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悪魔城ドラキュラ


©1986 Konami Digital Entertainment Co.,Ltd.

■発売元:コナミ(現KONAMI)
■ジャンル:アクション
■CEROレーティング:A(全年齢対象)
■定価:2,900円(税別)


魔王ドラキュラは100年に一度、邪悪な心を持つ人間の祈りにより蘇る。
そして、復活のたびにドラキュラの魔力は強大なものになる。

中世ヨーロッパにある小国「トランシルバニア」には、このようなドラキュラにまつわる伝説があった。
実際に過去、ドラキュラはこの世に復活し、全世界を闇に陥れようとした。だが、ドラキュラの野望は英雄「クリストファー・ベルモンド」の活躍によって打ち砕かれたのである。

ドラキュラがクリストファーとの死闘に敗れてから100年。
トランシルバニアの片田舎では、イースターの盛大なカーニバルが催されていた。だが町はずれの荒廃した修道院跡では、ドラキュラ復活のため、邪教徒による黒ミサの儀式が執り行われていた。

やがて町は邪悪な雷雲で覆われ、一筋の稲妻が修道院を貫く。
それと共に魔王ドラキュラは再び、この世へと舞い戻ったのである。

この危機を救うべく、ベルモンド一族の血を受け継ぐ青年「シモン・ベルモンド」は、父譲りの不思議な力を宿した鞭「ヴァンパイアキラー」を片手に単身、ドラキュラの待つ「悪魔城」へと乗り込んでいく。

Good / Bad Pick up


▼Good Point
◆定番のステージクリア型の遊びを踏襲しつつ、操作とアクション周りで独自の難易度を表現したゲームデザイン
◆立ち位置の計算、振りかぶった際の隙を踏まえた判断という地味ながらも高い戦術性を秘めた鞭による攻撃技
◆戦闘時における柔軟性のある立ち回りと、思わぬ逆転の一手を生み出す面白さを持った「サブウェポン」
◆正確性を問うなりの厳しさとシビアさを持ちながらも、上達を感じやすい調整の上手さが光る難易度
◆城内という限定された舞台設定を思わせない、変化と仕掛けに富んだ全6ブロック18ステージ
◆ホラー映画の定番を押さえつつ、個性的な動きと攻撃で強い印象を残す敵キャラクターたち(ボスも含む)
◆ゴシックホラーな世界観を見事に描き切ったグラフィック(特に背景の描き込み具合が異彩を放っている)
◆思わず口ずさみたくなるほど印象的なメロディと、カッコよさが異彩を放つ名曲てんこ盛りな音楽
◆城内への突入シーンと本編クリア後のエンディングなど、映画を強く意識したカットが光る演出周り

▼Bad Point
◆扱うボタンは単純で取っつきやすいが、コントロールには相応の根気と練習が必要になる独特の操作周り
◆正確さが問われるなりの硬派さが際立ち気味の難易度(人によっては息苦しさを感じやすい)
◆時折、想定外の戦術乱れを起こす危険性を持った若干のランダム要素(特に敵がサブウェポンをドロップする点)
◆ゲーム全体の緊張感を際立てつつも、強烈なストレスを抱かせる要素にもなっているダメージ時ののけぞり
◆攻撃のランダム性があまりに大きすぎるあまり、強敵になりすぎているブロック5のボス「死神」
◆普通に進めていくと、まず滅多に手に入らない隠し扱いの回復アイテム(ロウソクの破壊で出て来たりしない)
◆性能面での格差がやや大きく出ているきらいのあるサブウェポン(特に十字架と聖水がやや強すぎる)
◆ジャンプからの飛び移りはできず、上下の1段目から進むのが強制される仕様の「階段」

