≫CODE OF PRINCESS(コード・オブ・プリンセス)
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■発売元 |
アガツマ・エンタテインメント |
■開発元 |
スタジオ最前線、リリースユニバーサルネットワーク |
■ジャンル |
アクションRPG |
■CERO |
B(12歳以上対象) ※暴力、性描写有り |
■定価 |
5800円(税別) |
■公式サイト |
≫こちら ※音が鳴ります |
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▼Information
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■プレイ人数 |
1人(通信プレイ時:2〜4人) |
■セーブデータ数 |
1つ |
■3D表示 |
あり |
■その他 |
ローカルプレイ対応、インターネット対応 |
■総説明書ページ数 |
38ページ |
■推定クリア時間 |
8〜10時間(エンディング目的)、70〜90時間(完全攻略目的) |
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世界には人と魔物が居た。
それらは拮抗し、共存していたのだが、ある頃より人が栄え始める。
幾多の時が流れ、人の繁栄に陰りが見え始めた。
何処からともなく現れた魔物達が多くの村々を襲い始めたのだ。
突然の事態により、人々は不安な日々を過ごすようになる。
そして巻き起こる、国を巻き込む大規模な反乱。
今ここに、『コードオブプリンセス』の物語が幕を開ける。
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▼Points Check
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--- Good Point ---
◆レベルアップ、育成と言ったRPG要素が演出するベルトスクロール方式のアクションゲームが初めての方でも手軽に遊べる敷居の低さと極め甲斐の深さが光る、秀逸なゲームデザイン
◆テクニックで攻めるも良し、力で押すのも良しの懐の広さが見事なゲームバランス(難易度設定)
◆主人公とその仲間達、ストーリー上のキーキャラクターに雑魚敵、挙句の果てには村人と言ったキャラクターまで操作でき、育成まで出来てしまう膨大にも程がある操作キャラクター数
◆それらのキャラクターを駆使して争えるワクワク感と挑戦的な試みが光るマルチプレイモード
◆攻撃技、操作感に至るまで徹底的な差別化が図られた各キャラクター達とその能力バランス
◆膨大なキャラクターとやり込み要素が演出する、極め甲斐抜群の圧倒的なボリューム(エンディングまでは短めと、手軽な構成になっているのもナイス)
◆ドット絵っぽいキャラクターの3Dモデルが異彩を放つ、個性強めなグラフィック
◆戦闘を始めとするあらゆる場面を大いに盛り上げてくれる、名曲揃いの音楽
◆トレジャーのゲームっぽさを引き立てる、(良い意味で)やかましくて質感抜群の効果音
◆フルボイスによる会話劇、重要な場面で挟まれるアニメムービーなど、抑える所はしっかりと抑える優れた演出周り(エフェクトに関しても、良い感じに派手)
◆無駄に濃くて印象に残る登場キャラクター達(特にレディ・ゾゾ)
◆濃過ぎるキャラクター達を演じる、豪華な声優陣達(聴き覚えのある声の持ち主が多数参加)
--- Bad Point ---
◆モッサリとした手応え、十字キー推奨な箇所など、褒める所がほとんどない操作周り
◆敵のみならず、味方側まで問答無用で巻き込む厄介な仕様と巻き込まれて復帰するまでの時間の異様な長さなど、全体的にストレス要因として機能してしまっている『誘爆』システム
◆誘爆が大量発生した際に生じる激しめの処理落ち
◆(悪い意味で)使い勝手の良過ぎる『バースト』(発動に使用するMPが成長し易い)
◆敵の全滅、ボス戦など、全体的にワンパターンで変化に乏しいクエストの内容
◆ネットスラングだらけで、苦手な人なら強烈な嫌悪感を抱きかねない残念過ぎるストーリー
