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≫ファミコンウォーズDS
■発売元 任天堂
■開発元 インテリジェントシステムズ
■ジャンル 戦略シミュレーション
■CERO A(全年齢対象)
■定価 4800円(税込)
■公式サイト ≫こちら
▼Information
■プレイ人数 1〜8人
■セーブデータ数 3つ(※キャンペーン以外は1つ:フラッシュメモリーバックアップ)
■その他 DSワイヤレスプレイ&ダウンロードプレイ対応
■総説明書ページ数 40ページ
■推定クリア時間 6〜15時間(エンディング目的)、100時間以上(完全攻略目的)
総帥ヘルボウズを失い、壊滅したはずのブラックホール軍が、辺境の大陸『オメガランド』への侵攻を開始した。
レッドスター、ブルームーン、グリーンアース、イエローコメットの4カ国は急遽軍備を統合し、連合軍なる協定を結び、ブラックホール軍に立ち向かうのだが…。
▼Points Check
--- Good Point ---
◆戦略シミュレーションゲームが苦手な方でも直に理解できる、シンプルで分かり易いゲームシステム
◆2画面になった事で、より確認がやり易くなったマップの地形、ユニットの特徴
◆シリーズ初心者の方も安心して遊べるよう盛り込まれた、数々のヘルプ要素
◆シンプルで分かり易い操作性
◆充実したゲームモードと総合的なボリューム、そしてやり込み要素の数々
◆一度のめり込むと、止め時を失ってしまうほど強烈な中毒性
◆一発逆転の要素と相手の戦術パターンを意識しながら戦略を練っていく事の面白さがギッシリと詰め込まれた、『ショーグングレイクシステム』と『タッグブレイクシステム』
◆詰め将棋的な面白さと戦略シミュレーションゲームとしては異質の緊張感が味わえる『キャンペーン』モード
◆限られた条件の下で戦略を練っていく面白さが凝縮された新モード『サバイバル』モード
◆オリジナルマップが作れるだけでなく、ショーグンキャラの色変えに衣装替えまでできる『エディット』モード
◆自分だけのショーグンを作れるという、戦略シミュレーションゲームとしては異質の新要素『フォース』
◆かなりシンプルではあるが、何処かファミコン臭さに満ちた温かみのあるグラフィック
◆カッコ良さと熱さが絶妙にマッチした、完成度の高い音楽
◆状況に沿った戦略を取っていけば、確実にクリアできるよう調整された適切なゲームバランス
◆主役がまともになった事もあって、ヤバさがそれなりに和らいだシナリオ

--- Bad Point ---
◆完全に蛇足な物となってしまっているタッチペン操作
◆凶悪なタッグブレイク(必ず2回行動というのは何とかならなかったのか…?)
◆上に同じく、危険極まりないレイチェルのスペシャルブレイク『レッドスターボム』
◆キャラの台詞に脱字や誤表現が多い
◆自由なプレイを束縛している感じが否めないランクシステム(蛇足も蛇足…)
◆キャンペーンの難易度バランスが雑
◆存在意義不明の『コンバット』モード
◆使い勝手の悪い、新ユニット『空母』(というか、生産量が高過ぎ…)
▼Review ≪Last Update : 3/31/2007≫
♪ファミコンウォーズが帰ってきたぞ〜!

in 銭湯。


ゲームボーイアドバンスで2004年11月発売され、シンプルで分かり易いゲームシステム、圧倒的なボリューム、そして奥深い戦略性で好評を博した『ゲームボーイウォーズアドバンス1+2』の続編として製作された作品。タイトルでは『ファミコンウォーズ』と称されてるが、実際は『アドバンスウォーズ3(海外名)』とも言うべき内容だ。

相も変わらず、もの凄い内容量。
これさえあればもう、他のDSのゲームは要らなくなる位、深いゲームだ。

ゲーム内容は、前作に当たる『ゲームボーウォーズアドバンス1+2』と同様、兵器を生産しながらマップに点在する都市などの施設を占領しつつ、敵軍を全滅させるか、或いは拠点を制圧すればプレイヤー(或いは敵)の勝利というこの種のジャンルでは一般的なルールを採用した、戦略シミュレーションゲーム。他の戦略シミュレーションゲームとは違う点として、兵器の名前が簡略化されて特徴が分かり易い事、マップ方式がスクエア型(四角型)で、戦況把握並びにユニットの移動範囲が理解し易い、ヘルプが充実しているなどの、初心者に優しい配慮が所々に盛り込まれているのが本作の大きな特徴だ。その為、シミュレーション未経験者でも文字通り、「さらっ」と馴染めてしまうほど、本作は大変敷居の低い作りになっている。かと言って、上級者には物足りない内容なのかと言えばそうではなく、上級者も思わず納得の高難易度モードにやり込み要素が「もう勘弁してください!」と悲鳴をあげてしまうほど盛り込まれているので、ご安心あれ。
敷居が低くて、尚且つとてつもなく奥が深い。
本作はまさにそんな間口の広いシミュレーションゲーム…なのである。

