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メトロイド


©1986 Nintendo

■発売元:任天堂
■ジャンル:アクション
■CEROレーティング:A(全年齢対象)
■定価:2,600円(税別)


コスモ歴2000年代。銀河系では多くの惑星の代表者からなる議会をもとに「銀河連邦」が設立。繁栄の時代を迎え、文明や文化の交流が盛んに行われると共に、多くの星間連絡船も行き来していた。

一方で、それらの船を狙う宇宙海賊(スペースパイレーツ)も出現。連邦局は銀河連邦警察を組織するが、海賊たちの攻撃は強力で、広大な宇宙の中で捕らえることは困難を極めた。
それを受け、連邦局は警察とは別に勇猛果敢な戦士たちを集め、海賊たちと戦わせた。彼らは宇宙戦士(スペース・ハンター)と呼称され、海賊を捕えてはその報酬を受け取る、宇宙の賞金稼ぎでもあった。

そしてコスモ歴20X5年、重大事件が起きる。外宇宙調査船が宇宙海賊の襲撃を受け、「惑星SR388」で発見された未知の生命体のカプセルを奪われてしまったのだ。
生命体はベータ線を24時間照射することで活動を再開し、増殖する特性を持っていた。しかもSR388の文明は何者かによって破壊された疑いがあり、その要因が件の生命体である可能性が示唆されていた。この「メトロイド」と名付けられた生命体を地球へと持ち帰ろうとしていた最中、調査船は宇宙海賊の襲撃を受けてしまったのである。

メトロイドが海賊の手によって増殖され、兵器として使われるようになれば銀河文明の破滅は避けられない。連邦警察は必至の捜索の末、海賊の本拠地「惑星ゼーベス」を発見し、すぐさま総攻撃を実施。だが、海賊の激しい抵抗にあい、要塞を攻め落とすことはできなかった。

連邦警察は最後の手段として、宇宙戦士をゼーベス内部に潜入させ、要塞の中枢を破壊する作戦を決定する。そして「サムス・アラン」という宇宙戦士がその任に就くこととなった。サムスは絶対不可能と言われた数多くの事件を解決してきた優秀な宇宙戦士であり、全身にサイボーグ強化手術を受け、超能力を会得した人物でもあった。

かくしてサムスはゼーベスへと単身潜入を果たす。
だが、ゼーベスは自然の要塞であり、内部は複雑な迷路となっている。しかも、海賊の手によって様々な仕掛けや罠も張り巡らされている。それらの困難を乗り越え、サムスは無事、任務を遂行できるのだろうか?

Good / Bad Pick up


▼Good Point
◆エリア単位の区分けこそあれど、すべてが事実上の地続きで繋がった広大な迷路のようなフィールド
◆それらの地続き構造のエリアを練り歩き、最終目的地を目指す探索にフォーカスした個性的なゲームデザイン
◆ボール状に丸まる、凍結するビームを照射するなど、アイテム獲得と共に可能となる多彩なアクションの数々
◆各種アクションを活用して仕掛けを乗り越え、行動範囲を広げていく面白さとワクワク感に満ちた探索の遊び
◆迷う機会が多いほど、主人公の強化機会に恵まれやすいという独特なゲームバランスとそれによる成長の楽しさ
◆ジャンプ中の挙動こそ独特だが、基本は十字キーとABボタンの最小限の組み合わせで動かせる形に徹した操作系
◆地下空間特有の薄暗さと不気味さを限られた表現で描き切ったグラフィック(特に地形構造の個性付けが見所)
◆勇ましさあふれる楽曲から、地下空間特有の不気味さの表現に注力した楽曲まで、バリエーション豊かな音楽
◆初回プレイ時であれば10時間超えもあり得る、大規模かつやり応え十分の本編ボリューム
◆本編クリアに要した時間に応じて様々な変化を見せるエンディングと、そこに隠されたサプライズ要素(この要素の存在もあって、2周目以降は素早いクリアを目指すやり込みが結構やり甲斐のあるものになっている)
◆オープニングのモノローグ、ごく一部に設けられた特殊イベントなど、映画を強く意識した作り込みが光る演出

