≫東北大学加齢医学研究所 川島隆太教授監修 ものすごく脳を鍛える5分間の鬼トレーニング |
■発売元:任天堂 /
■開発協力:インテリジェントシステムズ /
■ジャンル:脳活性化ソフト /
■CERO:A(全年齢対象) /
■定価:3,619円(税別) ※パッケージ、ダウンロード版共通
◆公式サイト
≫東北大学加齢医学研究所 川島隆太教授監修 ものすごく脳を鍛える5分間の鬼トレーニング(任天堂公式サイト)
© 2012 Tohoku University / Nintendo
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▼Information
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■プレイ人数:1人 /
■セーブデータ数:4つ /
■3D表示:あり /
■消費ブロック数:1580ブロック以上(※ダウンロード版)/
■その他:すれちがい通信対応、インターネット対応 /
■推定クリア時間:40日(エンディング目的)、無制限(完全攻略目的)
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人間の『知能』は、『結晶性知能』と『流動性知能』に分類される。
『結晶性知能』は知識の正確さ豊かさ、その知識を運用する能力を示しており、『流動性知能』は新しい場面に適応したり、これまで経験した事が無い問題を解決したりする時に働く知能で、生まれつきの能力を示している。
いわゆる「頭が良い」というのは、流動性知能が高いことだと考えられ、その本質となるものが『ワーキングメモリー(作動記憶)』であると考えられており、最近の研究でこのワーキングメモリーを鍛える事によって、流動性知能が高くなる可能性が示されている。流動性知能が高くなれば、新しい局面に直面した時でも、適切な行動が取れるようになると考えられている。
脳の機能低下だけでなく、脳機能の向上も目指したいというそこの貴方。
ものすごく強力な『鬼トレ』で、もっともっと脳を鍛えてみませんか?
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▼Pros cons Pick up
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--- Good Point ---
◆集中力、抑制力など、日常生活で役立つ能力の向上が期待できる新トレーニング「鬼トレ」
◆正解率の推移によって難易度が変わる、理にかなった「鬼トレ」のバランス調整
◆過去作のトレーニングほぼ全て網羅した、「鬼トレ補助」と「脳トレ」のラインナップ
◆ゲームっぽさ全開な上、脳機能の向上も保障されている魅力的な「脳トレ」の新トレーニング
◆新しいゲームに「音楽鑑賞」なるものの追加など、ボリュームアップが図られた「リラックス」
◆フルボイス仕様になり、リアクションも増して、キャラクター付けが濃くなった川島教授
◆前作の豆知識に留まらず、「脳講座」に「脳ニュース」と多彩になった教授イベント
◆実績こと「賞状」を始めとするやり込み要素の強化で、さらに充実した全体のボリューム
◆成績交換、東北大学へのトレーニングデータ送信など、新たな楽しみが加わった通信機能周り
◆メニュー全般のボタン操作対応により、より快適性が増した操作周り
◆半永久的にトレーニングを継続可能にした365日の日数制限システムの廃止
◆前作ベースながら、見栄えをよくする改良が施されたグラフィック
◆学校っぽい楽曲が増え、雰囲気が一新された音楽(そして「リラックス」の「音楽鑑賞」では……)
◆ダウンロード版との相性の良さ(パッケージよりもこちらがおすすめ)※2023年4月現在、販売終了
--- Bad Point ---
◆鬼トレのプレイ時間を引き延ばし、テンポ悪化の要因になっているフルボイス仕様の川島教授(タッチ・ボタン長押しによる早送りは可能だが、会話そのものは完全にカットできない)
◆縦持ちから横持ちになり、若干、文字が描き難くなった感も否めない操作性
◆6匹から7匹にかけての難易度上昇が極端過ぎる「鬼ネズミ」
◆他のトレーニングよりも抜きん出て文字認識精度が悪い「時間計測」
◆時折、難読漢字が出題されるなど、設定ミスが散見される「漢字書取」
◆出題される漢字が全体的に極端で、バランス調整の甘さが出ている「漢字宇宙」
◆階層式に刷新され、逆に使い勝手が悪くなった「名曲演奏」の選曲画面
◆東北大学へのデータ送信が行われるたびに更新が実施される「賞状一覧」
◆やや演出的にイジり過ぎな感も否めない川島教授(特に「脳講座」の下り)
