
©1985 HUDSON SOFT ©MOMO ©Konami Digital Entertainment
■発売元:ハドソン(現:KONAMI)
■ジャンル:アクション
■CEROレーティング:A(全年齢対象)
■定価:4900円(税別)

©1985 HUDSON SOFT ©MOMO ©Konami Digital Entertainment
■発売元:ハドソン(現:KONAMI)
■ジャンル:アクション
■CEROレーティング:A(全年齢対象)
■定価:4900円(税別)
キミはあの『ロードランナー』の主人公「ランナーくん」の過去を知っているか!?
実はランナーくんは昔、ロボットだったのだ!
ロボットだった頃のランナーくんは「ボンバーマン」と呼ばれ、悪の手先として地下迷宮で爆弾を作る仕事をしていた。そんな毎日がイヤでイヤでたまらなかったボンバーマンはある日、こんなウワサを耳にした。
「地下迷宮を抜け出して地上に出られれば、人間になれるらしい。」
かくしてボンバーマンは地上に出て、人間になろうと決心した。
けど、そう簡単に地上に出られるはずがなく。
裏切り者と見なされたボンバーマンは、敵の追撃を受けることになってしまった。
そんなボンバーマンの武器は、自分が作った爆弾しかない。
果たしてボンバーマンは敵の追撃を振り切り、地上に出られるのだろうか。
そして、ウワサ通り本当に人間になれるのだろうか!?
▼Good Point
◆プレイヤーにも害をもたらす危険物「爆弾」で困難を乗り越える、独特の緊張感を持ち味としたゲームデザイン
◆網目状に構成され、その隙間を移動していく仕組みでまとめられたステージ
◆強力な武器を扱いながらも、結構ひ弱なプレイヤーキャラクター「ボンバーマン」
◆設置爆弾の数増加などの基本的なものから移動速度アップ、無敵化まで、バリエーション豊かなアイテム
◆強くなるだけでなく、相応の代償も背負うという分かりやすいリスクとリターンが表現されたパワーアップシステム
◆数にして50にも及ぶ膨大なステージ(個々の規模と密度もかなりのもの)
◆ステージ数の多さから配慮されたパスワードコンティニューシステム
◆無敵状態で爆弾を爆発させ放題の無双プレイが楽しめる爽快な内容にまとめられたボーナスステージ
◆見た目はコミカルながら、意表を突く攻撃で攻めてくる多種多様な敵キャラクター達
◆基本、十字キーとAボタンしか使わない単純明快で手に馴染み易い操作
◆質素ながらも、コミカルなテイストを可能な限り表現したグラフィック
◆曲数は僅かながら、印象的な旋律でプレイヤーの耳にこびり付く音楽
◆爆発時の迫力と脅威をしっかりと表現した重厚な効果音
◆驚きの設定が仕込まれたストーリー(特にエンディングの一部始終は必見)
▼Bad Point
◆あまりにも遅すぎるゲームスタート時点での移動速度(「ローラースケート」の獲得は必須)
◆初期の遅すぎる移動速度を無視するかのように早い動きで襲い掛かってくる敵の存在(特に後半ステージはこの関係で、ローラースケート獲得前提の難易度になってしまっている)
◆基本、敵を倒してブロックを壊し、出口の扉に到達することに終始する淡々とした本編
◆終始、背景が変化することもない50に渡るステージ(音楽が変わる演出もないので質素)
◆終始、横に広いステージが続く構成(クリアにかかる時間もやや長いのでテンポが悪い)
◆獲得すればステージ終了までずっと無敵状態が維持される反則染みた「耐火スーツ」
◆パスワードコンティニューシステムにおける反則技の存在(先の耐火スーツの効果を永続させるという、バランス崩壊パスワードが存在する。救済措置とも言えるが……)
◆短時間で終わるとは言え、半ば強制されるのは好みが分かれるボーナスステージ
「迷宮から脱出して、人間になるんだ!」
▲『スーパーボンバーマンコレクション』(Nintendo Switch版)より
◇MZ-700、PC-8801などの8ビットパソコン用ゲームソフトとしてハドソンが制作・販売したアクションゲーム『爆弾男』のファミリーコンピュータ(ファミコン)向けアレンジ作品。ハドソンのファミコン向けゲームソフトとしては10本目に当たる。前述したストーリー紹介の通り、1984年にハドソンがファミコン向けに発売した『ロードランナー』の関連を持った作品になっている。 内容としてはステージクリア型のアクションゲーム。プレイヤーはのちに『ロードランナー』の「ランナーくん」となる「ボンバーマン」を操作して、ステージ内で動き回るすべての敵を倒し、出口となる扉を探し出してそこから脱出するのを目指す。画面構成は上空から見下ろした俯瞰視点(トップビュー)になっており、プレイヤーキャラクターも上下左右の四方向に動ける。