▼Bad Point
◆最終目標は提示されているも、道順は自力で見つけていくしかないという突き放した設計
◆次に向かう目的地の案内がないゆえに頻発する探索時の右往左往(乗り越えるに当たっては根気が不可欠)
◆無駄に縦横に長かったり、トラップや敵を盛って配置しすぎているなど、作り込みの粗さが際立つフィールド周り
◆外見では何の変哲もない壁や地面に仕込まれた隠しルートが醸し出す理不尽さ(しかも、大半が正規ルート)
◆耐久力が高めに加え、ビーム攻撃を当てる機会が限られ過ぎている敵たち(特に雑魚のジーマが地味に厄介)
◆初回の体力が30ゆえに打たれ弱く、回復アイテムもドロップしにくい仕組みもあって不自然に高い難易度
◆ゲームオーバー以外の機会が皆無のセーブ(しかもセーブから再開すると、再び体力30からのスタートになるのに加えて、再開地点まで本編最初の「ブリンスタ」になってしまうというペナルティ付き)
◆基本的にどれだけ多くのミサイルを手に入れたのか”数の暴力”が問われがちなボス戦
◆ゲームスタート時、エレベーターからのエリア移動時に挟み込まれる長めかつ、演出的に不気味なロード時間

Game Overview


マザーブレイン ヲ ハカイセヨ.

◇「ファミリーコンピュータ ディスクシステム」専用の任天堂タイトル5本目として発売されたオリジナル作品。「ゲーム&ウオッチ」などの任天堂のヒット商品を生み出した横井軍平氏の率いるチームが開発した。ジャンルは横スクロールのアクションゲームで、主人公の宇宙戦士「サムス・アラン」を操作し、舞台である「要塞惑星ゼーベス」の地下空間を進みながら、中枢で待ち構える「マザーブレイン」の破壊および、宇宙海賊に強奪された浮遊生命体「メトロイド」のせん滅を目指すというもの。アクションゲームとしての見た目は、1985年発売のヒット作でファミコン用タイトルの『スーパーマリオブラザーズ』とほぼ同じである。ただし、同じなのはあくまでも見た目程度で、ゲームシステムなどは本作独自のものとして組み上げられている。

◇ゲームシステム面の中でも際立って特徴的なものとしては、ゲーム本編の進行形式がある。『スーパーマリオブラザーズ』は個別単位で区切られたフィールド(コース、ステージ)を順番に攻略していくステージクリア型による進行となっていた。対して本作は複数のフィールドが地続きでひとつにまとまり、迷路のような複雑な構造を持った世界を隅々まで練り歩きながら、最終目的地を目指すという探索を主体にした進行になっている。言い方を改めるならば、巨大な迷路の出口を目指して、あちこちへ行ったり来たりを繰り返していく形である。そのため、ステージクリア型のアクションゲームとは違って、ひとつの目的……例えばゴールに到達すると、そのステージでの冒険が終わり、次のステージが始まるといった“区切り”がない。区切りが生じるのは最終目的、本作で言えばマザーブレインを破壊した時だけで、他はすべてが地続き。既に通り過ぎた場所へ戻ることにせよ、何かしらの戦闘を終えた場所から離れるのにせよ、自分の足でやらなくてはならないのだ。それもあって、ステージクリア型のアクションゲームに比べると手間が生じやすい設計になっている。また、こうした特徴もあって、本作はテレビコマーシャルにおいて「アクション迷路ゲーム」というジャンル名を呼称している。事実、迷路のような空間を冒険していくのが基本になるため、そのようなものとあらかじめイメージしておけば、初回プレイ時の困惑を抑えられる……はず。

◇サムスのアクションは、移動とジャンプ、そして腕に装着された「アームキャノン」によるビームショット攻撃が基本になる。特にビームショット攻撃は、道中に現れる敵を撃退するにおいて重要な対抗手段となる。発射できる方向は真横に加え、上にも対応。上に撃つ場合は十字キーを上に押し込んだ状態でBボタンを押すだけだ。なお、敵を直接踏みつけて倒すということはできない。仮にそのような行動を取れば、サムスがダメージを受けてしまう。なお、サムスがダメージを受けると、画面左上にある「EN」と書かれた横の数値が減少。この数値がサムスの体力を指しており、0になるとゲームオーバーになる。
ゲームオーバーになると、コンティニューのほかにセーブを選択可能。セーブは途中経過を記録できるもので、本作では最大で3つのセーブ用スロットを作成できる。迷路のような空間を進んでいくという内容上、本作は全体的なボリュームも大きめで、進め方によっては10時間以上の時間を要することもある。そのため、確実なクリア(エンディング)を目指す場合は、セーブ機能の活用は必須だ。(※やろうと思えばセーブ無しで通すこともできるが、初回プレイ時は絶対にオススメしない)

