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≫まわしてコロン
■発売元 タイトー(現:スクウェア・エニックス)
■開発元 ランカース
■ジャンル アクション
■CERO A(全年齢対象)
■定価 4800円(税別)
■公式サイト ≫任天堂公式サイト:紹介ページ
▼Information
■プレイ人数 1〜4人
■セーブデータ数 つ(※フラッシュメモリバックアップ)
■総説明書ページ数 17ページ
■その他 DSダウンロードプレイ対応
■推定クリア時間 3〜4時間(エンディング目的)、15〜20時間(完全攻略目的)
迷路をぐるぐる回して、ゴールへ導け!
新感覚の「まわしゲー」、ここに参上。
▼Points Check
--- Good Point ---
◆ステージ全体を回転させ、ボールをゴールに導く大胆なアイディアと単純明快さが光るゲームルール
◆最大四人までの競争が楽しめる、白熱必至のマルチプレイ(ダウンロードプレイにも対応しているので、DS本体が四つ揃えば直に遊べる手軽さも秀逸)
◆マルチプレイを盛り上げるほか、シングルプレイ時の攻略の奥深さも演出する「ボールカスタマイズ」
◆全8種類、カラーバリエーション4種類の個性豊かで、カスタマイズにて多彩な組み合わせを試せるボール
◆タッチスクリーン上でアーケード版『キャメルトライ』のパドル操作を疑似的に再現した、DSならではの操作感と大胆なアイディアが光る操作スタイルの一つ「タッチギア」
◆スーパーファミコン版『キャメルトライ』の感覚で遊べる手触り感を特色としたボタン操作
◆上手く使いこなせばステージを高速でクリアできるが、その分、大きなリスクが付きまとうというアクションゲームの醍醐味と絶妙な緊張感に秀でたボール用特殊能力「ジャイロ」
◆スピーディな展開と豊富なギミック、奇抜な造形(全体図)で楽しませてくれる50ものステージ
◆レースゲームさながらのコンマ1秒を縮める己との戦いの醍醐味が堪能できるタイムアタックのやり込み
◆基本、温めでありながら、遊び方によってどうとでも変化できる柔軟性を持ったゲームバランス
◆基本的に本編の背景に徹した、主張し過ぎないキャラクター要素(ゲーム重視のオールドスタイル)
◆明るめの色彩とポップなデザインを施したドット絵を特色としたグラフィック
◆派手さは無いが、時折挟まる緩いボイスを始めとする、妙な印象に残す演出の数々

--- Bad Point ---
◆圧倒的に不足気味なシングルプレイのボリューム(あと20〜30ステージは欲しい)
◆ゲーム重視なところは潔いが、やはり宝の持ち腐れ感は否めないキャラクター要素
◆裏を返せば、普通にクリアするだけならば結構容易なゲームバランス(高難易度のステージに乏しいほか、ジャイロが強力過ぎる為に使いこなせるようになると急激に低下する)
◆移動距離が溜まるほど新たなボールが解禁されていくという、作業プレイを強要するボール収集要素(しかも、その解禁に必要な距離がやたらと長く、ボリュームの水増しに繋がっている)
◆一部、不具合ではないかと違和感を覚えるほど不自然なボールの当たり判定(妙に引っかかり易い)
◆『キャメルトライ』の宿命たる酔い易さ(グルグル回るので、長時間プレイは禁物)
◆『キャメルトライ』の新作なのにそれを隠し通そうとしているタイトル名及び説明書(更に加えて宣伝。この所為で、オリジナル版を経験したプレイヤーが勘違いし易い。更に言うならタイトル自体がダサ過ぎる)
▼Review ≪Last Update : 4/23/2017≫
活発系から眼鏡まで、四人ほど揃えました。

…ただの背景ですけど。


迷路全体を動かしてボールを運ぶ、独特のゲームルールと操作性を採り入れた、「まわしゲー」なる新作アクションゲーム。開発は今作の後に『影之伝説 THE LEGEND OF KAGE 2 』などで知られるようになるランカースが担当。

新作…と見せかけて、その実態は1989年にアーケードで生まれたあの作品。
