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スーパーマリオブラザーズ3


©1988 Nintendo

■発売元:任天堂
■ジャンル:アクション
■CEROレーティング:A(全年齢対象)
■定価:6,500円(税別)


マリオとルイージの活躍で平和になったキノコ王国。だが、このキノコ王国はキノコワールドのほんの入り口に過ぎず、その奥にはたくさんの不思議な国があった。

2度に渡り懲らしめられた大魔王クッパは、マリオたちのいるキノコ王国からこそは手を引いたものの、今度はコクッパ7兄弟を仲間に入れ、ワールドのあちこちを乱し始める。
ついには各国に古くから伝わる魔法の杖を盗み出し、王様達を動物の姿に変えてしまった。

マリオとルイージはコクッパたちから杖を奪い返し、王様を元の姿に戻すため、ピーチ姫とキノピオに見送られて、不思議に満ちたキノコワールドの奥へと進んで行くのだった。

Good / Bad Pick up


▼Good Point
◆ワールドマップとルート分岐の導入で、前2作以上に自由なコース攻略が楽しめるようになった本編
◆砂漠、氷上(雪原)、砦、さらには雲の上など、これまでにも増してバリエーション豊かになったコースの地形
◆それらのコースを彩る盛りだくさんの仕掛け(強制スクロール、流砂、回転リフトなど、前2作を超える物量)
◆同じく各コースの印象を深くする盛りだくさんの敵キャラクターたち(前2作以上の面子が登場!)
◆80を超える収録コースの総数が醸し出す、ファミコンのアクションゲームとしては規格外のボリューム
◆物の持ち運び、高速ダッシュなど機動性と動かす楽しさを向上させたマリオのアクション
◆空を飛行できる「しっぽマリオ」を筆頭にさらなるバリエーション強化が図られた変身アクション
◆ダッシュ中の挙動は前2作と変更されたが、取っつきやすさと動かしやすさは従来通りの操作性
◆変身用アイテムを保持できるようになり、自由な難易度調整を可能にした意欲的なストックアイテムシステム
◆前作の初心者お断り路線を廃し、初代譲りの万人向けの方針に振り切った難易度
◆前々作の難点を改善すると同時に、独自の対戦要素も追加して遊びの幅を広げた2人プレイモード
◆背景、キャラクターに至るまでコミカル調のデザインに全面刷新されたグラフィック
◆新曲中心の構成になったのに加えて、楽曲数も大幅に増量、さらには音源の強化も図られた音楽

▼Bad Point
◆途中経過を記録するセーブ、パスワードコンティニュー機能の不備
◆後半のワールドにおける一本道構成色の濃さ(特に最終ワールドは、完全な一本道に加えて規模も大きい)
◆画面外に出ても追跡してくるのが厄介な敵「テレサ」(逆にそのせいで強烈な印象を植え付けられたりも)
◆効果時間がなぜか短縮され、使い勝手が悪くなった「スーパースター」
◆コースを飛ばせるのは便利だが、その後のコースでミスしてしまうと飛ばしたコースの手前まで戻されてしまうのが不便極まりない救済アイテム「ジュゲムの雲」の仕様

Game Overview


オレたち、イタズラ大好きコクッパ7兄弟!(でも、今は……?)

◇『スーパーマリオブラザーズ』のシリーズ3作目。前作『スーパーマリオブラザーズ2』は、ファミコンの周辺機器「ファミコンディスクシステム」専用タイトルとしての発売となったが、今回は初代『スーパーマリオブラザーズ』と同じく、ファミコン専用タイトル(ROMカセット単体)として発売された。事実上の原点回帰でもある。 ジャンルは横スクロールのステージクリア型アクションゲームで、過去2作と共通。主人公のマリオを操作し、ワールド単位に設けられたステージ(コース)を攻略しながら、大魔王クッパの子供たちである「コクッパ7人衆」の悪事を食い止めることを目指す。

◇基本の遊び方も前2作と同じく、制限時間以内にコース最奥のゴールへの到達を目指すというものになっている。ただし、それ以外のゲームシステムは前2作から大きく一新された。
最も大きな変化は、舞台となるワールドの全体図を描いた「ワールドマップ」の導入。この場でマリオ(もしくはルイージ)を移動させ、コースに該当するパネルに到達したのちAボタンを押すと、該当のコースが始まるという仕組みになった。また、コースのクリア後もワールドマップへと戻る形となっていて、前2作のようなコース1をクリアすると、すぐに次のコース2が始まるという直線的な流れではなくなっている。そのため、次のコース2を始めるには、ワールドマップ上でマリオを該当するコースのパネルまで動かして決定しなければならない。また、直線的な流れではなくなったため、1から順番にコースを辿っていくことも強制されない。 各ワールドは「HELP!」との吹き出しが出ている「お城」のコースが最終目的地なのだが、ここに至るまでなら、一部のコースは完全に飛ばしてしまってもいい。分かれ道があって、そのひとつがお城への最短ルートだったら、そちらを選んで進めてしまえばいいのだ。もちろん、あえて全部のコースを順に辿ってもいい。こうしたプレイヤーの好みに合わせた進め方が今回はできるようになり、前2作以上に攻略面の自由度が確立されている。

