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≫東北大学加齢医学研究所 川島隆太教授監修 ものすごく脳を鍛える5分間の鬼トレーニング
■発売元 任天堂
■開発元 インテリジェントシステムズ(※『陣取対局』のみ)
■ジャンル 脳活性化ソフト
■CERO A(全年齢対象)
■定価 パッケージ版:3619円(税別)、ダウンロード版:3619円(税別)
■公式サイト ≫こちら / ≫商品&購入ページ
▼Information
■プレイ人数 1人
■セーブデータ数 4つ
■3D表示 あり
■消費ブロック数 1580ブロック以上(※ダウンロード版)
■その他 すれちがい通信対応、インターネット対応
■総説明書ページ数 19ページ(※電子説明書)≫Web版はこちら(※PDF注意)
■推定クリア時間 40日(エンディング目的)、無制限(完全攻略目的)
人間の『知能』は、『結晶性知能』と『流動性知能』に分類される。
『結晶性知能』は知識の正確さ豊かさ、その知識を運用する能力を示しており、『流動性知能』は新しい場面に適応したり、これまで経験した事が無い問題を解決したりする時に働く知能で、生まれつきの能力を示している。
一般によく言われる「頭が良い」というのは、流動性知能が高いことだと考えられ、その本質となるものが『ワーキングメモリー(作動記憶)』であると考えられており、最近の研究でこのワーキングメモリーを鍛える事によって、流動性知能が高くなる可能性が示されている。

脳の機能低下だけでなく、脳機能の向上も目指したいというそこの貴方。
ものすごく強力な『鬼トレ』で、もっともっと脳を鍛えてみませんか?
▼Points Check
--- Good Point ---
◆効果に個人差はあれど、集中力、作業効率、抑制力など、日常生活において大いに役立つ能力の向上が期待できる新トレーニング『鬼トレ』
◆プレイヤーの正解率の推移によって難易度が変更される、適切且つ、理に適った調整が施された『鬼トレ』のゲームバランス(この配慮のおかげで、程好い刺激を受けながらプレイできる)
◆過去作のトレーニングほぼ全て網羅した、『鬼トレ補助』と『脳トレ』のラインナップ
◆ゲームっぽさ全開な上、脳機能の向上まで保障された驚きの『脳トレ』の新トレーニング
◆新しいゲームに『音楽鑑賞』なるものの追加など、ボリュームアップが図られた『リラックス』
◆フルボイスで喋るほか、リアクションも倍増し、更に魅力的なキャラクターへ進化した川島教授
◆従来の豆知識のほか、脳講座に脳ニュースなど、より多彩になった教授イベント
◆トレーニング総数の倍増だけでなく、実績こと『賞状』に『鬼トレグレード』と言ったやり込み要素も多数追加され、更に密度の増した全体のボリューム
◆すれちがい通信による成績交換、インターネットのいつの間にか通信による東北大学へのトレーニング結果送信機能など、大幅な強化が図られた通信機能
◆ボタン操作に対応した範囲が広がって、より使い勝手が増した操作性
◆半永久的にトレーニングをやり続けられるようになったのが有り難い、365日の日数制限撤廃
◆前作をベースにしながら、見栄えを良くする改良が施されたグラフィック
◆少し学校っぽさのある作風に改められた音楽(そして、リラックスの『音楽鑑賞』では知育ソフトらしからぬ名曲が…)
◆ダウンロード版との相性の良さ(パッケージよりもこちらを買った方が遥かに快適!)
◆随所に仕込まれたツッコミ所満載の小ネタの数々(特に鬼と化した教授の挙動は必見)

--- Bad Point ---
◆鬼トレのプレイ時間を必要以上に引き伸ばすほか、早送りはできても完全にカットできない仕様が煩わしい川島教授のフルボイスによる語り(ボイス自体はオプションで消せるが、語り自体は完全に消せない)
◆縦持ちから横持ちになり、若干、文字が描き難くなった感も否めない操作性
◆六匹から七匹にかけての難易度上昇が極端過ぎてバランスが悪い『鬼ネズミ』
◆他のトレーニングよりも抜きん出て文字認識精度が悪い『時間計測』
◆出題される漢字が極端過ぎるなど、ゲームバランスの練り込み不足が目立つ『漢字宇宙』
◆難問でないのに難読漢字の問題が出題されるなど、問題選出に難ありの『漢字書取』
◆階層式インターフェースに刷新され、逆に使い勝手が悪くなってしまった『名曲演奏』の選曲画面
◆東北大学への送信が行われる度に更新が行われる『賞状一覧』(送信が完了した事のサインの役割を果たしているが、度々、マークが付くのが少しウザったい)
◆やや演出的にイジり過ぎな感も否めない川島教授(特に脳講座の下りは…)
▼Review ≪Last Update : 4/3/2016≫
3DSになって、手が生えました。