懐かしいプレイ感覚、現代風且つ、行き過ぎないアレンジが光る良作アクションゲームだ。

ゲーム内容は横スクロールで展開する、ステージクリア型アクション。壁や障害物などを避けながら制限時間内までにプレイヤーキャラクターに当たるボールをゴール地点まで運ぶというものだ。ただ、プレイヤーが操作するのはボールでは無く、ステージ全体のフィールドこと背景迷路。これを十字キー、或いはタッチペンで360度方向に回転させて角度調整を行いつつ、ゴールまでボールを運んでいく。基本的にボールは下方向に設定された重力に沿って落下していくので、それを念頭に置いたフィールドの調節がステージクリアのカギとなる。但し、ステージの道中には数々の仕掛けがあり、その中でも赤と青の二種類が存在する『タイムダウン』のブロックに触れると制限時間のロスが発生。クリアまでに必要な時間が必要以上に狭まってしまう。そう言った危険な罠をフィールドの調節で回避しつつ、ゴールへとボールを運んでいく事がプレイヤーに求められてくる。以上がゲーム全体のあらまし。画面全体を操作するという独特のルールと単純ながら思い通りに行かないステージ構成を特色とした、レース風のアクションゲームに仕上げられている。
……と、ここまでの概略を読んで、古くからゲームに親しんでいるプレイヤーには強烈な既視感を覚えたと思われる。フィールドを回転させてボールを持ち運んでいくって、それってアーケードやスーパーファミコンでリリースされた『キャメルトライ』ではないのか、と。まさにその通りで、今作は『キャメルトライ』そのもの。スーパーファミコン版以来、実に13年ぶりとなる新作なのである。なので、同作を知るプレイヤーならばあまりの懐かしさと名に反したソックリっぷりに衝撃を覚えること請け合い。むしろ、何でタイトルを変えた、と突っ込まざるを得ない内容になっている。
システム周りも言うまでもなく、『キャメルトライ』準拠。但し、新作だけあって新規要素の追加、旧作からの変更等も行われている。まずゲームモードだが『通信プレイ』が追加。旧作の『キャメルトライ』はシングルプレイ特化型だったが、今作では最大四人までの対戦型マルチプレイが楽しめるようになり、接待ゲームとしての一面が加わった。ゲームルールもいち早くゴールに辿り着いたプレイヤーが勝ちというレースゲーム風の単純明快な設計。シンプルながら、『キャメルトライ』のシステムで相手との競争が楽しめるモードに仕上げられている。また、通信プレイを行うに当たってはDS本体を人数分用意しなければならないが、ソフトに関してはその必要無し。ダウンロードプレイ機能を用いて直に遊ぶ事ができる。そんな過度に負担をかけない良心的な設計も大きな見所。少しおまけっぽい所もあるが、シングルプレイに特化してきた旧作の路線を一変させる個性を持ったモードとなっている。
更にもう一つ、新モードで『ボールカスタマイズ』。本編の『シングルプレイ』及び、『通信プレイ』で使用するボールを選び、その性能をカスタマイズできるようになった。ゲーム開始時はボールが二種類しか選べないが、進めていくにつれてその数が最大8つまで増加。カラーバリエーションも四種類用意されて、32種類のプレイヤー独自のボールを選べられるようになっている。そして、重量を設定する事もでき、それでスピード重視か、安全重視かの独自のボールを作り出す事もできる。この為、シングルプレイと通信プレイ共にカスタマイズ如何によって多種多様なゲームプレイとステージに応じた戦略を取ることが可能。旧作とは打って変わった僅かながらの複雑さ、攻略の幅広さを引き立てるゲームモード兼システムとして仕上げられている。無論、別にこの機能を使わずともシングルプレイを全て攻略する事は可能。そう言ったものには目を向けず楽しみたいというプレイヤーのニーズにも応えており、旧作特有の取っ付き易さもしっかりと残している。現代風にしてはいるけど、それに引っ張られ過ぎないように配慮。そんな元の良さを残した新要素に完成されている。
