≫スターフォックス64
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■発売元 |
任天堂 |
■ジャンル |
3Dシューティング |
■CERO |
A(全年齢対象) |
■定価 |
振動パック同梱版:9135円(税込)
ソフト単体版:5040円(税込)
バーチャルコンソール版(Wii):1000Wiiポイント |
■公式サイト |
≫NINTENDO64版 / ≫VC版(Wii) |
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▼Information
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■プレイ人数 |
1〜4人 |
■セーブデータ数 |
1つ(※バッテリーバックアップ:リチウム電池形式) |
■その他 |
振動パック対応 |
■総説明書ページ数 |
24ページ |
■推定クリア時間 |
1〜2時間(エンディング目的)、16〜22時間(完全攻略目的) |
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ライラット系第四惑星コーネリア。
この惑星で生まれ育った天才科学者Dr.アンドルフは子供の頃から異彩を放ち、若くして調次元空間における動力機開発の一人者となったが、後に理性を失い、彼は究極の科学兵器を主要都市に対して向けるという反逆行為に出た。
防衛軍必至の活動で危機は回避されたが、一連の戦いでコーネリアは壊滅的打撃を受けてしまい、首謀者であったアンドルフは軍の最高責任者ペパー将軍によって辺境の惑星『ベノム』へと永久追放された。
だが5年後、ベノムで不審な動きが察知される。ペパー将軍は、雇われ遊撃隊『スターフォックス』を調査へ向けるが、仲間の裏切りによりリーダーのジェームズ・マクラウドが命を落としてしまった。
ベノムの不審な動きはアンドルフの宣戦布告に過ぎなかった。後にアンドルフはライラット系の惑星を侵略し始め、遂にその魔の手はコーネリアまで及ぼうとしていた。
だが、コーネリアには最後の切り札が残っていた。
ジェームズの息子フォックス・マクラウド率いる、新生『スターフォックス』が…。
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▼Points Check
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--- Good Point ---
◆3Dシューティングの臨場感とゲーム的な分かり易さを重視した秀逸なシステム
◆遊ぶ度に毎回、異なったゲーム展開が楽しめる、奥深さ満点の分岐システム
◆火傷してしまうほどの熱さと中毒性を秘めた、撃墜数システムによるスコアアタック
◆スコアアタックを更に盛り上げる、あまりに熱い誘爆システム(これが燃えに燃える)
◆小惑星地帯、敵基地、炎の惑星などロケーションに富んだ全16ステージ
◆360度の3Dフィールドで展開する、大迫力のドッグファイトが秀逸なオールレンジステージ
◆ロクヨンならではの臨場感と3D空間が織り成す、ランドマスターによる地上戦ステージ
◆光反射の要素を巧みに取り入れた、ブルーマリンによる水中戦ステージ
◆アドバイス、ボス攻略などと個性が分けられ、頼もしい存在となった仲間キャラ
◆理に適った優しさと難しさを実現している、絶妙極まりないゲームバランス
◆動かしているだけでも気持ちの良い、ダイレクトな操作性
◆特別な難易度、サウンドテストなど充実した隠し要素
◆オブジェクトの質感が増し、よりSFチックになったリアルなグラフィック
◆壮大なオーケストラ風のメロディーで奏でる、重厚な音楽
◆敵を攻撃している事の確かな感触を感じられる、質の高い効果音
◆王道ながらも熱い展開盛り沢山のストーリー(フルボイスによる演出も見逃せない)
◆リアルタイム描写で展開する、手作り感満点のムービーデモ
◆映画ファン、アニメファンなら思わず『ニヤリ』としてしまうオマージュの数々
--- Bad Point ---
◆ほとんどおまけに過ぎない対戦モード(存在意義が薄い…)
◆方向転換や空中旋回を使いこなせないと、思い通りに戦えないオールレンジステージ(少し敷居が高い…)
◆音楽と効果音の音量バランスが悪い(デフォルト時では効果音がでかい。)
◆短めながらも、やや刺激的な点滅表現が存在する
◆たったの1ステージしかないブルーマリンによる水中戦(もう少しあっても…)
