
©1986 Nintendo
■発売元:任天堂
■ジャンル:アクション
■CEROレーティング:A(全年齢対象)
■定価:2,500円(税別)

©1986 Nintendo
■発売元:任天堂
■ジャンル:アクション
■CEROレーティング:A(全年齢対象)
■定価:2,500円(税別)
キノコ達の住む平和な国「キノコ王国」にある日、強力な魔法を操る大魔王クッパの一族が侵略してきた。
おとなしいキノコ一族は皆、クッパの強力な魔力によって岩やレンガ、ツクシ等に姿を変えられてしまい、王国は瞬く間に滅んでしまった。 このキノコ達にかけられた魔法を解き、蘇らす事ができるのは王国の姫君、ピーチ姫だけ。 しかし、彼女はクッパにさらわれてしまい、今はその手中にある。
マリオとルイージは、カメ一族を倒してピーチ姫を救出し、キノコ王国を蘇らせるべく立ち上がる。
▼Good Point
◆キャラクターを横方向に動かしてゴールを目指す、前作準拠の取っ付き易さに秀でたゲームデザイン
◆前作を極めたプレイヤーを対象としただけにある、歯応え抜群の辛口な難易度
◆キャラクターセレクトシステム追加で、一粒で二度美味しい構成へと刷新された全30以上ものコース
◆ジャンプ力や滑りやすさなどで個性付けが図られ、独自の魅力と操作面での手触りを持つようになったマリオとルイージ
◆ジャンプ時の軌道に影響を与える「追い風」など、前作に無かった展開を演出する新しい仕掛けの数々
◆触れるとミスにすら至る「毒キノコ」追加で、危険な一面も付加されたパワーアップアイテム
◆メインの8ワールドに加え、上級者向けの高難易度隠しワールドも用意され、大幅に拡充された本編のボリューム
◆隠しワールド追加に伴って、前作以上に密度の濃いものになったやり込み要素全般
◆前作準拠の違和感なく馴染むキーアサイン、軽快な挙動が光る、良好な操作性
◆基本的に前作の使い回しだが、細かな部分が一新され、見栄えが良くなったグラフィック
◆ブレーキ時に専用の効果音が鳴るようになるなど、地味ながら強化が施された演出周り
▼Bad Point
◆出現条件を厳しく設定し過ぎの隠しワールド(8周しなければならないというのはさすがに過酷すぎ)
◆進行状況ではなく、クリア回数を保存するという不可解な仕様のセーブシステム
◆前作からの使い回しが目立つため、新鮮味に欠ける音楽と演出周り(ただ、演出には若干の差異がある)
◆2人プレイモードの廃止(ただ、前回の難点を考えると、削除自体は妥当と言える側面も)
◆基本、前作未経験者とアクションゲームが苦手なプレイヤーはお断りのゲームバランス
もうひとつの世界で、兄弟そろって困難だらけの冒険に出る。
◇横スクロールのアクションゲームというジャンルを世に広め、空前のファミコンブームを巻き起こした歴史的名作『スーパーマリオブラザーズ』の続編。今回はファミコンではなく、その周辺機器である「ファミリーコンピュータ ディスクシステム」の専用ゲームソフトとして発売された。そのため、ROMカートリッジ(カセット)版は存在しない。ジャンルは前作と同じく、ステージクリア型の横スクロールアクションゲーム。ストーリーの設定も全作を踏襲しており、主人公のマリオを操作して様々な困難が待ち受けるステージこと「コース」を乗り越え、大魔王クッパにさらわれたピーチ姫の救出を目指すというものになっている。
◇基本的なゲームシステムも前作をほぼそのままの形で引き継いでいる。制限時間内にゴールポールを目指すという基本ルール、特定のアイテムを取得することでマリオが強化されるパワーアップシステム、ジャンプや踏み付けといったアクションがその代表例だ。地上に地下、水中、お城といった多彩な地形と環境、ワープゾーンを始めとする攻略の幅広さを演出する要素もそのまま受け継がれていて、本作でも前作に負けず劣らぬ山あり谷ありの冒険が画面いっぱいに繰り広げられる。細かいところでは、グラフィックと音楽についても前作のものをほぼそのままの形で流用している。ただ、グラフィックに関しては「スーパーキノコ」を始めとするキノコ系アイテムのデザインが変更されていたり、地形の一部が新規のデザインになっていたりと、完全な流用ではなく部分的な発展を遂げたものになっている。
