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≫ぽろろんっ!ドコモダケDS
■発売元 AQインタラクティブ(現:マーベラス)
■開発元 朱雀
■ジャンル パズルアクション
■CERO A(全年齢対象)
■定価 4800円(税別)
■公式サイト ≫マーベラス公式サイト / ≫NTTドコモ:紹介ページ
▼Information
■プレイ人数 1人
■セーブデータ数 3つ
■その他 DSダウンロードプレイ対応(※体験版配布)
■総説明書ページ数 29ページ
■推定クリア時間 4〜5時間(エンディング目的)、20〜30時間(完全攻略目的)
今日はドコモダケの森、年に一度のお祭り。
けど、お祭りの準備に出かけた家族達が帰ってこない。

チチ・ドコモダケは決意した。
どんな困難があろうとも必ずや家族を探しだし、
家族揃って祭りの日を迎えると。

さあ、家族を探しに出かけよう。
▼Points Check
--- Good Point ---
◆パズルアクションとステージクリア方式の王道に準拠した、取っつき易い基本ゲームルール
◆身体を分裂させて分身の個体を作り出し、それを用いて行く手を阻む仕掛けの解除、敵の撃退を行っていく、キノコの特性に着目した革新的な「分裂システム(アクション)」
◆分裂させる度にプレイヤーが脆くなってやられ易くなる、キノコらしい(?)耐久力の仕様
◆穴を掘る、回転ダッシュなど、意外に躍動的な基本アクション(アクション時にドコモダケが無表情のままなのも笑える)
◆一見、無理矢理に見えて、驚くほど理に適った十字キーとタッチペンを併用する操作系
◆操作系における右利き、左利きプレイヤーへの入念な配慮(双方の操作共に違和感皆無)
◆操作系の特徴とニンテンドーDSのゲームとしての独自性に対するこだわりが詰まった、巧の技が炸裂したステージ構成(仕掛けの配置、ロケーション、難易度の推移共に非常にバランスの取れた出来)
◆ニンテンドーDSだからこその解法を取り入れたステージ上の仕掛け全般
◆森からお花畑、更には都会とドコモダケの世界観を尊重した、違和感のないロケーション群
◆ジャンルとしては少な目ながら、豊富なやり込み要素でしっかり補ってる本編のボリューム
◆ゴールするだけなら簡単、やり込みを含めれば手応えが跳ね上がる絶妙で良心的な難易度
◆原作のイラストとイメージを尊重する丁寧な描き込みが行われているグラフィック
◆同じく原作の雰囲気を尊重する楽曲が満載の音楽(あのお馴染みの曲も…)
◆可愛くホッコリさせて、時にホロリともさせる素敵なストーリー(テキストも秀逸)
◆エリアクリア時のQRコードを読み取ることで壁紙が貰えてしまう、何ともユニークなクリア特典(しかも、コードの仕様もあってdocomo以外のキャリアの携帯でも読み取れてしまう(笑)。2018年現在は配布終了)

--- Bad Point ---
◆パズルアクション主体ゆえの地味さの拭い切れない本編(ただ、ステージの起伏は十分)
◆タッチペン操作との併用もあって、少しもたつくところのあるメニューインターフェース
◆パズルアクションとしては物足りなさもある本編のボリューム(エンディングを目指すだけなら本当に短い)
◆十字キーとタッチペンを併用操作の宿命、持ち手で画面が隠れる問題(※個人差有り)
◆生々しいにも限度があるダメージ時の効果音(やたらリアルで痛々しい音が鳴る)
▼Review ≪Last Update : 6/10/2018≫
「だって、家族ですから。」

心温まり、時にホロリもさせる家族探しの旅なんです。


NTT DOCOMOのマスコットでもあるキノコのキャラクター「ドコモダケ」を題材にしたパズルアクションゲーム。開発は『どーもくんの不思議てれび』、『怪盗ワリオ・ザ・セブン』などを制作した朱雀(すざく)が担当。

