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≫ニンテンドウオールスター!大乱闘スマッシュブラザーズ
■発売元 任天堂
■開発元 HAL研究所
■ジャンル 対戦アクション
■CERO(推定) A(全年齢対象)
■定価 NINTENDO64版:6090円(税込)
バーチャルコンソール版(Wii):1000Wiiポイント
■公式サイト ≫任天堂公式 / ≫スマブラ拳
≫VC版(Wii)
▼Information
■プレイ人数 1〜4人
■セーブデータ数 1つ(※バッテリーバックアップ:リチウム電池形式)
■その他 振動パック対応
■総説明書ページ数 40ページ
■推定クリア時間 40分〜1時間(エンディング目的)、20〜40時間(完全攻略目的)
任天堂を代表するキャラクター、マリオ、ピカチュウ、リンク、カービィ、ドンキーコング、ヨッシー、フォックス、サムス。
それぞれ、人気シリーズの代表的なキャラクター達が一本のゲームに集結。
『人形(フィギュア)』という仮想設定の元、任天堂の人気キャラクター達が画面内で大迫力の乱闘バトルを繰り広げる。ルールは非常にシンプル、且つ操作も簡単。

更に、工夫次第では幅広い遊び方で本編を楽しめる。
爽快感抜群の新感覚バトルアクションゲーム、ここに登場。
▼Points Check
--- Good Point ---
◆古くからの任天堂ファンには感涙モノの、マリオにピカチュウ、リンク等の夢の共演
◆ダメージを蓄積させ、強力な攻撃を与えて相手を吹っ飛ばす、斬新な爽快感に満ち溢れたゲームシステム
◆消える足場などの多種多様なギミックが凝らされた、起伏に富んだバトルフィールド
◆初心者から上級者の棲み分けを明確にした、良い意味で大味なゲームバランス
◆シンプルなパンチから必殺技、二段ジャンプまで多彩な各プレイヤーキャラのアクション
◆それぞれのキャラの個性と原作の雰囲気を色濃く表現した『必殺技』
◆大半がスティックともう一つのボタンの組み合わせで成り立った、シンプルな攻撃コマンド
◆普通の対戦から集団戦など、バラエティー豊かな展開が満載の一人用モード
◆難易度は高めだが、2Dアクションの魅力がギュッと詰まった、2つの秀逸なミニゲーム
◆起伏に富んだフィールドと個性豊かなアイテムが織り成す、白熱必至の対戦プレイ
◆ダメージ率の調整からバトルスタイルまで、多種多様な対戦専用のオプション機能群
◆説明書をさほど読まなくても直に馴染める敷居の低さが秀逸な、抜群の操作性
◆操作デモに練習モード等、充実にした初心者向けサポート機能群
◆暇な時に気軽にサクッと楽しめる、適度な総計ボリューム(隠し要素も満載)
◆懐かしい曲から本作独自の新曲まで盛り沢山の、秀逸な音楽
◆スピード感溢れるカットの連続で展開していく、熱いオープニングムービー
◆登場キャラクターの事細かなプロフィールが掲載された、各キャラのファンにはたまらないデータモード
◆世界初(?)、動かせるスタッフロール

--- Bad Point ---
◆一画面に4人のキャラが介す形なだけに、時に自分を見失い易い対戦プレイ
◆運動性能から基本攻撃力まで、明らかに他のキャラクター以上に強力に設定されている『カービィ』
◆かなりの慣れが要求される、ピカチュウの『でんこうせっか』の必殺技
◆1人プレイでは、どうしても直に飽き易くもある総計ボリューム(賛否両論)
◆ほぼ完璧な操作が要求されるだけに、ややシビアな感のあるミニゲームの難易度
◆格闘ゲームに慣れてない人には違和感のある、ジャンプの操作
▼Review ≪Last Update : 12/15/2007≫
人形という名の設定が及ぼした奇跡。

任天堂ファン待望の対戦アクションゲーム、ここに参上。


マリオ、ピカチュウ、リンク、カービィ、ドンキーコングと言った任天堂を代表する作品の主人公キャラクター夢の共演で送る、格闘要素を色濃く含んだ対戦型アクションゲーム。