◆スーパーファミコン版が好きな方には賛否両論の音楽(前作とまるで違う)
◆ゲームオーバーになるとコンテニューができない(シビア…)
◆ネームエントリーのアルファベットの文字フォントがいびつ(分かり難い…)
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▼Review ≪Last Update : 6/23/2007≫
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ポリゴン仮面は本人の顔だった…。
4年の時を経て明かされる、衝撃の新事実。
スーパーファミコンで初めてポリゴンによる三次元グラフィックを実現した意欲作『スターフォックス』の続編的作品。スーパーファミコン版のストーリーを大幅に発展させた、いわゆる『リメイク』と言ってもおかしくない作品でもある。
360度の3Dフィールドで展開する、白熱のドックファイトと映画さながらの演出。
より遊び易く、そしてより遊び込めるようになった、3Dシューティング最高級の名作だ。
ゲーム内容は、ステージクリア方式を採用した3Dシューティングゲーム。プレイヤーは自機『アーウィン』を操作し、多種多様なステージに挑み、最後に待ち構えるボスを倒しながら、最終ステージ『惑星ベノム』を目指して進めて行く。
基本的なシステム周りは、スーパーファミコン版の『スターフォックス』とほとんど一緒。だが細かな面で変更が加えられており、例えばステージの流れだが、スーパーファミコン版ではゲームスタート前に3つのレベル(進行ルート)を選択し、そのレベルごとに用意されたステージを順番に攻略していくという選択方式が採用されていた。対して本作では、各ステージ内でプレイヤーが取った行動いかんによって後の進行ルートが変化する、分岐システムを採用。全部で16ものステージが本編には用意されているが、それらの内、1回のプレイで遊べるステージは7つまでで、残りの9つは2周目以降で、1周目とは違った方法を試みるなどをしなければ、遊べない方式となっている。これにより、毎回異なるパターンで本編を楽しめるようになり、奥深さとやり込み甲斐が劇的に向上した。
更に、この再プレイ性の向上をより煽る要素として『撃墜数』の要素が追加。本作では、ステージごとに敵を撃墜した(倒した)数が記録されるようになっており、スコアアタック的な楽しみができるのだ。勿論、ただ敵をドカドカと倒していくだけのつまらない要素にはなってない。本作では、自機の攻撃手法に『チャージショット』が新たに導入されており、この弾が敵に命中すると、小さな爆風が周囲に広がり、その爆風で近くにいる敵を巻き添えにする、『誘爆』が行えるという何ともユニークなテクニックが盛り込まれてるのである。しかも、この誘爆で敵を倒すと、撃墜数がプラスされるというとてつもなく熱い仕様付き。これだけでも本作が如何に、シューティングゲームとして燃いゲームであるかが容易に察知できるだろう。
このように、全体的にスーパーファミコン版以上にやり込み度が大幅にアップしており、毎回新鮮且つ奥の深いゲームプレイが楽しめる作りになっているのだ。まさにこれぞ、最高と言うに相応しい進化だ。
ちなみに、毎回のプレイで記録される撃墜数は、ステージごとにそれぞれ『ノルマ』が設定されており、これを達成する事によって『勲章』なるアイテムがもらえる特典もある。これだけでも如何に本作が、やり込み甲斐のある作品という事はお分かりになるだろう。勿論、この勲章は集める事によって、何らかのおまけが得られるというボーナス要素もしっかりと用意されている。どんなおまけがあるのかは、…プレイしてのお楽しみだ。
そして、ゲーム中にプレイヤーが挑戦する事になるステージも、劇的に進化している。ただ最後に待ち構えるボスを倒すステージだけでなく、制限時間以内に特定の敵を撃墜したりするミッションのあるステージがあったり、更には空ではなくて地上、海の中を進むステージがあったりなどと、大変起伏に富んでいる。特に地上面…アーウィンではなく、ランドマスターなる戦車で突き進むステージは、まさにロクヨンならではの3D空間が実現した、圧倒的な臨場感を演出しており、実に感慨深い。また、光の演出を効果的に取り入れた、海中ステージも実に印象的だ。ランドマスターとは違い、1面しかないのが少々残念だが。