ユニークな分裂システムと練られたステージ構成で魅せる、想定外の逸品だ。

ゲーム内容は横スクロールで展開するステージクリア型パズルアクション。主人公のチチ・ドコモダケを操作して、様々な仕掛けが張り巡らされたステージを乗り越えながら、お祭りの準備に出かけて帰ってこない家族を探しだすというものだ。
本編はエリア単位で用意されたステージを順に攻略していく形で進む。ステージのクリア条件はゴールに辿り着く、たったそれだけ。ゲームに不慣れたプレイヤーも直に理解できる取っつき易いものになっている。各ステージも箱の中に納まったかのようなコンパクトなサイズにまとまっていて、パズルアクションの王道に準拠した作りになっている。ゲームボーイの『ドンキーコング』を知るプレイヤーであれば、ノスタルジーを喚起させられること請け合いだ。
そう基礎部分はジャンルの王道を則っているのに対してシステム、特にアクション周りには、主人公のドコモダケ……というより、キノコの特性に着目したとてもユニークでクスリと笑ってしまう「分裂システム(アクション)」なるユニークでくすっと笑ってしまうものが取り入れられている。本作の主人公であるチチ・ドコモダケはミニサイズの「ミニドコモダケ」に分裂する特技(?)があって、このミニドコモダケを使って仕掛けを解除したり、行く手を阻む敵を撃退しながらステージを駆け抜けていくことになるのである。詳しく解説すると、分裂自体は基本的にチチドコモダケをタッチペンでタッチする事によって行う。この手順から明らかな通り、本作は十字キーとタッチペンの二つを使う形で遊ぶスタイルで、十字キーでドコモダケの移動とジャンプ、タッチペンで分裂を始めとするアクションを行う形となる。ちなみに左利きのプレイヤーにも配慮して、十字キーの代わりにABXYボタンを使う事もできる。また、右利き操作時においてもABXYボタンは使え、十字キーの上で実施するジャンプ操作をあえてXボタンで行う使い分けも許容されている。少々、特徴的な操作だが、やる事は必要最小限なので、単純明快。その概略に反して、意外と手に馴染む操作系になっている。
話が脱線したが、そのタッチペン操作でチチドコモダケをタッチすると、ミニドコモダケを一匹作り出すことができる。このミニドコモダケは生成した後、タッチペンで現在、チチドコモダケの周囲に見える範囲であれば、何処にでもタッチスライド操作で動かせる。チチドコモダケ単体では絶対に届かない所にあるスイッチに持って行ったり、天秤の仕掛けで重さを調節したりと言った離れ業ができてしまうのである。しかも、できる事はそれだけに留まらず。点線ブロックに組み込んで新たな足場を作り出したり、ミニドコモダケ本体を二回タッチすると「ダンゴ」状態に変わり、それにチチドコモダケが触れると持ち上げ、タッチした所に向けてそれを投げ、敵を攻撃する事までできてしまう。更にミニドコモダケは最大16体まで生成可能。複数のミニドコモダケを作り出すことで、点線ブロックに大量配置して橋を造ったり、ドコモダケ達を重ねてハシゴを作り出したりする連携プレイも可能となり、攻略の幅が広がるのだ。また、分裂と共にチチドコモダケの体格も変化。最大16体まで分裂させれば、チチドコモダケ自身もミニドコモダケとほぼ同等のサイズにまで小さくなる。こうなることで、大きなサイズでは通過できない狭い通路を通れるようになったり、天秤の仕掛けで重さの更なる調節を行うと言ったこともできてしまう。元の体格に戻すことも勿論可能で(※チチ・ドコモダケの真上に表示された手の平アイコンをタッチすればよい)、軽くするのも重くするのもプレイヤーの思うがまま。まさにキノコの特性をフル活用したといってもよい、離れ業過ぎるアクションと前例のないパズルが楽しめてしまうのである。このような技を駆使しながら、ステージを攻略していくことからも明らかな通り、その手応えは革新的の一言。キノコと言ったら、基本的に何処かの赤いヒーローがパワーアップする為に必要なアイテムで、キャラクターというよりはアイテム的な存在として描かれることがザラではあるが、本作はアイテムとしてでなくキャラクターとしてもキノコを描写。未だかつてないプレイ感を描いているのだ。
また、分裂できるミニドコモダケの最大数は、そのままチチドコモダケのライフゲージにもなっている。基本的に敵やトラップに接触すると、その反動からミニドコモダケへと分裂。併せて分裂したミニドコモダケが「バテバテ」状態になってしまい、カウントダウンの数字が表示され、その数字が0になる前にチチドコモダケに吸収させないと、ミニドコモダケが「キゼツ」状態となり、分裂できる最大数が減ってしまうのである。しかも16匹に分裂して、一番小さいサイズになった時にはライフゲージが強制的に1になる。なので、この時に敵やトラップに接触したりすれば、問答無用でミス。小さくなったなりのリスクを伴うことになるのである。他に「バテバテ」状態は「ダンゴ」状態で投げた後、それが敵に命中した後にもなる。その為、無駄にポンポン分裂させると耐久値が減ってしまうだけでなく、分裂の最大数が減ることすなわち、攻略の選択肢も減って難易度が増す事にも繋がる為、適切な分裂と吸収を心掛けていかなければならない。非常に個性的な上、離れ業も可能なアクションとは言え、やはりそれ相応のデメリットも満載。そして、その対処法も非常にキノコ的(?)で、独特の味わいを持ったものになっている。基本的な概略だけでもかなりぶっ飛んでいるが、意外とその作りは繊細。新しくもキノコならではの長所と短所を抑えたシステムに完成されているのだ。
一応、パズル型アクションとしてはワリと王道の作りをしている。だが、本作はニンテンドーDSのゲームであり、ドコモダケというキノコのキャラクターを題材にしたゲーム。それだからこその新しいアクション、新しい操作感、ぶっ飛んだギミックが満載で、単なるキャラクターゲームという括りでは終わらない独自性とやり応えを持つ作品に仕上げられている。その奇抜さ、NTTドコモはもとより、ソフトバンクもKDDIと言った他キャリアの社長から社員までも目が点になるほど……さすがに言い過ぎだが、それほどまでに変わった、キノコ特有の味わいを持つゲームになっているのだ。食べれないけど。

