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≫マリオゴルフ64
■発売元 任天堂
■開発元 キャメロット
■ジャンル スポーツ(ゴルフ)
■CERO A(全年齢対象)
■定価 6800円(税別) / バーチャルコンソール版(Wii):1000Wiiポイント
■公式サイト ≫NINTENDO64版 / ≫VC版(Wii)
▼Information
■プレイ人数 1〜4人
■セーブデータ数 1つ(※バッテリーバックアップ:リチウム電池形式)
■その他 振動パック対応、64GBパック対応
■総説明書ページ数 32ページ
■推定クリア時間 18〜30時間(エンディング目的)、50〜80時間(完全攻略目的)
マリオのゴルフゲームがNINTENDO64に初登場。
ゴルフ場の雰囲気満点の深い緑のビジュアルをバックに、ロクヨンならではの奥行き感と空気感のあるコースを実現。
お馴染みのマリオ達が本格的で奇想天外なゴルフを繰り広げる。
一度は打ってみたいと思うミラクルショットも簡単操作で自由自在。

ゲームモードもトーナメントやマッチプレイはもちろん、パターゴルフやボールをリングに通すリングショットなど豊富でちょっと風変わりなモードも色々と収録。一人で全コースを極めるか、それとも多人数でワイワイ楽しむか…遊び方は無限大。シンプルな操作で、初心者でも非常に本格的なプレイができるゴルフゲームの決定版、ここに参上。
▼Points Check
--- Good Point ---
◆説明書要らずの取っ付き易さと、ショット時の強烈な打球感が光る、抜群の操作性
◆ショット時の打球感を限りなく演出した、質感あるリアルな効果音
◆基本の草原から、南国、砂漠、崖などマリオらしい、ぶっ飛んだロケーションが満載の全6コース108ホール
◆トレーニングモードにルール解説など、ゴルフ初心者を考慮したサポート機能群
◆正統派のトーナメントから奇抜なタイムアタックまで、盛り沢山のゲームモード
◆『糸を針に通す』というゴルフらしからぬスリルが満ち溢れた『リングショット』
◆気軽にサクッと楽しめる敷居の低さが秀逸な『パターゴルフ』(やり込みも満載)
◆ポイントを集めながら遊べるコースを増やしていくのが面白い、ユニークなコースゲットシステム
◆弾道や打球力など、それぞれの個性が綺麗に立っている、登場キャラクター達
◆普通のゴルフから特殊なルールのゴルフまで、色々な遊び方が楽しめる対戦プレイ
◆ゲームモードの多彩さもあり、異様な程に充実した総計ボリューム(ほぼ永久モノ)
◆バーディバッジ集めにホールインワンチャレンジなど、同じく充実したやり込み要素
◆高めだが、マリオらしい緩やかな上昇具合が光る、珠玉のゲームバランス
◆ゴルフ場の雰囲気と空気感をリアルに描いた、緑溢れる美しいグラフィック
◆ゴルフゲームのジャンルにマッチした、心地良くて静かな音楽
◆GB版マリオゴルフで育てたキャラを持ち運べる、64GBパックによる連動要素

--- Bad Point ---
◆ゴルフ経験者を前提としたかのような、質素なルール解説モード(文字だけでしか説明しないというのも酷い…)
◆小さな子供には敷居が高過ぎる、ゴルフプレイ時の風の計算
◆賛否両論なキャラゲットシステム(好きなキャラで気楽に楽しめないのは痛い)
◆ゴルフ特有の厳しさが、悪い意味で出過ぎてしまってるゲームバランス
◆全編で乱用されている、『マリオパーティ』からの流用効果音群(手抜き…)
◆地味すぎる感のある、ウォーターハザード時の演出(もう少し派手にしても…)
▼Review ≪Last Update : 12/15/2007≫
アルバトロスの方が、ホールインワンよりずっと難しい。

現実のゴルフもまた然り。


1992年にファミコンで発売された『マリオオープンゴルフ』以来となる、マリオのゴルフゲーム。制作は初代『みんなのゴルフ』を開発、メガドライブで『シャイニングフォース』シリーズを手掛けたソフトハウス、キャメロットが担当。