Game Overview


今宵、蘇りし魔王と英雄の血族による因縁の戦いが語られる……

◇『イー・アル・カンフー』『けっきょく南極大冒険』『グラディウス』などのアーケードゲームで知られ、ファミリーコンピュータ(ファミコン)にも1985年に参入を果たしていたコナミ(当時はコナミ工業)が、周辺機器「ファミリーコンピュータ ディスクシステム」向けの新作第1弾として発売したタイトル。アイルランドの作家ブラム・ストーカーの代表作で、1920年代から複数回にわたって映画化もされた『吸血鬼ドラキュラ』を強く意識した作品でもある。ジャンルは横スクロールのステージクリア型アクションゲーム。主人公のヴァンパイアハンター「シモン・ベルモンド」を操作し、ゾンビにスケルトン、メデューサ、動く甲冑といった怪物たちが蔓延る「悪魔城」の内部を進み、100年の時を経て蘇った魔王「ドラキュラ」の討伐に挑む。

◇基本的な遊び方としては、悪魔城内に設けられた全6つのブロックを順番に攻略していく形となる。各ブロックは3つのステージで構成されていて、最後のステージ3終盤に現れる大ボスを倒すとブロック全体のクリアになる。その後、次のブロックが始まり、再び3つあるステージを順に辿り、最後に現れるボスの討伐を目指すことの繰り返しである。一見、複雑そうだが、基本的には直進していけばいいだけなので単純。当然、行く手を阻む仕掛けなどはちゃんと乗り越え、敵も倒していくことも要求されるが。全体的には横スクロールのアクションゲームとしては王道寄りのものになっている。 なお、本作はダメージ制を採用していて、画面上部に目盛り状に表示された「体力ゲージ」が空になってしまうと、プレイヤーが動かす「シモン・ベルモンド」は力尽きてしまう。逆に体力が残っていれば、その分だけ敵の攻撃や体当たりに耐えられる。ただし、ダメージによって減るゲージの量は目盛りの数に比例しない。敵や攻撃によっては、2~4目盛りほど体力を持っていかれることもある。

◇主人公シモンのアクションは移動、ジャンプ、そして装備している鞭「ヴァンパイアキラー」による攻撃の3種が基本になる。とりわけ特徴的なのはヴァンパイアキラーによる攻撃。性質的には近接系の武器でありながら、多少、離れた敵にも届くリーチの長さを持ち合わせている。そのため、立ち位置を上手く調整することにより、相手の攻撃がこちらに届くまで一定の距離を保った状態から攻撃を仕掛けられるほか、場合によっては先制の一撃を加えられる。反面、攻撃時にはヴァンパイアキラーそのものを振りかぶるという、一瞬の隙を生じさせる動作が挟まれるため、接近戦では不利になりやすい。同時に連続して攻撃を繰り出すことも困難。このため、敵との距離と自分の立ち位置、そして鞭を振りかぶった際の隙を念頭に入れた上で行動するのが、本作の戦闘における基本戦術になる。アクション自体は単純明快で、操作もBボタンを押すだけなのだが、このような性質を採り入れていることもあって、見た目とは裏腹な戦術性を実感できる仕上がりになっている。キャラクターの位置関係と、それを踏まえた正確な判断が常時要求されるアクションゲーム、とも言える。なお、ヴァンパイアキラーを振るう方向は横に固定されている。上や斜めに振ることはできない。

◇戦術性を引き立てる要素として「サブウェポン」なるものもある。シモンはメインウェポンのヴァンパイアキラーとは別に「十字架」「斧」「聖水」といった武器も扱いこなすという特技を持っている。サブウェポンは各ブロックのステージ道中に設けられた「ロウソク」を破壊したり、敵を倒したりすると時々落とし、そのまま触れることで使えるようになる。サブウェポンは十字キーの上とBボタンを同時に押すことで使用。高所にいる敵を狙ったり、連続ダメージを与えるなど、横方向にしか繰り出せないヴァンパイアキラーでは難しい攻撃を可能にしてくれる。ただし、サブウェポンは使用するたびに画面上部に数値で表示された「ハート」を消費。無限に使い続けることはできない。ハート自体はロウソクを破壊したり、敵を倒したりすると手に入れられるが、その機会は限られているため、下手に乱用すると後半のステージが難しくなるなどのデメリットが生じる。なるべく計画的、かつ「ここぞ」という時に使うのが望ましい。

