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≫スーパーマリオ64
■発売元 任天堂
■ジャンル 3Dアクション
■CERO A(全年齢対象)
■定価 初代:10290円(税込)
振動パック対応版:5040円(税込)
バーチャルコンソール版(Wii):1000Wiiポイント
■公式サイト ≫NINTENDO64版 / ≫VC版(Wii)
▼Information
■プレイ人数 1人
■セーブデータ数 4つ(※バッテリーバックアップ:リチウム電池形式)
■その他 振動パック対応(※振動パック対応版のみ)
■総説明書ページ数 24ページ
■推定クリア時間 10〜12時間(エンディング目的)、30〜60時間(完全攻略目的)
ピーチ姫からキノコ城の招待状をもらったマリオ。
しかし、いざお城へと来てみると、中は静まり返っており、何か様子がおかしい…。
嫌な予感を降り払い、ひっそりとしたお城に足を踏み入れてみると、

「誰もいません、とっととお帰りを。ガハハハハッ!」

何処からとも無く乱暴な言葉が。
どこかで聞いたことのあるこの声…。そう、この声の主はクッパ!
突如としてキノコ城に現れたクッパは、ピーチ姫やキノピオ達を絵の中に閉じ込め、城を守る力の源『パワースター』を大量に奪い取り、城を自分の物にしようとしているらしい…。

このままではクッパの思い通りにされてしまう…。
ピーチ姫を救出し、キノコ城からクッパを追い出す為、またもマリオの大冒険が始まった。
▼Points Check
--- Good Point ---
◆マリオの「コースを楽しむ事の面白さ」を更に磨き上げた、圧倒的な自由度の高さ
◆簡単操作で多彩なアクションができる、動かすだけで気持ちの良い最高の操作性
◆気持ちの良い操作性をサポートする、軽快なマリオの足音
◆パンチ、キック、そしてバック宙に幅跳びなど、ビックリするほど豊富なマリオのアクション
◆ボス戦にレース、そして物集めなど、様々な遊びが詰まった全15ものコース(隠しもあり)
◆あまり本格的ではなく、軽めに仕上げられた謎解き(しかし、そのサポートは…)
◆3D空間を動き回る事を意識した、本作ならではの味が出ている新・変身アクション
◆3D初心者の方でも安心して楽しめるよう、上手く調節されているカメラワーク
◆同じく、3D初心者の方の為に豊富に用意された、親切なチュートリアル
◆序盤から後半にかけて、理に適った上昇を披露する卓越したゲームバランス
◆アイテム回収、タイムアタックなど充実したやり込み要素と総計ボリューム
◆軽快でバリエーション豊な音楽(序盤のコースの曲は必聴の価値あり)
◆3Dらしさが滲み出ている敵キャラクター達(特にバッタンは秀逸)
◆豪快さ満点のクッパ戦

--- Bad Point ---
◆ファンにとっては賛否両論な謎解きスタイルのゲームシステム(一本道のアクションゲームではないので戸惑うかも)
◆3D故に進行上、迷ってしまう事がある(止むを得ない欠点)
◆ヒントが少なく、解法が分かり難い謎解き(特に終盤以降)
◆人によっては3D酔いしかねない、カメラワーク(注:個人差による)
◆ややコツが必要なハネマリオのアクション
◆体力ゲージと息継ぎゲージが統一されている(つまり、息継ぎをすれば体力が回復するという…。これは…。)
◆ラスボスにこちらが与える最後の一発が難し過ぎる(相当な動体視力が必要)
▼Review ≪Last Update : 4/21/2007≫
よい子は着ぐるみを着て、東京マリンの『カミカゼ』を滑らないように!

『64マリオスタジアム』の「内山のファイト一発!」より。(もう、無いけど…)


二次元の平面空間から、三次元の立体空間の新境地へ。NINTENDO64同発ソフトの1つとしてリリースされた、お馴染みのスーパーマリオシリーズ最新作。

新しく、それでいて動かしているだけでもとても楽しい操作感と圧倒的な箱庭感。
NINTENDO64の門出を飾るのに相応しい、3Dアクションゲームの名作だ。

基本的なゲーム内容は、3Dのマップ内を駆け巡り、入る事のできるコースの絵を発見、その中へと突入し、コース内に用意された6つのテーマ(課題)を攻略して『パワースター』というアイテムを回収、そのパワースターを規定数集めてマップ内にある次のコースへの扉を開けていくという、アクションアドベンチャー風のものとなっている。
それに相応するかのごとく、各コースに設定されているテーマも従来のアクションの他、アイテム回収や謎解き(と言っても簡単)等も用意されており、若干ながら頭を使う場面も増えていたりする。正直な所、「マリオと言ったらアクションだ!」と信じて止まない、熱心なマリオファンの方々にとって、今作の内容はかなりの戸惑いを覚えるかもしれない。従来とは違い、謎解きがあるし、更に今作ではアイテム回収がメインという事もあり、ただひたすら前に進んでいけば良いタイプのゲームじゃない。しかも、時間制限システムが無くなったので切迫感は薄れているし、マップ上で絵を見つけるという探索要素までもあるから、行き先を見失う(迷う)事すらある。
しかし、実際のゲーム自体の手応えは立派に”マリオしている”のである。確かに、見た目もやり応えも、従来よりも大きく変化している。アドベンチャー要素が強くなったが故に、頭を使う場面もそれなりにある。しかしながら、マリオをただ動すだけでも気持ち良さが伝わってくる操作感覚はこれまで通りだし、「コースそのものを楽しむ」事の面白さをしっかりとアピールしている点など、ちゃんとマリオしているのだ。特に後者は、3Dという三次元空間に舞台を移した影響と時間制限システムを排除した影響で、更にその楽しさが向上。ゆったりと敵と戯れたり、空を飛び回ったり、更には(亀の甲羅の)スケボーに乗ってコースを駆け巡るなど、実に多種多様な遊びが楽しめるようになっているのである。まさにこれぞ、「コースを楽しむ」という事を長年に渡って伝えてきた、マリオシリーズの到達点と言える。
また、3Dのアクションゲームという事で、視点がグルグル回り、結構上手い人と上手くない人の差が出てしまうのでは…という懸念もあるが、ここもマリオらしい「誰もが楽しめる」を強調した、洗練されたカメラワークを実現しており、3Dアクションが初めて方でも安心して楽しめる為の工夫が凝らされている。その他、3D世界に安心して浸れるように、新たにダメージ制を取り入れ、ミス判定もかなり緩和されたのも見逃せない点だ。
ゲームとしての雰囲気は違うとは言え、マリオらしさは全く失われていない。「マリオっぽくないけど、マリオのゲーム」とでも言うべきか。実にユニークなゲームになっているのである。