◇本作最大の特徴はボンバーマンの主要武器である「爆弾」。その名の通り爆発性のある武器だ。基本的にAボタンを押すと、ボンバーマンが自身のいる場所へと設置。その後、カウントダウンがスタートし、数秒が経過した後に爆発する。爆発後は十字方向に爆風(爆炎)が広がり、これがステージ上を徘徊する敵や「ソフトブロック」(後述)に触れると対象は消滅(撃破)となる。逆にボンバーマン自身が触れてしまうと当人が消滅してミス(残機がなければゲームオーバー)になる。 「ボンバーマン」の名前からして、爆弾の爆風に触れようがヘッチャラなイメージを抱かせるが、実態はたった一度の爆風にすら耐えられない程度にひ弱。なので、爆風を浴びないための設置と立ち回りが常時要求される。直感の赴くがままに動けば、逆に自滅一直線なのである(ついでに言えば、爆弾を設置してその場から一切動かないなんてことをすれば、いつでもどこでも手軽に自滅可能である)。そんな文字通り「諸刃の剣」を体現した武器になっている。
◇本編で攻略していくステージは網目状の構造をしており、基本的に中央のコンクリートブロック(またの名でハードブロック)の周りを歩き回りながら進めていく形となる。網目状の隙間にはレンガ状のブロック「ソフトブロック」も配置されていて、これはハードブロックとは異なり、爆弾で破壊できる。破壊することでその分の行動範囲が確保され、より動きやすくなっていく感じである。
また、ソフトブロックにはステージクリア条件のひとつになっている出口こと「扉」も隠されていて、該当のブロックを破壊するとそれが露出する。そのまま扉とボンバーマンを重ねればステージクリア……にはならない。前述したようにステージ内で動き回る敵をすべて倒しきる必要があり、倒し終えてから扉とボンバーマンを重ねることによって初めてステージクリアになるのだ。
そのため、基本的な進め方としては、ボンバーマンを動かしながら爆弾でソフトブロックを壊しながら出口の扉を探し出し、ステージ内で動き回る敵を全滅させるという形になる。
なお、本作には制限時間が存在するため、時間内に敵を倒しきれなかったり、出口を発見できなかったりすればその時点でミスだ。これもあって、いずれの事柄も素早く、かつ的確にこなしていくことが求められる。
◇ボンバーマンは爆弾を扱う以外に、「アイテム」を獲得することで強化されていくというパワーアップ機能も備えている。アイテムは出口の扉と同じくソフトブロックに隠されており、出現させた後にボンバーマンをそのまま重ねれば獲得できる。効果はさまざまで、爆弾が描かれたアイテムであれば一度に設置できる爆弾の最大数が上昇、炎の絵が描かれたアイテムならば爆風の範囲を広げられる。中には「ローラースケート」「耐火スーツ」といったボンバーマンの移動速度を上げたり、耐久力を時限的に急上昇させるタイプも存在し、これらを手に入れるか否かによってステージ攻略の難易度も大きく変化してくる。一方で、パワーアップ自体が事故(凡ミス)に巻き込まれる危険性を高めることに繋がったりも。爆弾の設置数増加と爆風範囲拡大のアイテムは特に象徴的で、まさに「うまい話には裏がある」を体現している。そういった危険があるなかでプレイヤーキャラクターをいかにして制御し、被害なく乗り越えるかというリスクを踏まえた立ち回りが試されてくるのも本作の特徴のひとつで、横スクロールのアクションゲームとは一線を画す遊び応えを表現している。
◇アクションゲームとしての作り自体は全体的に単純明快。プレイヤーのアクションが移動と爆弾を設置するの2種類しかないのがそれを強く物語っている。ただ、その用いる武器が使い方次第では自らにも害が及びかねない危険物に加え、プレイヤーキャラクターも爆風に巻き込まれれば即刻消滅というひ弱な存在であるのもあって、緊張感は相当なもの。単純明快ではあるが、甘い考えで挑めば文字通り(にして絵的にも)火傷しかねないというゲームデザインと、ゲームバランスの調整の妙が光るアクションゲームに仕上げられている。 なお、紹介が前後したが、本編は敵の全滅を目指しながら隠された扉を探し出す展開に終始し、途中で大型の敵(ボス)との戦闘が発生するようなイベントも一切なく、ひたすら同じことを繰り返す非常に淡々とした内容になっている。また、プレイ人数は1人だけで、2人プレイには対応していない。