念の為ですが、破壊できません。レーザーを撃つ事もありません。


ゲームの定義拡大を名目に、ニンテンドーDSでリリースされた『Touch!Generations(タッチジェネレーションズ)』シリーズの第三弾にして、日本を問わず、世界中で脳トレブームを引き起こした大ヒット作『脳を鍛える大人のDSトレーニング』シリーズの最新作。過去作同様に東北大学の川島隆太教授が監修。更に一部トレーニングゲームの製作で、『ファイアーエムブレム』シリーズなどで知られるインテリジェントシステムズが関わっている。

シリーズ総決算のボリュームと苛烈な新要素で送る、やり応え抜群の新しい脳トレだ。

過去作同様にゲーム内容は脳活性化ソフト。東北大学加齢医学研究所教授・川島隆太氏によって監修された、プレイヤー自身の脳機能向上を促す多種多様なトレーニングゲームをプレイし、脳を鍛えていくというものである。
基本的なプレイスタイルもこれまでと同じ。一日一回、少しの時間でも良いのでトレーニングを習慣的にプレイし、その記録をカレンダーに付けていく。だが、肝心のゲーム内容及びコンセプトは過去作から大きく一変。概略の通り、今作はプレイヤー自身の脳機能向上を促すのを目的にした脳活性化ソフトとなっている。過去作は基本的に「脳機能低下の防止」のを目的とした脳活性化ソフトで、要は老化防止を目的とするものになっていた。対し、今作はそれに加え、脳機能向上もフォローする脳活性化ソフトになった。言うなれば、若返りの効果も期待できるソフトへと発展しているのである。
その脳機能向上を目的に、今作では『鬼トレ』なる新しいトレーニングを収録。これは過去作のトレーニングと異なり、『ワーキングメモリー』、またの名を『作業記憶』を鍛えるのを目的にしたものになっている。『ワーキングメモリー』とは、情報を一時的に脳内に保ち、その情報を操作し利用する事を含む、一連の記憶の過程を現したもの。これが優れている人ほど、複数の作業を同時にこなしたり、状況に応じた適切な判断が下せるとされている。そして、実際にそれを鍛える事により、仕事や勉強の効率アップ、スポーツにおける判断力の向上と言った効果が期待できるという。更に集中力、抑制力の向上も期待でき、周囲が騒がしい中で集中して作業に取り組めたり、ダイエット等の食事制限を行っている際の誘惑に負けない気力の強化も望めるとされている。こうした『ワーキングメモリー』の強化を図る名目で、今作は『鬼トレ』なるものを実装。言うまでもなく、過去作のトレーニング以上に強力で、脳機能低下に悩むプレイヤーにとってはまさに希望の星と言わんばかりの魅力的なものが新規に実装されているのだ。
しかし、上手い話には裏あり。というのも、その強力さ故にトレーニングの難易度は非常に高い。順に出題される簡単な足し算、引き算の問題を覚え、前に出題された問題の答えを書いて行ったり、複数の文章を声に出して読み、下線が引かれた言葉を一つずつ覚え、最後にその全てを書き出すなど、まさに人の脳機能の限界に挑むかの如き内容になっているのである。そして、このトレーニングを5分間、続けなければならない。プレイヤーのスキルを問わず、5分間やらなければならないのだ。過去作のトレーニングは如何に早く問題を解けるか、或いは高得点を出せるかというタイムアタック、スコアアタックの要素を推し出した作りだった為、非常に対照的。トレーニングの言葉に相応しい、頭に「ガツン」と来るものになっている。また、この鬼トレは一日一回しかプレイできず、一回やり終えてしまうとロックがかかってしまう。これまた過去作のトレーニングとは異なり、繰り返しプレイを推奨していないのである。何故、このようにしているのか。それは実際の実験で、長時間プレイすると逆に脳の機能が低下してしまう事が証明されたというだけでも、お察しできるだろう。逆に悪影響を与える恐れがあるからという名目でこのような縛りを設けているのだ。まさに鬼の名に相応しいトレーニングと言ったところ。併せて、強力故に機能向上が期待できる、説得力の高さを持ち合わせた作りになっている。
なお、『鬼トレ』は全部で八種類。最初は先に挙げた計算問題の記憶と解答が求められる『鬼計算』しか選べないが、カレンダーのハンコを増やしていくにつれ、他のトレーニングが解禁されていくようになっている。この仕組みは過去作を踏襲。プレイヤーの慣れに応じ、トレーニングの幅が広がっていくスタイルは今作にも健在だ。更に『鬼トレ』以外にも、今作には『鬼トレ補助』、『脳トレ』なる二つのトレーニングが収録されている。前者はその名の通りに鬼トレの補助、ワーキングメモリーの処理速度を鍛えるトレーニングを集めたもの、後者は脳自体の老化防止を目的としたトレーニングを集めたものになっている。いずれも過去作のタイムアタック、スコアアタックに特化したトレーニングで、そのラインナップもDS版の二作、DSiウェア版の二作に収録されていたものを厳選した形となっている。ある意味、シリーズ総決算。これまでの脳トレのトレーニングをまとめてしまったかのような、お得感も滲み出たトレーニングになっている。
また、『もっと脳を鍛える〜』より登場した、脳を休めるミニゲーム『細菌撲滅』も収録。新規に設けられた『リラックス』のカテゴリのゲームの一つと、少しだけその立ち位置が新しくなっている。更に新ゲームとして、『脂肪爆発』と『音楽鑑賞』なるものまで追加。もはや一つのゲームと見ても何ら不思議ではないほど、ボリュームアップが図られている。そしてもう一つ、『集中時間測定』なるものまで収録。いわゆる過去作における『脳年齢測定』で、順に表示されるブロックの数を覚え、前に出題されたブロックの数を書いていく事をどれだけ長く続けられるかを測定する内容だ。脳年齢の測定と異なり、少しゲームっぽさ溢れるものになっているが、意外とその作りは侮り難く、鬼トレとの並行してプレイする事で、更なる集中力の強化まで期待できると言ったメリットもある。これもまた、一日一回しかプレイできない縛りが設けられている為、繰り返しプレイはできないが、やり始めた後の緊迫感と簡単そうで難しい展開は脳に強烈な刺激を与えること必至。サブ要素ながら、鬼トレ並に侮れぬ作りには上級者ほど度肝を抜く…かもしれない。
その他、『すれちがい通信』による『鬼トレ仲間』同士の対戦モードの実装に『いつの間にか通信』でプレイ記録を東北大学の加齢医学研究所へ送信するシステムなど、通信に絡んだ新要素も追加。加えて演出周りも強化され、案内役を務める川島教授が何とフルボイスで喋るようにもなった!とは言え、声は御本人ではなく、プロの声優が演じた物。ただ、過去作では効果音による語りだった川島教授が饒舌に喋るインパクトは凄まじく、見る者を圧倒させる。ゲームシステム周りからは少しかけ離れるが、そんなシリーズ経験者もビックリな強化も実施。見た目の面でも、これまでの脳トレとは異なる雰囲気を醸し出したものになっている。
このように過去作以上に強力な効果が期待できるようになったほか、中身も総決算と言えるぐらいにボリュームアップ。ますます持ってやり応えのある内容へと進化している。まさに究極進化系というに相応しい密度。これさえあれば、過去作は全て必要無くなると言っても良いぐらい、トレーニング後の効果と内容の充実ぶりが光る脳トレに仕上がっている。