取っ付き易い、完成された操作性と魅力的なゲームモードの数々。
風の抵抗の計算など、敷居はやや高いが、マリオらしさ満点のゴルフゲーム決定版だ。

ゴルフゲームとしての作りは、かつてファミコンで発売された『マリオオープンゴルフ』や他の任天堂が制作したゴルフゲームの流れを汲んだもので、『ボタン三回押し』によるショット操作を取り入れた、初心者から上級者まで取っ付き易い内容となっている。しかも、ただ操作が簡単なだけでなく、ゴルフのルール解説に特殊なルールに特化したゲームモードなど、ゴルフ初心者でも気軽に楽しめる試みが随所に凝らされているのが、本作の特徴。マリオゲームの伝統「誰でも気軽に楽しめる」をコンセプトとした、丁寧且つ、抜群の遊び易さを秘めたゴルフゲームに仕上がっているのである。
勿論、純粋なゴルフゲームとしての完成度も本格派。NINTENDO64の3D描写による、質感のある丘陵と奥行き、空気感が綺麗に描かれた、全6コース108ものゴルフホールはゴルフ通をも唸らせる仕上がりだ。マリオのゲームの伝統に乗っ取って、序盤は初心者にゴルフの基礎を染み渡らせる為の簡単な作り、中盤にかけて少しずつ作りを複雑かさせ、後半では高度なテクニックを要するものをメインとする、絶妙な難易度調整が施されているのも、流石の一言に尽きる。肝心のコースレイアウトそのものも、深い緑に覆われたゴルフらしさ満点のものから、南国の島、砂漠、崖、更にはマリオキャラの絵が描かれた不思議な島など、ロケーションも豊富で多くのプレイヤーの心を掴んで離さない。
先ほどの『ボタン三回押し』によるショット操作も、効果音の素晴らしさも相まって、素晴らしい打球感をプレイヤーに提供してくれる。しっかりと、コースの地形、並びに装備しているゴルフクラブに応じた効果音が用意されている辺りにも、そんな打球感をよりリアルなものにしている。3Dスティックの操作と十字キーの操作と、2つの操作系が用意されているのも、NINTENDO64を初めて触れる方にとっては心強い。
だが、操作は確かに簡単で打球感もあり、尚且つバランスも素晴らしく、初心者対策もしっかりと凝らされてはいるのだが、全体的なゲームとしての敷居は正直、やや高い。ゴルフルールの解説があると先ほどに言ったが、実際はこれ、思いのほか簡素な作りとなっており、位置から従まで丁寧に教えてくれるほどのものにはなっていないのだ。結局、ゴルフルールをある程度、知っている事が前提。説明書もそんな作りで、イマイチ…本当の初心者への配慮が足りてないのだ。ちょっとこれはしんどい。辛うじて、序盤からの難易度が緩く設定されているほか、トレーニングモードが用意されているので、練習できるのが救いではあるが、説明書にしろゲーム内の解説にしろ、もっと初心者の為を思った配慮を施して欲しかったところだ。プレイ中における、風の抵抗に関してもまた然り。いきなり序盤から出すのではなく、中盤から登場するとか、そんな配慮をして欲しかった。
そんな敷居の高い面が出ているのがタマにキズだが、それでもゴルフゲームとしての完成度は上々で、マリオらしさが全面に発揮された作りになっている。まさに、ゴルフゲームには手馴れたキャメロットと任天堂の貫禄とでも言うべきか。

