Written in Japanese. Japanese fonts required to view this site / Game Review & Data Base Site
  1. ホーム>
  2. Review Box>
  3. Family Computer>
  4. ボンバーマン
≫ボンバーマン


■発売元:ハドソン(現:KONAMI) / ■ジャンル:アクション / ■CERO(推定):A(全年齢対象) /
■定価:4900円(税別)

©1985 HUDSON SOFT ©MOMO
▼Information
■プレイ人数:1人 / ■セーブデータ数:無し(※パスワードコンティニュー形式) / ■推定クリア時間:2~3時間
キミはあのロードランナーのランナー君の過去を知っているか?
実はランナー君は昔、ロボットだったのだ。
まだロボットだったランナー君は「ボンバーマン」とよばれ、爆弾を作る仕事をしていた。
もちろん、他のロボット達と同じように、悪の手先として地下迷宮の働かされていたのだ。
そんな毎日が嫌で嫌でたまらなかったボンバーマンは、こんな噂を耳にした。

「地下迷宮を抜けだして地上に出れば、人間になれるらしい。」

ボンバーマンは地上に出て、人間になろうと心に決めた。
しかし、そう簡単に地上に出られる訳が無い。
裏切り者のボンバーマンを捕まえる為、沢山の敵が追いかけてくる。
ボンバーマンの武器は、自分で作った爆弾だけ。
果たして地上に出ることができるのか。
そして、本当に人間になることができるのだろうか?
▼Points Check
--- Good Point ---
◆十字方向に爆風が広がり、プレイヤーにも危害を及ぼす性能を持った爆弾を使って敵や障害物を退けながら出口を目指す、独特の緊張感を持ち味としたゲームルール(ゲームデザイン)
◆網目状に構成され、その隙間を移動していく仕組みでまとめられたステージ
◆強力な武器を扱いながらも、結構ひ弱なプレイヤーキャラクター「ボンバーマン」
◆武器が純然たる危険物であるがゆえ、強化すれば敵だけでなく、プレイヤー自身にも扱い方を誤れば脅威になり得る、リスクとリターンの概念が詰まったパワーアップアイテムの仕様
◆設置爆弾数増加、火力強化と言った基本的なものから、移動速度上昇、無敵化と言ったユニークなものまで取り揃えたアイテムのバリエーション
◆総計50にも渡る膨大なステージ(一つ一つの密度も濃い)
◆ステージ数の多さから配慮されたパスワードコンティニューシステム
◆無敵状態で爆弾を爆発させ放題の無双プレイが楽しめる爽快な内容にまとめられたボーナスステージ
◆見た目はコミカルながら、意表を突く攻撃で攻めてくる多種多様な敵キャラクター達
◆基本、十字キーとAボタンしか使わない単純明快で手に馴染み易い操作
◆質素ながらも、コミカルなテイストを可能な限り表現したグラフィック
◆曲数は僅かながら、印象的な旋律でプレイヤーの耳にこびり付く音楽
◆爆発時の迫力と脅威をしっかりと表現した重厚な効果音
◆アイテム獲得時の曲変化、爆発時のエフェクトなど、派手さを適度に押さえた演出
◆驚きの設定が仕込まれたストーリー(特にエンディングの一部始終は必見)

--- Bad Point ---
◆全体的にノロノロとしている初期の移動速度(ローラースケート獲得で早くなるが…)
◆初期の移動速度を無視するかのように早い動きで襲い掛かってくる敵の存在(特に後半のステージではこの手の敵の登場が当たり前に。ローラースケートが有ること前提の調整になってしまっている)
◆基本、敵を倒してブロックを壊し、出口の扉に到達することに終始する淡々とした本編
◆終始、背景が変化することもない50に渡るステージ(音楽が変わる演出もないので質素)
◆終始、横に広いステージが続く構成(クリアにかかる時間もやや長いのでテンポが悪い)
◆獲得すればステージ終了までずっと無敵状態が維持される反則染みた「耐火スーツ」
◆パスワードコンティニューシステムにおける反則技の存在(先の耐火スーツの効果を永続させるようにする、とんでもないバランス崩壊パスワードが存在する。救済措置と見て取れなくもないが…)
◆短時間で終わるとは言え、半ば強制されるのは好みが分かれるボーナスステージ
▼Review ≪Last Update : 4/8/2018≫
「迷宮から脱出して、人間になるんだ!」

そして、穴を掘りまくるんだ!


