≫マリオパーティ2
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■発売元 |
任天堂 |
■開発元 |
ハドソン |
■ジャンル |
ボード |
■CERO |
A(全年齢対象) |
■定価 |
5800円(税別) /
バーチャルコンソール版(Wii):1000Wiiポイント |
■公式サイト |
≫NINTENDO64版 / ≫VC版(Wii) |
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▼Information
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■プレイ人数 |
1〜4人 |
■セーブデータ数 |
1つ(※バッテリーバックアップ:フラッシュメモリ形式) |
■その他 |
振動パック対応 |
■総説明書ページ数 |
28ページ(ボードゲーム編)、34ページ(ミニゲーム編) |
■推定クリア時間 |
20〜30時間(エンディング目的)、40〜60時間(完全攻略目的) |
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自分達の夢を詰め込んだ国を作ろうと、マリオ達は夢を語り合い、その後、全員で力を合わせて一つの国を作り上げた。
ところが、その国の名前を『マリオランド』にしようとした途端、「自分の名前が良い!」と、仲間内でケンカが始まってしまった。このケンカには、少し後から見ていたキノピオもお手上げ。
だがそんな最中、一大事が発生。『マリオランド』がクッパに襲われてしまったのだ。
もはや、名前を巡ってケンカをしているどころではない。
そこでキノピオは「クッパを倒したスーパースターの名前をこの国に付けましょう」と提案。
これを聞き入れたマリオ達は早速、クッパを倒す為の新たな冒険へと旅立った…。
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▼Points Check
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--- Good Point ---
◆マリオらしい取っ付き易さと奥の深さが冴え渡る、完成度の高い基本ゲームシステム
◆『スターを集めていく』という事に徹した、明確でとても分かり易いゲームルール
◆相手の妨害など、戦略性の幅を劇的に高め、尚且つ駆け引きの面白さを打ち出した新要素『アイテム』
◆先行き不透明なゲーム展開を更に盛り上げる、『ノコノコバンク』を始めとする逆転要素溢れる新しいマス
◆西部劇の村、宇宙ステーションなどテーマパークらしさ溢れる個性的なマップ群
◆機関車の暴走に昼夜の逆転など、前作にも増して激情的になった各マップのイベント群
◆スティック限定操作が廃止され、安心して遊べるようになった全64種類のミニゲーム
◆初心者と上級者が台頭に戦えるバランス調整が光る、新ジャンル『バトルミニゲーム』
◆アイテムを始めとする逆転要素の倍増により、更に盛り上がりが増した対戦プレイ
◆難易度ごとに、異なった展開が楽しめる一人専用モード『ミニゲームコースター』
◆チュートリアル、練習マップなど豊富に盛り込まれたサポートシステム群
◆初心者もすんなり馴染めてしまう、シンプルなボタン配置が光る快適な操作性
◆ミニゲーム集めにタイムアタックなど、それなりに充実したやり込み要素
◆不公平さを撤廃する配慮が随所に凝らされた、幅広さも兼ねた絶妙なゲームバランス
◆テーマパークらしい、賑やかな世界観を鮮明に描いた美しいグラフィック
◆同じく、テーマパークらしい世界観に見事にマッチした、楽しげな音楽
--- Bad Point ---
◆スター集めの廃止と隠しマップの減少により、致命的に劣化したやり込み要素
◆それに伴い、一人プレイでの面白さが失われてしまったボードゲーム本編
◆あまりに低年齢層を意識し過ぎた演出群(正直、前作よりも子供っぽ過ぎる…)
◆スティック限定操作廃止で、一つ一つの個性が薄れたミニゲーム
◆必要以上に運が絡むバトルミニゲーム『クッパだいばくはつ』
◆使われている曲があまりにノリ難いものな為、極端に操作の慣れが要求されてくるミニゲーム『おしえてステップ』
◆あまりに高く設定し過ぎな、『ミニゲームコースター』の難易度『むずかしい』
◆相変わらず、冗長で素っ気無い作りのエンディング&スタッフロール
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▼Review ≪Last Update : 5/3/2008≫
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もう、回す時代は終わったのです。