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▼Game Overview
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◇「ゲーム人口の拡大」「ゲームの定義拡大」を名目にニンテンドーDSで展開されたゲームソフト『Touch!Generations(タッチジェネレーションズ)』のひとつ、『脳を鍛える大人のDSトレーニング』シリーズの最新作。一部、トレーニングゲームの開発で『ファイアーエムブレム』、『ペーパーマリオ』シリーズで知られるインテリジェントシステムズが参加。
◇過去作同様、東北大学加齢医学研究所教授・川島隆太氏監修による脳機能向上を促す多彩なトレーニングゲームをプレイし、脳を鍛えていくという内容。タッチペン主体の操作スタイル、日ごとのトレーニング成果がカレンダーに記録されていく機能などのシステム周りや特徴もこれまでのシリーズを踏襲している。
◇新たに「鬼トレ」なる「ワーキングメモリー」(作業記憶)を鍛えることを目的に掲げるトレーニングが登場。全8種類。いずれも脳に強い負荷を与える作りで、日々繰り返すことによって仕事・勉強の効率アップ、状況判断能力、集中力、抑制力の向上が期待できるとされる。ただし、強い負荷がかかるなりに難易度は非常に高く、5分間続けて取り組まなければならない。そして、これらのトレーニングは1日1回しかプレイできず、終えるとロックがかかる。これは長時間(1時間以上)を超えてプレイすると、逆に脳機能の低下を招くという実験結果に基づく対策。そのため、8つすべてをやっても1時間は超過しないようになっている。
◇今までのトレーニングは「鬼トレ補助」「脳トレ」というカテゴリに分けられた。収録トレーニングのラインナップはDSで発売された前2作、DSiウェアで配信された『ちょっと~』から厳選したものになっている。一部、新規トレーニングもある。また「リラックス」のカテゴリが設けられ、『Dr.マリオ』を基にしたパズルゲーム「細菌撲滅」のほか、「脂肪爆発」と「音楽鑑賞」が新たに追加されている。「脂肪爆発」は『ワリオの森』を基にしたパズルゲーム、「音楽鑑賞」はそのまんま音楽を聴くというもの。
◇通信面では「すれちがい通信」に対応し、「鬼トレ仲間」なる他のプレイヤーとのトレーニングデータ交換による非同期型タイムアタック・スコアアタックが楽しめるようになった。また「いつの間にか通信」に対応し、ONにしていればトレーニングデータが定期的に東北大学の加齢医学研究所へと送信されるようになる。ほかに細かい面では川島教授がフルボイスで喋るようになった。ただし、声は川島教授ご本人ではなく、本人の声質に比較的近いプロの声優によるもの。
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▼Review
≪Latest Update :4/9/2023 | First Publication Date:4/3/2016≫
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「鬼トレ」が文字通り「鬼トレ」で、脳が強く刺激される稀有な体験が楽しめる1作。
また、『脳トレ』シリーズとしては、まさに集大成とも言える内容。
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「鬼トレ」はレベルアップに応じ、難易度が自動的に調整されるシステムが特に素晴らしい。トレーニングごとに異なるが、基本的に正解率が84%以上、あるいは全問正解を達成するとレベルが上昇。難易度が上がる仕組みになっている。逆に正解率が65%以下、全問不正解だと難易度が1つ下がる。
そのため、「鬼トレ」ではなるべく高い正解率(回答結果)を達成し、レベルの限界を目指していくことになる。この力試しとも称される過程が絶妙で、レベルの上下というわかりやすい変化も相まって、夢中になって取り組んでしまう面白さがある。
また、力量に応じて難易度が変わるため、苦痛も感じにくく、楽しくトレーニングに没頭できる。とは言え、トレーニングが苛烈ゆえ、プレイ中は脳が悲鳴をあげるようなことになるが。ただ、難易度の高いレベルを延々とやらされることがないので、滅入ってしまうことはない。何より力量に応じて変化が生じるので単調さもなく、刺激を感じながら取り組める。これが難易度の高いトレーニングに5分間、縛り続けられるものだったら苦行になっていたのは間違いない。そうした難点を踏まえ、こうした仕組みを採用しているのは非常に理にかなっている。難易度が自動的に調整され、プレイヤー側がそれに従わざるを得ないというゲームならではの制約とそうした表現が可能な強みが活かされているのも秀逸だ。
