同様、自由なダンスが踊れ、尚且つバトルの評価にも繋がる革新的な試みが成された『フリーダンスシステム』
◆高ランクチャレンジのやり込みには心強い『リトライ機能』の搭載(前作の欠点が改善)
◆全300種類、内100種類が新作に差し替えられた、集め甲斐満点の着せ替えアイテム
◆コアユーザーも度肝を抜く手応えが堪能できる、新たな難易度『むずかしい』
◆前作と変わらず、高ランク狙いのやり込みが熱い『ランクシステム』
◆新たな難易度の追加で、更に極め甲斐が増したやり込み要素
◆新ジャンルを4種追加で総計11種類となり、更に彩り豊かになった楽曲ジャンル
◆楽曲ジャンルの増強で更に彩り豊かになった、名曲揃いの楽曲群
◆相変わらず、無駄に気合いの入った出来のグラフィック(特に3Dモデル全般)
◆驚くほど仰々しいリアクションを披露する、3Dモデルのキャラクター達
◆絶妙に緩く、それでいて楽しげな雰囲気に秀でたストーリー&キャラクター設定
◆スピーディになったオープニングのメーカーロゴ(地味に嬉しい改善点)

--- Bad Point ---
◆乏しい真新しさ(無難な続編、アッパーバージョンに終始してしまっている)
◆前作最大の売り『演歌』が廃止され、僅かにインパクトが落ちた楽曲ジャンル
◆新ジャンル『オペラ』の特徴の弱さ(正直、クラシックと全く変わりが無い…)
◆相変わらず、やや運に左右され易いダンスバトルの結果
◆前作と同様、やや遅い感が否めないイベントスキップの速度
◆前作と変わらず、煩わしいキャンセル操作がタマにキズな着せ替え画面のインターフェース(Bボタン二回押しで出れるようにした方が良い気が)
◆主人公交代で僅かに改善されたが、人によっては萎え易いボイス演出
◆完全に女性向けの世界観&ストーリー(※それでも、遊ぶ価値はある!)
▼Review ≪Last Update : 3/21/2010≫
猫の出番も増えました。

そこまで進化させるか…。


VANCE PROJECT(バンスプロジェクト)によるドールフィギュア『ピンキーストリート』を題材とした、音楽ゲーム『ピンキーストリート キラキラ☆ミュージックアワー』の続編。開発は前作に引き続き、ヒューネックスが担当。