そんな今作の魅力は例によって『鬼トレ』である。とにかく、脳に大きな負荷をかけて鍛えるトレーニングだけあってプレイ後の疲労感が凄まじい。そして、そんな作りであるが故、鍛えた後の効果も凄いトレーニングになっている。
特に秀逸なのが、レベルアップシステムによる難易度調整。先程の解説では省いたが、『鬼トレ』はどのトレーニングもまず、一定量の問題をこなす形で進めていく。問題の数は計算系であれば10問以上、記憶系なら2問という形で設定されていて、全ての問題を解くと、その結果として『正解率』が表示。この正解率が84%以上、或いは全問正解だとトレーニングのレベルが上昇。より難易度の高い問題に挑む事になるのだ。逆に正解率が66〜83%以内、または1問正解だとトレーニングのレベルが維持される。逆に65%以下だとレベルダウン。トレーニングの難易度が1つ下がってしまうのである。
このように『鬼トレ』では如何に高い正解率を獲得し、レベルを上げていけるかを目的にプレイしていく事になる。このプレイヤー自身の力試しとも言える過程が絶妙で、レベルの上下という明確な表現も相まって、のめり込んでプレイしてしまう面白さがある。更にプレイヤーの力量に併せて難易度が変わってくる仕組み故、プレイ時にそれほど苦痛を感じる事も無く、楽しくトレーニングに没頭できるのだ。楽しくとは言え、トレーニングの苛烈さもあって、プレイ中は脳が悲鳴を上げるのだが、高い正解率を維持できない問題を5分間、延々とやらされる訳でも無いので、単調さは皆無。何より、レベル上下のシステムがゲーム性を高めており、遊びとしても刺激が保たれたままプレイに集中できる。これが難易度の固定されたトレーニングだけを5分間続ける、或いはプレイヤー側で任意の難易度を設定してプレイするものだったら、ここまでのめり込める作りになどなってなかっただろうし、持続する気も失せていただろう。そういう難点を考慮し、難易度をプレイヤーの実力に応じて変化させる仕組みを採用したのは実に見事。そしてゲームという媒体の強み、難易度の自動調整と問題を解く事だけに集中すれば良い無駄のない操作性が活かされたものになっているのもさすがの一言だ。過去作もゲームならではの強みを活かす作り込みが各トレーニングにて炸裂してたが、今作でもそれを余す事無く継承。スコアアタック、タイムアタックの遊びをベースにしているなりのやり込み甲斐の深さもそのままで、古き良き時代のゲームの面白さもある。そこに『鬼トレグレード』なるランクシステムなど、昨今のゲームの最も熱くなる要素も加え、昨今のゲームらしい遊びも加えているのも秀逸の一言に尽きる。従来のトレーニングよりも苛烈で、脳が悲鳴を上げる作りではあったりするが、遊んでいて楽しいと思える感覚的な良さ、自身の実力に一喜一憂する面白さにこだわり尽したその仕上がりはまさに一種の芸術。ゲームである事を大事にする製作スタッフのこだわりには、本当に感銘を受けるばかりだ。
肝心のトレーニングを続けた事による効果もそれなり。筆者の場合は主に集中力が高まり、データ入力などの細かい事務作業に取り組むに当たってその恩恵が現れている。また、複数の作業を同時にこなすこと、優先順位を考えながら行動する事もトレーニングを始める前よりはできるようになった気がする。逆に抑制力はそんなに高まった印象が無い。その証拠にトレーニングを始めて以降も、積んでいるゲームの事を考えずに衝動買いに走り、その数を増やしてしまうという悪癖を炸裂させている。そんな具合に強化できると言っても、全くその効果が現れない所もあるので、効果は人それぞれ。本編で語られる全脳機能の向上が確実に見込まれる訳では無いので、過信は禁物だ。しかし、最低でも一つの効果は得られる。特に集中力に関しては、『鬼トレ』のどのトレーニングもそれを要する作りになっているので、最も向上が期待できる。なので、集中力を強化させたい思いが強い方なら、今作はやっておくに越したことは無い。少なくとも、そこについては保障できるので、是非、チャレンジしてみて欲しい。
鬼トレだけでなく、他の『鬼トレ補助』、『脳トレ』のトレーニングもシリーズ総決算だけあって、ボリュームが凄い。特に『脳トレ』が凄く、川島教授と陣取り合戦を行う『陣取対局』、ほとんどソリティア同然な『札番増減』、思いっきり『上海』な『二角消去』など、それトレーニング?と突っ込まざるを得ないラインナップになっている。しかも、実際に脳の老化防止に効果がある事が川島教授によって立証されているのだから驚くしかない。そんな明らかにゲーム同然なトレーニングで脳が鍛えられてしまうのも今作の売り。二作目の『もっと〜』でトレーニング以上に『細菌撲滅』にハマってしまった経験のある方には、ある意味、辛抱たまりまへんな内容と言えるだろう。
更に今作でも3DSのハード特有の機能をフル活用したゲームデザインは健在。タッチペンとタッチスクリーン、マイク、そして二画面を違和感なく使いこなした作りには、今作がDSあってのゲームという事を大いに実感させられるだろう。また、今作はパッケージ版以外にダウンロード版も販売されているのだが、これがまた毎日継続してプレイする今作との相性が抜群に良い。ソフトの入れ替えの手間なく、直に起動できる利便性もあって、気持ちよく継続的にプレイしていける。その快適さは、既にDSiウェア向けに配信された二作でも炸裂していたが、今作でもしっかりと活かされている感じだ。そんな供給媒体にしても、前作までの良い所を受け継ぐ徹底振り。さすがは総決算的な内容だけにあると言ったところだ。
とは言え、少し調整を誤った箇所も幾つか。特に『鬼トレ』の制限時間5分と言いながら、実際はそれ以上の時間がかかる内容になっている作りはちょっと腑に落ちない。具体的には鬼トレ中に川島教授の語りが入るのだが、これが地味に長く、プレイ時間の引き延ばしを招いてしまっているのだ。一応、ボタンかタッチスクリーンを押し続ける事で早送りできるのだが、完全なカットはできず、どうしても5分きっかりのプレイはできない。川島教授が喋るようになって演出は大幅に強化されはしたのだが、そうした事による弊害が露骨なまでに現れてしまっているのには苦笑いを禁じ得ない。せめて、丸ごとカットできるオプションが用意されていれば良かったのだが。そう言った配慮がされてないのが本当、惜しい限りである。