多彩なゲームモードもまた、そんなゴルフゲームとしての魅力を大いに引き立てる。
一般的なトーナメントにストローク、タッグマッチのほか、今作では『パターゴルフ』、『リングショット』、『スピードゴルフ』と言った個性的なゲームモードが用意されており、実に様々なゴルフを題材にした遊びが楽しめるのだ。特に注目は『リングショット』で、通常のゴルフとは一味異なる、「糸を穴に通すようなゲームプレイ」が楽しめるのが実に斬新だ。コース(課題)も全部で36と盛り沢山で、これだけでも十分にお腹いっぱいになれる。パター操作だけで楽しめる、『パターゴルフ』もまた、シンプルに且つ気軽に楽しめる作りがお見事。本格的なゴルフはどうにも…という方でも、納得の面白さと手応えを味わえる。全ホールのホールインワン狙いなど、やり込みプレイに対応しているのも流石だ。
また、今作では1人プレイを考慮した試みも成されており、例えば『トーナメントモード』は、プレイできるコースは他のゲームモードを遊んで攻略した際に貰える、『コースゲットポイント』なるスコアの数によって増えて行くという、一風変わった試みが施されている。ポイントはどちらかと言うと、大きな大会をこなした際等に最も多くもらえ、軽く遊んだだけでは少ししか貰えない為、結局、深々とゲーム本編をやり込むしかないバランス調整が成されているのは少々タマにキズだが、様々なゲームモードを遊びながら、ポイントを集めていく感触は、何処となく『スーパーマリオ64』っぽいものがあって、面白い。正直…荒削りな作りではあるが、実にマリオらしいシステムと言える。
キャラクター選択システムも然り。最初から、選べるキャラクターは数人と限られており、『キャラゲット』なる特定のキャラとのタッグマッチに挑み、勝利する事で徐々に増えていくという仕組みとなっている。これもまた、何処と無くマリオのアクションゲームを遊んでいるかのような味が出ていてユニークだ。ただ、一回のプレイが18ホール連続な為、過剰に長いなど、どうにもボリューム面の調整が不足しているのが痛い所。せめて、9ホール限定とか、それぐらいの方がゲームとしてのテンポも良くなっていただろうから、上手く調整して頂きたかった。だが、ゴルフゲームをより面白いものにする一つの試みとして、このゲームモードは成功していると言えるだろう。
選べるキャラクターも全部で13人と多彩。お馴染みのマリオファミリーの他、シリーズとしてはあまりに久々となる、普通の人間キャラクターが登場するのも必見だ。他にもバーディをした際に集める事のできる『バーディバッジ』集めや好きな時に自由に中断できるセーブ機能64GBパック使用による、ゲームボーイカラーの『マリオゴルフGB』との連動機能、色んなシチュレーションで乱入してくるマリオキャラなど、見るべき所はまだまだある。普通のゴルフゲームだけでなく、風変わりなゴルフからゴルフを題材とした遊びまで幅広く収録。ボリューム、やり応え共にあり得ないほど充実した、まさに至れり尽せりな作りとなっているのだ。それでいて、どのモードも気軽に楽しめる作りなのだから、また凄い。

全体的なゲームバランスもまた、先ほどに話した通りに、緩やかな上がり方をしていくので快適。マリオらしい、誰でも気軽に楽しめるをコンセプトとした作り込みが満ちている。
対戦プレイも面白く、特にホール開始前のスロットで揃えたクラブを用いて対決する『クラブスロット』と最小打数を競い合う『スキンズマッチ』はゴルフゲームとしても新鮮な上、結構白熱する。『クラブスロット』に関しては、バラエティー番組の企画として成り立たせても良いのでは、と痛感させられるほどだ(対戦はできないが『スピードゴルフ』は本当に番組の企画となったが…)。接待ゲームとしても、今作は優れた完成度を誇っているのだ。
各コースごとのホールを彩る、深い緑で覆われたグラフィックも素晴らしく、ゲームの臨場感と空気感を大いに演出する。音楽もゴルフゲームと言うジャンルに程よくマッチした、心地良い静かな曲が満載で、落ち着いてプレイに集中する事ができる。何気に今作の作曲を手掛けたのが、かの『テイルズ』シリーズや『天使の詩』と言った名作を手掛けた、あの桜庭 統氏だと言うのにも驚きだ。別ゲームだが『マリオパーティ』で光田 康典氏を呼び、今作では桜庭 統氏を呼ぶ…。一体、マリオシリーズは何処まで有名作曲家を巻き込む気か!?

本編のみならず、ゴルフを題材にした個性豊かなゲームモードに抜群の操作性、充実したやり込み要素とボリューム、素晴らしいコースレイアウトなど、総評して、まさにゴルフゲームとしては文句の付け所の無い完成度を誇る本作。
風の計算という厄介な事を考慮しなければならなかったり、ルール解説が意外に素っ気無かったりなど、ゴルフを全く知らない初心者には正直、敷居の高い面があるのがタマにキズではあるが、遊び込めば遊び込むほど上手くなっていく、マリオらしいバランスとなっているので、変に身構えたりする必要はなし。初心者からゴルフ通まで、気軽に且つコツコツと深く楽しめ、接待ゲームとしても抜群の役割を発揮する、ロクヨン屈指のゴルフゲーム決定版だ。雨や雪とかでゴルフ場に行けないお父さんも、これさえあればバッチグー(死語)。
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