◆ストーリー上で繰り広げられる、強引でしょーもなさバリバリなネタの数々(特にネットスラング周りは時代遅れ過ぎるだろ、と突っ込まざるを得ないほどに古臭くてきつい)
◆クエストは個別で管理、イベントが変化する要素は皆無など、十分に活かしきれていない複数のキャラクター達
◆要らなくなった装備品の売却が不可能という、理解し難い作りのショップ
◆次々と溜まっていく装備品の所為で選択の煩わしさが上がっていく、厄介極まりないに加えて作り込みが甘過ぎると言わざるを得ないメニューインターフェース
◆強弱が激し過ぎる感が否めないボスキャラクター達(特に十本木爆とラスボス)
◆やや癖の強めのキャラクター&衣装デザイン(特にソランジュのデザイン)
◆ラグの激しさ、同じ相手との継続した対戦が不可能であるなど、全体的に作りの甘さが際立つインターネット経由によるマルチプレイ(適当に入れてみた感が強い)
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▼Review
≪Last Update : 3/9/2014≫
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「ギャラクシーッ!!」
※悲鳴です。
かつてカプコンに所属し、後にフリーのデザイナーへと転身した西村キヌ氏が考案したフィギュアを原作に製作された完全新作タイトル。アガツマ・エンタテインメントとしては初となるコアユーザー向けのタイトルであり、開発はスタジオ最前線、リリースユニバーサルネットワークの二社が担当。主要スタッフは元トレジャーの面々で構成されている。
詰めの甘い部分の多さで良作になり損ねた、惜し過ぎる一本だ。
アクションRPGを呼称する今作だが、その詳細な内容はベルトスクロール方式を採用し、格闘、キャラクター育成を始めとするRPG要素を取り入れた、ミッションクリア型のアクションゲーム。主人公の王女ソランジュとその仲間達を操作し、迫り来る敵兵、強敵との戦闘を乗り越えながらストーリーを進めていくというものだ。
本編は『クエスト』と称されたミッションを攻略していく形で進行。主に敵の全滅、ボスの撃破と言ったものがほとんどで、ベルトスクロール方式、ミッションクリア型を特徴とするアクションゲームの御約束を抑えた内容で構成されている。
システム周りも奥、中央、手前の3つの移動ラインが敷かれたステージ、スライドパッド(十字キー)とワンボタンの組み合わせで発動するコマンド技など、ベルトスクロール方式の御約束をほぼ網羅。ただ、RPGを呼称している通り、それにまつわるシステムを多数実装。経験値取得によるキャラクターのレベルアップ、強化する能力を個別に選ぶ事ができるパラメータ割り振り、武器と防具の装備と言った育成、カスタマイズ要素があり、単にクエストを攻略していくだけでは終わらぬ、奥深い内容に仕上げられている。更に特筆すべき点として、今作は操作可能なプレイヤーキャラクターの数が膨大。主人公のソランジュ以外に6名以上の仲間がいて、それらの内の好きなキャラクターで本編を攻略していける。無論、キャラクターごとにレベル、装備は独立して管理されるので、それぞれのキャラクターをプレイヤーの好みに応じて育て挙げる事も可能。プレイ感覚にしても、素早い動作を得意とする者、通常攻撃が複数の敵を巻き込む技である者など、徹底的な差別化が図られているので、同じクエストでも選んだキャラクターによっては全然違う攻略法が求められてきたり、難易度自体が激変する事も。そんな沢山のキャラクターが居る内容特有のフィーチャーも豊富に盛り込まれており、純粋なベルトスクロール方式のアクションゲームとは一線を画す、非常にやり込み甲斐に富んだ作りになっている。