勿論、「コースそのものを楽しむ事」の面白さなどの目に見えないものばかりではない。しっかりと目に見えるタイプの「マリオらしさ」も本作では残されている。その中でも代表的なものである『変身アクション』は、バッチリ健在。空を自由に飛び回れる『ハネマリオ』、敵の攻撃をほとんど無効にし、水中の中が歩けるようになる『メタルマリオ』、特定の壁をすり抜ける事ができる『スケスケマリオ』等、3Dならではのダイナミックで個性的な変身芸を本作では大いに披露してくれる。また、前代未聞の『帽子なしマリオ』なるものも登場。果たして、帽子を取ってしまったマリオの能力とは…?ファン必見だ。
更に今作ではマリオのアクションもお馴染みのジャンプから踏み付けの他、パンチにキック、物投げ、更にはバック宙に横飛び、幅跳び、ジャイアントスイング等と、ビックリするほど多彩になり、いつも以上にダイナミックなプレイが楽しめるようになった点も見逃せない所だ。何気に別のマリオキャラがやっていたアクションが幾つか用意されている点も面白い。マリオが軽々しく、そのアクションをこなしてしまう点は必見だ。

そして、これらのアクションを実現するに当たる操作感覚に関しても、前述の通りだが抜群の気持ち良さを実現している。とにかく、「マリオの足音」がその気持ちよさに拍車をかけていて、まるでタップダンスをやっているかのような錯覚にすら陥ってしまう。とにかく、本作における「コースを楽しむ事の面白さ」というのは、全てこの音によって成り立ってると言ってもおかしくは無い。この素晴らしい足音を選出した点に関しては、正直な所「御見それいたしました!」としか言い様がない。よく、こんな素晴らしい足音を作ったよなと、つくづく思う。
ゲームを彩るグラフィックと音楽も見事な出来栄えで、グラフィックはややテクスチャが荒めとは言え、鮮やかで見易い綺麗さを実現しており、全体的にマリオらしさがよく出ている。それだけでなく、一部にやたら気合の入ったエフェクトがある所も見逃せない所である。音楽に関しても、場面の状況に合わせて別の曲が流れたりするなど、細かな遊びが盛り込まれている点が面白い。勿論、曲自体の完成度もかなりのもので、思わず口ずさんでしまうような、気持ちの良い曲が沢山用意されている。特に最初に訪れるステージで流れる、このゲームのメインテーマとも言える曲は必聴の価値ありだ。
また、ゲームバランスも非常に秀逸で、序盤から後半にかけて難度がかなり良い按配で上昇していく点は、流石はマリオと言わざるを得ない。3Dアクション初心者の為のメッセージヘルプが豊富な事、セーブシステムが親切である所も見事だ。一部にはやたら難しい場面とかもあり、結構イライラさせられたりする所もあるのだが、きちんと犯したミスに説得力が持てる点は実にマリオらしい。総じて優し過ぎず、難し過ぎずの好バランスを保っている。
但し、それはアクションの面だけで、謎解きに関しては別。ヒントがほとんど無く、一応大抵のものは周囲をよく見渡せばなんとかなるレベルではあるのだが、終盤になると右も左も分からないものが出てきたりと、ちょっと不親切な部分が目立ちがちに…。流石に専門外の分野だけに、こういう所はカバーし切れなかったのか…?残念だ…。

逆に舞台となる全15のコースもアイディア満載且つ、ユニークな遊びが満載で、クリアせずにただ歩き回るだけでも楽しい作りになっているのはさすが。ちょっとしたテクニックでビックリするような近道が発見できるなど、マリオらしい幅の広さが表現されているのも素晴らしい。また、アクションゲーム上級者でも納得の手応えを味わえる、タイムアタックやアイテム回収等のやり込み要素が充実している点も見事だ。
3D視点という事と自由度の高さもあって迷い易く、従来のシリーズ以上に腰を据えて遊ぶ形式のゲームとなってしまっている事、分かり難い謎解きが一部にある事、そしてハネマリオのアクションがややコツが要るなど、多少残念な所や人を選ぶ部分もあるが、全体的な完成度の高さは折り紙つき。
箱庭空間を見事なまでに表現した自由度の高いコースと気持ちの良い操作感、そしてやり甲斐のあるボリュームと、まさに「立派な3Dアクションゲーム」と言うに相応しい本作。
3D未経験者から経験者、そして新しいアクションゲームを楽しみたいと言う方には打って付けの名作3Dアクションゲームだ。このゲームを遊ばずとして、ロクヨンは語れない。
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