◇前作から大きく変わった点のひとつはキャラクターセレクトシステムの導入。前作には交代制の2人プレイモードが用意されていたが、本作ではそれが廃止され、完全な1人プレイ専用のゲームに改められている。それに伴い、2人プレイモード専用のキャラクターだった「ルイージ」がプレイヤーキャラクターとして、1人プレイにおいても操作できるようになった。タイトル画面で「MARIO GAME」を選ぶとマリオ、「LUIGI GAME」を選ぶとルイージで本編を遊べるようになる。なお、選択できるのは最初のタイトル画面だけで、途中でキャラクターを変更することはできない。 また、この仕組みを踏まえてキャラクターごとの性能差が設定された。具体的には。マリオは滑りにくくジャンプ力が低め、ルイージは滑りやすいがジャンプ力が高いという異なる長所と短所が与えられたのである。これにより、コース攻略時に求められるテクニックもそれぞれで変わってくるようになり、コース攻略の奥行きが大幅にパワーアップ。特徴の違いもあって、2周目以降のやり込みも新鮮な気持ちで楽しめるようになっている。前作の2人プレイモードは1人目のプレイヤーがミスしない限り、出番が回ってこないという難点があったが、本作のこの仕組みはそういった問題をやや極端とは言え、うまく解消している。2人プレイモードでないと絶対に会えないことから、影の薄い存在にもなっていたルイージにスポットライトを当てるという意味でも魅力的な新システムだ。
◇アイテムにも新種が追加されている。その名も「毒キノコ」。スーパーキノコとは真逆の効果を持つ危険なアイテムである。小さいマリオの状態で取るとミス扱いになり、スーパーマリオやファイヤーマリオの状態で取るとパワーダウンしてしまう。しかもデザインはスーパーキノコとほぼ同じで、色が黒っぽい茶色である点だけが異なる。よく観察して見分けないと不意に取ってしまいかねない仕様になっており、前作では「アイテムはプレイヤーを助けるもの」という前提が成り立っていたのに対し、本作ではその常識が崩れている。前作の知識をそのまま当てはめると痛い目を見るスリリングな新要素だ。 コース上の仕掛けにも新種が登場している。逆さに配置された土管や、マリオを画面外に吹き飛ばすジャンプ台のほか、風が吹き荒れるエリアを舞台にした「追い風」の仕掛けがそれに当たる。特に風に関しては、風向きに沿ってジャンプすれば長距離を飛べるが、逆らうと押し返されるなど、環境の変化を読んで対処するという前作とは異なる判断力が試される仕掛け(兼新要素)となっている。
◇ほかにワープゾーンにも今回、入ってしまえば攻略済みのワールドに戻されるという、前作経験者に強烈な不意打ちを食らわせる「逆ワープゾーン」なるものが追加されている。
全体的に見ると大きな変化には乏しいが、中身は新システムと新要素をふんだんに盛り込んでいて、前作とは異なる楽しさを味わえる内容になっている。見た目は前作の『スーパーマリオブラザーズ』と一緒だし、ストーリー設定に関しても完全に一緒。なのに体験できる中身は全くもって違うということからも、本作は“もうひとつの『スーパーマリオブラザーズ』”とも称せる作品となっている。極端に言えばマイナーチェンジ版だが、その一言で締め括れない魅力と強みを持っている。
前作未経験者を切り捨てる苛烈な高難易度、さらに遊び応えの増したやり込み要素で魅せる野心的な続編。
本作の魅力と強みを語る上で外せないのが、前作とは180度路線の異なる高難易度。単刀直入に言って、難しさは前作と比べ物にならないほど高い。アクションゲーム初心者から前作未経験者まで問答無用で蹴落とす、苛烈なバランスになっている。
最初の1-1からして容赦ない。前作ではワールド3以降に登場した緑のパタパタが初っ端から出てきたり、スーパーキノコが一見では分からない場所に隠されていたり、逆に分かりやすい場所には毒キノコが仕込まれていたりと、前作経験者を試すかのようなコース設計が徹底されている。「前作を遊んだことのないプレイヤーは引っ込んでろ」と言わんばかりの勢いだ。
ゆえに本作で初めて『スーパーマリオブラザーズ』を遊ぶ初心者への配慮は、かけらもない。Bダッシュでギリギリのタイミングでジャンプしなければ越えられない穴や、スーパーマリオでは十分に跳べない狭い通路に敵が正面から迫ってくる場面など、「こんなのどうしたらいいんだ」と絶望しそうなシチュエーションがこれでもかと繰り広げられる。前作のエンディング後要素である2周目をクリアできたプレイヤーだとしても、序盤から大いに辛酸をなめさせられるだろう。それほどまでに、制作スタッフからの挑戦状とも言うべき難しさになっている。
