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≫D.A.L.Y.L(ダリル)
■公開年月(日本) 1986年2月15日
■監督 サイモン・ウィンサー
■出演 バレット・オリバー、ジョセフ・ソマー、ダニー・コーキル、マイケル・マッキーン、メアリー・ベス・ハート、キャスリン・ウォーカー、コリーン・キャンプ …(ほか)
■販売元 RCAコロンビア・ピクチャーズ・ビデオ
■定価 ※情報不足により不明
▼登場ゲーム一覧 ≪Last Up Date : 3/17/2019≫
◆Atari 2600
◆Pole Position
◆Pitfall
(※他にAtari 2600のゲームが10個以上登場するが、確認困難により不明)
◆ストーリー概略
とある山中、一台の車がヘリコプターに追跡されていた。やがて車は追い詰められ、崖から転落して大破。しかしその直前、運転手は一人の少年を車から降ろしていた。名はダリル。過去の記憶を失った彼は、谷間の街の役所に勤務する男性ハーヴィに保護され、身元が判明するまでの間、児童保育センターに預けられた。

その後、里子を探していた建築技師アンディとジョイスの夫妻にダリルは引き取られる。子供のいない二人はダリルを歓迎。彼も程なくして、近所に住む少年タートルと友人となり、学校へと通うようになった。だが、彼は学業、スポーツ、さらにはゲームにおいて超人的な才能を発揮。ある日、行われた野球の試合ではホームランを難なく放つ八面六臂の活躍を見せ、新聞でも特集されるほどの注目を集めた。
常人離れしたダリルに対し、次第に不安を覚えるようになる養母のジョイス。そんなある日、彼の本当の両親を名乗る夫婦が現れる。話し合いの末、ダリルその夫婦に引き取られることになる。
そして、彼らの家へと向かうのだが、そこは陸軍の研究施設だった。

何故、夫婦はそのような場所へとダリルを連れ出したのか。そして、ダリルの正体とは?
◆作品解説


里子として引き取られた天才少年の活躍とその謎を描いたSFサスペンス・ファミリー映画。1985年6月14日にアメリカ、翌年の1986年2月15日に日本国内で公開された。日本語版には『秘められた大いなる謎を追って』というサブタイトルが付けられている。監督は本作の後に『フリー・ウィリー(1993年)』、『クロコダイル・ダンディー in L.A.(2001年)』などを手掛けた、オーストラリア・シドニー出身のサイモン・ウィンサーが担当。脚本はデビッド・アンブローズ、アラン・スコット、ジェフリー・エリスの三人。音楽は『スティング』、『007 私を愛したスパイ』でも同ポジションを務めたマーヴィン・ハムリッシュが手掛けた。主人公のダリルには、『ネバーエンディングストーリー』のバスチアン役を務めたことで知られるバレット・オリバー。養父のアンディ役には俳優でミュージシャン、さらには声優でもあるマイケル・マッキーン、養母のジョイス役には『ガープの世界(1982年)』のヘレン・ホルム役を演じたメアリー・ベス・ハート、そしてダリル本当の両親を名乗る男性のスチュアートを『ダーティハリー(1971年)』のウィリアム検事役を演じられたジョセフ・ソマーが起用されている。
ちなみにメアリー・ベス・ハートの他の出演作で『ブラックサイト』、ジョセフ・ソマーの他の出演作で『インベージョン』と言った作品が。いずれも本出演録にて紹介している作品だ。(※単なる余談です)