そして、操作周りも刷新。ボタン操作以外にタッチペンによる直感的な操作を可能とした『タッチギア』なる新スタイルを実装している。『タッチギア』は二種類あり、下画面のパネル中央を円を描くような形でスライドすると左右に回転するアーケード版『キャメルトライ』のパドル操作を可能な限り再現したAタイプ、パネル中央の上部分もしくは下部分を左右にスライドさせると左右回転するBタイプが用意されている。いずれの操作もオプションで自由に切り替えが可能で、どの操作を使うかはプレイヤーの自由。ボタン操作しか無かったスーパーファミコン版よりも幅広いスタイルで遊べるだけでなく、疑似的とは言え、アーケード版を再現した操作も用意されているので、当時、それを遊んだプレイヤーの気持ちにも応えた仕上がりになっている。また、操作周りに関してはもう一点、ジャンプ操作が撤廃された。旧作では特定のボタンを押す事でボールがジャンプし、そのアクションと同時に画面全体の回転と併せて落下運動を再開させたり、時間短縮の手として使う事ができたが、それができなくなってしまった。代わりとして『ジャイロ』なるものを実装。タッチスクリーン上のジャイロエリアをスライドさせるか、X、LR、十字キー上のいずれかのボタンを押すとボールがジャイロ状態へと変化し、落下速度のスピードアップや行く手を遮るブロックの破壊と言った通常状態ではできないアクションの数々ができるようになる。また、ジャイロは特定のアクションを決める事で最大四段階までレベルが上昇し、上がれば上がるほどにボールの性能が強力なものになっていく。但し、その万能さ故にずっと使い続ける事はできず、一定時間が経過するとジャイロ状態が解除。併せてレベルが下がってしまう。更にレベル4に限って不用意な操作を行うとレベルが1つ下がるなど、高いレベルほど大きなリスクが課せられるようになる。そう言った強力な力を如何に上手く持続し、プレイヤー自身で制御できるかと言ったテクニックが本編にて求められるように。旧作のテクニックが使用できない穴を埋めるかのようにより複雑かつ、アクション性を高める要素が今作にて実装されており、よりやり込み甲斐が向上した仕上がりになっている。旧作との勝手の違いに戸惑うが、新作としての変化は十分。こう言った要素の存在もあって、同じだけでも全く違う手応えのキャメルトライという味も滲み出ているのが秀逸だ。
他にステージ上に仕掛けられたギミックも新要素のジャイロと関連した障害物が追加されたり、『ハイパーベースゾーン』なる特殊なエリアが設けられるなどの新規のものも実装され、より起伏に富んだ構成へと進歩している。
題名に偽りありだが、中身はれっきとした『キャメルトライ』の新作。アーケード版の元祖とルール周りは変わらないが、DSならではタッチ操作に初のマルチプレイの実装など、新規の要素もふんだんに盛り込まれた完全新作として作られた内容になっている。パッケージに女の子の絵が描かれている事からして、そっち系のゲームなのかとイメージしかねない所もあったりするが、中身はガチガチのアクションゲーム。良くも悪くもギャップの激しい作品になっている。

そんな今作の魅力は、変え過ぎずそのままにし過ぎずの安定したアレンジ具合。特にこれと言って無駄な装飾も無く、オリジナル『キャメルトライ』準拠で作られたゲーム性重視の作りが見事。パッケージの通りに今作にはキャラクターが存在し、その大半を女性キャラクターが締めるという謎の萌え路線になっていたりする。当然ながらボイスもある。旧キャメルトライにも魔法使いのキャラクターが登場したりと、若干のキャラクター要素はあったので何を今更って感じがあるが、今作はメニュー画面など、ゲーム中の各所で登場するので結構、推されている印象が強い。ボイス演出もあるので尚更である。ある意味、現代に売り出す為の施策と見て取れなくもないが、この謎の路線変更には違和感を覚えるかもしれない。だが、こういうキャラクターを引っ張ってきていながら、肝心の本編にストーリー要素は皆無。