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≫Newスーパーマリオブラザーズ
■発売元 任天堂
■ジャンル アクション+ミニゲーム
■CERO A(全年齢対象)
■定価 5040円(税込)
■公式サイト ≫こちら
▼Information
■プレイ人数 1〜4人
■セーブデータ数 3つ(※フラッシュメモリバックアップ)
■その他 DSワイヤレスプレイ対応
■総説明書ページ数 36ページ
■推定クリア時間 3〜4時間(エンディング目的)、8〜12時間(完全攻略目的)
ピクニックへと出かけたマリオとピーチ姫。
その最中、キノコ城で突如、煙が立ち昇る事件が発生。それを見て、慌ててピーチ姫の元を離れ、キノコ城へと戻るマリオだったが、そのピーチ姫の背後からクッパJr.が突如として出現。そのまま姫を連れ去ってしまった!
マリオはすぐさま引き返し、クッパJr.の後を追う…。
▼Points Check
--- Good Point ---
◆初心者にもとっつき易く、非常に分かり易いゲームシステム(目的が一貫している)
◆タッチペン操作、2画面要素を深刻に扱わず、シンプルな遊びに徹した姿勢
◆「その場を楽しむ面白さ」に徹底的にこだわった作りが見事な全80以上のコース
◆見た目の極端さが見事な新変身アクション(使い勝手は…)
◆ミスをする事の恐怖を上手く演出しているセーブシステム
◆アクションゲームが苦手な方にも優しい、やや大味なゲームバランス
◆3Dグラフィックの特性を上手く作用した、独特の重みのある操作性
◆コイン集め、隠しスクロールモードなど、充実したやり込み要素の数々
◆3Dと2Dを違和感なく、程よく融合したグラフィック
◆音楽のリズムに合わせて、リアクションを取る敵キャラクター達(微笑ましい…)
◆色んな意味で印象的な音楽(リズム音とか、強烈…。)
◆別ゲームかと錯覚させられるほど、過激なクッパの死に様(必見)
◆ユニークな遊びを取り入れたエンディング

--- Bad Point ---
◆超蛇足なミニゲーム(しかも『マリオ64DS』の使い回し。手抜き。)
◆一部コースにやや理不尽な隠れルートが存在する
◆変身アクションの使い勝手、使用頻度が低い(いずれも登場回数に恵まれない)
◆独特の味があるとはいえ、やはりやや癖のある操作性
◆賛否両論なゲームバランス(特に巨大マリオならばボスを一撃で倒せるというのは…)
◆同じく、賛否両論なセーブシステム(携帯機向きとは言えない)
◆1UPの機会が多い(その為、ゲームオーバーになり難い。地味に不快…)
▼Review ≪Last Update : 3/10/2007≫
誰かにさらわれてしまった…って、犯人、バラしちゃってるじゃん!

本作の説明書(10ページ)より。


日本全国に空前のファミコンブームを巻き起こした、アクションゲームの金字塔『スーパーマリオブラザーズ』。その『スーパーマリオブラザーズ』久しぶりの新作にして、ゲームボーイの『スーパーマリオランド2 6つの金貨』以来の2Dマリオの新作として発売されたのが本作。

満を持して遂に帰ってきた、あのワクワク感とドキドキ感。
まさにこれぞマリオの王道、冒険の面白さがぎっしりと詰まった傑作アクションだ。

ゲーム内容は、マリオの原点とも言えるサイドビュー形式のステージクリア型アクションゲーム。全8ワールド80以上にも渡るコースを多彩なアクションを駆使して突破し、ピーチ姫を誘拐したクッパJr.を追い詰めていく、お馴染みの内容だ。
基本的なゲームシステムは、これまでにリリースされた過去のマリオシリーズ、『スーパーマリオブラザーズ3』と『スーパーマリオワールド』がベースとなっており、ワールドマップを移動しながら行うコースセレクト、パワーアップアイテムを別枠に温存するストックアイテムシステム、そして敵キャラクター(ハンマーブロスほか)の乱入システムなど、懐かしいものを主に構成されている。本作ならではの新しいシステムというのはほとんど無いに等しく、あると言ったらタッチ操作による簡易ワールド移動システムや2画面を活かしたコースぐらい。だから、昔から現在までシリーズをやってきた方には全く新鮮味を感じられない…と言えば、確かにそうだが、既に完成されたシステムをベースとしているので、とっつき易さと遊び易さについては抜群。安心して遊べる仕上がりになっている。
勿論、シリーズ初心者の方にも基本となるシステム自体はとっつき易く、尚且つ「ひたすらゴールを目指して前に進んでいく」と目的が一貫しているので、とても分かり易い。
「誰でもできる」のコピーに一切の偽りは無し。マリオらしい敷居の低さを表現している。