◇セーブ機能の活用が必須である理由のひとつとして、本作もうひとつの特徴である成長システムの存在がある。サムスの基本アクションとして移動、ジャンプ、そしてアームキャノンによるビームショット攻撃の3種を前述にて紹介したが、実はこの限りではない。フィールドの探索に通して発見される特殊なアイテムを手に入れることで、新しいアクションが解禁されていく。「モーフボール」なるアイテムを獲得すればサムスがボール状に丸まれるようになったり、「ハイジャンプブーツ」なるアイテムを獲得すれば跳躍力の高いジャンプが可能になるなど、どんどんできることが増えていくのだ。そして、これらのアクションが可能になると同時に、行動範囲も広がっていく。「モーフボール」なら狭い通路を通れるようになる、「ハイジャンプブーツ」なら通常のジャンプでは届かない場所に行けるようになる、といった感じだ。ほかにも有限しながらビーム以上の威力を誇る「ミサイル」、モーフボール中に設置できるようになる「爆弾」、敵を凍結させる「アイスビーム」といった攻撃面を強化するアイテムに加え、「スクリューアタック」なる接触した敵を一撃で粉砕する強力な体当たりジャンプが可能になるといったものもある。これらのアクションを獲得した記録と、それらを継続して使えるようにするためにもセーブ機能の活用はほぼ必須となる。
また、アクションが増えるたびに行動範囲が広がっていくというのは、本作の進め方の基本でもある。ゆえにもし、通れない場所や壊せない障害物などが発見されたら、何かしらのアイテムを取り忘れていることを意味する。それを探すため、あちこちを回ってみる……ような行動を取ってみるのが、本編を進めていくに当たっての要となる。

◇ゼーベス内部は「ブリンスタ」「ノルフェア」などの名称が付けられたエリアで分けられていて、それぞれへの行き来はマップ内のどこかに設けられた「エレベーター」を介して実施する。なお、最終目的地は「ツーリアン」と称されたエリア。このエリアへと向かうには「小ボス部屋」なるブリンスタ、ノルフェアそれぞれに直結した2つのエリアで待つボスをすべて倒す必要がある。そのため、行動の方針は「2体の小ボスを倒し、ツーリアンへの道を切り開く」といった感じだ。 ステージクリア型ではないため、その感覚で遊ぶと戸惑いやすい作りなのは否定しない。ただ、行動を繰り返すことで世界が少しずつ広がっていくという独特の遊びが確立されており、他のアクションゲームとは一線を画する遊び応えと面白味を秘めた作品になっている。

Review 【Latest Update :4/12/2026 | First Publication Date:4/12/2026】


広大な迷路のような地下空間を練り歩き、道を切り開いていく楽しさと難しさが入り乱れる野心作。

「アクション迷路ゲーム」というジャンル名が付けられているように、本作の舞台であるゼーベスのフィールドは、本当に迷路のように入り組んだ構造をしている。「マザーブレインの破壊」という最終目標は掲げられているものの、そこに至るまでのルートを示すガイドは一切ない。全部、自分でフィールドを歩き回りながら見つけていかなくてはならない。

それもあって、とにかく迷う。進みたくても進めない壁に何度もぶつかる。初回プレイであれば尚更だ。その意味でも、アクションゲームとしてはかなりハードルが高い作りである。逆に言えば、進め方が分かった瞬間に流れがスムーズになり、色々な場所へ行けるようになる楽しさとワクワク感が生まれる。

その魅力を引き立てているのが、アイテムによるパワーアップシステムだ。個性的なアクションが揃っているうえ、アイテム取得で得られる恩恵が分かりやすいため、それまで不可能だったことが可能になった時の感動が大きい。フィールドの設計にも「不可能が可能になる」嬉しさを感じられる工夫が凝らされている。

本編開始間もなく手に入る「モーフボール」は特に分かりやすい例だ。ボール状に丸まって狭い通路を通り抜けられるようになるパワーアップなのだが、そのアイテムが置かれた付近にちゃんと狭い通路が用意されている。おかげで、このアクションで何ができるようになるのかをすぐに理解でき、行動の選択肢が広がった実感を得られる。

すべてのパワーアップアイテムに同様の配慮があるわけではなく、中には全然されていないものや間隔が空いているケースもある。それでも、これらを積み重ねながら未知の場所へ進めるようになった時の感動は大きい。迷路を進むという、ともすれば地味で単調になりやすい遊びに変化を付ける仕掛けとして効果的で、プレイヤーの興味をうまく引き続けている点も素晴らしい。まさにアクション迷路ゲームと言われるだけの力強さが表現されている。

