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≫メテオス
■発売元 バンダイ(現:バンダイナムコゲームズ)
■開発元 キュー・エンターテインメント
■ジャンル 打ち上げパズル
■CERO A(全年齢対象)
■定価 5040円(税込)
■公式サイト ≫こちら
▼Information
■プレイ人数 1〜4人
■セーブデータ数 1つ(※フラッシュメモリーバックアップ)
■その他 DSワイヤレスプレイ&ダウンロードプレイ対応
■総説明書ページ数 36ページ(※縦型)
■推定クリア時間 20〜35分(エンディング目的)、20〜40時間(完全攻略目的)
宇宙の星々が、たった一つの惑星…『メテオス』によって危機に陥った。この危機に対抗する為、各星々の住人達は、メテオスの放つ『メテオ』の特性から編み出した、大規模なカウンター作戦を実行する。
▼Points Check
--- Good Point ---
◆ブロックを消すのではなく、「打ち上げる」という斬新なゲームシステム
◆タッチペンによる快適で直感的な操作性
◆『シンプル』、『スタートリップ』、『タイムアタック(メテオアタック)』などと言った、個性的かつ充実したゲームモード群
◆数種類の結末の異なるエンディング、『合成室』でのメテオを使っての惑星生成、アイテム生成など、充実したやり込み要素&隠し要素
◆パズルゲーム特有の問題点「上級者と初心者の実力の差」を解消させた、惑星ごとのフィールド相違要素
◆パズルゲームにおけるブロックに大きな役割を与えた、『合成室』モードの存在
◆ゲームの世界観を上手く表現している、美しくてSFらしさのあるグラフィック
◆ニンテンドーDSというハードを思わせないほど豪華なオープニングCGムービー
◆ゲームプレイとの一体化を意識して作られた、派手で印象的な音楽
◆抱腹絶倒のスタッフロール(笑)

--- Bad Point ---
◆とても万人向けとは言い難い難易度バランス
◆タッチペン操作に限定したバランス調整が行われてしまっている事もあって、全く機能していないボタンによる操作
◆『合成室』で作れる合成物で一部、異様な数のメテオが要求されるものがある
◆人によってはかなり賛否両論の音楽
◆メテオのサイズが小さ過ぎる(それでも初期版よりも大きいのだが…)
◆隠し要素の出現条件が一部、分かり難い
▼Review ≪Last Update : 12/31/2006≫
打ち上げが成功したからと言って、油断するな。

他のフィールドが危機に晒されてる可能性がある…。


『星のカービィ』シリーズ、『大乱闘スマッシュブラザーズ』シリーズ等の名作を手掛けたクリエイター、桜井 政博氏がフリーランスになってから初めてゲームデザインを担当した完全新作のパズルゲーム。実質的な製作は、元セガ『ユナイテッド・ゲーム・アーティスツ』代表の水口 哲也氏率いる『キュー・エンターテインメント』が担当している。

正直な所、かなり忙しいパズルゲームだ。

ゲームシステムを簡単に解説すると、本作はテトリスやぷよぷよなどのパズルゲームとは違い、同じ色のブロックを揃えて消すのでは無く、同じ色のブロックを揃えて『打ち上げる』という新方式を取り入れている。この『打ち上げる』というシステムは、これまでのパズルゲームでは味わった事の無い、一風変わった爽快感と斬新さに満ち溢れており、プレイヤーに新感覚のパズル体験を提供してくれる。
また、従来のパズルゲームではほとんど『背景』に過ぎなかったパズルフィールドに『打ち上げ易い』、『打ち上げ難い』等のそれぞれ異なる特徴を加えている点も大変面白い。今まで、ほとんど実力勝負、初心者お断りな形で繰り広げられてきた対戦に初心者が一切、腕を磨く事無く介入できるようになったのは、まさに革新的な出来事だ。初心者と上級者の棲み分けを大事にする、桜井氏ならではの配慮だと言える。

ゲームモードの数もエンドレスモードからコンピュータ&対人対戦モード、タイムアタックなど実に盛り沢山だ。特にコンピュータ対戦モード(『スタートリップ』)は、一本道、マルチルート、ミッションクリア制などの複数のモードに区別されていて、それぞれ異なった楽しみ方が出来る作りになっているのが面白い。エンディングが多数用意されており、セカンドプレイを刺激させる要素が盛り込まれているのもナイスな配慮だ。
この他、ゲームを楽しむモードではないが、打ち上げたメテオ(ブロック)を使って特殊アイテムや隠し要素などを作り上げる『合成室』なるモードも用意されている。この合成室がまた痛い所をついてて素晴らしい。今まで、ただ消す存在でしかなかったブロックにこう言う、アイテム生成、隠し要素生成の役割を付けてしまうとは。まさに、これぞ正真正銘の『地球に優しいゲームシステム』と言えよう。
あの「MOTTAINAI」のマータイさんが微笑む姿が見える。

その他のグラフィック、サウンド等の出来も素晴らしい。特にサウンドに関しては世界観と程よくマッチしており、まさに宇宙を舞台にしたパズルゲームという雰囲気を演出している。ゲームミュージック的でない曲が大半を占めるのが、賛否を分けるが、好き嫌い問わず、この美しいサウンドは必聴の価値ありだ。
また、DSとは思えないクオリティで展開する、大迫力のオープニングムービーも必見。

しかし、残念ながらゲームバランスに関してはお世辞にも良いとは言い難い。
メテオのフィールド落下数とそのスピード、そしてコンピュータ戦における敵の強さなど、どれも練り込みが足りない。特に前者はもう少し、抑えて欲しかったの一言に尽きる。この量と速さでは、初心者の方にはついて行けないどころか、脳内パニックを引き起こすも必須。折角、他の面で初心者対策がしっかり取られてるのに、こういう所にもちゃんと気を配って頂きたかった。全くもって残念。桜井氏らしくない失態だ…。
それと、キー操作ができるのに、それだとまともなプレイすらできないとされている所、タッチペン前提の作りとなってるのも残念な部分だ。これだったらいっその事、キー操作を廃止して、ペンだけに限定した方が良かった気がする。
いくら開発中はキー操作だったからと言っても、このバランスじゃあ…。

総評して、基本となる部分の出来は素晴らしいものがあるのだが、バランス面での詰めの甘さが足を引っ張ってしまっている本作。スピーディな展開を要求されるゲーム故に、ゲーム未経験者の方々には残念ながらお薦めできない。
どちらかというと、ゲームに慣れた方、コアユーザー向けの一品だ。
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