文字通りの危険物たる爆弾で困難を乗り越える緊張感と、確かな遊び応えが光る傑作。
同じことを繰り返す淡々とした内容であると前述したように、正直なところ、アクションゲームとしてはかなり単調である。だが、爆弾という危険物を扱うなりの迂闊な前進を封じるゲームシステムとルールの巧みさもあって、常に緊張感を味わいながら遊べるアクションゲームに完成されている。その緊張感が持続する設計が本作最大の魅力となる。
特に主人公たるボンバーマンは、アクションゲームとしては他に類を見ない革新的なキャラクターとして完成されている。そもそも、自らを滅ぼしかねない武器で戦う時点で面白い。物が物だけに、本当にプレイヤーの判断次第で文字通り生かすも殺すもできてしまう。
その武器が爆弾なのもこの上ない説得力がある。一般的に考えて爆弾は相当な危険物だ。相手に限らず、使い方次第では使い手たる自らにも甚大な被害を及ぼしかねないという、この世に存在する武器の中で最も「諸刃の剣」を体現した存在と言える。
現にその特質を活かした悲惨な事件も現実に起きているほか、漫画にアニメ、映画といった娯楽作品においても、作中の登場人物たちの生命を脅かす脅威として頻繁に描かれる。そんな危険物が武器なのだ。使い手たるプレイヤー側にも被害が及び、身を滅ぼすことにも繋がりかねない仕組み自体、「それはそう」と首がもげるほどに納得できるものがある。
ゲーム的な発想で考えれば、被害が及ばない方がプレイヤーのストレスにはならないし、遊びやすくもなる。だが、それでは武器本来の特性が霞む。被害を及ぼす仕組みにすれば他のアクションゲームとの違いを明確に打ち出すこともでき、キャラクター的にも独自の個性が打ち出せるので、プレイヤーにも強烈な印象を与えられるという利点がある。そんな唯一無二の特徴と個性を持たせるこだわりが設定周りに込められており、独自のプレイヤーキャラクターとして完成されているのだ。ひ弱だが、それ自体が個性として確立されている。武器自体が現実においても使い手に害を及ぼす危険性を持った爆弾であるがゆえの違和感のなさと納得感——そこにゲームデザインの妙が現れている。
ボンバーマンを強化させるアイテムにも、爆弾とひ弱な設定が独自の面白さを実現させている。具体的には強くなればなるほどデメリットが増すこと。爆弾の設置数が増えれば効率的なソフトブロックの破壊と敵の撃破が可能になる一方で、自らの周囲を爆弾で囲んでしまう事故に遭う可能性が高まる。火力を上げれば多くの敵をまとめて倒せて、離れた場所にあるソフトブロックも壊せるようになるが、爆風が広範囲に及ぶなりに安全地帯が狭くなる。そういった強くなるなりの代償があって、単なるパワーアップとして完結させていないのだ。
また、爆弾の爆風にはアイテムも燃やしてしまう特性がある。そのため、設置を誤れば貴重な強化機会を失うことにも繋がる。さらに出口の扉も、爆風が触れてしまうと増援の敵が出現するというトラップが仕掛けられている。しかも増援の敵は移動速度が早い上に数も増え、出現してしまうと扉に向かってもステージクリアとはならない。再び敵を全滅させる手間が生じてしまうのだ。ちゃんとパワーアップなりの効果はあって、とりわけ敵やソフトブロックの破壊が楽になっていく過程には気持ちよさがある。だが、爆弾である。危険物である。そんなものを使うなりにどう足掻いてもリスクが付きまとい、油断すれば相応の被害が及ぶ。デメリットも交えた仕組みが構築されていて、独特の体験をプレイヤーに提供してくれるのだ。
この辺りも爆弾というテーマを踏まえたゲームデザインの妙が光る部分であり、分かりやすくリスクとリターンを表現したまとめ方にセンスを感じさせられるところでもある。
ほかにステージも基本は扉探しと敵の全滅に終始するが、ソフトブロックの配置は遊ぶたびにランダムで変化する。敵も8種類とバリエーションが豊かな上、動き方や攻撃法をしっかりと特徴づけしており、ステージが進むたびに異なる組み合わせで登場するため、常に違った戦いが展開する。こういった工夫により、同じことの繰り返しなのに違いが感じられる作りになっている。ある意味、制約を逆手に取った形だが、限りある要素を活かして変化を付けているのは見事で、決して作業的なゲームにはしないとする制作チームのスタンスも感じられる。