時代はボタン連打へと移行したのであります。
取っ付き易いゲームシステムと多彩なミニゲームで、老若男女を問わず、多くの世代から好評を博した『マリオパーティ』の続編。開発は前作に引き続き、ハドソンが担当。
奥深さこそ薄れたが、戦略性を高める新要素の追加とミニゲームの全面的な見直しによって劇的な進化を遂げた、ロクヨン屈指の傑作ボードゲームだ。
基本的なゲーム内容とルールは、前作と変わらない。ターン制で展開する双六風味のボードゲームで、プレイヤーはサイコロを振って舞台となるマップを移動しながらコインを集めていき、多彩なイベントを乗り越え、キノピオから『スター』を集めていく。そして最終的に他の相手より、多くのスターを持っていた人が勝ちとなる。……ほとんど前作と一緒だ。
システム周りも、予測不能な仕掛けが多数織り込まれたボードマップ、毎ターン終了ごとに行われるミニゲーム、丁寧なチュートリアル、コンピュータの強さの設定機能、オートセーブ機能等、前作で既に完成されていたものをそのまま継承している。だが全てが前作と同じという訳で無く、当然のように新要素も盛り沢山だ。
まずボードゲームの方だが、新たに『アイテム』が登場。相手の妨害やこちら側の行動の支援と言った事ができるようになり、より多彩な戦略が組み立てられるようになった。前作ではミニゲームでの勝敗か、それともイベント発生による運に勝敗が左右される事がザラだったが、今作ではある程度ながら、プレイヤー側のコントロールが効くようになったのである。あまりに運に左右され過ぎる展開が馴染めなかった方にとって、これは大きな進歩だ。
基本的にアイテムは『アイテムショップ』と呼ばれる新たな施設でコインを支払って購入、或いは新たなマス『アイテムマス』に止まった際に行われる『アイテムミニゲーム』をクリアする事で入手可能。個々の性能は極めて強力で、サイコロを二回振れるものから相手の持っているコイン等を奪うものなど、一瞬でそれまでの順位を覆してしまうようなものが沢山用意されている。但し、一人のプレイヤーが持てるアイテムの最大数は一つだけで、尚且つ『アイテムショップ』で売られている際の値段は割高、『アイテムミニゲーム』の難易度は運の要素が強めになっているなど、威力が強力過ぎるが故の処置が施されているので、そんなやたら滅多ら乱用する事はできないようになっている。
さっき、「ある程度ながら〜」と言ったのはこの事。プレイヤー側のコントロールが効くようになったとは言え、やはりボードゲーム。それなりに運も要求されてくるのだ。
そもそも、そんなアイテムが自由に使えるような仕組みだったらゲームバランスが壊れて、まともなゲーム展開すら望めなくなる。それを考慮すれば、この一つだけしか持てない、入手時のリスクが大きいと言った制約は、極めて自然なものだと言えるだろう。何より、こうアイテムを一つだけしか持てないとした事で、「どう言ったタイミングで使い、相手を翻弄させるか」という駆け引きの面白さが打ち出され、前作以上にスリル溢れるゲーム展開を楽しめるようになったのは大きい。この辺の丹念なバランス調整は、流石ボードゲームの制作には手馴れたハドソンだけにあると言った所だ。一歩間違えればゲーム自体が破綻しかねないものを、逆に自然なものに成り立ててしまうこの職人技には脱帽である。
この他にも、ボードには先に紹介した『アイテム』、『バトル』、『ノコノコバンク』と言った新しいマスが登場するなど、先行き不透明な展開に更なる旨みをプラスした点は数知れず。
既に前作で完成されていたシステムを土台に、よりゲームとしての魅力を底上げする新要素をプラスし、前作を遥かに上回る意外性満点のゲーム展開を実現。まさにこれこそ真の正当進化系と言うに相応しい、誰もが気軽に楽しめる続編に仕上がっている。別の言葉で言うならば、『マリオパーティ完全版』とも言うべき出来栄えなのである。その事からして今作は、到達点に達したと言ってもおかしくない。
勿論、到達点に達したのはボードゲームのみならず、ミニゲームも然り。総収録数の増加に新ジャンルの追加、そして操作性の見直しなど、様々な改良が図られている。
特に注目すべきは、操作性の見直し。前作では、ミニゲームの中に3Dスティックをグルグル回転させて行うものがあったが、手の平で操作した場合、皮が剥けてしまったり、或いは豆ができてしまったりとリアルに怪我をする危険性を持っていた為、今作では完全撤廃。どのミニゲームも怪我の恐れがほとんど無い、ボタン連打やタイミング系等の操作で行うものとなった。元々、スティック限定の操作によるミニゲームの危険性は、前作を遊んだ多くのユーザーから指摘されていただけに、この見直しは当然の結果…と言ったところである。ただ、こうした事でミニゲームごとの個性が薄れてしまったのが残念。前作にも増して、個々のゲームの存在感が薄れてしまった感は拭い切れない。しかしながら、怪我の恐れという不安要素が無くなって、どのゲームも抵抗無く楽しめるようになったのだから、これは素直に大きな進歩だと言えるだろう。まさに文字通り、怪我の功名…と言った所である。