相手を対戦フィールドの外にぶっ飛ばして倒す、全く新しいゲームシステムと白熱の4人対戦が光る、遊び応え・やり込み甲斐満点の意欲作にして、究極の接待ゲームだ。

基本的なゲーム内容は、ロクヨンとしては珍しい、2D視点で展開する対戦型のアクションゲーム。プレイヤーはマリオやピカチュウ、リンクと言った任天堂の人気キャラクターを操作して、多種多様な技を使いこなしながら、様々な相手との戦いを乗り越えていく。格闘要素を色濃く含むと話した通り、パンチやキック、そしてコマンドによる必殺技など、キャラクターを動かす感触は『ストリートファイターII』等の格闘アクションゲームにワリと近いものがあるのだが、本作の基本となるゲームシステムには、それまでの格闘アクションゲームとは一味も二味も違う、斬新なものを採用。
相手の体力をゼロにすれば勝ち…というのでは無く、相手を対戦フィールド上からぶっ飛ばすか、或いは落下させれば勝ちという、あまりに豪快且な内容となっているのだ。
より具体的に解説すると、プレイヤーキャラクターには『体力ゲージ』は無く、代わりとして『ダメージ蓄積量』なるものがあり、相手からのパンチなどの攻撃を受けたりするとこの蓄積量が上昇。数値が上がれば上がるほど、自身が吹っ飛び易くなっていく。基本的に100%以上となった時が最も危険で、この状態で強力な攻撃を一発でも受けたりすると、そのキャラはフィールドの場外まで軽々と吹っ飛んで行ってしまう。この状態からフィールドに復帰できなければ、そのまま穴に落ちてアウト。或いは場外端にある限界ラインに到達しまってもアウトとなり、その時点で負けとなる。要はダメージを一定以上与えてから相手を吹っ飛ばし、復帰不能にさせれば良いだけ。相手の体力をゼロにする事を基本とする格闘ゲームと対比して、あまりに現実離れし過ぎている、如何にもゲームっぽい手応え満点のシステムとなっているのだ。その手応えは、もはや格闘アクションゲームと言う類のものではなく、むしろ対戦に特化したアクションゲームと言うに相応しい。
実際、プレイヤーが戦う事になるフィールドは完全な平地ではなく、大半が足場が幾つもあったりする起伏に富んだ地形となっており、そんなアクションゲームっぽさをより一層演出している。更にフィールドによっては、一定時間乗ると消える足場やキャラを左右に弾き飛ばすトラップ、そして突然フィールド上に出現し、敵味方問わず無差別攻撃を仕掛けてくる乱入キャラなど、奇想天外なギミックも凝らされているほどである。
そんな起伏のある地形を舞台に、且つそれらの多彩なギミックをバックに繰り広げられる戦いが、果たして格闘アクションゲームのジャンル枠に収まるものと言えるだろうか。言える筈が無いだろう。それほどまでに今作の戦いと言うものは、流動的…単なる相手との戦いだけでなく、周囲の不可要素とまで戦わねばならない、非常に激しいものとなっているのだ。
まさしくこれぞ、大乱闘。プレイヤーから対戦相手、更にはステージの仕掛けと言った不可要素達までもが、今作では一同に戦いを繰り広げるのである。そのあまりに激しく、それでいて目にも止まらぬ戦いは、見る者を圧倒させる。