前作の魅力はそのままに、細かい部分が大きく改善された続編だ。

内容は前作と同じ。対戦型のダンスゲーム(音楽ゲーム)で、指定のリズムに沿ってタッチペン操作を行い、相手より上手いダンスが踊れれば勝ちというルールのゲームだ。
基本的な本編の進行形式、フリーダンスが勝敗に影響する間口の広いゲームバランス、着せ替えシステムと言ったものも踏襲。ダンスバトルだけ縦持ちスタイルに持ち変える独特の画面構成、タッチペンによる直感的な操作性もそのままで、前作と変わらぬ忙しさと手応えを引き継いでいる。ただ、前作から新たに追加された要素、システムなどは皆無で、全体的には前作のアッパーバージョン的なものに落ち着いている。要は変化に乏しいので、前作から更に踏み込んだ新鮮な内容を求めてプレイすると、若干の肩透かしを喰らうかもしれない。
そんな新要素は乏しいとは言え、一応続編。システム面の改善などは豊富に執り行われている。まず第一にこの手のゲームの命とも言える音楽。収録曲全てが新曲となり、前作とはまるで違うダンスの醍醐味が味わえるようになった。しかも、前作からの流用は一曲も無し。これだけでも、今作の本気度が伝わって来る。勿論、単に全てが新曲になっただけではない。曲のジャンル数も増えており、新しいジャンルも追加されている。代表的なものとしてはカントリーロック、オペラなど。また、前作にあったジャンルも一部が廃止され、新しいジャンルに切り替えられている。その廃止されたジャンルの一つが、実は前作の音楽で異彩を放っていた「演歌」。よりにもよって、最もインパクトのある曲を引き継がぬとは…と、前作プレイヤーなら不満を感じるかもしれないが、この代わりにセットされたジャンルは、それに負けず劣らずの存在感を放っている。何が代わりにセットされたのかはプレイしてのお楽しみ。きっと、良い意味で裏切られるだろう。
そして、言うまでも無く曲単品の出来も今回は前作に負けず劣らずの出来栄え。作曲メンバーは前作と変えられているが、相変わらずの昔ながらのゲームミュージックらしい楽曲の数々には熱い思いがこみ上げてくるだろう。そんな感じにやや大きな変更はあれど、完成度は前作以上の水準を維持。前作の魅力を上手く引き継いで進化した仕上がりとなっている。全てが新曲ゆえ、今回がシリーズ初体験となるプレイヤーにも楽しめる作りになっているのも、良い感じだ。相変わらずの気合いの入りっぷりとなっている。
そして第二として、システム周りも細かい部分が改善。特に大きいのは今作からリトライ機能が実装された事だろう。おかげで、前作では苦痛だった高ランクチャレンジが気軽に楽しめるようになった。やり直したくても最後までやり通さないあのもどかしさを経験したプレイヤーなら、感涙モノの改善点と言えるだろう。
更に着せ替えシステムも、新規入手の着せ替えアイテムにNEWサインが表示される改善が図られ、収集のプレイアビリティがグッと良くなった。これもまた、収集に悩まされたプレイヤーには嬉しい改善点である。着せ替えアイテムを店で売却する際、個数が表示されるようになったのも有り難いところだ。
また、着せ替えのアイテムも大半が新しくなり、前作とは趣の異なる着せ替えが楽しめるようになったのも大きな特色。勿論、容姿まで変えられるアレンジの大胆さもそのままなので、今回も気の赴くままの着せ替えが楽しめる。前作ではまったユーザーなら、たまらない進化と言えるだろう。他にも難易度選択で、今回は前作になかった高難易度が選択可能となったり、練習モードの『ライブ』にて、オプションで難易度変更からアレンジまで加えられるようになった等、コアユーザー向けの改善も豊富に成されてる。極め付けは、前作で無駄に長かったゲーム開始時のメーカーロゴのデモも短くなったという始末。そこまで修正するか!…と、この本気度には前作プレイヤーなら突っ込みたくなること必至だ。
とにかく、新要素は少なめながら、完成形を目指そうとする意気込みが半端無い。無難とは言え、本気度全開の続編に仕上げられているのだ。まさに正当進化系と言うに申し分ない。