◇アクションに関してはもう一点、人間的な挙動を表現しているという特徴がある。特に象徴的なのはジャンプで、一度跳んでしまうと空中での向きや動きを十字キーで微調整したりすることができない。着地するまで、そのまま跳び続けるという仕組みになっている。また、高い場所から跳び降りて着地すると僅かな硬直時間も発生。一時的に移動も攻撃もできなくなる。さらに敵の攻撃を受けてしまうと、その種類に問わず、シモンが後方に吹き飛んでしまう(ノックバックする)。もし、後方に穴があったりでもすれば、そのままあえなく落下からのミス(残機によってはゲームオーバー)だ。慈悲はない。ほかにもステージ道中には「階段」の仕掛けがあるのだが、これを昇る際には十字キーの上を押しっぱなしにする必要があり、そのまま横に進んでも全く昇ってくれないという独自仕様がある。 横スクロールのアクションゲームとしての作りは王道で、地続き構造ながらも区分けされたステージを進んでいく過程は同ジャンルのパイオニアたる『スーパーマリオブラザーズ』と変わらない。しかし、人間的な挙動をするプレイヤーキャラクター、一瞬の隙が生じる攻撃アクションなど、手触りの面でリアルさを演出すると同時に、それを踏まえた正確性が問われるゲームシステムおよびゲームバランスで独自性を発揮。取っつきやすさはあるけど一筋縄ではいかない難しさと、それを乗り越える楽しさに振り切った作品に仕上げられている。

Review 【Latest Update :4/12/2026 | First Publication Date:4/12/2026】


操作と立ち回りの正確さを求められる難しさと、それをモノにした時の達成感が際立つ良作。

アクションゲームとしては王道のステージクリア型で、やること自体は「キャラクターを進ませながら敵を倒し、ボスの撃破を目指す」というシンプルなもの。遊び始めは取っつきやすく、このジャンルが初めての人でも遊べる程度にハードルは低い。一方で、その単純さとは裏腹に難易度はかなり高めで、このギャップが本作の大きな特徴となっている。

その中心にあるのは、主人公シモンの独特な動きだ。ジャンプすれば着地まで空中での軌道修正は一切できない。メイン武器の鞭・ヴァンパイアキラーは振るまでに少しの動作が挟まり、その間は無防備になる。そして敵の攻撃を受けると後ろに大きくのけぞり、その間も操作は効かない。後方に穴があれば、そのまま落下してミス確定だ。

いずれも小さな仕様だが、それらが重なることで「上手く動かす難しさ」とも言える本作独特の操作感が生まれている。直感の赴くままに動けば逆に追い込まれることも多く、周囲の状況をしっかり見た上で行動する必要がある。この感覚に慣れるかどうかが、本作を楽しめるかどうかの分岐点だ。特に「キャラクターを自由に動かせることがアクションゲームの魅力だ」という考えが強い人には、強烈な拒否感を覚えるかもしれない。そういった人には正直なところ、本作はおすすめできない。

逆に「こういうアクションゲームもある」という心構えで挑めば、独特なやり応えを十分に味わえるはずだ。実際に難しいなりに、上手く動かせるようになった時の達成感は大きい。
それに一画面に現れる敵の数はそれほど多くなく、どの敵も一定の法則と傾向を持っているため、それを把握すれば適切に対処できる余地がある。なので、最初は手を焼いていた敵も、繰り返し挑むことで先手を打てるようになり、安全な立ち位置もわかってくる。各ブロックの最後に登場するボスにも、1体を除いてちゃんと勝ち筋が用意されている。難しいことは確かだが、理不尽さはなく、乗り越えた時の達成感がしっかり得られるバランスになっているのだ。