操作性も今作は過去作の縦持ちから、横持ちに改められたのだが、この影響で若干、文字が書き難くなった。特に個人差はあれど、計算問題で30台の数字が上手く認識されないなど、若干、怪しくなっているのは気になるところだ。しかも、『鬼トレ補助』の『時間計測』に至っては更に酷く、と書いたはずが6になったり、5と書いたはずが8になるなど、ここだけ別の認識システムを使っているのかと疑ってしまうほど。過去作も過去作で認識精度の怪しさは指摘されていたが、それが改善されないだけでなく、一箇所、明らかにおかしいものが紛れ込んでしまっているのにはさすがに練り込み不足だと言わざるを得ない。更にインターフェース周りもやや劣化しており、特に『名曲演奏』の楽曲選択は明らかに前作の方が良かったと思える出来。前作の時点で完成されたインターフェースを何故、スポイルしたのか。この辺の措置にも疑問を覚える。他に計算問題や漢字の書き取り等で登場する『消す』ボタンのサイズも、やり込んでいくと小さく感じてくる。ここは個人差によるが、もう少し横に引き延ばしても良かったのでは。ちょっとこの辺には検証の甘さが現れている感じだ。とは言え、キーレスポンスは抜群に良い。タッチペン一つだけで遊べ、テンポ良く反応してくれる作りは操作の気持ちよさに特にこだわる任天堂の作風が現れていて見事だ。
ボリュームもトレーニング総数のみならず、特定の条件を達成する事で賞状が貰える、昨今流行の実績機能的なやり込み要素も搭載されており、全てのトレーニングを解禁した後でも楽しめるようになっている。過去作は基本的に出し切ったら後はプレイヤーのやる気次第という放任主義な感じだったが、そこも今作では少し改善が図られている。
グラフィックも前作のものを少し綺麗にした程度とは言え、メニュー画面が少し豪華になるなど、全体的に見栄えが良くなっている。音楽も作風が少し変わり、如何にも学校っぽい雰囲気の曲が増えているのが印象的。更に新たに追加されたリラックスの『音楽鑑賞』だが、これがまたビックリするほど名曲の宝庫になっている。他のゲームで使ってもいいのでは、と本気で思ってしまうぐらいに強烈な曲が揃っているので、是非とも要チェックだ。