また、RPG要素を盛り込んだ内容故、バランス面での自由度も高め。先の通り、今作にはレベルアップがあるので、キャラクターを育てれば育てるほど、それまで容易に倒せなかった雑魚敵を一撃で仕留められるようになるなど、単にテクニックで攻め込む以外に力押しで攻める方法も残されている。その為、ベルトスクロール方式のアクションゲームが初めて、苦手という方にも優しい作り。まさにベルトスクロール方式のアクションゲーム入門編と言っても良い親切設計になっている。そのキャラクター育成も強化したいパラメータをプレイヤーが自由に割り振れるので、パワータイプにするか、打たれ強いタイプにするかも思うがまま。また、今作には『バースト』と呼ばれる、一時的に攻撃力を2倍に底上げする技があるのだが、これをより長い時間継続させる為、『MPゲージ(青ゲージ)』の量を増やして短期決戦型なキャラクターを作り上げるなんて事もできてしまう。さすがにゲームバランスの崩壊を招きかねない為、無限にまではできないが、そう言った力押しによる解決法が豊富に用意されている為、見た目以上にアクションゲームとしての敷居は低い。経験値稼ぎもクリアしたクエストをやり直すなど、変な縛りは無く、手軽にできてしまうので、堅実に強化してから挑むか、テクニック任せで突貫するかは基本的にプレイヤーの意志次第だ。それほどまでに攻略の幅は広め。如何にもRPG要素を取り入れたゲームならではの自由度の高さを売りとしたゲームデザインが成されている。
とは言え、腐ってもアクションゲームという事で、ボス戦ではガード、ライン移動などのアクションを駆使した立ち回りが求められてくるので、どんなクエストも押しで行ける訳では無く。雑魚敵もちゃんとコマンド技を決めていかないと上手く倒せない面子がいるなど、格闘要素を取り入れたゲームなりのテクニックも求められてくる。そんなアクションゲームの御約束もバッチリで、しっかり分かった作りになっている。他にも、アクション周りでは『誘爆』なるものがあり、敵を真横に吹っ飛ばし、それを他の敵にぶつける事で爆発が発生。更にそこにもう一人敵も居れば、それも巻き込んだ連鎖的な一撃を加える事もできるという、爽快な技も用意されている。爆発が連鎖的に発生した際のエフェクト、効果音も迫力申し分無しで、如何にもトレジャーのゲームらしい仰々しさが炸裂しているのも見逃せないところだ。
しかし、それ以上に見逃せないのは今作がほとんど『ガーディアンヒーローズ』である事なのだが。ここまでのあらましを見た経験者の方ならお分かりの通り、今作の内容は『ガーディアンヒーローズ』そのもの。その系譜に連なる新作と言っても良いほど、ソックリな箇所が目立つ作りになっているのだ。その為、元を知る人なら強烈な既視感を覚えること請け合い。一応、パラメータの割り振り、武器や防具の装備等、今作独自の要素もあるので、完全なコピーという訳では無いのだが、系譜に連なる新作だと言われても正直、無理は無いと言った感じだ。
ただ、携帯機で『ガーディアンヒーローズ』チックなベルトスクロール方式のアクションが楽しめるのはなかなか魅力的。RPG要素による自由度の高さ、幅広い育成周りなど、純粋にのめり込んでしまう要素が揃っているので、遊び応えは申し分無しだ。知る人なら強烈な既視感を、知らぬ人には新鮮な体験を。既視感強め、新鮮味が薄い所もあるにはあるが、一本のアクションゲームとしての個性は強く、独立した一作品として、十分に作られたゲームに完成されている。まさに不思議な面白さと見所に富んだ作品と言ったところだ。
だが困ったことに今作、その完成度はお世辞にも傑作、良作と言えるほどではない。豊富なRPG要素とキャラクター総数、バランス周りの自由度の高さなど、特筆すべき部分が多数ある内容ではあるのだが、とにかくツメが甘い。製作期間が足りなかったのでは、と邪推してしまうほど粗だらけな出来になってしまっているのだ。
特に粗が目立つのがゲームバランス周り。具体的には『バースト』、『誘爆』の二か所だ。
『バースト』に関しては、悪い意味で使い勝手が良過ぎる。『MPゲージ』が強化されれば使用時間が延びる、と先程に記述したが、そのゲージのレベルアップによる上昇が高く、あっという間に最大値である2000に達してしまうのである。しかも、『バースト』を使用する事で消費されるMPの量は100で固定。加えて発動した後、直に1回発動ボタンを押して終了し、再度発動して使えば大してゲージを減らす事無く、連続して使う事までできてしまうのだ。この為、どうしても戦術が偏ってしまう。おまけに後半に行けば行くほど、強めの雑魚敵を相手にする場面が増えてくるので、これに頼った攻撃を展開していかないと結構厳しい所がある。一応、レベルさえ十分なら、使用せずとも突破できる余地はあるのだが、仮にも形成逆転を狙う要素でありながら、この使い勝手の良さは少々行き過ぎ。