MZ-700、PC-8801、PC-6001 mkIIと言った8ビットパソコン用ソフトとして、ハドソンより販売されたアクションゲーム『爆弾男』のファミリーコンピュータ向けアレンジ作品。

文字通りの危険物たる爆弾で困難を潜り抜ける、緊張感溢れるゲームバランスが異彩を放つ傑作だ。

内容はステージクリア方式で展開するアクションゲーム。爆弾を武器として扱う主人公の「ボンバーマン」を操作し、ステージ内で動き回る敵を全て倒し、出口となる扉を探し出してそれに入るのを目指すというものである。
本編の舞台となるステージは上空より見下ろした視点(トップビュー)で描写されており、プレイヤーキャラクターも上下左右の四方向に動けるようになっている。更にステージは網目状の構成にもなっていて、基本的に中央のコンクリートブロック(またの名を「ハードブロック」)の周りを歩きながら辿っていく形となる。また網目の隙間には煉瓦状のブロック、「ソフトブロック」なるものも配置。「ハードブロック」とは違って破壊可能で、ボンバーマンの武器である爆弾を付近で爆発させれば壊すことができる。勿論、壊すことによってソフトブロック自体は消滅するので、行動範囲が広がる。そして、各ステージのクリア条件として設定された「出口の扉」はソフトブロック内に隠されているので、破壊した対象によってはそれを露出させることもできる。こんな具合に爆弾でソフトブロックを壊しながら行動範囲を広げ、出口の扉を探し出すのが基本的なプレイスタイル。手探り感覚で楽しむ独特なゲームデザインが成されている。ただ、ステージのクリア条件に関しては、扉を発見してそこにプレイヤーキャラクターことボンバーマンを移動させればよいというものではない。ステージクリアへと至るには、内部で動き回る敵達を全滅させなければならない。言うまでもなく、彼らを倒すに当たっても爆弾が必要。ボンバーマンの名が示すかの如き戦法で攻める仕組みになっている。
そのボンバーマンの標準武器たる爆弾も非常に特徴的。爆弾自体はAボタンを押すことで、ボンバーマン自身が現在いる場所に設置できる。爆弾設置後はカウントダウンがスタートし、数秒が経過した後に爆発。爆発後は十字方向に爆風が広がり、これを敵に触れさせればダメージとなって倒すことができる。ソフトブロックに対してもまた然りだ。しかし、先の通りに爆弾は設置後、プレイヤーの任意で爆発させられることもできないので、敵への攻撃を行うに当たっては相手の動きを見計らって配置することが要求される。そして、爆弾の爆風には更なる特徴がある。それはボンバーマン自身にも被害を及ぼすこと。敵だけでなく、ボンバーマンもまた、爆風に触れてしまうとやられてしまうのだ。その名称からして、爆弾の爆風に触れようがヘッチャラな印象があるが、実態は真逆。たった一度の爆風にすら耐えられないほど、ひ弱なキャラクターなのである。なので、無計画に爆弾を置いたりでもすれば、それが自分自身を葬るきっかけに繋がってしまうことも。もの凄くブラック且つ、不謹慎極まりない事を言えば、どんな時であろうとプレイヤーの任意で自爆可能!まさに絵に描いたような「諸刃の剣」だ。こんな性質のキャラクターな為、敵を倒すにせよ、ソフトブロックを壊すにしても爆風に巻き込まれないよう、設置場所から離れることが基本戦術。置いたら逃げる、逃げたら爆発するまで安全な場所で待つか、行動するかの繰り返し。前進してステージを駆け抜けていくことが当たり前とも言えるアクションゲームにしては珍しく、慎重な立ち回りがクリアのカギを握るバランスとなっている。上下左右に移動可能なトップビューを採用しているからこそ実現し得た独自性もあり、他のアクションゲームとは一線を画する遊び応えを持っている。
また、ボンバーマン自身は単に爆弾を使って戦う以外に、「アイテム」を獲得することで強くなっていくパワーアップ機能も宿している。アイテムはステージ内のソフトブロックに隠されていて、爆弾で破壊すれば出現させることができる。アイテムの効果は様々で、爆弾が描かれたものを獲得すれば一度に設置できる爆弾の数が上昇、炎が描かれたものを獲得すれば爆風の範囲を広げることができる。中には「ローラースケート」、「耐火スーツ」と言ったボンバーマン自身の移動速度、耐久力と言った基礎ステータスの上昇効果を及ぼす種類も用意されていて、獲得するかしないかでその後の難易度が大きく変化することも。一方で凡ミスに巻き込まれる危険性が増していくデメリットもあり、主に爆弾の設置数増加と爆風範囲拡大の二種類は「上手い話には裏がある」を体現する成長をボンバーマン自身が見せる。そんな危険性を持ったキャラクターを如何にして制御し、無傷で乗り切るか。こう言ったパワーアップにリスクが絡んでくる所もアクションゲームとしては珍しい設定で、ひ弱であるからこその独特のスリルが堪能できる。
総じて、ゲームルール自体は単純明快の極みである。ボンバーマンも移動することと爆弾を置くことの二つしかアクションはないので、非常に取っつき易い。だが、用いる武器が自らにも牙を向く危険物なのに加えて、プレイヤーキャラクター自身もひ弱であるので、要所要所で適切な判断を下しつつ、歩を進めていくことが要求されるので、緊張感はかなりのもの。単純だけれど、甘く見たら痛いどころか、悶絶モノの苦痛を味わいかねないというゲームデザインとバランス調整の妙が光るアクションゲームになっている。
なお、紹介が遅れたが、本編は敵を倒しながら隠された扉を探し出す展開に終始。途中、プレイヤーの行く手を阻む大型の敵が現れると言ったイベントが起きたりすることもなく、ひたすら同じことを繰り返す淡々とした構成になっている。また、プレイ人数は1人だけで、2人でプレイには非対応。いわゆるシングルプレイ特化型の作りである。