また、正確さが求められるからと言って、決められた動き以外を取ったらその時点で失敗確定、みたいなガチガチな縛りがないのも特筆に値する。ある程度、プレイヤー側のアドリブも試される部分も混ぜ、同じ展開にならないようにする工夫が凝らされているのだ。主にサブウェポンと、適度なランダム性を持たせた作りがその辺りを演出している。特にサブウェポンに関しては、使い方次第では多少、強引に突破するみたいな力技が通ったりもする。ボスに対しても同様で、サブウェポンの種類と攻撃した立ち位置、タイミングによっては瞬殺、なんてことも可能だ。この辺りの柔軟性を持たせているのも、本作の難易度面の面白いところであると同時に、2周目以降の再プレイ時にも新鮮な気持ちにさせてくれる。
何より、上達すれば驚くほどプレイ時間が短縮される設計になっている点でも、本作の難しさがいかに計算されたものなのかを裏付けているとも言えるところだ。これらの特徴づけもあって、ただ難しいだけのアクションゲームとして終わっていないのも魅力的。ある意味、酸いも甘いを存分に噛み締められるアクションゲームとも言えるだろう。

難易度面以外にも、本作にはゴシックホラーな世界観を忠実に描いたグラフィックと、思わず心躍る音楽という大きな魅力がある。グラフィックは特に背景の描き込みが圧巻で、舞台となる悪魔城のおどろおどろしい雰囲気を見事に表現している。

音楽に至っては名曲に次ぐ名曲の嵐。思わず口ずさんでしまうような、カッコイイ楽曲が盛りだくさんとなっている。とりわけ最初のブロック1の楽曲にして、主人公シモンの設定と武器にちなんだ「Vampire Killer」は本作を象徴する名曲と言っても過言ではない。しかも、音楽は全ブロックに固有の楽曲を設定し、個性付けまで図っている。
これがゲーム本編を進めていきたくなる原動力として機能しているのも見逃せない。音楽が素晴らしいからこそ、「次はどんな曲が聴けるのか?」といった関心を強烈に誘うからだ。そして、実際にその期待に応えてくれるのだから辛抱たまらない。全曲を聴くのは茨の道ではあるものの、ブロック1の「Vampire Killer」に何らかの衝撃を受けたのならば、ぜひ頑張ってドラキュラの元を目指してみていただきたい。さらなる名曲との出会いがあるはずだ。

一方で見逃せない難点もある。特にブロック5のボス「死神(デス)」の強さは常軌を逸している。このボスに限ってランダム性が高く、立ち回りが安定しにくい。画面内に鎌が複数現れるが、どこに出現しどんな軌道を描くかが毎回異なるのだ。加えて、そのs戦闘に至るまでの道中も嫌らしい敵が複数同時に現れるという設計になっており、正直なところ調整を誤った感が否めない。できることなら、鎌の数を減らすなりして強さを下げてほしかった。一応「十字架」か「斧」のサブウェポンがあれば多少の力押しが通るが、最後のドラキュラよりも強さが際立ってしまっているのはミスマッチが過ぎるの一言だ。 ほかにも、体力回復アイテムが基本的に壊せる壁の中にしか存在しない隠しアイテム扱いで気づきにくい点や、階段の昇り降りは必ず1段目からでないといけないという制約も、地味なストレス要因となっている。

これらの問題もあって傑作とは言い切れないが、良作であることは間違いない。操作のシビアさや難易度の高さから人を選ぶ作りではあるものの、それをモノにした時の達成感と楽しさ、センスあふれるグラフィックと音楽には本作でしか味わえないものがある。アクションゲームが好きな人ならば、ぜひチャレンジしてほしい一作だ。

なお、本作は1993年にファミコン向けのROMカセット版も発売された。こちらにはのけぞりがカットされた低難易度「EASY」が追加され、アクションゲームが苦手な人にも門戸が開かれている。このファミコン版は2026年現在、Nintendo Switch、PlayStation 4、Xbox One、Steamで配信中の『悪魔城ドラキュラ アニバーサリーコレクション』でプレイ可能だ。これから本作を遊ぶならこちらを強くおすすめする。
ただし、ファミコンディスクシステム版にあったセーブ機能がファミコン版には存在しない点には注意してほしい。なお、ファミコンディスクシステム版は2026年現在、オリジナル版以外でのプレイ手段がほぼないためおすすめしない。