◇初代『スーパーマリオブラザーズ』からの象徴でもある、アイテムによるパワーアップシステムも大きく進化。基本の仕組みは前2作と共通だが、「ファイヤーマリオ」以外の新しい変身パターンが複数加わり、より多彩なアクションが楽しめるようになった。特にBボタン押しっぱなしによるダッシュで「Pゲージ」が満タンになったのち、Aボタンを連打することで空を飛べてしまう「しっぽマリオ」は本作の新たな変身アクションの中でも随一のインパクトを誇る。 また「ストックアイテム」なるシステムも導入。「スーパーキノコ」や「ファイヤーフラワー」などの変身アイテムを手持ちとして複数持ち歩けるようになった。これにより、事前に変身した状態でコースに挑むという攻略法が可能に。ストックアイテムはワールドマップ上にある「キノピオの家」のほか、「ハンマーブロス」などの敵と1対1の戦いに挑むバトルコースなどを攻略した際に手に入れられる。使用するに当たっては、ワールドマップ上でセレクトボタンを押し、十字キーで使いたいアイテムを選んでAボタンを押すだけでいい。

◇コースも前述した敵との強制戦闘が発生するバトルコースのほか、「砦」「飛行船」といったナンバー付けのされていない特殊タイプが複数追加された。また、立ち止まっているとマリオが沈んでいく流砂が特徴の「砂漠」、滑りやすい氷の床が広がる「氷上」といった前2作にはなかった環境も登場する。仕掛けも新種が大幅に増えた……というよりは激増。前述の流砂に加えて竜巻、回転や落下式といった新型リフト、特定のタイミングでAボタンを押すと高く跳べる「音符ブロック」、レンガブロックとコインが入れ替わる「Pスイッチ」といったものが追加されている。コース全体が特定の方向に自動でスクロールしていく「強制スクロール」なるものもある。加えて敵キャラクターも大量の新種が追加されている。これらの強化によって、前2作以上に起伏と新たな発見に満ち溢れた構成が実現しており、退屈の二文字を一切感じさせない体験をプレイヤーに提供する。

◇ほかに「しっぽマリオ」の空を飛ぶアクションが現すように、コースも横方向のみならず、縦方向に広がりを持たせた構造に進歩している。前2作では進むと後戻りできなかった制限も撤廃され、今回はすでに通り抜けた場所へと戻る行動も取れる。細かいところでも、カメの敵「ノコノコ」を踏むと変化する甲羅を持ち運べるようになったり(※Bボタン押しっぱなしで甲羅に触れると持てる)、前述した「Pゲージ」の導入で歩行状態とダッシュ状態のマリオの姿が可視化されるなどの変更が加えられている。さらにはグラフィックも前2作からすべてが別物に一新されているという徹底ぶりだ。前作が初代『スーパーマリオブラザーズ』そのままの形で発展させた続編なら、今回はフルモデルチェンジも同然の続編。実質、新生『スーパーマリオブラザーズ』と言っても過言ではない作品に完成されている。

Review 【Latest Update :4/5/2026 | First Publication Date:6/4/2017】


前2作から大きく刷新されたゲームデザインと、ボリュームの大きさが異彩を放つ傑作。

特に前2作をプレイした状態で遊ぶと、その別物感が際立つ。ワールドマップの導入による攻略の自由度アップはとりわけインパクトが大きく、1から順番に攻略しなければならないというアクションゲームの常識を覆す革新性がある。「次のコースは苦手なタイプだから飛ばしたい」——本作ではそんなプレイヤーの希望にある程度応えてくれる余地があり、思うがままに進められるのは結構痛快。前2作も一部のコースに隠された「ワープゾーン」を使えば素早くエンディングに到達できる自由があったが、本作ではそれがワールドのコース単位にも反映され、プレイヤーの性格が現れる冒険が楽しめる内容へと進化している。

難易度の絶妙な調整も特筆に値する。前作をプレイしていると「また初心者お断りの難易度なのか」と不安になるかもしれないが、本作は前々作『スーパーマリオブラザーズ』と同じ方針に回帰し、難しすぎず、やさしすぎずの絶妙なバランスにまとまっている。一部のコースを飛ばしても後の攻略が極端に不利になることはほとんどなく、基本的にどのコースもパワーアップしていない初期状態のマリオでクリア可能な設計だ。また、ストックアイテムの導入により、特定のアイテムで変身して力押しするなど、難易度を和らげる工夫もできる。逆にストックアイテムを使わず全コースを攻略するスタイルなら、前作に近い手ごたえを味わうことも可能。前々作の塩梅が好きだった人には安心感を与え、前作の難しさが好きだった人にはプレイスタイルの工夫で手ごたえを提供する、まさに万人向けの巧みな設計と言えるだろう。