そんな本作の魅力は総合的な完成度の高さだ。NTT DOCOMOの看板キャラクターを題材としたゲーム。もう、この時点で本作に対して好印象を抱く人は少ないだろう。明らかに自社の販促目的で作った作品。世間的に記録的な大ヒットとなったニンテンドーDSの人気にあやかる目的で作られたゲームと印象付けるに違いない。それに本作はキャラクターゲーム。それこそ80年代のファミリーコンピュータ時代から30年以上もの長き月日に渡り、完成度の面で信用の置けないことで知名度を得ているゲーム(ジャンル)である。全てがそうではなく、例外とも言える出来の良い作品も多数あるが、昔からのお約束もあって、不穏な空気が漂っているのは否定できず。それこそ、そのようなゲームに煮え湯を飲まされてきたプレイヤーであれば、本作に対して決して近づいちゃダメだとの警戒心を働かせてしまうだろう。
だが、その実態は真逆も真逆。先にも触れたキャラクターゲームの完全なる「例外」にして、細部に至るまで職人の技が炸裂したパズルアクションゲームに完成されているのである。こんなあからさまに怪しい雰囲気を漂わせながら!(失礼)
特に分裂システムとその特色を反映させたステージ構成は巧の一言に尽きる。何より、ニンテンドーDSならではのプレイスタイルと遊びをしっかりと表現しているのが見事。プレイヤーキャラクターが表示されている範囲であれば、タッチペンで自由に分裂させたキャラクターを動かせて、本来、届かない所にも設置できるのはまさにその象徴で、ボタン操作では決して表現できない、むしろこの操作系だからこそ成し得た無茶苦茶さが描かれている。プレイヤーキャラクターの操作と並行して行えるのも大きな見所。ボタン操作でも、右スティックがコントローラに備え付けられたハードならできなくもないが、その操作難易度の直感性と分かり易さは圧倒的にこちら。思うがままのところに分裂させたキャラクターを置けて動かせる、タッチペンだからこそできた気持ちよさと扱い易さに満ちている。その驚くほど自然にまとまった作りには、制作スタッフの着眼点の良さとニンテンドーDSだからこそできたゲームを生み出そうとする執念を実感させられること請け合い。併せてドコモダケ、キノコのキャラクターだからこそ実現できたアクションという、このキャラクターを使うなりの意義と説得力もちゃんと描かれていて、単純に有名なキャラクターを使っただけのゲームで終わらせまいとするこだわりも滲み出ていて、プレイヤーに本作はドコモダケだからこそ成り立つゲームと納得させる作りにまとまっている。何の為にこのキャラクターを使ったのかという理由が明確に示されているのだ。このDSならではのプレイ感の追求、ドコモダケというキャラクターを用いたなりの理由がしっかり設定されているだけでも、本作が如何に「例外」であるのかがよく分かるだろう。
そもそも、本作を開発した朱雀はゲームボーイアドバンス時代に『どーもくんの不思議てれび』という、これまた著名なキャラクターを使ったゲームの制作を手掛けていた。この『どーもくんの不思議てれび』もまた、稀代の傑作キャラクターゲームとされる逸品中の逸品、そして例外でもあり、テレビが大好きというどーもくんの設定を活かした唯一無二にして、やりたい放題感のあるゲームデザインと世界観が光る作品だった。発売後に公開された開発者インタビューによると、当初、このゲームはどーもくんを使ったスーパーマリオブラザーズ風のゲームになるはずだったという。しかし、任天堂からダメ出しを受け、試行錯誤を経てどーもくんの個性を活かした内容に昇華され、唯一無二の個性を持ったキャラクターゲームとして完成されるに至った。その時の経験が本作にも活かされており、特にドコモダケのアクション周りからはどーもくんでも炸裂していた、「キャラクターの個性を最大限に活かす」という制作姿勢が顕著に表れている。そして、こう言ったゲームを作ったのも一度、どーもくんという個性を最大限に活かしたキャラクターゲームを作った朱雀だからこそ成し得たもの。その時の経験が全く別のゲームで活かされ、再び面白いキャラクターゲームを作り上げているというのには感慨深い限りだ。どーもくんとは異なり、本作の発売元は任天堂ではなく、AQインタラクティブであるが、仮に同社がどーもくんの実績を知った上で朱雀に開発を任せたというのなら素晴らしい……否、素晴らし過ぎる判断。よくぞ、その会社に依頼してくれたとこのシステムの出来の良さを体感させられた後だと思うばかりだ。決して市場に氾濫する販促重視のキャラクターゲームにはさせない意気込みがあったのか、それは関係者のみぞ知るところだが、この選定には拍手を送りたい。
また、ステージの作り自体も分裂システムを最大限に活用する仕掛けの配置、バリエーション豊かなギミックが光る。ストーリーが行方知れずになった家族探しという事で、ラインナップはパズルアクション中心で、いわゆるボス戦と言ったアクション要素の強いステージは皆無だが、そのようなステージに特化したなりの作り込みが実に見事。どのステージも独自のパズルアクションの妙味とスリルが味わえることにこだわり尽くした内容にまとめられている。中でも分裂システムを活かしたトリックの数々は思わず声を挙げてしまうほどよく出来ている。具体的にどんなものかは本編を遊んでのお楽しみだが、「チチドコモダケが映し出されている範囲内であれば、ミニドコモダケを縦横無尽に動かせる」という特色がヒント。実際にその場面に遭遇すれば、思わずこう思ってしまうだろう。こりゃ、ニンテンドーDSじゃないとできないわ、と。また、ステージに関してはロケーションも豊富な上、ドコモダケの世界観やイメージを尊重しているのも大きな魅力。裏を返せば、ぶっ飛んだ場面が無いので刺激と笑いには欠けるのだが、こういう世界ならドコモダケが居ても不思議では無いという、説得力の高さが滲み出ている。本作がキャラクターゲームとして、如何にそのイメージを大事にして作られているのを実感させられるだろう。こう言ったキャラクターの世界観を崩壊させ過ぎない配慮もまた、どーもくんを制作した朱雀の本領発揮と言ったところ。原作への敬意と配慮には、本当に頭が下がるばかりだ。
少し釘を刺すなら、パズルアクション主体で進んでいく為、レベルデザインの面で大きな起伏が無いのには地味さを感じるかもしれない。折角、行く手を阻む敵が登場するのに加え、攻撃アクションまで用意しているのにボス戦が無いのにも宝の持ち腐れな感じはある。けど、ドコモダケにそんな派手な展開は似合わないと言うかの如き、原作のほのぼのとした作りには、本作の制作スタッフが隅から隅までドコモダケだからこそのゲームを作ろうとした意気込みが現れている。
ここまで長く語ってもキャラクターゲーム故、正直、半信半疑になってしまうかもしれない。だが、それでも言い切ろう。本作は本当に稀有な完成度を誇るゲームなのだと。ドコモダケ…キノコが主人公のゲームなりの独自性を持った作りなのだと。そう主張したくなってしまうぐらいに本作の完成度はずば抜けて高い。地味だけど、DSならではの遊び応えをたっぷり堪能できるゲームになっているのだ。それでも警戒心のあるプレイヤーは騙されたと思って製品版を買ってみるといい。さすれば思い知らされるはずだ。本作に流れる、『どーもくんの不思議てれび』の血脈というものを!