また、本作はゲームモードも大変充実している。ストーリーに沿ったマップ攻略を楽しめる『キャンペーン』、いかに効率よくマップを攻略できるかを競う『トライアル』、自由なルールを組んだバトルが楽しめる『フリーバトル』など実質的なゲームモードにおまけモードも含めてその数、実に11種類。ボリューム満点だ。
このゲームモードの内、キャンペーン、トライアル、フリーバトル等は前作からの引き継ぎ。今作では新たに『サバイバル』、そして『コンバット』の2つのモードが加えられている。
前者は資金やターン数などの限られた制約の元で、全10マップの攻略を目指すという、所謂『縛りプレイモード』で、ゲームに慣れた方、上級者向けのモードだ。先述3つのゲームモードに満足できない方には、まさに打って付けのモードだ。逆に、シミュレーション初心者にはしんどい内容なので、控えておいたほうが良いかもしれない。やるならば、ある程度ゲームに慣れてからがお薦め。後者は、何とシューティングゲーム。十字キーでユニットを操作し、タッチパネルにタッチして弾を撃ち、敵を殲滅していくというモードだ。はっきり言って、「DSだから入れた」という取って付け感バリバリな内容。バランス調整等にも粗があり、正直、これは双方共々、あまりお薦めできない。特に純粋なシミュレーションが楽しみたい方にとっては激怒モノ。できれば、無視する事を推奨する…。

激怒モノと言えば、前作でそう言った純粋なシミュレーション楽しみたい方から酷評された、ショーグンブレイクシステムは今回も搭載されている。
知らない方の為に解説すると、これはスーパーファミコンで発売された『スーパーファミコンウォーズ』に収録されていた『将軍システム』を発展させたもので、簡潔に言うと特殊能力システムと言ったもの。本作ではプレイヤーは『ショーグン』というキャラクターを使いながらマップを攻略していくようになっており、このショーグン達には、ユニットが平地にいた時の攻撃力を高められる、攻撃力と防御力を上昇させるなどと言った様々な特徴や能力があり、『ブレイク』、『スペシャルブレイク』という戦況を一変させる必殺技(嵐を起こしたり、ユニットの行動範囲を一時的に広げたりなど)が備え付けられているのである。主にズル無しの真剣勝負が好きなシミュレーションゲームファンの方々にとっては、かなり賛否両論のシステムであり、前作では…これを無くして欲しいというユーザーからの声が結構多かった。
で、その声は届いたのかといえば、届かず、今回は、更にこれを進化させた『タッグブレイク』なるものが加えられている。今作ではショーグンを二人使って戦う『タックバトル』なる戦闘があり、その戦闘の時のみ、この技を発動させる事ができるのだが、これが実に危ない!何と2人の所有するスペシャルブレイクが1ターン中に2回連続で発動、再行動付きのブレイクとなっているのだ。しかもこの再行動のブレイクは、前作と前々作に登場したブレイク(2ではスペシャルブレイク)『ライトニングアサルト』よりも強烈で、何と歩兵も含む全てのユニットを再行動させてしまうのである。「危な過ぎだろ!」…ごもっとも。しかも今回は、バランス調整にも詰めの甘さがあり、組み合わせによってはバランスを崩壊させかねないブレイクが出来てしまうのだから尚更も尚更。正直、今作は前作以上に、純粋なシミュレーション楽しみたい方には不向きな内容だと言える。逆に、初心者の方や新しいものが好きな方にとっては、大変素晴らしいシステムだと言える。
ただ、それでもバランスはもっと練るべきだったのでは、と思うが…。

その他のグラフィック、サウンドの出来については高レベル。特にサウンドについては、前作以上に熱い名曲が満載。ヘッドホンを付けると、より素晴らしい音質で数々の名曲群を聴けるようになるので、装着は必須だ。
また、何かと前作では問題視された『キャンペーン』のシナリオは、前作の主人公が更迭され、まともな思想を持つ新主人公になった影響もあり比較的向上。しかし、所々に脱字や誤表記があるのが何とも痛い。特に後者は、海底の深さを『寸』ではなくて、『キロメートル』としているなど致命的も良い所だ。
シナリオ担当者には関取団との関取の刑に処す、と、ここでジャッジしておこう…。

全体的なボリュームも、マップ数が200面以上と尋常にならぬ量。DSならではの2画面を駆使したマップも盛り沢山で、本当に文字通り、お腹いっぱいになれる仕上がりだ。
コンバットモードに誤表記、そして詰めの甘いバランスの事など残念な所もあるが、ゲーム自体の完成度は間違いなく傑作レベル。分かり易いゲームシステム、奥深いゲーム性と中毒性、圧倒的なボリューム、そして高品質のサウンドと、ニンテンドーDSを持っている方ならば要プレイの価値ありの、超お手軽シミュレーションゲームだ。
文句無しにお薦め。特に、やり甲斐のあるDSのゲームを求めているユーザーには打って付けの逸品だ。
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