それらの特徴から言えば、本作は単調なアクションゲームと言える。実際、同じことに終始するのでそれは否定しようがない。だが、迂闊に前進していくことを封じるゲームデザインの巧みさも相まって、常に緊張感を保ったまま遊べるアクションゲームに完成されている。その緊張感が持続するゲームプレイと構成が本作の魅力である。
特にボンバーマン自身の設定は、アクションゲームとしてはなかなか革新的で、他に類を見ないキャラクターを構築している。そもそも自らをも滅ぼしかねない武器で戦うという時点で面白い。物が物だけに、プレイヤーの判断次第で文字通り生かすも殺すもできてしまう。そして、その武器というのが爆弾であるのも高い説得力に富んでいる。一般的に考えて爆弾というものは相当な危険物だ。相手のみならず、使い方次第では自らにも甚大な被害を及ぼしかねない、この世に存在する武器の中で最も「諸刃の剣」の言葉を体現した存在と言える。実際にその特質を活かした悲惨な事件も現実で起きているほか、映画、漫画と言った娯楽作品においても、作中の人物達の生命を脅かす脅威として頻繁に描かれる。そんな危険物を武器として扱うのだ。プレイヤー側に被害が及び、時に滅ぼすことにも繋げられるのには、自然に納得できてしまうものがある。ゲーム的に考えれば及ばない方が遊び易いし、プレイヤーのストレスにもならない。しかし、それだと武器本来の特性が霞むし、あえて被害を及ぼす仕組みにすることで他のアクションゲームにないゲームバランス面での特徴を作り出すこともできる。相手に対して効果を発揮しない武器、方法で戦うアクションゲームの主人公達とは違った個性を持ち、プレイヤーに強烈な印象を与えるキャラクターを。そう言った唯一無二の特徴を持たせるこだわりが設定面には込められていて、他に類を見ない動かす面白さを感じ取れるキャラクターに完成されているのだ。自らの武器でやられてしまう程度にひ弱だけど、それ自体が個性として確立している。そして、その武器自体が現実にも使い手に被害を及ぼす爆弾。不自然さを出さぬ為に凝らされた各種設定の数々にはゲームデザインの妙が現れている。
ボンバーマンを強化する「アイテム」にも、件の独自設定が他のアクションゲームにない面白さを演出している。具体的には強くなれば強くなるほどにデメリットが増すこと。爆弾の設置数が増えれば効率的なソフトブロック破壊、敵の撃破が行えるようになる一方、自分の周囲を爆弾で囲む事故が発生する頻度が高まったり、火力が増せば多くの敵をまとめて倒せ、離れた場所にあるブロックも破壊できるようになるが、逆に爆風が広範囲に渡ることで安全地帯が狭まるなど、強くなればなるほど慎重な行動を必要とする代償を設定している。また、先ほどに触れなかったが、爆弾の爆風はソフトブロック、敵のみならずアイテムも焼き切ってしまう性能がある。なので、巻き込まれるのを回避したとしても、配置によってはアイテムが犠牲になってしまうことも。同様に出口の扉にも罠があり、爆風が扉に触れてしまうと増援の敵も出現。しかも、彼らは移動スピードが早く、現れる数も多い。仮に全ての敵を倒しきっていて、後は出口の扉に入るだけの状況下に出現させでもすれば、それが振り出しに戻されることを意味するのは言うまでもなく。アイテムによるパワーアップはそう言ったプレイヤー以外への被害を招き易くすることもあり、下手に調子に乗ったりでもすれば、強烈なしっぺ返しが来るようになっている。ちゃんとパワーアップしているなりの効果は得られるし、戦術の幅が広がって豪快な立ち回りを取れるようになるのは楽しい。だが、本作の武器は爆弾という名の危険物。そのようなものを使うなりにどう足掻いてもプレイヤーにはリスクが付きまとい、調子に乗りでもすれば相応の被害が及ぶように設計されている。裏を返せば、適切に使いこなせば敵に対する大きな脅威にもなり得るということ。プレイヤー自身の制御次第では爽快なゲームプレイを堪能できたりもするのだ。この辺の作りにも爆弾で戦うゲームデザインと設定の妙が光る。リスクが増すけど、その分大きなリターンも得られるように設計されているところには、制作スタッフのセンスの良さと設定を詰めるこだわりを実感させられる。
他にステージ構成も凝っている。基本、出口を探すことと敵を倒すことに終始するが、ブロックの配置はプレイする度に自動的に変わるようになっている上、敵も一種類だけではなく、8種類も存在するなどバリエーション豊かで、一体一体が異なる行動パターンをお披露目するので手強い。そして、この敵達がステージを進む度に他の敵との異なる組み合わせで登場するので、常に違った戦術が要求される。なので、同じことが繰り返されるとはいえ、その展開は決して似通ったものにはならない。こんな表現上の制約があるなりの工夫も万全であり、作業的なゲームにはしないとする制作者の確固たる姿勢には感服するばかりである。
危険物を扱うからこそ成し得たゲームプレイに緊張感が欠けることのないバランス調整と、随所において緻密な設計と作り込みが光る本作。しかし、バランスに関しては雑な所も。特にゲームスタート時の初期状態は貧弱の極みであり、最弱の敵を倒すのにも一苦労。それに時間を取られて制限時間をオーバーしてしまうなんてことも起こり得る。移動速度も遅く設定されていて、「ローラースケート」のアイテムを獲得することで早くすることができるのだが、登場するステージが限定されていて、取り漏らすと後半の高速で移動する敵を対処できなくなって詰みかねないこともある。逆にパワーアップアイテムを取ってしまえば楽々な展開になるところも。この辺の大味さは調整の甘さが現れてしまっている。

