≫タワー・ブロック
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■公開年月(日本) |
2012年8月21日 |
■監督 |
ロニー・トンプソン、ジェームズ・ナン |
■出演 |
シェリダン・スミス、ジャック・オコンネル、ラルフ・ブラウン、ラッセル・トビー、ジュリー・グラハム…(ほか) |
■販売元 |
東宝 |
■定価 |
3800円(DVD:税別) |
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▼登場ゲーム一覧
≪Last Up Date : 7/26/2015≫
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◆バトルフィールド3(※PC版)
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◆ストーリー概略
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第二次世界大戦後のイギリスで手頃な住居として建造されたタワー型アパート。だが、近年はスラム化の一途を辿り、犯罪の温床になるほどに荒んでしまっていた。特にその一つの『セレニティーハウス』では不動産業者が建て替えの為、住民を追い出すべく行動を起こしていたが、最上階に済む住民たちは引っ越しを完全拒否。膠着状態に陥っていた。
そんなある日、二人の暴漢に追いかけられた少年がセレニティーハウスの最上階へと逃げ込み、住民達に助けを求めた。だが、住民達は知らぬ存ぜぬの態度を取り、少年の求めを無視。そのまま暴漢に追い詰められた少年は、殴る蹴るの暴行を受けてしまう。その様子に耐え兼ねた住民の一人、ベッキーは廊下へと出て暴行を阻止しようとするが、逆に返り討ちに遭ってしまい、そのまま気絶して意識を失ってしまった。
結局、殴られた末に暴漢によって連れ去られた少年は死亡。後に警察が事件のあったセレニティーハウスへと捜査にやってくるが、ベッキーを始め、住民達は報復を恐れ、口を噤む姿勢を貫いてしまう。住民達から当時の状況を聞き出せず、犯人像をも絞り出せない事により、事件の捜査は困難を極め、いつしか捜査の規模も小さくなって行ってしまった。
そして、事件発生から1年後の土曜日の朝、ベッキーは前日のパーティで出会った男とベッドで目を覚ました後、窓際のテーブルで二人仲良く談笑していた。だが、突如、男の頭部に銃弾が命中。男はその一撃で頭部の一部が吹き飛び、即死してしまう。更に他の部屋でも同様の事が起こり、子供を含めた数人の死傷者が出る。廊下に集まった住民達は自分達が何者かに狙撃されている事に気付き、電話、インターネット回線で助けを求めようとするが、その回線全ては遮断され外への連絡は取れなくなっていた。加えて狙撃手が使用している銃には消音機が付けられている為、発射時の音が分からず、周囲に別の建物が無いので、周りの人々は異変に気付けない。挙句、セレニティーハウス内のエレベータも止められ、階段は外側。まさに四面楚歌の状況になっていた。この突然の事態にベッキーを始めとする住民達は、セレニティーハウスからの脱出を目指すべく、狙撃手の手が及ばぬ裏口を目指す。果たして、住民達は無事、生還できるのか。そして、彼らを無差別に付け狙う狙撃手の正体とは…?
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◆作品解説
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閉鎖空間に閉じ込められた住民達が、謎の狙撃手からの無差別攻撃に恐怖しつつ、脱出を目指す様子を描いたサスペンススリラー映画。2012年公開。日本では2012年8月21日にヒューマントラストシネマ渋谷で開催された『渋谷ミッドナイトマッドネス2012』において限定的に上映された。2013年にはDVDが東宝より発売。但し、限定上映となった作品故、英語音声+日本語字幕しか無い等、簡素な仕様になっている。また、Blue-Ray版は2015年現在も発売されていない。
監督はロニー・トンプソン、 ジェイムズ・ナンの二人が務め、脚本に関しては海外ドラマ『ドクター・フー』に携わった経験のあるジェームズ・モランが担当した。主人公のベッキー役はシェリダン・スミス、その他のキャストにジャック・オコンネル、ラルフ・ブラウン、ラッセル・トビー、ジュリー・グラハムほか。製作スタッフ、キャスト共にイギリスのテレビドラマに携わる面々が多く、日本ではほとんどが馴染みの薄い面子となっている。
ただ、住民の一人でチンピラのカーティス役を演じるジャック・オコンネルは『300(スリーハンドレッド) 〜帝国の進撃』でカリスト役を演じた俳優であったり、老夫婦の夫・ネヴィルを演じるラルフ・ブラウンは『エイリアン3』の刑務所副官アーロンを演じた俳優であるなど、知る人ぞ知るキャストはそれなりに出演している。
閉鎖空間を舞台にしたサスペンスという事で、ストーリーと設定は『ダイ・ハード(初代)』、『CUBE』、『オープン・ウォーター』等に近い。舞台設定も含めて最も近いのは『ダイ・ハード』だが、アクション要素はそれほど無く、どちらかと言うと謎の狙撃手に怯える住民達の恐怖をメインに描いた内容になっている。但し、住民達は建て替えからの退去勧告を無視し続けてきた人物というのもあってか、癖の強い面子がほとんど。自称用心棒のチンピラ、アルコール中毒の青年、子供に虐待を繰り返す母親、ギャンブル好きの父親、ネットゲームをやり続けている引きこもりの少年を持つ家族など、まともだと言い切れる人物が居ない。特にこの異常事態であっても笑ったりしながら行動し、時には非道な行いにも手を出すカーティスはその象徴とも言える感じである。人によってはその横暴ぶりに不快感を覚えるかもしれない。
本編は90分ほどと短めではあるが、次に誰が狙われるのか、どうやって脱出するのか、そして狙撃手が何者なのかと予測が付かない要素が立て続けに繰り広げられていく構成もあって終始、飽きずに見通す事ができる。
但し、短め故に登場人物一人一人の描写が不足気味、狙撃手のエイミング能力がチートレベル(カーテンを開けた瞬間、狙撃したり、僅か数センチ程度の対象物を正確に破壊したり…)であるなど、突っ込み所や作り込みの甘い箇所もチラホラ。(国内において)劇場公開が限定的だったのも正直、納得してしまうほど低予算臭が漂う仕上がりである。また、ストーリー自体も緊迫感こそあれど、住民達は主人公のベッキーを除き、暴漢に襲われて殺された少年を見捨てた過去があるので、ピンチに陥ってしまった状況下に対して共感し難いところがあるのも、人によっては好みが分かれるところ。そして肝心のオチ、狙撃手の正体にしてその動機にしても悪い意味で衝撃的。そりゃそういう行動に出てしまう気持ちにもなるだろうけど、だからと言って…と、その酷さには辟易してしまうかもしれない。総じて高層マンションに居る住民が謎の狙撃手に狙われるという基礎のアイディアを元に作られてしまっている感がどうにも拭えない出来。ドラマ性を求める方には正直言ってあまりお薦めできない作品だ。逆にスピード感のあるサスペンス映画を見たいという方ならそれなりの満足感は得られるかも…しれない。
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◆ゲーム登場場面
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住民達の一人、ダニーはネットゲーム中毒の少年であり、事件発生前においてそのネットゲームをプレイしている様子が何度か映し出される。彼がプレイしているゲームは『バトルフィールド3』。ちなみにPC版である。また、このゲームのプレイ経験を元に、ダニー自身がが狙撃手の扱っているライフルがPSG-1である事を推理するシーンもある。
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