各コースの完成度も高い。新たな地形・仕掛け・敵キャラクターが大幅に増えたこともあり、強い印象を残すコースが前2作より格段に多い。しかも本編のコース総数は80以上。前々作の2倍以上というボリュームと、かなりの規模だ。

驚くべきは使い回しがほとんどなく、すべてが独立した1コースとして完成されていること。同じ仕掛けが再登場する場面はあるが、例えば強制スクロールなら横だけでなく斜め下や上にも動くなど、見せ方や組み合わせを変えて新鮮な驚きを生み出している。それが最終ワールドまで徹底されているのは、開発スタッフの情熱(執念?)を感じさせる。コース自体はすべて攻略する必要はなく一部は飛ばせるが、1個ずつプレイすると本作に詰め込まれたアイデアの豊富さを思い知らされる。終盤に差し掛かる頃には「まだこんなにネタがあったの!?」と声に出てしまうはずだ。

パワーアップアイテムによる変身バリエーションの強化も見逃せない。マリオにしっぽが生えて空を飛べる「しっぽマリオ」を始め、水中を自在に泳げる「カエルマリオ」、放物線状にハンマーを投げる「ハンマーマリオ」、動けないが完全無敵の地蔵に変身できる「たぬきマリオ」など、二度見してしまうような新種が盛りだくさん。変身時のグラフィックが単なる色替えではなく、それぞれの特徴に基づいた固有のデザインになっているのも前2作にはなかった見どころだ。

グラフィックはキャラクターから背景まですべてが前2作とは別物に一新されている。マリオはより可愛らしいデザインになり、ゲーム全体のコミカルな雰囲気が際立っている。敵キャラクターも全員グラフィックが一新され、「ゲッソー」のように可愛らしくなったキャラクターもいれば、「パックンフラワー」のように若干不気味になったタイプもいる。音楽も新曲中心の構成に改められ、地上コースには2パターンの楽曲が用意されたほか、砦や水中などの専用曲も大幅に増加。前2作にはなかったボス戦専用の楽曲も追加され、ボス戦自体も専用フィールドでの1対1の一騎打ち形式に変わっている。

操作性も前2作を踏まえつつダッシュ中の挙動変化などが加わったことにより、独特な手触りが楽しめるものに進化。2人プレイモードも前々作以来の復活を遂げ、コースクリアかミスのタイミングでプレイヤーが交代する仕様に改善された。『マリオブラザーズ』を思わせるミニゲームも用意されており、そこではガチの対戦が楽しめる。

全体的に大胆かつ魅力的な究極進化系の続編に仕上がっている本作だが、看過できない難点もある。特に途中経過を保存できるセーブ機能やパスワードコンティニュー機能が搭載されていないこと。80以上あるコースをセーブなしの通しプレイで攻略しないとエンディングに辿り着けないのだ。
一応、一部のコースは飛ばせるほか、「ワープの笛」という救済アイテムもあるが、前者はそれでも相当な数のコースが残り、後者は隠し要素のため探す手間がかかる上に、最終ワールドだけは1からの通しプレイが避けられない。

この難点については取扱説明書に開発スタッフからの謝罪メッセージが掲載されるほどで、実装できない事情があったことが推察される。パスワードコンティニューでもいいので、何らかの記録機能が欲しかったところだ。ほかにも後半ワールドがほぼ一本道構成になっていたり、無敵化アイテム「スーパースター」の効果時間が短縮されて使い勝手が低下しているなど、細かい気になる箇所も散見される。

途中経過を記録できない点だけが残念だが、それでも本作が非常に手の込んだ傑作であることは明言できる。前2作の良さを引き継ぎつつさらなる深化を図った究極進化系の続編だ。あまりに変わりすぎているため前2作の経験者なら戸惑う面もあるかもしれないが、絶妙な難易度とバラエティ豊かなコース、見どころとツッコミどころ満載の変身アクションなど、間違いなく『スーパーマリオブラザーズ』の続編として完成されている。ファミコンで遊べる単体のアクションゲームとしても必プレイの域に達する作品なので、気になればぜひ手に取ってほしい。

なお、2026年現在は途中経過を細かく記録できるほか、巻き戻し機能にも対応している『ファミリーコンピュータ Nintendo Classics』収録バージョンで遊ぶのが最もおすすめだ。デフォルトでセーブ機能が付いたリメイク版『スーパーマリオコレクション』収録バージョンでも良い。逆にセーブできないハンデを背負った上でオリジナル版に挑戦するのも一興だが、その場合はファミコン本体とROMカセットが必要な点に注意を。