その進化の恩恵により、今作は前作以上に遊び易く、そしてのめり込めるようになった。それが今作の売り。正当進化系という無難な形に特化したからこその安定した面白さと安心感が、今回は突出している。
何と言っても、やり込みの敷居が下がったのがでかい。高ランクチャレンジ然り、着せ替えアイテム然り、システムの改善が図られ、ストレスを感じずプレイできるようになったのは本当、有り難い改善点である。これが前作でもできればと、少し悔やむ気持ちにもなったりするが、こうやって前作の反省点を真摯に受け止め、見事に改善させた制作スタッフの対応の素晴らしさには拍手を送りたいところだ。しかも、地味なところで先も紹介した、ゲーム開始時のメーカーロゴのデモまで直してしまっているのだから、笑わされる。。そんなところまで直してしまうとか、何処まで本気なのかと。それもこれも、「今度こそ、完全なピンキーストリートを作ろう」という熱い思いと愛があったからこそできた所業なのだろう。本当、この前作の欠点を徹底的に潰そうとする姿勢には感服させられる。
それだけでなく、続編なのに新作色の強い内容に仕上げられているところも秀逸だ。全て新曲に変更された音楽然り、ストーリー然り、そして新しいタッチ操作を何一つ加えなかった操作性然り、経験者・未経験者双方がすんなり馴染める敷居の低い作りで一貫されてるのはさすがである。一応、ストーリー自体は前作の続きっぽいところもあるのだが、その関連を匂わす表現も極力取っ払っており、初めての方もすんなり入っていける。続きモノでありながら、初心者にも入り易い間口の広さをきちんと表現したその手腕には脱帽させられるばかりだ。
そして、前作の売りであった間口の広いゲームバランス、ゲームデザインにも変に手を入れず、絶妙さと音楽ゲームとしての特有さが発揮されてるのが見事。やや運に左右されるのが目立った点も微妙に改善され、唐突に逆転されるという事が起き難くなったのもナイスな修正だ。それでも、完全に起きない訳でなく、時々起こったりするのでまだ改善の余地はあるのだが…。それでも、持ち味でもあった自由なプレイスタイルが許された間口の広い調整が活きているほか、音楽ゲームらしからぬ革新的な自由度の高さが損なわれてないだけでも、幸いと言える。
特に今回はその間口の広さが、『ライブ』モードのオプションによって更に拡張されたのが秀逸。前作のランクコンプリートでも物足りないと思ったユーザーにも答える、その容赦の無さには恐怖すら覚える。ある意味、今回はそんな拡張要素も加わった事で、バランス的には最高の位置に達したと言っても良いだろう。本当、何処までも遊びの幅を広げようとするのか。その熱意には全く持って、溜息が出るばかりだ。
でも、ここまで完成形を目指す熱意が強い反面、チャレンジ精神に欠けるのは地味に残念かもしれない。ほとんど欲の不満点だが、新たな操作スタイルを入れるとか、やっても良かったのでは。新しい曲のジャンルを入れたぐらいなのだから、それ位は欲しかったところだ。行わなかったこそ敷居の低さが活きている訳でもあるので、難しい話だが。
そんな物足りなさもあるが、総じて続編だからこその改善する姿勢は何処を見ても大マジも大マジ。欠点をきちんと直す姿勢とより魅力あるものに洗練させようとする姿勢と言い、全てが飛び抜けている。良いモノにする為にはこれ位努力すべき、そんなメッセージが込められてるかのようなクオリティの高さを維持しているのだ。正統進化を目指した続編として、今作はまさに教科書的存在の数ある一つと言っても何らおかしくはないだろう。

更にリトライ機能とかNEW表示以外にもまだ、改善されたところは沢山ある。メニュー周りのインターフェースのレスポンスが快適になったり、全体マップでクリア済のストリートにスタンプが付く様になったなど、かなり細かい部分においても完成系を目指そうとする熱意は炸裂している。
ボリュームも今回は前作より少し増えた。ジャンル数の増加でストーリーイベントが増えた事の影響だろうが、その為、今回は単にエンディングを目指すだけでもそこそこのボリューム感が味わえる。勿論、着せ替えアイテム集めや高ランクチャレンジをした場合の深さは半端じゃ無い。前作譲りの満足感と手応えをとくと堪能できるだろう。
DSの限界に挑戦した、生き生きと動くキャラクターの3Dグラフィックも前作譲りのクオリティを維持。その過剰なまでの作り込みには、前作と同様に溜息が出てしまうだろう。
また、ストーリーデモの演出(カット割り)も今回は地味に強化され、意表を付いて前作主人公が乱入したり、そしてサブキャラに近かった猫の出番が増えてたりと、かなりはっちゃけている。メインのストーリーも主人公が前作主人公のライバルに代わったとは言え、変に不快な話でなく、微笑ましい話に仕上げられているのも見逃せないところだ。

ボイスも主人公変更の影響で少しだけハリが強くなり、萎え難くなった。ただ、これは個人差によるので難しい。でも、前作の緩さに比べたらかなりの進化をしたとは言えるだろう。
ちょっと全体的に無難な続編にまとまり過ぎている所もあるが、完成度の水準は前作以上。紛れもない正当進化系としての内容に仕上げられている。前作未経験者に対する敷居も低いし、チュートリアルから難易度選択機能などの救済処置も完備。内容も、前作同様の自由度の高い意欲的な仕上がりとなっており、音楽ゲームとして面白いものを作り、尚且つ完璧なものを作り上げようとする熱意も込められた今作。
経験者、未経験者、そして男女を問わず、DSを持ってるユーザーなら是非プレイして欲しい逸品だ。今回も可愛い見た目に騙されてはいけない!こいつ、予想以上にできます。前作以上にできます!オススメです。
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