そんな激しい戦いを演出する、プレイヤーキャラの攻撃アクションもまた非常に多彩。基本となるパンチやキック、そして必殺技は勿論の事、二段ジャンプにコマンド入力によるスマッシュ攻撃に連続攻撃、投げ、そしてアイテムによるアクションなど、実に色々な動作を楽しめる。コマンド入力と聞いて、格闘ゲームが苦手な方は敬遠の気持ちが湧き出たかもしれないが、技のコマンド自体は非常にシンプルなものとなっており、基本的にスティックとボタンの2つの組み合わせで簡単に出せる仕様になっているので、全くと言って良いほど難しくは無い。特定の技しか出せなくても、普通にゲームクリアはできるよう、バランス調整も成されているので格闘ゲームが苦手な方でも、初心者の方でも全然大丈夫だ。
それに、対戦では少ない技しか出せない人の為のサポートとして、『アイテム』による攻撃もできるようになっているので、腕の良い人とそうでもない人の差もそんなに出る事は無いのも、格闘ゲームが苦手な方、初心者にとっては心強い。
それでいて、遊び込めば遊び込むほど、どんな方でも操作がみるみると上手くなっていくアクションゲームらしいバランスも施されているのだから流石だ。格闘ゲームみたいな厄介なコマンドなんて、何処にもあらず。それほどまでに今作の操作自体は大変シンプル且つ、触り心地の良いものとなっているのだ。
勿論、シンプルな操作だけに、より練習を重ねれば重ねるほど、高度なテクニックやコンボも簡単に試せるようになる。そんな奥深さを秘めてる辺りも、今作の大きな魅力だ。制作スタッフ並びにディレクターが、かつてスーパーファミコンで本作と同じような操作系を採用した作品『星のカービィ スーパーデラックス』と同じだけにあるこだわりの表れと言える。
技そのものもユニークで、各キャラクターごとに用意された、個性豊かな必殺技は必見。その中でもカービィは、相手キャラを吸い込んで、その性能をコピーできるというコピー能力のアクションが実に面白い。コピーしたキャラクターに応じて、カービィがそのキャラに成りきった声を出す演出もなかなかユニークだ。
そんな個性豊かなキャラクターを使って遊べるゲームモードは、『一人用ゲーム』に『対戦モード』の計2つ。思いのほか少なめではあるが、例えば『一人用ゲーム』では、ただ単に相手となるキャラと1対1で戦っていくだけでなく、30体もの沢山の敵を相手にするバトルがあったり、古き良き2Dアクションゲームのように、アスレチックを進みながらゴールを目指す…なんてステージもあったりと、なかなか起伏に富んでいる。このメインモードの他にも、キャラごとに用意された専用のステージ上に設置されたターゲットを全て壊すまでの時間を競い合う『ターゲットを壊せ!』など、タイムアタック的なおまけも用意されているなど、色々な遊びも豊富に用意されているので、やり込み甲斐も満点だ。そして、本作の顔とも言える対戦プレイも最高に面白く、起伏に富んだフィールドを舞台に繰り広げられる戦いは絶叫・爆笑必至だ。
激しい戦いが繰り広げられるゲームでありながらも、初心者から上級者まで気軽に触る事のできる操作性を実現し、尚且つ色々な遊び方が楽しめるゲームモードを多数収録。
このように今作は、中身の激しさに反して、操作性から遊びの面まで気を配った試みが成されているなど、思いのほか緻密な作り込みが成されているのである。ただ、派手にガヤガヤ戦うだけの単純なゲームじゃない。エンディングまでの到達時間は短めながらも、色々な遊び方を一同に楽しめる、非常に奥の深いゲームになっているのだ。

システムやゲームとしての作り込みならず、任天堂キャラの豪華共演作品ならではのファンサービスがしっかりしているのも流石。キャラごとのゲームを遊んだユーザーには懐かしい音楽から、そのゲームの世界観を見事に描いたバトルフィールドなど、全てが高いレベルで構築されている。また、登場キャラクター達の出演作品などの詳細なプロフィールを掲載した、『データ』なるモードも秀逸。キャラクターごとのファンにとっては、たまらないファンサービスだ。
1人でプレイした際を考慮した、おまけ要素の豊富さもお見事。この手の対戦ゲームではお馴染みの隠しキャラクターに隠しステージ、更にはHAL研究所制作のゲームの代名詞とも言えるサウンドテストなど、なかなか多彩なおまけが収録されている。注目すべきはやはり隠しキャラクターで、任天堂ファンには「おおっ!」と大声を挙げてしまうような、驚きのキャラクター達が全部で4人登場する。それが誰なのかは実際に遊んで見てからのお楽しみだが、いずれのキャラも選出が絶妙で、ファンのツボを上手く付いているので必見だ。そんな隠しキャラクター達もひっそりと登場する、スピード感溢れるカットで展開していく、ゲーム開始前に流れるオープニングムービーも同じく、必見だ。

1人でプレイした場合はどうしても、飽きが来易く、どうにも長続きしなかったり、登場キャラクターの一人、カービィの運動能力が他のキャラクターよりも明らかに強力に設定されていたりなどと、不備もチラホラとあるが、接待ゲームとしての完成度、並びに一つのアクションゲームとしての完成度は総じてかなり高く、過去に任天堂がリリースした幾多のタイトルに肩を並べるほどの名作と言っても過言ではない。
相手を吹き飛ばすと言う全く新しいゲームシステム、任天堂ファンにとっては夢のようなキャラクター達の共演、そしてかの『ゴールデンアイ 007』に匹敵するほどの面白さを秘めた対戦に幅広い遊びの数々と…シンプルな作りながらも、恐るべき奥深さを秘めたこの『大乱闘スマッシュブラザーズ』(正式名称は長いために省略)。
ロクヨンを持っているユーザーならば要プレイ、そして格闘ゲームが苦手な方から初心者の方まで、是非とも遊んでみて頂きたい、対戦型アクションゲーム大傑作だ。このあらゆる存在が入り乱れる戦いは、ここでしか味わえない…。
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