戦闘が単調且つ、大味なものになる一因として機能している時点で、明らかに調整ミスと言わざるを得ない感じだ。せめて消費MPが上がるなどの手を加え、本当にここぞという時でしか使えないようにするとか、或いは後半の敵編成を見直すなり、手を加えていれば印象も変わっていたのだが、結果的にそういう工夫も無く、全体的に単に投入しましたで終わらせた、安直な仕上がりになってしまっているのが残念なところだ。逆に言えば、この使い勝手の良さ故に力押しで本編が進めて行ける余地があるのも事実なのだが、さすがに手慣れたプレイヤーでも頼らざるを得ない場面があるのは些か問題。調整的に難しいのかもしれないが、使っても使わずとも適切な歯応えが堪能できるように設定するなり、工夫を施して作って欲しかったばかりである。ある意味、救済処置のようなもののに、それが無いと手厳しい場面を用意するとか、さすがに作り込みが甘過ぎだ。
『誘爆』もアクションゲームの売りとも言えるキャラクターを操作する楽しさを著しく損ねる要素として機能してしまっているのが度し難い。というのもこの誘爆、巻き込まれるのは敵だけではない。味方、プレイヤー側もこの爆風に触れれば、問答無用で巻き込まれてダメージを受けてしまうのだ。おまけにガードを使っても防げない上、当たれば攻撃動作などは強制中断。強力な攻撃を受けた時と同様に吹っ飛ばされてダウンし、それから起き上がるまでは一切、動かせなくなってしまうのだ。単純に敵だけを巻き込むだけの仕組みなら、爽快感のある要素として機能していただろうに、味方側にまで当たり判定有りではストレス要因でしかない。実際、意図せず巻き込まれた際の不快感は半端無く、巻き込ませた今こそ攻撃のチャンス!…なのにそれを実行できないのには凄くイライラさせられる。おまけに巻き込まれて復帰するまでの時間も長いという始末。酷いとキャラクターを操作するより、誘爆に巻き込まれて吹っ飛ばされている時の時間が長かったりするほどだ。後述するが、今作には対戦プレイがあるので、それをよりハチャメチャなものにする狙いでこんな仕様にしたのかもしれないが、だとしても復帰までの時間の長さ、味方側まで巻き込む仕組みは如何ともし難い。一応、誘爆を防げる装備アイテムはあるのだが、そのせいで装備スロットが埋まってしまう為、気軽に装着できないのも厳しい。せめてシングルだけは敵のみにするなり、工夫はできなかったのだろうか。大量に敵を巻き込んだ際の爽快感、演出のハチャメチャさはなかなかなのに、調整を間違えたせいでストレス要因になってしまっているのは本当に勿体ないの一言。こんな問題故、アクションゲームの肝でもあるキャラクターを動かす楽しさに関しては今作、非常に劣っていると言わざるを得ない。
他に操作周りも粗だらけで、キャラクターの動きがやたらモッサリとしている為、単純に触っていて気持ちよくない。そして何よりも今作、十字キーで無いと動かし難い。スライドパッドでも動かせる事は動かせるのだが、高速移動(ダッシュ)、バックステップを行う際、二回素早く行きたい方向に入力しなければならないので、判定上の問題で十字キーが安定する作りになってしまっているのだ。その為、操作感的には凄くぎこちない。また、ワリと激しい操作が求められる場面もある為、指を痛め易いというのも致命的過ぎる。元々、二回入力自体はベルトスクロール方式のアクションゲームならではのものなので、導入する事自体は間違ってはいない。しかし、その操作を求めるのが酷なのは、3DSというハードを見れば一目瞭然の筈。それなのに十字キー操作を導入し、そちらでなら安定する作りにしたのは愚の骨頂と言わざるを得ない。スライドパッドでも安定して動かせるよう、別のボタンに割り振るなり、幾らでもやり方はあっただろうに何故、こんな操作を起用してしまったのか。本当に作り込み、想定が甘過ぎる。