キャラクター自体はいるが掛け合いなどのイベントも無く、イメージキャラクターとしての役割に徹しているので、これと言ってゲームプレイに干渉してくる事はない。強いて言うならばボイスがある程度だが、それもゲームを盛り上げる為の演出として働いているのであまり気に障るほどのものにはなっていない。また、萌え路線と言いながらもキャラクター自体のデザインはそんな昨今のアニメバリバリなキャッチーなものでもない。どちらかというと地味目なデザインになっていて、癖の強い所も無いのでそこまで嫌悪感を覚えるほどのものに放っていない。感じ方は個人差によるけれど。なので、路線変更という割には空気。単にゲーム全体の彩りを良くするだけの要素として使っていて、メインはボールをゴールに運んでいくキャメルトライとしてのゲーム性と、ゲームコンセプト最重視の仕上がりになっている。
折角、キャラクターを用意しながら活かさないとは、宝の持ち腐れが過ぎると思ってしまうかもしれないが、久しぶりの新作でそのような事をしたら旧来のプレイヤーから非難されかねないし、かと言って昔のままで出すとそれはそれで古臭いものになる。変更するとは言っても、ゲームの根幹はボールを運んでいく事にあるのだから、そこを全面に推し出す作りにしなければならない。そして、その遊びを邪魔するような要素を無駄に入れる訳にはいかない。こうした事を念頭に置いてなのか、今作は見た目だけの現代かだけに特化してゲーム性最優先な仕上がりにしている。久しぶりの新作だからこそ、いつものノリを残して旧来のプレイヤーを安心させたい。そして、過剰な演出を実装しなかったことによるテンポの良さも相まって、新しいけれど懐かしい手応えに富んだゲームへと昇華させているのだ。ある意味、下手に変え過ぎず、かと言ってそのままにし過ぎずの10年以上の年月を経て作られた続編の一つの理想形と言える仕上がり。変わらない面白さを大事にした作品としては合格点というに相応しい完成度を誇っている。
下手に変え過ぎない作りと併せてステージ構成の奇抜さも光る部分。ボールをゴールに運んでいくだけのシンプルな内容ではあるが、多種多様なギミックとユニークな地形構成でプレイヤーを終始、楽しませてくれる作り込みが成されている。構造的に面白いステージも幾つかあり、発売元のタイトーのロゴ、ニンテンドーDSと言ったそれをステージにしちゃうのかと、見た目の面でも楽しませてくれる。タイムアタックのやり込み要素による、リプレイ性の高さも秀逸なところ。大半のステージにはショートカットが用意されていて、これを駆使する事によってタイムを縮める事ができる。ショートカットを探して、タイムを縮めるやり込みはオリジナル版の魅力でもあったが、そこも今作は余す事無く踏襲。一回クリアしただけでは終わらせない深みをどのステージにおいても表現している。また、ステージ自体の長さも長過ぎず短過ぎずの丁度良さで、テンポの良さも相まってちょっとのプレイでも気楽に楽しめるのも大きな強み。そこもまたオリジナル準拠だが、今作は携帯ゲーム機のゲームとして作られたのもあってその辺の魅力が一層引き立っている。軽くちょっと遊べるという点でも非常に優れた内容。この点でも新作としての進化を感じさせられる仕上がりである。
だが、そんな配慮を施した作り込みを施しながら、ステージの総数だけは少なめ。数にして50近くはあるのだが、クリアにかかる時間が短めである故に単にエンディングを目指すだけならばあっという間に終わってしまう。短めのボリュームはオリジナル版もそうだったので、その再現と見て取れなくもないのだが、大体一つのコースを終えるだけで10分以上かからないだけに遊び通すとなればあっという間。あと20〜30ステージぐらいは足して良かったのではと思ってしまうぐらいに物足りない内容になってしまっている。タイムアタックのやり込みなど、寄り道的な要素もあるが、それにしたってこの短さではフォローになっていない。できれば、もう少し欲張って欲しかったところではある。