過去のシリーズでも、ゲームならではの強みは各種トレーニングで発揮されていたが、今回の新作でもそれはきちんと継承。脳の活性化を促すトレーニングソフトでありつつ、ひとつのゲームでもあるという開発スタッフのこだわりが炸裂している。
継続による効果も悪くない。筆者の場合、続けたことで集中力が向上した実感はあり、主に、データ入力などの事務作業でその恩恵が現れた。複数の作業を同時にこなすこと、優先順位を考え行動するのもトレーニング開始前に比べてできるようになったと思う。ただ、抑制力が高まった実感はない。その証拠に積んでいるゲームのことを踏まえず衝動買いに走っては、その数を増やす悪癖は全くもって変化がない。気になるニュースに飛びついてしまうのもまた然りだ。ヘッポコでごめんなさい。
ただ、筆者はこうでも別の人は逆に抑制力が高まる可能性もあり得るので、本当に個人差はある。なので、過信は禁物。ただ、集中力に関しては程度の差はあれど、確実に高まるように思うので、やるにこしたことはないかもしれない。
「鬼トレ」以外の「鬼トレ補助」、「脳トレ」のシリーズ集大成感も凄い。特に「脳トレ」は川島教授と陣取り合戦を行う「陣取対局」、まがうことなきソリティアの「札番増減」など、「それってトレーニングなの?」とツッコミたくなるラインナップ。しかも驚くべきことに、これらすべて老化防止に効果ありと川島教授によって検証済み。このため、2作目の『もっと~』で、トレーニングそっちのけで「細菌撲滅」にハマった人にとって、「脳トレ」は辛抱たまらない内容と言えるかもしれない。
タッチペン、タッチスクリーン、マイク、2画面といったDS(3DS)のハード特性を活かしたゲームデザインも健在。また、本作はダウンロード版もあるが、これが日々継続してプレイする本作との相性がバツグンによい。同じ魅力はDSiウェアの『ちょっと~』にもあったが、本作でもそれが見事に継承されている感じである。
グラフィックもメニュー画面が少し豪華になるなど、全体的に見栄えがよくなっている。音楽も学校っぽさを感じさせる楽曲が増えているのが印象的。また、「リラックス」の「音楽鑑賞」には複数のオリジナル楽曲が用意されているのだが、これが名曲の宝庫。他のゲームで流れても違和感がない、と本気で思ってしまうぐらいに強烈なものが揃っているので要チェックである。
川島教授によるミニコーナーが突然始まったりなど、どことなくNHK Eテレの教養番組っぽい演出が増えているのも見所。川島教授をイジるネタも炸裂するのだが、やや過激なギャグが挿入されるのは賛否が分かれるかもしれない。憶測にすぎないが、そのままということは川島教授ご本人の許可を得ているのかもしれないが、個人的に鉄アレイの”アレ”はどうなのかと思う。
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気になる所では、ほかに「鬼トレ」の所要時間の長さがある。5分という設定だが、実際は川島教授のフルボイスによる語りが挟まれる所為で、それ以上の時間がかかるようになっている。一応、早送り機能は備わっているが、語りそのものの完全なカットは不可能。そういうオプションがあれば良かったのだが、ないのが本当に惜しい。
操作周りでも、過去作の本体縦持ちから横持ちに改められたが、その所為で文字がやや書きにくくなっている。30台の数字が認識されにくいなど、精度にも少し難がある。特に「時間計測」はここだけ別のシステムで組まれているのかと疑ってしまうほどに誤認識が生じやすい。他に計算トレーニング、漢字の書き取りで登場する「消す」ボタンもやり込んでいくうちに小さいと感じてきて、思い通りに消せないストレスに見舞われたりすることがある。もう少し横に引き延ばしても良かったかもしれない。
ただ、キーレスポンスの良さは過去作譲り。今回はメニュー全般がボタン操作に完全対応して、だいぶ使いやすくなっている。スタートボタンによる中断も、トレーニング終了間際の凡ミス時で効くようになったのも地味にうれしい改善点である。
至らない箇所も多少あるが、全体的にシリーズ集大成なボリューム、強力過ぎる「鬼トレ」が異彩を放つ。ゲームとして遊べる部分も強化されたりなど、より魅力的な作りへと変貌を遂げた本作。前作を楽しんだ方はもちろん、ニンテンドー3DSをお持ちの方ならば要プレイの傑作だ。日々起動し、己の限界を突き詰めてみよう。おすすめ。
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