ただ、ゲームバランスに関しては粗い部分も。特にゲームスタート時の初期状態はひ弱の極みで、最弱の敵を倒すのにも一苦労。それに時間を取られ、制限時間をオーバーしてしまうことも起こり得る。移動速度は「ローラースケート」のアイテムを取れば上げられるが、登場するステージが限定されていて、取り漏らすと終盤の高速で移動する敵に対処できなくなって詰みかねない。逆にパワーアップを取れば一方的かつ楽勝な展開になることもあり、この辺のバランス調整の甘さは否めない。
ステージの広さも、移動速度の遅いゲームスタート時のステータスを考えるとストレス要因になってしまっている。ステージ総数は50と非常に多くボリューム満点なのは評価できるが、全てが横に広い構造で、序盤はクリアするだけでも結構な時間を要する。横に広いなりに長時間プレイするとその密度にうんざりしてくることもあり、徐々に水増し感を抱くようになる。ステージによっては一画面内に収めた狭いステージを用意しても良かったと思うが、限られた容量による設計面の制約を考慮すると難しかったのだろう。時代の宿命を感じてしまうところだ。でも、できれば初期速度は早めにしてほしかった。
地形パターンも容量面の限界からか背景パターンが一種類しかなく、次第に見飽きてくる。そのようなステージを50も用意してしまったのもやり過ぎた印象は否めない。ただ、せめてもの救いがパスワードコンティニューシステムの採用だ。全ステージを攻略するなら通しプレイ不可避、といったスパルタな遊び方は強いられない。獲得したパワーアップアイテムの情報が記録される仕様なのもありがたい。パスワードを確認できるのがゲームオーバー画面限定だったり、アイテムが記録されるなりの反則技が使えてしまう側面もあるのだが、後者は救済措置と考えるまでか。
操作性も良好。基本的に十字キーとAボタンを主体的に使うので、説明書を読まずとも直に習得できる。グラフィックは背景パターンの少なさなどもあって質素だが、敵キャラクター達が個性的な容姿をしていて印象に残る。音楽はそのシンプルな見た目を引き立てる要素として存在感を発揮しており、中でもアイテムを取るとイケイケな楽曲になる演出は気分が高揚する。曲自体も数は少ないが印象深いものが揃っていて、特にメインステージ曲は非常に耳に残るので要チェックだ。
演出周りもアイテム獲得時に音楽が変化するなど、質素なグラフィックを補う仕掛けが凝らされていて、意外と地味さはない。爆風のビジュアルも鮮烈で、効果音の重々しさも相まって迫力は十分。特にプレイヤー自身が無敵状態で爆発させ放題のボーナスステージはその魅力がいかんなく発揮されていて、爽快感の向上に一役買っている。
作中ではほとんど語られないが、ストーリーもハドソンから発売されたファミコン版の『ロードランナー』と関連した設定が色んな意味で意表を突く。その設定をまざまざと見せつけられるエンディングも短めながらインパクトのあるものになっている。どうやってボンバーマンと言われたロボットが『ロードランナー』のランナーくんへと生まれ変わったのか?ぜひ全50ステージのクリアを達成してその瞬間を目撃していただきたい。きっと色んな意味で「そんなバカな……」となるはずだ。ちなみにこれは本作限りの独自設定で、その後の『ボンバーマン』作品にはないので、その意味でも一見の価値ありだ。
大味なバランス調整に地形パターンの乏しさから起因した水増し感の否めないステージなど、いま一歩な箇所も散見されるが、爆弾を丁重に扱って仕掛けを潜り抜け、行く手を阻む敵を撃退していく過程は緊張感バツグン、かつノーダメージで乗り越えられた時の達成感が格別。その独特な画面構成も相まって、唯一無二の作品に仕上がっている本作はアクションゲーム好きはもちろんのこと、少し風変わりで手軽に遊べるゲームを求めているプレイヤーに自信を持ってオススメできる傑作だ。
▲『スーパーボンバーマンコレクション』(Nintendo Switch版)より
2026年現在はNintendo Switch 1|2、PlayStation 5|4、Xbox Series X|S、Steam向けに販売中の『スーパーボンバーマンコレクション』でもプレイ可能である。シンプルな見た目からは想像もつかないスリリングな爆弾アクションをぜひご堪能あれ。地下迷宮を脱出し、人間になろう!