ステージの広さも移動速度の遅いゲームスタート時のステータスを考えると、ストレスを生む要素として機能してしまっている。ステージの数は50と非常に多く、ボリューム満点なところは凄いのだが、全てが横に広い構成で、アイテムによるパワーアップを重ねていない序盤はクリアするだけでも結構な時間がかかる。また、横に広いが故に長時間プレイするとその密度に鬱陶しさを感じてくることもあり、徐々に水増し感が目立ってくる。ステージによっては横に広くせず、一画面内に収めた狭いステージを用意しても良いと思ったのだが、限られた容量、その制約による設計面での応用を考慮すると厳しいものがあった可能性も無きにしも非ず。この辺は時代の宿命というものを感じてしまう限りだ。せめてデフォルトの移動速度は早めに調整するなど、何らかの措置は欲しかった。
ロケーションも容量面の限界もあって、背景パターンは一種類しかないので次第に面白味がなくなってくる。その手のステージを50も導入してしまった所もやり過ぎた印象は否めない。ただ、せめてもの救いとして本作はパスワードコンティニューを採用。エンディングまで行きたければ通しプレイ必至、と言ったスパルタなプレイは強いられない。何気に獲得したアイテムの情報も記録される仕様になっているのも有難いところだ。パスワードを確認できるのがゲームオーバー画面限定だったり、アイテムが記録されるが故に反則技が使えてしまう所もあるのだが、後者は救済措置と考えるまでか。
操作性に関しても総じて良好。基本的に十字キーとAボタンを主体的に使うので、説明書を読まずとも直に習得できる。最も、爆風を喰らうとやられるルールを把握していなければそれ相応の洗礼を浴びることになってしまうが。
グラフィックも背景パターンの少なさなどもあって質素だが、敵キャラクター達が個性的な容姿をしていて印象に残る。また、音楽はそのシンプルな見た目を引き立てる要素として存在感を発揮。ステージ開始時は淡々とした楽曲が流れ続けるが、アイテムを取ると急にイケイケな楽曲に変わる下りはなかなかに気分が高揚する。曲自体も数は少ないが、耳に焼き付く強烈なものが揃っている。特にメインステージ曲は素晴らしく印象に残るものになっているので要チェックだ。