何故か一台の車がヘリコプターに追跡され、一人の少年を下した末、崖から転落して大破するという非常に意味深且つ、フックの強いオープニングから始まる本作は、ホームドラマにスポーツ、SFサスペンスという三つのジャンルを取り扱ったストーリーが最大の特徴。特に舞台を陸軍の研究施設に移してからの雰囲気の変わりぶりは凄く、常軌を逸した技術が次々と語られるのに加えて、メインキャストも軍人と研究者中心になるという、前半のホームドラマとスポーツが明後日の方向に消え去ってしまう展開が連続する。さらに終盤には逃亡劇、カーチェイスと言ったアクション映画も同然の場面が本編の中心に。もちろん、銃撃に爆発と言った相応の演出も描かれ、そのまま怒涛のエンディングに向けて突き進んでいく。そのことから、良くも悪くもギャップの激しさが強烈な印象を残す内容。本編前半のホームドラマが総じて穏やかな雰囲気で、ダリルの才能の謎が挟まれる展開も僅かに抑えられていることから、観る者を錯覚させ、後に激しい困惑へと誘うユニークな構成にまとめられている。いかにも複数人が脚本を執筆した作品と言った具合だ。
なお、具体的に前半と中盤、後半をどの脚本家が執筆しているのかは不明。ただ、全く雰囲気の異なる三篇が入っているから、分担で執筆しているのでは、と考えてしまう仕上がりになっている。

ただ、全く雰囲気の異なる三篇が入っているとは言え、ストーリーは”家族愛”を主題に置いた内容としてソツなくまとまっており、特にアンディとジョイスの夫婦、本当の両親を名乗る二人がダリルに対して寄せる思い、彼の幸せのために起こす行動の数々には人の心の温かみ、大切な人を守りたいと思いからくる強さというものを考えさせられる。脇を固めるキャラクター達もいい味を出していて、序盤にダリルの友人となり、後半でも身体を張った活躍を見せるタートルは必見。『007 私を愛したスパイ』でも劇判を担当された経験のある、マービン・ハムリッシュ氏による荘厳な音楽も、終盤はその真骨頂発揮と言わんばかりに各場面を盛り上げる。若干、ご都合主義な面も滲み出ているが、エンディングも晴れやかな気持ちに浸れるものになっている。ダリルの才能と関連した一つの設定に対する掘り下げが甘かったり、とある人物との別れがやや唐突で乱暴であるなど、雰囲気の違いを重視し過ぎたあまり、特に後半は粗削りな所が多々あるほか、そのダリルの設定に関しても使い古された感がある。ただ、それを含めても見応えは十分にある作品。起伏の激しい映画というものをお求めであれば、お薦めの一作だ。また、ちょっとだけネタバレになってしまうが、本作は2001年に公開されたSF映画『A.I』制作に当たって、監督のスティーヴン・スピルバーグが参考にした作品とも言われている。同作を観る前に本作を観ておけば、いつもとは違った視点で楽しめる……かもしれない。

なお2019年現在、本作はDVD、Blue-Ray共に未発売。ソフト化は1990年にコロンビア・ピクチャーズ・ビデオ(現:ソニー・ピクチャーズエンタテインメント)からVHSが発売された限りになっている。ネット配信版はYoutubeに存在するのだが、残念ながらこちら、日本語字幕・吹き替え共に非対応となっている。テレビ放送は過去、深夜枠、衛星放送枠で何度か実施されているが(※ちなみに筆者はNHK-BS2(現:BSプレミアム)で放送された際に鑑賞した)、頻度は低め。VHSに関しても本数が少ないことから、やや高めの価格で取引されているほか、視聴手段も限られてしまうので、これから観たいという方はテレビ放送の動向をチェックするのがベスト……かもしれない。現時点で本作に関する権利を所持しているとされる、NBCユニバーサルに要望を送るのも手だ。どちらも難易度激高だが…。
◆ゲーム登場場面
本編前半、ダリルがタートルと一緒にテレビゲームで遊ぶ場面があり、そこで『Atari 2600』と『Pole Position』が登場。また、後半の陸軍研究施設でも、アタリ2600のゲームを10個のモニターで同時に遊ぶ場面がある。いずれもモニターに小さく映し出される関係で、各ゲームの詳細は確認困難。ただ、『Pitfall』と思しきゲームは確認できる。
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