操作周りはレスポンスの良さも秀逸。キビキビと動いてくれるだけでなく、ドコモダケ自身のビジュアル的なユルさも相まって、動かしているだけで”のほほん”としてしまうものになっている。
難易度も絶妙。意地悪な解法が要求されることは皆無で、優し過ぎず難し過ぎずの安定したバランスでまとめられている。逆にステージごとに用意されたアイテムの全回収、タイムアタックを行うと途端に難易度が急上昇するという一面も。まるで任天堂のゲームみたいなその狙い澄ましたバランスにもまた、どーもくんの血脈を感じさせられるだろう。
ボリュームもステージ総数はパズルアクションにしては控え目。ただ、ボス戦と言った起伏のある展開が無く、パズルアクションに終始する内容を考えると、極めて妥当な物量となっている。また、ステージごとのアイテム全回収やタイムアタックと言ったやり込み要素も完備。これも含めてやり込むとなかなかの物量になるので、全て終えて物足りないと感じたプレイヤーならばレッツチャレンジだ。特に終盤のステージはやり込みも含めると、かなり苛烈な展開になるので必見だ。
グラフィックの完成度も高い。特にドコモダケを始めとするキャラクターのドット絵は、原作イラストを忠実に再現しているだけでなく、動きも含めて大変可愛らしいものに仕上げられている。特に先も触れた、意外と多彩なアクションをお披露目してくれるチチドコモダケのドット絵は必見。人によっては、その愛らしさとシュールさに癒されるかもしれない。
音楽も世界観にマッチした、ほのぼのとした楽曲が取り揃っている。曲の主張も大人しく、ステージ攻略時の邪魔にならない辺りもパズルアクションというジャンルに対する配慮が現れている。また、ステージクリア時のジングルも大変に印象的。これは是非、本編でご確認してみて欲しい。誰もが「それでこそドコモダケだ!」と爆笑してしまうだろう(笑)。