迷うほどプレイヤー、つまりサムスが強くなる機会に恵まれる作りになっているのも面白い点だ。「ミサイルタンク」と「エネルギータンク」がその象徴である。これらは複数存在し、ミサイルタンクを取るほど発射できる弾数が増え、エネルギータンクを取るほどサムスの体力が増えて打たれ強くなる。そして大半は、本来の道筋から外れた場所に置かれている。つまり迷うほど強化のチャンスが増えるのだ。なおエネルギータンクには最大5つまでという上限がある。

とはいえ、進め方次第でキャラクターがどんどん強くなり、それが持続するというだけで十分な喜びがある。キャラクターが少しずつ強くなっていく仕組みは、探索型アクションゲームだからこそ自然に表現できるものだ。パワーアップの仕組み自体は、本作より前に発売されたファミコンディスクシステム向けの『ゼルダの伝説』と近いのだが、それを横スクロールのアクションゲームの中で表現した本作はなかなか野心的で、ジャンルに新たな価値を加えている。

このような珍しい遊びを楽しめるという点でも、本作は独自の価値を持った作品だ。進め方の分かりやすさがないという明確な弱点はあるが、それを補って余りある体験を作り出している点では、まさに野心作と言える仕上がりになっている。

ただ、総合的な完成度は「粗削りすぎる」と言わざるを得ない。フィールドの設計は問題が多く、無駄に縦や横に長い地形が多いという、あからさまなプレイ時間稼ぎが目立つ。ルート探しにおいても、一見何の変哲もない壁が実は正規ルートとして繋がっているという「だまし絵」的な仕掛けが随所にあり、理不尽さを感じる場面も少なくない。

道中の敵も全体的に耐久力が高く、主にビームでは倒しにくい。陸地を歩く「ジーマ」のように、サムスとの身長差の関係でショットが当てられない敵(壁を登って身長差が縮まった時だけ攻撃できる)が多いのも、地味にストレスが溜まる。サムスに「しゃがむ」アクションがないことも、対処のしにくさに拍車をかけている。

難易度も不自然に高い。特に厳しいのが、ゲームスタート時に体力が必ず30からスタートするという仕様だ。エネルギータンクを取って最大値を増やし、保存(セーブ)したとしても、途中から再開すれば問答無用で30まで減らされてしまう。さらに体力を回復するアイテムのドロップ率も低く、手に入れても大抵5しか回復しない(固い敵からはたまに20)のも厳しい。体力の最大値は、エネルギータンクを取っていない状態でも99あるのだから、99からスタートできるようにしてほしかったと正直思う。低い体力から始まるせいで打たれ弱い状態が続くうえ、体力を満タンにしたければ敵を延々と狩り続けるという作業が必要になる点は、ストレスとしか言いようがない。

ボスについても、手持ちのミサイルを全部ぶつけて力で押し切るのが正解になりがちで、難しさよりも「雑さ」が目立つ。セーブはゲームオーバーにならないとできない制約があり、再開時は必ず本編開始時の「ブリンスタ」入口からになるという不親切な設計も、難易度を不当に上げる要因となっている。

操作性もクセが強い。ジャンプ時の動きがやたらとふわっとしており、移動速度も若干遅い。スピーディにテンポよく動けるわけではないため、好みが分かれるだろう。

ボリュームについては、初回プレイならばエンディングまで最長で10時間ほどかかる規模だが、前述した水増し感のある地形設計のせいで、クリア時に徒労感を覚えることもあるかもしれない。 ただ、実はクリアタイムによってエンディングが変化するという面白いやり込み要素がある。早くクリアするほど、最後に映し出されるサムス本人の姿が変わるのだ。その内容はあえて触れないが、かなり衝撃的なものになっているので、狙ってみる価値は大いにある。短縮プレイを重ねることで自分自身の上達を実感できるという意味では、ボリュームも計算のうちと言えるかもしれない。

このような粗の多さゆえ、出来自体は良作とは言い切れない仕上がりに落ち着いてしまっている感がある。それでも、迷路のような空間を歩き回り、世界を少しずつ切り開いていく遊びの楽しさとワクワク感には、確かな魅力がある。SFホラーを思わせる薄暗くて不気味な世界観と、それを忠実に描いたグラフィック、勇ましさと不気味さが混在した音楽なども、雰囲気作りに一役買っている。特に前述した仕掛けが凝らされたエンディングは、音楽も含めて相当な達成感をもたらすものになっているので、ぜひ自分の目で確かめてほしい。手放しにはオススメできないが、本作でしか味わえない遊びと体験が詰まっているのは確か。アクションゲームが好きで、根気強さに自信があるなら、ぜひ挑んでみてほしい1本だ。
広大な迷路のような空間で孤独な戦いと探索を繰り返し、任務の完了を目指そう。