ただ、計算された上での難しさであることがミソだ。敵や仕掛けの配置は苛烈だが、前作同様に不意打ちは極力抑えられており、理不尽さはほとんどない。ミスしてもそれがプレイヤー自身の操作ミスだと分かる設計になっているため、ゲームバランスとして理に適っている。一見、突破するのが絶望的な場面でも、ダッシュジャンプなどの応用テクニックを使えばすんなり進めたり、敵の動きに必ず隙が生まれるようになっている。パワーアップ状態でないと突破不可能という制約を課した場面は一切なく、大半は初期状態でも攻略できる作りになっているのは純粋に凄い。そんな細部にまで行き届いたバランス調整には、職人的なこだわりを実感させられるところだ。
やり込み甲斐が増しているのも見逃せない。前作で裏技的なテクニックとして存在した「無限1UP」が行えるポイントが拡張され、どこにあるかを調べ尽くす楽しみが生まれている。この無限1UPポイントの増加は高い難易度への配慮としても機能しており、残機を増やしやすくすることでリトライ時のストレスを和らげている。難しくしながらも、プレイヤーに過度なストレスを与えない遊びやすさを守ろうとした制作スタッフの良心が感じられる部分だ。
キャラクターセレクトも本作独自の体験を提供する魅力的なシステムだ。特にルイージでのプレイは、ジャンプ力の高さと滑りやすさという特色が相まって、独特の難しさと縦横無尽に動き回る爽快感が堪能できる。最初こそ戸惑うかもしれないが、次第に使いこなすことで縦横無尽な動きの虜になってしまうだろう。前作や『マリオブラザーズ』では絶対に操作できなかったルイージで遊べるという点でも魅力があり、まさに「ブラザーズ」と名乗るだけの説得力がある仕上がりだ。
新たに追加された仕掛けのインパクトも絶大で、特に「追い風」を使って長距離ジャンプを決めていくスリリングな展開には、続編としての進化を実感させられる。敵キャラクターの顔ぶれこそ前作と変わらないが、水中コースにしか出なかったゲッソーが地上面に現れるなど、前作経験者の意表を突くネタも仕込まれている。終盤のコースではクッパが予想外の動きを見せてくることがあり、油断は禁物だ。
操作性も前作の完成されたスタイルを踏襲しつつ、マリオとルイージで操作感が異なるという仕掛けによって、動かす楽しさが一層増している。ボリュームはエンディングを目指すだけなら前作と変わらないが、本作にはクリア後専用の隠しワールドが収録されており、コース数は前作の1.5倍に増量されている。キャラクターセレクトの存在も合わさって、内容的には実質ゲーム2本分とも言える密度だ。コンプリートを目指せば、誰もが真っ白に燃え尽きるほどのやり込み甲斐が待っている。
全体的に前作の続編を名乗るのに十分な完成度と魅力を持った作品になっている。
ただ、見過ごせない難点も少々。目立つところではセーブ機能。今回、ディスクシステム専用タイトルとして新たに実装されたが、クリア回数とスコアを保存するだけに留まっていて、途中経過を記録できない。本作は前述したように高難易度が特徴で、クリアするに当たっては相当な根気が用意される。それを引き立てる意図もあったのかもしれないが、できればせめて中断セーブはあってほしかったというのが正直なところだ。
もうひとつにクリア後の隠しワールドの出現条件があまりにも厳しすぎること。なんと本編を8周しなければ解禁されない。さすがにこれはやりすぎというか、高難易度な本編を踏まえると半分にするか、単純にクリアしたら解禁でも良かったように思う。裏を返せば、このおかげでかなり長く遊べるゲームにもなっているのだが、数的に苦行同然なのが厳しい。
あとは単純な難易度の高さと、2人プレイの廃止も前作が好きだった人には好みの分かれる部分だろう。とは言え、繰り返しになるが続編としての完成度は十分で、アクションゲームとしての基本的な面白さは前作と変わらないため、迷いなく傑作と言える仕上がりになっている。しかし、前作以上の面白さと深さがある。そんな計算された作り込みと続編としての進化が感じ取れる、何ともクセツヨな作品だ。前作未経験者には絶対にオススメできないが、前作を極め尽くしたプレイヤーにはぜひともチャレンジしてほしい。そして、後年の『スーパーマリオコレクション』収録のリメイク版にて新たに冠されたサブタイトル「FOR SUPER PLAYIERS」の意味を血を流さない程度に思い知ってみるのです。
なお、本作も前作と同じく、2026年現在では「Nintendo Switch Online」会員専用の『ファミリーコンピュータ Nintendo Classics』で体験可能。同ソフトでは途中セーブや巻き戻し機能が使えるので、前作未経験者は怖いもの見たさで遊んでみるのもいいかもしれない。