演出面も川島教授が喋る以外にも、新たに川島教授によるミニコーナーが始まるなど、NHKEテレの教養番組っぽい仕掛けも凝らされている。このミニコーナーがまた非常に面白く、ためになる話が満載で見応え十分。川島教授のいじりネタも炸裂するなど、ギャグ要素も満載なので必見だ。しかし、いじりネタは少し行き過ぎている印象も否めず。人によっては「幾ら何でも度が過ぎてないか…」とドン引きしてしまうかもしれない。
その他、前作をヘッドホンでプレイした際の難点でもあった『ロケット級』獲得時の効果音が静かになったり、カレンダーの日数制限が撤廃され、365日以降も記録を残せるようになるなど、改善が図られた箇所も多数。
至らない箇所も幾つかありはするが、全体的に脳トレの総決算と言うに相応しい圧倒的なボリュームと強力過ぎる『鬼トレ』が異彩を放つ内容に仕上げられている。単に脳を鍛えるだけでなく、ゲームとして遊べる部分も強化されたりなど、より魅力的なな作りへと変貌を遂げた今作。前作を楽しんだ方は勿論のこと、ニンテンドー3DSをお持ちの方ならば是非ともプレイして頂きたい、珠玉の傑作だ。特に毎日プレイする事を前提とした内容なので、買うとなればダウンロード版がベスト!日々起動し、己の限界を突き詰めてみましょう。お薦めです!
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