これ以外にも装備品が売却できず、物が溜まれば溜まるほど選択が面倒になってくる劣悪なメニューインターフェース、敵の全滅メインで単調な構成のクエストなど、挙げればキリが無い。完全新規の作品だから仕方が無い、と言われてもさすがに今作の粗の多さは限度を超過しており、擁護できたものではない。多彩なキャラクターを動かせ、育成できるなど、魅力的な要素が多々あるのに細かい作り込みが雑。加えて、アクションゲームの肝まで盛大に外すという始末。本当に製作に時間が無かったのでは、と透けて見える有様になってしまっているのが惨たらしいばかりだ。これでは先に世界観とストーリーを考え、ゲームは後から突貫工事でくっ付けたのでは、と言われても仕方が無い。実際、本当にそうやって作られたっぽい形跡が所々に見えるのだから、ますますどうしようもないのだが。『ガーディアンヒーローズ』のオマージュ作品、という事で知る人からにすれば、非常に魅力的なタイトルに移るかもしれない。しかし、実際の中身は突貫工事臭さバリバリの出来。単純に一本のアクションゲームとしても質の低い内容になってしまっている。遊べる内容にはなっているが、ストレスを感じさせる部分が多め。まさに惜しい一本と言わざるを得ない出来なのだ。
更に今作はストーリーも酷く好みの分かれる出来。内容自体は悪の帝国に攻め込まれ、国を追われた王女が祖国奪還を目指すという王道の内容なのだが、台詞を始め、所々で過剰なおふざけが炸裂しており、人によっては吐き気を催す嫌悪感を抱きかねない仕上がりになってしまっている。特にネットスラングの多用は限度を越えているに加え、ネタ的にも古いものがほとんどで、何が面白くてこんなネタを引っ張ってきたの、とシナリオライターのセンスの悪さを痛感させられるほど。本編での使い方も強引さが否めず、大半が空回りしてしまっているのだから、ますますどうしようもない。
ただ終盤など、シリアスな所ではネタを封じるなど、決めるべきシーンではしっかり決める作りになっているのはせめてもの救い。キャラクター周りも印象に残り易い面子が多く、中でもレディ・ゾゾことゾゾ子、名前からして既に突っ込み所満載の月影・シューティングスター之介、イカ娘ならぬイカ漢(おとこ)な十本木爆は必見だ。また、ストーリーのデモはフルボイスで展開されたり、シーンによってはアニメムービーが挿入されるなど、演出面はなかなか頑張っている。ボイスは出演声優も非常に豪華で、中でも先のゾゾ子を演じる大谷育江の演技はインパクト抜群、ポケモンのピカチュウ役を知る方々もビックリなものになっているので要チェックである。
グラフィック、音楽もなかなかの出来。グラフィックは3Dなのだが、何処となくドット絵っぽさを残した作りになっており、新しくも懐かしい香り漂う個性的なものに仕上げられている。ヌメヌメとした動作も、操作感的には不快感を演出してしまってはいるものの、見た目のインパクトは十分。特に大型の敵が見せる動きの数々は必見だ。
そして、音楽はこれぞゲームミュージックな印象深い楽曲が多数揃っており、戦闘を始めとする様々な場面を大いに盛り上げてくれる。特に公式サイトでも聴ける(三番を選ぶと流れる)今作のメインテーマとも言える楽曲は要チェックだ。
ボリュームもストーリーをクリアするだけなら10時間はかからないが、キャラクターごとの育成を始め、やり込み要素が大量に用意されているので、全てを極めるとなると相当な時間を必要とされる。また、キャラクターにしても今作、実はメインキャラクター以外に隠しで雑魚敵、村人なども用意されており、それらも育成可能という驚愕の要素まで盛り込まれている。更にそれらのキャラクターも使える対戦プレイまで用意されている徹底振り(しかも、インターネット対応)。そんな接待ゲームとしての側面を持っているのも、今作の売りの一つだ。
しかし、細かい部分のツメが甘いのに加え、人を選ぶ部分が大量にある為に傑作、良作になり損ねた惜しいゲームとして終わってしまっているのがもどかしい限り。先に挙げた欠点の数々さえ無ければ、最低でも良作に引き上げられていた可能性もあるだけに勿体ない。やり込めばキャラクター特有の個性、使いこなす面白さが見えてくるなど、良い所もそれなりにあるのだが、擁護できない量の粗の多さによって、素直に面白いとも言い難い出来になってしまっている今作。
正直、あまりお薦めできない一本だ。強いて言うなら、ネタ要素を好む人向け。アクションゲーム好き、『ガーディアンヒーローズ』等のトレジャー製ゲームが恋しい方は止しておいた方が良い。こう言う比較は良くないが、3DSでベルトスクロール方式のアクションゲームが遊びたいのなら、『閃乱カグラ』に行くのをお薦めします。爽快感を求めるのなら尚更だ。
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