また、そのフォローの一つ、ボール収集要素が面倒臭い作業になってしまうのも褒められない。移動距離が沢山たまるほどに新しいボールが解禁されていくシステムだが、その解禁条件の移動距離がどれもこれも無駄に高い。ボリューム感の無さを補う為の水増しというのがバレバレである。条件にしても移動距離以外の別の道を用意しても良かったはず。それをボリュームの少なさを補うという意図で除外してしまったのは素直に残念とだと言わざるを得ない。
現代風に装飾しながら、オリジナル版準拠のゲーム性重視の作りは潔く、ジャイロによるプレイ感の変化も面白い。それだけにボリューム周りの弱さが残念。幾らオリジナル準拠にしてもそこは踏襲しちゃダメだろうというのが浮き出た仕上がりにもなってしまっている。ある意味、当時のまま。作りは上手いけど、一押し足りない仕上がりになっている。

全体的に緩めにまとめられたゲームバランスも物足りなさがある。特にジャイロの万能性が起因していて、行く手を阻むブロックの破壊が簡単になったのが大きく響いている。制限時間も緩めの設定で、高難易度のステージこそある程度の緊迫感はあれど、絶望を感じてしまうほどシビアな場面はほとんど無いので若干の空気感がある。久しぶりの新作故に戻ってきたプレイヤーへの配慮として緩くしたのか。意図は分からないにせよ、もう少し尖らせて欲しかった所である。
操作性に関しても、アーケード版を模したタッチ操作を用意しているとは言え、動かし易さで考えるとボタン操作の方が勝ってしまっている。強制方式では無いだけ良心的ではあるし、操作のまとめ方にしても無難なので、それほど大きな問題点であるという訳では無いが、DSのボタン配置はスーパーファミコンと一緒だから、あえて用意しないという選択肢を取るのも良かったかもしれない。まあ、DS初期のゲームだから、使わざるを得ない背景があったのかもしれないが。
グラフィックに関してはこれと言って特筆すべき事無し。ただ、全体的に色彩が明るいものになって、華やかなビジュアルになっている。インターフェース周りもゴチャゴチャしておらず、DSの二画面構成を活かしたスッキリとしたものになっているのも特色の一つと言える。音楽はキャラクターデザインとその雰囲気を意識してなのか、全体的に明るく楽しげな曲が揃っている。それなりに主張の強い作りにもなっているが、印象に残るかというと少し際どい。出来が悪いという訳では無いが、毒にも薬にもならない感じなので過度な期待は禁物と言ったところである。

演出周りに関しては先の通り、最小限に抑えたゲーム本編重視の仕上がりなので、派手さはない。ただ、世界観を意識した可愛らしいボイスが挿入されるなど、妙に印象に残る所がある。他にマルチプレイもシンプルながらも独自のゲーム性もあって、ワリと熱くなってしまう仕上がりになっている。
全体的にボリューム不足で、難易度も緩めと、プレイヤーに刺激を与える部分の作り込みの弱さが目立つ。また、ボールがやたら引っかかり易いなど、当たり判定の微調整が甘い…というか、不具合を生じさせている部分もあるなど、微かに製作時間が足りていなかったのではないのかと邪推してしまうような所もある。そんな具合にあと一歩な所が目立つが、ゲームとしては全く問題なく遊べる作りな上、余計な装飾もせずにしっかりとキャメルトライの新作として徹したゲーム重視の作りは非常に潔い。タイトルとそのキャラクターデザインから警戒心を抱いてしまうかもしれないが、『キャメルトライ』の新作としてはソツなくまとまっている今作。携帯機であの独特のアクションゲームを遊びたいプレイヤーなら、遊んでみる価値はそれなりにある良作だ。難易度が低めなので、キャメルトライ入門編としてもお薦めできる出来。しかし、今作は終始、画面が回転し続けるゲームなので、その辺に耐性が無い人がプレイするとお口がリバースしてしまう恐れもあるので注意されたし。まわしてコロンならぬ、まわしてコロリとならない為の筆者からの切なるお願いです。
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