しかし、何よりも本作において、最も注目すべきステージは『オールレンジ』ステージだろう。360度のフィールドを自由に動き回り、敵を撃破していくこのダイナミックなステージは、まさにNINTENDO64のハード性能によって実現した賜物である。新たにアーウィンに追加された方向転換、空中旋回などのアクションを使いこなさないと上手く戦えないテクニック重視なバランスがややネックではあるが、出し方自体はそこまで難しくない上、何度もプレイすれば必ず上手くなる巧みなバランスを実現してるので、初心者でもそこそこの回数をこなせば直に使いこなせるようになるので大丈夫。この広大なフィールドを飛び回りながら大量の敵と戦っていく臨場感と迫力は本作でしか味わえない感動と興奮があり、これを遊ぶだけでも本作をプレイする価値は大いにあると言える。
その他、操作性も3Dスティックが導入された事で快適になり、よりダイナミックに自機を操れるようになった。また、前作では出す際の操作感の『ぎこちなさ』がネックだったローリングのアクションも、大変滑らかなものとなり、ただ繰り出すだけでも気持ちの良いものへ変貌したのは注目に値する。そして、前作では迷惑キャラ…みたいな感じだった仲間キャラ達も、それぞれ「ヒント専門」、「敵の弱点専門」、「特殊ルート専門」などの役割が割り振られて個性が増したほか、戦闘時のサポートも行ってくれるなど、まさに「仲間」と言わんばかりの頼もしい存在となっている事も同じく、必見だ。
しっかりとロクヨンならではの進化を加え、前作の弱点も補強する…何処まで完璧なのだろうか。全く持って、この異様なまでのアレンジと作り込みの徹底振りには脱帽だ。
それから、ゲームバランスの感動的な絶妙さも語らずにはいられない。全編を通じて「理に適った優しさと難しさ」というものを実現しており、どんなに難しいステージであっても状況に応じたテクニックを使い分けていけば、ほとんど致命的なダメージを受けずに突破できてしまうなど、とにかく隙が全く無いのである。シューティング特有の敵の多さや弾数の多さから来る『絶望感』というものも本作では一切無く、むしろ『希望感』ばかりに満ちた配慮が成されている事も注目に値する部分である。まさにこれこそ、誰でも楽しめる理想のゲームバランス。シューティングゲームという難しさが先行するジャンルにおいて、このような安心感のあるバランスを実現したのは極めて稀にして、革新的と言えよう。
グラフィック、サウンドの出来も素晴らしい。特にグラフィックはスーパーファミコン版よりも当然ながら質感、並びにリアリティが増し、『スターフォックス』の世界を事細かに描いている。そしてサウンド…音楽も壮大なオーケストラ風の曲が、そのフォックスの世界観に厚みを加えている。ただ、スーパーファミコン版のような『カッコ良さ』を強調したロック調の曲がほとんど無くなってしまった事に関しては、ちょっと残念と言わざるを得ない。また、効果音がやたらとでかいなど、音量バランスが悪いのも気になる点だ。ただ、オプションで調整できるので、そこまで致命的でないのが救いだ。
そして、ストーリーも王道ながらも熱い展開が目白押し。特に『エリア6』なるステージで展開される、大白熱のドッグファイトはファンのみならずとも熱くなる事必至だ。更にストーリー並びに、ゲーム中のキャラクターの通信会話は全編フルボイス(日本語)で展開されるようになっており、臨場感も抜群。シューティングゲームのゲーム性にも程よくマッチしているなど、ちゃんとフルボイスに意味が込められているのも注目に値する点だ。
そしてステージ開始前に展開される、リアルタイムによって展開されるリアルなムービーも素晴らしく、CGムービーには無い『手作り感』があるのも印象的。
別枠で用意されているシリーズ初の『対戦モード』の作りがほとんどおまけレベルである事、オールレンジステージにおける方向転換の癖の強さ、音楽と効果音の音量差の問題、そしてゲーム終盤にある過度の点滅表現(そこまできつめではないが)などの欠点や気になる点も当然ながらあるが、いずれも些細なレベル。
遊ぶ度に異なったゲームプレイが楽しめる分岐システム、多種多様なバトルが満載のステージ、「誰もが楽しめるシューティングゲーム」と言わんばかりの優れたゲームバランス、そしてロクヨンならではの3次元表現が織り成すオールレンジステージなど、とにかく全編において素晴らしい完成度を誇る本作。
もはや、言うまでも無い。総評して、超おススメの逸品。シューティングが苦手な方から得意な方まで、腕を問わずに楽しめる最高級の3Dシューティングゲームだ。ロクヨンユーザーならば要プレイ。この面白さと奥深さは桁違いだ。
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