演出周りも先のアイテム獲得時に音楽が変化するなど、質素なグラフィックを補う仕掛けが凝らされていて、意外と地味さはない。爆風のビジュアルも鮮烈で、効果音の重々しさも相まって迫力は十分。特にプレイヤー自身が無敵状態で爆発させ放題のボーナスステージはその魅力がいかんなく発揮されていて、爽快感の向上に一役買っている。
作中ではほとんど語られないが、ストーリーもパズルアクションの名作『ロードランナー』(※ハドソンより発売されたファミコン版)と関連付いた内容になっていて、かつて「ボンバーマン」と呼ばれていた主人公のランナーくんが人間になる為に地上を目指すという、なんとも意表を突いた設定が貼られている。かなり無理やりなこじ付けになっているのは否定しないが、その設定を実感させるエンディングは短めながらもなかなか印象的。一体、どのようにしてボンバーマンと言われた彼がランナーくんへと生まれ変わったのか、気になる方は全50面のクリアを目指して頑張ってみて欲しい。きっと色んな意味で呆気に取られるはずだ。そして、『ロードランナー』に対する印象も大きく変わることになるので、もしソフトをお持ちの方は本作をクリアした後に再度、遊んでみると面白い感情の変化を味わえるかもしれない。何気に以降のボンバーマン作品には無い、本作固有の設定でもあるので要チェックだ。
大味なバランス調整にロケーションの乏しさから起因した単調な展開、水増し感も否めないステージ構成など、いま一歩な箇所も散見されるが、爆弾を丁重に扱って仕掛けを潜り抜け、行く手を阻む敵を撃退していく過程は緊張感抜群且つ、無傷で乗り切れた時の達成感が格別。その独特な画面構成も相まって、唯一無二の作品に仕上がっている本作はアクションゲーム好きは勿論のこと、少し風変わりで手軽に遊べるゲームを欲しているプレイヤーに自信を持ってお薦めできる傑作だ。質素な見た目からは想像もつかない緊張感満点な爆弾アクションを堪能してみて欲しい。お薦めの一本だ。
≫トップに戻る≪