また、見直しのみならず、ミニゲームのジャンルが増えた点も注目。これまでの4人対戦、1対3、2対2以外に『デュエル』、『バトル』、『アイテム』の3種類が追加され、色々な遊びが楽しめるようになった。特に『バトル』は秀逸。他の4人対戦などのミニゲームとは違い、どれも運頼みの内容となっているので、初心者と上級者の腕の差が全く出ない…対等に勝負できるという点が実に素晴らしい。ゲームのラインナップもそのジャンル名に相応しい、大いに白熱する(し過ぎてしまう)ものばかりだという点もナイスだ。4人対戦のミニゲーム等よりもラインナップが少なく、一部、極端に運が要求されるゲームがあったりするのがタマにキズではあるが、ゲームそのものの盛り上がりぶり(特に対人戦における盛り上がり)は相当なものなので、是非、友達等が集まった際に試してみる価値アリだ。
他のミニゲームにも言える事だが、これだけでも十分に元は取れること、間違いなしだ。
そんなミニゲームの総数も全部で64種類と、前作よりも更にその数を増している。しかし、全てが新作という訳では無く、幾つかは前作からそのまま引き継がれたものとなっている。しかし、単なる流用にはなっておらず、どのゲームも続編ならではの改良が加えられているので、前作経験者でもかなりの新鮮味を味わえること、間違いなし。中でも前作にも収録されていた『ぷかぷかアイランド』の壮絶極まりない進化っぷりは要チェックだ。
他にも、前作にも収録されていた一人専用モード『ミニゲームアイランド』が『ミニゲームコースター』にモデルチェンジ。3つの難易度によって異なるゲーム展開が楽しめるようになり、よりやり甲斐のある内容へ進化したのも見逃せない所だ。
やや操作バリエーションでの単調さが気になるところだが、相変わらず今回もミニゲーム集として発売しても、十分に通用するんじゃないかと思ってしまうほどの完成度の高さ。普通にそう言えるほど、今回はバランスの良い仕上がりとなっているのだ。怪我の恐れも無くなったので、まさに進化、理想形に達したり?
この他、全体的な操作性とゲームバランスも申し分無し。
更にグラフィックと音楽の完成度も、前作に引けを取らないクオリティの高さを誇っている。だが、音楽は前作よりも劣化してしまった感が否めない。今作も『クロノトリガー』や『ゼノギアス』等を手掛けた光田 康典氏が担当しているのだが、それ以外にも今作には幾人かが音楽に携わっており、そのせいもあってか、前作よりも氏の個性が薄くなってしまっている。全体的に楽しげな曲が比重を占めるようになってしまい、氏ならではの「美しさ」が発揮された曲というのが少なくなってしまったのだ。まさに、分業制を取ったが故の結果という感じで、前作が好きだったユーザーにとっては残念極まりない所である。スケジュール的に難しかったのかもしれないけど、できれば今作も氏が全曲に関与していて欲しかった。
また、音楽以外にもやり込み要素が劣化してしまったのも非常に残念。ボードで集めたスターを集めていく収集要素が取り除かれてしまい(今作で集めたスターはコインに変換されてしまう)、隠しマップも1つだけになるなど、完全に対戦に特化した作りとなってしまったのは痛過ぎる。
元々、スター集め自体が面倒な要素だったので、廃止されるのはある意味、当然の事かもしれないが、前作の大きな魅力の一つでもあったのだから、せめて…形は違えど、そういう要素を残しておいて欲しかったところだ。一人プレイの遊びが、先の『ミニゲームコースター』だけと言うのは幾ら何でも寂し過ぎる。一人でも十分に楽しめるやり応えの高さが前作の魅力でもあったのだから、そこは維持して頂きたかった。
この他にも、世界観や演出面でもやたらと子供っぽさを全面に押し出したものが増え、前作以上に対象年齢層が低めに設定されている点も痛い。台詞回しとかも変に芝居がかったものになっていて、ちょっと萎える。遊び手を極端に選ばないのがマリオシリーズの魅力でもあるのだから、こう言った描写は極力避けて頂きたかった所である。
そんな感じに色々と前作よりも劣った点もあるが、アイテム追加で更に白熱必至になったゲーム展開と対戦プレイ、安心して楽しめるようになったミニゲーム、そして会話時の画面切り替わりが無くなり、飛躍的に向上したゲームテンポなど、全体的には完成形に達したと言っても過言ではない完成度を誇る、この『マリオパーティ2』。前作とは違って一人プレイには向かないが、友達等が集まった際にはそのお供として活躍してくれる、傑作ボードゲームだ。年末年始などのお供として、お一つどうぞ。一人でも十分に楽しみたい…という方は、前作『マリオパーティ』をどうぞ。
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