ただ、マリオのアクションにおいては別で、こちらには本作初となる新しいものが幾つか追加されている。マリオと言えば、昔からこのシリーズに触れてきた方が思い浮かべるのは、やはりパワーアップアイテムによる『変身』。3Dアクションに転向して以降、あまり派手な変身を披露しなくなってしまったマリオであるが、本作では久々にその変幻自在ぶりを発揮。今作では『巨大マリオ』、『マメマリオ』、そして『コウラマリオ』と言った実に分かり易く、且つ極端な変身アクションをプレイヤーに披露してくれる。
中でも注目なのは『巨大マリオ』。文字通り、巨大化したマリオで、体当たりで敵を倒せるようになるほか、ブロックに土管まで破壊できるようになる、まさに過激化した無敵マリオとも言うべき変身となっている。無敵という事もあり、一定時間を過ぎればスーパーマリオへと戻る仕様となっているのだが、この土管をもぶっ飛ばしてしまう圧倒的な破壊感は格別。また、ストックアイテムとして所持し、ワールドのボス戦時にこれを発動させれば、あれほど苦戦していたボスも一撃必殺。この辺は、ちょっとバランスを崩していると言わざるを得ないが、アクションゲーム初心者の救済処置としては完璧な配慮であると言える。とにかく何もかもが豪快。本作の看板アクションと言うに相応しい、インパクトの強さを持っている。
この他の『マメマリオ』、『コウラマリオ』もインパクトがあり、特に後者は、あの『スーパーマリオくん』の沢田 ユキオ先生が過去に考えていたネタを具現化したとも言える仕上がり(笑)。ファンにとっては感激モノの変身と言えよう。
しかしながら、これらのアクションには致命的な欠点がある。
それは、本編中に変身できる機会が極めて少ない事。
そして、巨大マリオ以外の変身は使い勝手が悪い事。
結局、本編は通常の変身、スーパーマリオかファイアーマリオの二つのお馴染みの変身を使いこなせば、容易にクリアできてしまうのである。つまり、変身するメリットと言うのが無い。特に『マメ』と『コウラ』の二つは、ほとんど地形攻略に徹してしまっており、極端に使用機会が限られてしまっている。……それっきりしか、役に立たないのだ。
正直な所、この辺のバランスについては悪いと言わざるを得ない。せめて、何処かにその変身を使いこなしながら進めていくコースとかを用意していれば、話は変わったのだが…。
分かり易さを重視した故の、落ち目と言った所だろうか。そこが残念である。
その反面、この変身以外の新アクションとして加えられた『壁キック』、『ヒップドロップ』等に関しては、あらゆるステージでその万能振りを発揮するのだが…。何だか、極端過ぎる…としか、コメントのしようが無い。

そんな多彩なアクションを駆使して突破していく、全8ワールド80以上に渡るコースの構成は「これぞ、マリオ」な出来。若干、仕掛け面において過去シリーズのネタに頼り過ぎている点もあるが、前へ進んでいく事のワクワク感とドキドキ感、困難を突破する事の面白さがどのコースにもしっかりと反映されていて、『コース(その場)を楽しむ事』がちゃんと表現されている。それがしっかりと表現されている影響か、クリアする事も、ミスする事も全く苦痛に感じない、むしろ「楽しい」と感じてしまうようになっているのも流石だと言わざるを得ない。この辺りのバランスの調整具合は完璧と言うに相応しい。
また、本作はキャラクターを3Dグラフィック(一部のみ2D)、背景を2Dグラフィックと描き方を分割しており、この描写だからこそ実現できる表現や仕掛けも随所に盛り込まれている。特にその影響が最も顕著に現れているのが操作性で、厚みのあるキャラならではの滑り易さと重量感が上手に表現されていて、2Dアクションとしては異質の手応えを実感できる。若干ながら、滑り易いのがタマにキズではあるけど、この独特の手応えは体験してみる価値ありだ。古くから2Dアクションに慣れ親しんできた方には…賛否両論かもしれないが…。
更に音楽も「面白い」。ゲーム中に登場する敵キャラクターが、曲のリズムに合わせてリアクションをとるという、実に微笑ましい遊びが盛り込まれているのだ。残念ながら、登場する全ての敵キャラがリアクションをとる訳ではないのだが、いずれのキャラのリアクションも地味に笑ってしまうものばかり。必見だ。
勿論、曲自体の出来もなかなかのもの。特に城ステージの曲は秀逸だ。

この他、懐かしの敵キャラクターがリファインされて復活していたり、シビアさをあえて追求したセーブシステム(賛否両論だが)、前代未聞の超過激な死に様(?)を披露する我等が大魔王クッパ様(笑)など見所は沢山ある。
新しい変身アクションの使用頻度と勝手が悪い事、1UPの機会が過剰にあるのでゲームオーバーになる事が滅多に無い、そして『スーパーマリオ64DS』の立派な使い回しとなっている別収録のミニゲームなど、残念な所も色々とあるが、全体的な完成度はマリオの名を語るに相応しい、見事な仕上がり。
3Dに転向して以降、すっかり失われてしまった「誰もが楽しめるマリオの世界」…。それが本作にはある。あの初期のマリオが大好きだった旧世代の方々、そして最初の頃のマリオを知らない新世代の方々、共に力を入れてお薦めできる決定版アクションゲームだ。DSユーザーならば、要プレイ。マリオの真の底力、とくと体験せよ。
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