演出周りも派手さはないものの、エリアをクリアした時には可愛らしい紙芝居デモが挿入されるなど、ドコモダケのほのぼのとした世界観を尊重する作り込みが図られている。ストーリーも行方不明になった家族を探すという、やや深刻な内容ではあるが、シリアス成分は一ミリも含まれてない、とっても可愛くて愉快なお話にまとまっている。また、作中では遠くの街に居る娘こと「ムスメドコモダケ」との連絡が取れない謎も家族探しと並行して描かれ、終盤にその真相が明らかになるのだが、これもホッコリとした気持ちにさせられるものになっている。ステージもその展開にマッチした設計が図られたものが中心になるなど、レベルデザインもストーリーを強く意識したものになっているので、是非ともご覧になって頂きたい。本作のキャラクターゲームとしての本気というものを痛感させられるだろう。しかしながら、実際に娘を持つお父さんプレイヤーには少々涙腺を刺激させられる内容になっているので、その点は要注意……かも。
他にもエリアクリア後には「QRコード」が表示され、それを携帯電話のカメラで撮影することで専用の壁紙を貰えるという粋な特典も用意されている。しかもこのQRコード、docomo以外の携帯でも読み取り可能。仮にもdocomoのゲームでそれはどうなんだ…と思うかもしれないが、気にしたら負けだ。考えないでおこう!(※なお2018年現在、壁紙の配布は終了
やや淡々としがちな本編、エンディングだけを目指した際のあっさりとしたボリューム、十字キーとタッチペンを用いるなりの持ち手で画面が隠れることが稀にある問題など、欠点も散見されるが、全体的な完成度は盤石。キャラクターゲームとしても非常に良く出来ていて、原作への敬意とその魅力を引き出す事にこだわりの作り込みが成されている。ゲームボーイアドバンスの隠れた傑作『どーもくんの不思議てれび』を制作した朱雀の持ち味が大いに発揮されている本作。ニンテンドーDSをお持ちの方ならば何が何でもプレイして頂きたい、超が付くレベルで想定外の良作だ。パズルアクションゲームが大好きなプレイヤーならストライク必至。ドコモダケのキャラクターが好きな方も大満足間違いなしの内容になっているので、機会があったらプレイしてみて欲しい。かなりお薦めです。
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